学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

101 おはぎ

 今日の給食は、「セルフおはぎ」でした。給食には行事食的なものがあり、春は桜餅であったり、秋はお月見団子であったり。今回も、お彼岸ということで、あんことごはんが別々について、自分でおはぎにして食べるという献立でした。そのままご飯にのせて、簡単おはぎで食べても良いということでしたので、私はそのようにして食べました。昼の放送でも、おはぎとぼた餅の話をしていました。春の牡丹からぼた餅、秋の萩からおはぎということで、呼び名は変われども、どちらも同じ物と紹介されていました。あんこの好みも人それぞれで、あの甘さが大好きな人もいれば、ちょっと苦手という人もいるようで。また、あんこも粒あんが好き、こしあんが好きと別れるようで。昼休み、校長室に顔を出して、ある子が私にすきなあんこを質問しました。「こしあん」と答えると、「私も」と言ってました。みなさんは、どちらですか。

 さて、先程紹介した萩ですが、萩は秋の七草の一つです。みなさん、春の七草と秋の七草、どちらも言えますか。結構、春の七草は知っている人は多いようです。

 「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、春の七草」

 しかし、秋は春に比べて、知名度は低いように思います。きっと、言い回しの語呂合わせが春のようにいい感じでないからかなあ、と昔から思っていました。そこで、私はオリジナルの秋の七草も言いやすい語呂合わせに作ってみました。

 「はぎ、おばな、ききょう、なでしこ、おみなえし、くず、ふじばかま、秋の七草」

 いかがですか。個人的に、結構いい感じだと思っていますが。

 春の七草はおかゆにして食することが出来ますが、秋の七草は見て楽しむ草花です。この中の「おばな(尾花)」は、ススキのことです。見た目が馬の尾の毛のように見えますね。私の父親は山形出身で、子どもの頃は、自然の中でいろいろ作って遊んでいたそうです。私が子どもの頃、父親は秋になると、このススキを取ってきて、ふくろうを作っていたのを思い出します。ススキの毛がフクロウの羽のように見えました。さて、この「尾花」が出てくるので有名なことわざがあります。

 「ゆうれいの 正体見たり 枯れ尾花」

 幽霊だと思っていたら、よく見たら、枯れたススキだった。つまり、恐れていたりすごいものだと思っている物も、実体はたいしたことがない場合がある、という意味です。みなさんご存じの「オズの魔法使い」のオズの正体も、次々に姿を変える、ものすごい大魔法使いかと思いきや、実体は、気球で飛んできたサーカスの腹話術師でしたしね。そういうことって、結構あるのではないでしょうか。

102 運動会練習

 10/10(土)の運動会に向けて、各学年の練習も始まりました。今年は、規模を縮小し、午前中のみの開催となります。各学年の種目も、内容・方法を検討し、例年行っているものとは、少し変えた形で行う物があります。例えば、綱引き。これまでは、学年がどんどん増えていって、最後は全校生で引っ張り合う形でした。しかし、今年は、人数が増えないよう、1・2年、3・4年、5・6年のブロックごとに2回ずつ勝負する形に変えました。しかし、形は変われども、赤対白のガチンコ勝負には変わりありません。このように、いろいろと工夫してますので、これまで同様、楽しい運動会になりそうです。どうぞお楽しみに。

103 野木沢スポ少ソフトボールクラブのみなさんへ

 この度は、県大会出場、誠におめでとうございます。
 まず、地区大会優勝という結果は、みなさんの頑張った結果であることは、間違いありません。ですから、自分たちの実力に、多いに自信を持って下さい。
 次に、県大会は、みなさんのように、各地区大会を勝ち上がった強豪チームが集まります。ですから、力と力のぶつかり合いの、厳しい試合になることは予想されます。
 もし、戦う二つのチームの実力が、ほぼ同じだったら、どうやって決着がつくと思いますか。私は、その二つのチームのうち、最後まであきらめないチーム、そして、全員が勝ちたいという思いの強いチームが、最後は勝利を手にするのだと思います。もし、たった一人でも、あきらめるような人がいるチームは、負けるのだと思います。
 ですから、試合に出る人はもちろん、試合に出ない人も、全員で、最後まであきらめず、全員で、勝ちたい思いを強く持って、一試合一試合、戦ってほしいと思います。
 そして、忘れてはいけないことがあります。それは、試合は、相手がいなければできないということです。つまり、試合に勝っても、相手がいたから勝つことが出来るのです。だから、忘れてはいけないことは、試合が終わったら、試合をしてくれた相手に感謝することです。感謝の気持ちをもつことです。素晴らしいチームとは、強いだけのチームではないと思います。素晴らしいチームは、相手のチームを認め、相手のチームに感謝の気持ちを持てるチームだと思います。どうか、それは忘れないで下さい。
 それでは、県大会でのみなさんの健闘を祈ります。頑張ってください。

104 陸上壮行会

 29日(火)鏡石町鳥見山陸上競技場で開催される、石川地区小学校陸上競技大会に出場する選手を応援するため、選手壮行会が行われました。選手の自己紹介の後、4年生の力強いかけ声と太鼓に合わせて、下級生全員で応援エールを送りました。

 今年の陸上大会は、規模縮小で、種目も走り高跳びとジャベリックボール投げが中止となりました。そして、出場選手も6年生のみとなりました。夏休み明けから、6年生のみなさんは、体育の時間や放課後、各種目の練習に取り組んできました。リレーの選手のみなさんは、朝も練習してきました。天候により、なかなか思うように出来ない日もありました。また、6校時の日は、放課後の練習時間も限られてしまいました。実際の競技場練習は1回だけ行けました。学校の校庭では、斜めに80mをとるのがやっとなので、100mの選手は直線でなく、校庭のトラックを使うしかありません。リレーの選手も、一周150mのトラックは、コーナーがきつくて、思うようなバトンパスの練習も難しい環境でした。それでも、6年生のみなさんは、校庭が使えない時は体育館で、練習時間が短くても集中して、これまで取り組んできました。

 6年生のみなさんにはお話ししましたが、この陸上競技大会の大きな目的は、自己ベスト記録の更新です。他校の選手と競い合い、入賞を目指しますが、それはあくまで結果であり、一番はこれまでの自分との戦いです。練習で身につけてきたことを全て出し切り、その上で、今までで一番いい記録を出すこと。そのために、必要なことは3つ。
 1つは、自分の競技に、集中すること。当日は周りにたくさんの人がいて、いろいろな声が飛び交います。そんな中で、いかに、自分の競技に集中できるかです。周りの選手やその様子に動揺することなく、自分の競技で全力を出し切ることだけに集中することです。
 2つは、緊張しすぎず、落ち着いて臨むこと。緊張しすぎると、身体に余計な力が入り、本来、自分の持っている力を十分に発揮できません。気持ちを落ち着かせ、いつもの平常心で臨むことです。
 そして、3つは、頑張る仲間を、全員で応援すること。選手は、競技中、孤独です。選手は、たった一人で戦うのです。だから、そんな時、仲間の全力の応援は、力になります。つらくて、くじけそうな時、仲間の声を聞くと、あきらめずに頑張ろうという気持ちになります。いろいろな学校が、多くの応援をしている中で、野木沢小の大応援を期待したいと思います。

 選手のみなさんが頑張る姿は、野木沢小全員の願いです。選手のみなさんがやりきった喜びは、野木沢小全員の喜びです。そして、選手のみなさんが、本気・全力100%で頑張る姿を、全員で応援しています。6年生のみなさんが、これまで頑張ってきた姿、そして、大会当日に最後まであきらめずに競技する姿、それらが、下級生にとってお手本となり、目標となるのです。
 当日、お出でになる保護者のみなさん、子どもたちへの応援をよろしくお願いします。また、駐車場など、事前にお知らせしたとおりですので、どうぞ御協力よろしくお願いします。

105 秋の全国交通安全運動実施中

 9月21日(月)から9月30日(水)までの10日間、秋の全国交通安全運動を実施しています。各御家庭からも、朝の交通指導に立ち番で御協力いただきまして、ありがとうございます。

 秋のスローガンは「夕暮れの 一番星は 反射材」です。

 9月も下旬になり、日が落ちるのが早くなりました。みなさんは、「釣瓶落とし(つるべおとし)」をご存じですか。釣瓶とは、井戸の水を汲むための桶のことです。井戸自体、最近では見られなくなりましたので、ちょっとイメージしにくいかもしれませんね。桶に縄などのロープがついていて、井戸の上の屋根に付いている滑車の仕組みで、桶を井戸の底に落として、水を汲み上げます。この桶を落とす時、桶自体に重さがあるので、桶はあっという間に、底の方に落ちていきます。この様子から、秋の日は、まだ夕方だと思っていたら、あっという間に暗闇になる例えに、「秋の日は釣瓶落とし」という言葉が使われます。

 今回の交通安全運動の重点の一つに、夕暮れ時と夜間の交通事故防止をあげています。まだ明るいと思っていても、あっという間に暗くなるのがこの時期です。歩行者は、夕暮れ時や夜間に外出する際は、運転者から発見されやすい明るい目立つ色の服装と、夜光反射材を身につけるよう、呼びかけています。帰りが午後4時を過ぎる中・高学年の児童は、特に気をつけてほしい内容です。また、運転者は、夕暮れ時、早めのライト点灯を呼びかけています。合わせて、よろしくお願いいたします。

106 第1回学校評議員会

 23日(水)今年度第1回の学校評議員会を開催しました。この学校評議員は、任期は1年で、主に学校運営や教育活動に対して、支援や助言をしていただく方々です。今年度は、この学校評議員の方々に加えて、さらに、学校運営協議会の委員の方々にも参加いただきました。この学校運営協議会は、今年度は試行で、今後、学校評議員会と一本化していく予定です。そして、学校運営協議会では、学校の運営に関して、御意見、支援のサポート、そして学校評価にも関わっていただくようになります。

 現在、小学校で子どもたちに指導している学習内容は、文科省で出している「小学校学習指導要領」に基づいています。この学習指導要領は、全国のどの公立学校でも、学校によって差が生じることなく、同じような教育を施すことを目的としています。10年ごとに改訂され、社会のニーズや時代の変化に対応するものになっています。今の小学校学習指導要領は、2020年4月、今年度から全面実施となっています。

 そして、前回の学習指導要領から改訂されたポイントのキーワードに、「社会に開かれた教育課程」というのがあります。簡単に言うと、学校教育は、社会との連携・協働していくということです。なんだ、そんなこと、これまでもそうだったのでは?と思われる方もいると思います。そうなんです。昔から、子どもの教育を、学校と家庭と地域が一体となって行う、というのは言われていました。だから、地域の方にゲストティーチャーで学校に来ていただいて、子どもたちに話をしていただいたり、教えていただいたりする活動は、よくありました。そういうことで、子どもたちの学びが広がったり深まったりすることをねらっていました。こういうことは、これからも大事に取り組んでいきますが、今後は、子どもたち自身が、地域社会に出て行き、社会とつながるような教育活動が期待されています。その地域と学校の連携を進めていくための核に、この学校運営協議会があります。

 今回の学校評議員会では、これまでの学校運営の概要や、今後予定されている教育活動について御説明し、いろいろと御意見をいただきました。やはり、話を伺って思ったのは、地域のことは、そこで生活されている地域住民の方々がよく分かっていらっしゃるということです。そして、こういう方々に、学校教育を、子どもたちを支えていただけることは、とても有り難いことですし、とても心強いことです。

 福島県教育委員会で示している「頑張る学校応援プラン」というのがあります。その中でも、「地域と共にある学校」が重点項目の一つです。そこには、県内でも、地域や家庭の教育力の低下や核家族の増加、地域コミュニティの希薄化・分断などが問題になっているということがあります。しかし、私は、ここ野木沢地区は、地域や家庭の教育力は高く、祖父母の方に子どもたちがしっかりと育てられている環境があり、野小っ子クラブや児童クラブ等、地域で子どもたちのお世話をする環境がある、とても恵まれたところだと感じています。そこには、昔から保護者やPTAを含む地域社会と学校が一体となって子どもを育てるという教育環境があるのだと思います。そして、これは不易です。これからも変わることなく、さらに連携を強めていくことが、野木沢地区の子どもたちの健やかな成長につながっていると確信しています。どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。

107 第28回野木沢地区防犯・交通安全運動「標語コンクール」優秀作品

今年の「標語コンクール」優秀作品は、次の作品です。

 野木沢青少年健全育成推進協議会長賞
  1年 永井丈嗣さん 「たのしそう でもそのよりみち してもいいのかな」

 野木沢交通安全協会母の会長賞
  2年 吉田陸人さん 「右左 しっかり見よう こうさてん」

 交通安全協会野木沢分会長賞
  3年 佐藤 歩さん 「ながらスマホ そのいっしゅんが じこになる」

 石川町消防団野木沢分団長賞
  4年 佐藤世菜さん 「小さな火 遊びで使うと 大きな火」

 野木沢区長会長賞
  5年 円谷由義さん 「町の人 ぼくらを守る パトローラー」

 防犯協会野木沢支部長賞
  6年 佐藤煌大さん 「ランドセルに 必ず付けよう 防犯ブザー」

 受賞したみなさん、おめでとうございました。

108 陸上大会から学ぶこと

 陸上競技は、孤独との戦いとも言えます。競技中は、誰も助けてはくれない。あんな大勢の中で、たった一人で戦わなければならないのです。今回、出場した6年生の子どもたちは、どんな思いで、その孤独に耐え、独りで戦い抜いたのでしょうか・・・・。

 今年の大会は、まさに「特別な大会」となりました。例年行われている走り高跳びとジャベリックボール投げの種目は、中止となりました。選手も、例年5・6年が出場していましたが、今年は6年のみとなりました。さらに、予選・決勝ではなく、全てのトラック競技は、決勝タイムレースとなり、組が違えども、予選のタイムで順位が決まることになりました。ですから、全員が本番一発勝負の大会でした。その一発勝負の本番で、それまで練習してきたことを、集中して、全て出し切れるかどうかが鍵となりました。

 そういう大会でしたが、6年生の子どもたちは、みな本当によく頑張りました。出場した全員が、最後まで本気・全力100%で競技に臨みました。そして、競技に臨む時は、サポートする子どもが付いてあげて、脱いだ運動着やシューズをテントまで運んでくれていました。きっと頑張れと声も掛け合ったことでしょう。その仲間の励ましを力に、どの選手も、最後まであきらめずに頑張れたのだと思います。そして、孤独に向き合い、耐えて、耐えて、最後まで頑張った子どもたちは、きっと覚悟を決めて臨んだのだと思いました。

 今回の陸上に限ったことではありませんが、私たち教師や保護者のみなさんは、子どもたちに指導や応援はできますが、その子どもに代わってあげることはできません。どんな指導を受けようとも、どんな応援を受けようとも、それでも最後は、子ども自身が、自らの心を奮い立たせ、自分の力で前に進むしかないのです。最後の最後は、子ども自身が、自分で決断して、勇気を出して一歩前に踏み出すのです。その瞬間、その子どもは大きく成長するのだと思います。結果は、あくまで結果です。それより、自分で覚悟を決めて、一歩前に踏み出したことがどれだけ素晴らしいことか。結果がどうだったなんて、実は些細なことなのです。どんな結果であろうとも、その子どもが頑張った結果ですから、それは全て100点満点花丸なんです。(次回へ)

109 陸上大会から学ぶこと(続き)

 それより大事なことは、子ども自身が、自力で前に進むことです。それこそ、本当の生きる力なのだと思います。私たち大人は、間違いなく、子どもたちより先にいなくなるのです。そうなった時でも、子ども自身が、私たちを頼ることなく、自力でちゃんと生きていける力を身につけさせることこそ、私たち大人がすべきことなのです。そのためには、私たちは指導や応援はするが、子どもが自ら前進しようとすることを邪魔しないで、温かく見守ることが大事なのではないでしょうか。私は、そう思います。

 そういう意味で、6年生の子どもたちは、この陸上大会を通して、一人一人、大きく成長したに違いありません。とても有意義な大会となりました。

 最後に、今大会で入賞した子どもたちを紹介します。

 男子100m      第1位 神山 翔さん    13秒52
 男子1000m     第3位 宇佐美皓大さん   3分28秒21
 男子1000m     第7位 岡田蒼ノ介さん   3分46秒01
 女子80mハードル   第5位 曲山ななみさん   17秒55
 男子4×100mリレー 第4位 56秒45
 (宇佐美皓大さん・神山翔さん・佐久間隼さん・草野勝斗さん・佐藤煌大さん)

 入賞されたみなさん、おめでとうございました。なお、今回、男子100m神山翔さんと男子リレーチームのみなさんが出した記録は、野木沢小の校内新記録です。素晴らしい記録に拍手を送ります。

110 令和2年度も半分過ぎました

 4月にスタートしました令和2年度も、半分が過ぎました。10月から後半がスタートです。正直、これまでの月日は、いろんなことがありましたが、早かったです。みなさんは、どうでしょうか。スタート早々、いきなりの臨時休校で、どうなることかと思った春。新型コロナウイルスの正体が少しずつ明らかになり、それでも、安全安心な学校生活を、探り探り進めてきた1学期。2学期に入り、感染リスクはゼロにはならない中で、保護者の方々に御理解と御協力を頂きながら進めてきた教育活動の数々。思うようにいかないことも多々ありましたが、総じて言えば、それでも、充実しながら日々過ごせてきたように思います。

 これから、後半戦。これから寒い時期を迎えるにあたり、心配されているのは、インフルエンザの流行。今のところ、例年より感染者は出ていないようですが、まだまだ予断は許さない日々が続きます。大事なのは、子どもたちの健やかな成長です。これからも、しっかり対策を講じながら、できる限り安全で健康な学校生活を送れるように、進めていきたいと思います。保護者の皆様にも、これまで同様、よろしくお願いいたします。

112 正体は「神蛇魚」

 この奇妙な生き物の正体は、「神蛇魚(じんじゃうお)」。
なんと、あの「アマビエ」と同じく、江戸時代に、疫病をはらう除災獣として表れた厄除けの怪魚です。人面で2本の角が生えており、長い髪に、背にはうろこがあり、腹には宝珠を持っているそうです。

 これは、福島市の県歴史資料館にあった資料の中から、同資料館の方が、疫病に関する資料を探していて偶然発見したそうです。
 資料によると、文政2年(1819年)、肥前平戸沖(現在の長崎県沖)に、この生き物が浮かび出て、自ら「神蛇魚」と名乗り、自身の姿を絵に描き人々に見せるよう呼びかけたそうです。そして、その絵を見れば、流行病にかからないと告げたとの事。当時、日本では「コロリ」と呼ばれる病が流行していました。それが、長崎から全国に広がって、多くの人が亡くなっていました。この「コロリ」、正式には1817年から全世界で大流行していた「コレラ」のことです。
 この資料を発見した方は、今、新型コロナで大変な世の中なので、神蛇魚自身が見つかるように現れてくれたのでは…と語っています。以前紹介した「赤べこ」、そして、この「神蛇魚」。福島県から疫病が退散するパワーを全国に送りたいと思います。

113 通知票を配付しました

 今年度は、学期ごとの通知票ではなく、前期・後期による通知票を配付いたします。本日、前期分の通知票を配付しました。そこには、4月から9月までのお子さんの学校生活の様子が載っております。学習に対しては、取り組んだ内容をどの程度身につけているかを3段階で評価しています。また、行動の様子では、特に顕著な項目を○で示してあります。

 この通知票の内容は、我々教師がお子さんを評価した内容でありますが、と同時に我々教師の自分自身の評価でもあります。なぜなら、子どもたちに授業をして、学習内容を身につけさせるという仕事の成果が、この通知票でもあるからです。ですから、◎が多くの子どもについていれば、それだけ授業における手立ては有効であったと言えます。逆に、△が多ければ、指導の在り方にはどんな問題があったのか、自分の指導を振り返るわけです。

 ですから、△がついている項目については、我々教師は、いずれ△を○や◎にするための努力をこれからも続けていきます。もし、お子さんに△がついていたら、こう言ってください。「これから、頑張っていこうね。先生も頑張ってくれるからね。」と。決して、「何やってんの、もっとちゃんとやらないとだめじゃない」なんて叱らないでください。お願いします。

 最後に、通知票の通信欄は、非常に文字数が限られているため、そこに書かれている内容だけで十分にお子さんの頑張りを表現しきれないということを御理解ください。この半年間のお子さんの頑張りは、とてもあのスペースには書き切れないほど、まだまだたくさんあるということを。

114 インフルエンザと新型コロナ

 新型コロナウイルス感染症が終息を迎えない今、これからさらに心配されることは、インフルエンザの流行です。この新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスを比べてみると、いろいろと興味深いことが分かりました。科学雑誌「Newton」に、次のような内容が紹介されていました。

 まず、この二つのウイルスは、非常に似ています。まず、構造が同じで、RNA(リボ核酸)が「エンベロープ」という脂質の膜でおおわれています。このエンベロープをもつウイルスは、アルコールに弱いという特徴があります。
 次に、どちらも「呼吸器感染症」で、飛沫(せきやくしゃみで飛び散る唾など)を介して体外に排出され、飛沫を吸い込んだり、飛沫がついたものに接触したりすることで感染が広がるのも同じ。

 この二つの大きな違いは、インフルエンザより新型コロナのほうが感染拡大を防止するのが難しいということ。インフルエンザは、感染すると数日で症状が出ます。そして、発症後2~3日で排出するウイルスの量がピークになります。つまり、症状が出てから対策をしても、ある程度感染拡大を防げるということです。実際、学校で発熱しても、その時点では、まだ排出するウイルスの量は少しだということです。しかし、新型コロナは感染後、平均5~6日の潜伏期間があり、その間も、排出するウイルスの量は増え続け、発症日の前後が排出量のピークになります。つまり、新型コロナは発症した時には、もうすでに多くのウイルスを出してしまっているわけです。だから、新型コロナは症状が出ていなくても対策が必要なのです。

 それでも、アルコール消毒、手指の消毒、マスクの着用、ソーシャルディスタンスなどは、新型コロナウイルスにも、インフルエンザウイルスにも、どちらにも有効だということは確かなことです。

 実は、それを裏付けるようなデータが紹介されていました。北半球と南半球は季節が逆のため、南半球のオーストラリアでは、例年8~9月にインフルエンザの流行のピークが来ていました。今年は新型コロナとインフルエンザの同時流行が懸念されていました。しかし、今年はインフルエンザはほとんど流行していないそうです。今のところ、理由は明らかになっていません。

 しかし、仮説としては、次の二つが考えられるようです。一つは、新型コロナの感染対策が、そのままインフルエンザの予防にも有効だったということ。二つは、新型コロナウイルスがインフルエンザウイルスに「干渉」したことで、インフルエンザの流行がおさえられたということ。この「干渉」とは、複数の種類のウイルスが一つの細胞に感染した場合に、一方が他方の増殖を弱める現象のことだそうです。もし、そうだとしたら、今年はインフルエンザは大流行しないかも…ただ、このことは、しっかりとした研究成果がまだありませんので、安易に油断してはいけません。

 それでも、仮説の一つ目については、これまでのインフルエンザの予防として、手洗い・うがいの徹底、部屋の換気等、新型コロナで行ってきた感染予防対策と同じ事をきちんと続けることで、ある程度防げると思われます。そして、これまでもお話ししてきました、体の抵抗力を高めるための、「栄養」「運動」「休養」のバランスを崩さない生活が大切だと思われます。新型コロナとインフルエンザのどちらにも負けない、健康な生活を送れるよう、御協力お願いします。

115 運動会の話「10月10日物語」

 10月10日(土)は、秋季大運動会です。この10月10日は、1964年東京オリンピック開会式が行われた日で、1966年に「体育の日」の祝日となりました。その後、2000年に「体育の日」は、10月の第2月曜日と変更になるまで、「体育の日」は10月10日でした。ですから、私などは「体育の日」と言えば、10月10日のイメージが強いわけです。(ちなみに、2020年から「スポーツの日」と名称は変わりました。また、2020年は開催予定だった東京オリンピック開会式前後を連休にするため、10月ではなく、7月に変更になりました。)

 実は、この10月10日には意味がありまして、当時、東京オリンピックの開会式の日を決めるにあたり、できるだけ晴れになる日にしようとしました。第2次世界大戦で敗戦国となった日本が、戦後、急速な復活を遂げて、再び国際社会の中心に復帰するシンボル的なオリンピックの開会式ですから当然です。そこで、まず秋晴れの多い10月が決まり、次に、10月の中で晴れが多かった10日になったそうです。実際、1964年開会式当日は、朝の内は曇り空でしたが、開会式が始まる時刻には、真っ青な秋晴れになり、あの有名な、ブルーインパルスによる五輪のマークが、開会式の会場であった国立競技場の上空にきれいに浮かび上がったというわけです。

 そういう歴史のある10月10日ですので、きっと今年の運動会当日の晴れも間違いなしです。気持ちのいい秋空の下、子どもたちの元気いっぱいの姿を見られると思います。どうぞお楽しみに。

116 運動会の話「びりのきもち」

 運動会の種目に、徒競走があります。1・2年生が50m、3・4年生が100m、そして、5・6年生が150mを走ります。これは、競争ですから、当然、1位から最後まで順位が付きます。以前、都心部の学校で、子どもに順位をつけない運動会が話題になったことがありました。足の遅い子どもがかわいそうだ、ということから、そのような発想になったようです。

 しかし、私は、運動会で徒競走をしたら、順位がつくのは当然で、むしろ、はっきりと順位を付けた方がいいと思っています。子どもたちの中には、走るのが得意な子どもがいます。そういう子にとって、自分のよさを発揮できる場が徒競走なのです。一方、走るのが苦手な子どももいます。では、走るのが苦手な子どもにとって、徒競走はかわいそうな場なのでしょうか。

 私は、その徒競走にどういう気持ちで取り組むかが大事だと思います。誰にでも、得意なことや苦手なことがあります。走るのが苦手な子でも、(自分は走るのは苦手だが、最後まで頑張って走ろう)という気持ちで臨むことが大事だと思います。苦手だから逃げるのでなく、ちゃんと向き合って、チャレンジすることに意味があるのだと思います。ですから、走るのが苦手な子どもに、「頑張って入賞しなさい」ということを求めたら、それは酷です。結果ではないのですから。また、本人自身が入賞目指して頑張って、結果、入賞できなくて悔しい思いをしたとしたら、それはそれで価値があります。悔しさは本気で取り組んだからこそ、感じるのです。一番いけないのは、中途半端な気持ちでやることです。そして、子どもたちにとっては、これからの人生において、徒競走以上の競争が待っています。つらくても逃げられないという状況が、たくさんあるのです。そういう時に、挫折しても、あきらめず、また立ち上がる力を、子どもたちには持ってほしいと思います。たかが徒競走、されど徒競走です。

 最後に、詩人の阪田寛夫(さかた・ひろお)さんの「びりのきもち」という詩を紹介します。

 びりのきもち    坂田寛夫

 びりのきもちが わかるかな / みんなのせなかや 足のうら
 じぶんの鼻が みえだすと / びりのつらさが ビリビリビリ

 だからきらいだ うんどうかい / まけるのいやだよ くやしいよ
 おもたい足を 追いぬいて / びりのつらさが ビリビリビリ

 例えビリでも、いろんな気持ちを胸に抱えながらも、最後まで頑張る子どもたちに、どうぞ御声援をよろしくお願いします。

117 運動会の話「紅白の戦い」

 日本における「紅白」のルーツは源平合戦とされています。平安時代末期から鎌倉時代初頭にかけての源氏と平氏の戦いです。その時に、源氏が白旗を、平氏が紅旗を掲げて戦いました。平氏の旗のデザインは、紅地の布に金の丸をかいた物を使用しました。これは、天皇の軍隊を意味する「錦の御旗」を見立てたものになっていました。一方、源氏の旗のデザインは、白地の布に赤い丸をかいた物でした。白地に赤丸…どこかで見たことがありませんか?そうです、今の日本の国旗が白地に赤丸。どうやら、源平合戦で負けた平氏は滅亡したので、勝った源氏の旗が、その後、受け継がれていって、現在の日の丸に繋がっているようです。

 野木沢小の紅白の戦いは、昨年度、そのまた一昨年度と、ここ2年間、紅白引き分けになっているようです。偶然にもそういうことが起こるのですね。ちなみに、勝敗は得点で決まります。
 個人種目は、発走の組ごとに2人以上入賞すれば勝ちで、その総数で学年の得点になります。例えば、ある学年の徒競走で5組走ったとします。その入賞結果が、1組目(紅・白・白) 2組目(白・紅・紅) 3組目(紅・白・紅)4組目(白・紅・白) 5組目(紅・紅・白)だったとします。この結果、勝った組の数は紅3、白2と同じなので、紅の勝ちで20点、負けた白に10点が入ります。引き分けだったら、両方に15点入るというわけです。個人種目で得点が入る回数は、各学年の徒競走とチャンス走の計12個あります。
 団体種目でも、結果により個人と同じ点数が入ります。しかし、リレーだけは、勝ち30点、負け15点、引き分け20点が入ります。団体種目は、リレー(男・女)の他に、低・中・高で1種目ずつ、応援合戦、綱引き(今年は3回)の合計で9個あります。例年より得点が入る回数が多い分、点数も大きく動きそうです。

 さあ、今年こそ、2年越しの紅白対決に決着がつくでしょうか?乞うご期待です。

118 運動会の話「チャンス走」

 どの学校でも運動会の個人種目は、徒競走とチャンス走があるようです。本校もあります。徒競走は、前号でも書きましたが、単純に走力の強い子が勝つというものです。しかし、それでは、走力の弱い子が入賞するのは、なかなか難しいです。そこで、走力に関係なく、誰もが入賞する可能性があるのがチャンス走です。
 ですから、チャンス走では、どんなチャンスがあるかがポイントです。今年の1・2年生のチャンス走は「何がでるかな?」。スタートしたら、紅白玉の入った箱の中から、自分で二つ選んで中央の線に並びます。全員が並んだところで、私(校長)が旗を2本揚げます。その旗の色と同じ組合せの玉を持っていたら、そのままゴールに進みます。違っていたら、戻って同じ玉を取り直してゴールします。この競技のチャンスポイントは、何色の玉を取るかです。組合せは、①紅玉・白玉 ②紅玉・紅玉 ③白玉・白玉の3通りです。当然、私は子どもたちの方を見ないで、旗を揚げますので、私が選びそうな組合せを推理して当てられたらラッキーです。しかし、私もいろいろ考えますので、出ていない組合せをそのまま選んだりはしないかもしれません。もしかしたら、全部同じ組合せなんてことも…わかりません。
 3・4年生のチャンス走は「2020年 流行語大賞?」です。スタートしたら、カードを取って、そこに書かれている4つのコーナーに進んで、そこでそれぞれ決められた内容のお題をクリアしてゴールします。お題には、今年を象徴するものが書かれていて、例えば「野木沢直木」「季節の刃」等です。お題をクリアするのはどれも変わらないとすれば、やはり、一番のチャンスは「ラッキー」カードをひくことでしょうか。それでも、「ラッキー」カードは何もしないでゴールなので、もしかしたら、自分がやってみたいお題のカードを引くことが、一番のラッキーかもしれません。
 最後に5・6年生のチャンス走は「どうぞ ごいっしょに!」。恒例の借り物競走です。このレースではカードを2回引きます。ですから、「誰と一緒のカード」を引くか、そして、2回目の「何のお題のカード」を引くかが、チャンスのポイントになります。ラッキーカードは「幸福の輪」で、リングバトンを二人で持ってゴールです。6年生にとっては、小学校最後のチャンス走ですから、もし、これまで入賞経験が一度もないお子さんにとっては、それこそ本当に最後の入賞チャンスとなるわけです。いずれにせよ、最後は運かもしれません。自分の強運を信じて、頑張ってほしいです。

119 運動会の話「団体種目」

 本校運動会の団体種目は、1・2年生、3・4年生、5・6年生、男女リレー、全校種目、応援合戦、そして鼓笛です。

 1・2年生の種目は、「ダンシング紅白玉入れ」。玉入れとダンスが合体した画期的な種目です。玉入れして、踊って、また玉入れして、踊って…を何回も繰り返します。ある意味、最後は体力がある方が勝ちです。

 3・4年生の種目は、「野小タイフーン」。例年ですと、4人程でもつタイフーンの棒ですが、今年は二人で持ちます。人数が少ない分、どうすばやく動けるか、回転する時の外側の子がどう速く回転するかが鍵になります。

 5・6年生の種目は、「キャッチ・ザ・ドリームボール」。新種目です。校庭の真ん中にシーソーの台が置かれています。二人組でボールを運び、一人がそのボールをシーソーの台にセットし、台の反対側を踏んでボールを発射させます。空中に上がったボールを、もう一人が背負い駕籠でキャッチできればOK。ワンバウンドでのキャッチもOK。しかし、うまくキャッチできなければ、もう一度トライ。今度は、駕籠を前に持ち直します。うまくキャッチできるまでチャレンジします。うまく一回目でキャッチできるかが鍵です。

 全校種目は、「Hippappe!(ひっぱっぺ)」です。昨年度までのパワーアップ方式でなく、今年は、低中高それぞれのガチンコ綱引き。綱を持つ位置は、間を空けて持ちます。2回ずつ計6回の勝負です。低中高それぞれ判定し、その後、全体で総合判定します。応援合戦は、開会式後の最初の種目。団長の音頭で、力強く応援します。紅白リレーでは、各学年代表のリレー選手によるかっこいい走りが見られると思います。そして、鼓笛は、4年生から6年生が行います。曲を演奏しながらの隊形移動も見物です。

 団体種目では、紅白それぞれのチームワークのよさや、最後まで仲間を応援する姿など、ご覧いただけると思います。応援よろしくお願いします。

120 運動会の話「全体練習」

 これまで、3回の全体練習を行ってきました。予定では、8日(木)に最後の全体練習を行います。全体練習では、主に全体で確認したい動きを中心に練習してきました。毎時間、担当の先生から指導があり、確認してきました。
 運動会は、これまでの体育科の授業を中心に取り組んできたことを、発表する場であるとも考えられます。子どもたちは教わったことを教わったようにしかできません。ですから、全体で確認して、全体でできるようにするというのが、この全体練習の大きな目的です。逆を言うと、指導しなければならないことは、この全体練習の場で確認したいわけです。そこで、私からも、「開会式と閉会式の姿勢」について指導しました。

 開会式と閉会式の姿勢は2種類しかありません。「休め」と「気をつけ」です。この二つは基本の動きですが、子どもたちは、意外と出来ていません。「休め」は肩幅に足を開いて、後ろで腕を組みます。これは出来ています。問題は、「気をつけ」の姿勢です。
 足を閉じる。この時、かかとは付けて、つま先を少し開くと、長時間経っていても、ふらふらしません。次に、背筋を伸ばします。頭の先から背中の骨を、上から糸でつられているように、まっすぐに伸ばします。そして、両手は体の脇に付ける。その時、指は開かず、まっすぐに伸ばします。その姿勢で、ふらふらせずに動きを止める。これが「気をつけ」の姿勢です。
 指導されると、子どもたちは、実にきれいに「気をつけ」の姿勢がとれています。素晴らしいです。問題は、その姿勢を、とり続けることが難しい点です。だんだん指先が曲り、体の脇に付けていた両腕が、いつの間にか体の前や後ろで組んでしまいます。両方つけていた足も、少しずつ開いてきます。なぜ、そうなるのでしょうか。それは、正しい「気をつけ」の姿勢をとり続けることが、疲れるからです。足を開いたり、腕を組んだりする姿勢は楽なのです。だから、体が自然と楽な姿勢になってしまうのです。
 それでも中には、ずっと、きれいな「気をつけ」の姿勢をとり続ける子どもはいます。私は、感心します。心と体は表裏一体ですから、そのきれいな「気をつけ」の姿勢から、その子のまっすぐな気持ちを感じます。力を込めて伸ばした指先から、つらくても耐える強い心を感じます。そして、正しいことを貫こうとするひたむきな心を感じます。そういう姿は、きっと誰が見ても美しいのだと思います。
 是非、当日の開会式や閉会式では、自分のお子さんの姿勢にも注目してみて下さい。そして、頑張って気をつけの姿勢をとり続けていたら、そのことはうんと褒めてほしいと思います。

121 運動会の話「スローガン」

 今年の運動会のスローガンは「輝く希望と 光の矢 大迫力の運動会」。考えたのは、6年草野勝斗さん。そこで、勝斗さんに、インタビューしてみました。

Q1 このスローガンは、どんな運動会をイメージして考えたのですか?
  
 応援歌の中に入っている、赤の「輝く希望」と白の「光の矢」から、赤と白が全力で戦っている迫力のある運動会をイメージしました。

Q2 スローガンの中にある「光の矢」は、どういうものですか?

 白が光の矢のように、突き進んでいる様子です。

Q3 勝斗さん6年生にとって、小学校最後の運動会ですが、どんな運動会にしたい  ですか?

 5月でも10月でも、最後の運動会を全力でやることには変わりはありません。自分が団長になって、赤組をひっぱって勝利に導きたいし、どちらも全力を尽くして負けても、相手をたたえる運動会にしたいです。

 今回紹介したスローガンを考えた勝斗さんの思いを、全校生で共有して、そこに、一人一人が自分の思いを重ね合わせ、みんなで最高の思い出に残る運動会にしたいと思いました。

 勝斗さんが言っている応援歌は、次のような歌詞の歌です。

ゴーゴーゴー(運動会の歌)▼①フレーフレー赤組▼ フレーフレー赤組ゴーゴーゴー▼ ぼくらは輝く▼ 太陽のように▼ もえあがる希望▼ 力いっぱいがんばろう▼ 赤赤赤ゴーゴーゴー▼ 赤赤赤ゴーゴーゴー▼ もえろよもえろ赤組
②フレーフレー白組▼ フレーフレー白組ゴーゴーゴー▼ ぼくらは白い稲妻だ▼ つきすすむ光の矢▼ 雷の音とどろかせ▼ 元気いっぱいがんばろう▼ ゴーゴーゴー白白白▼ ゴーゴーゴー白白白▼ 地球をまわる稲妻だ白組

そして、3番は、赤と白が同時に歌います。当日も、赤の草野勝斗団長と、白の佐藤煌大団長の指揮に合わせて、振り付きで元気いっぱい歌います。

123 映画「ジオストーム」

 あれ程、「10月10日は晴れるはず」と豪語していて、今回、見事に大雨となった結果に、つくづく、(人間の力は、自然の中では、無力だ…)と思いました。これだけ、科学技術が進んでいても、天候をコントロールすることはできないわけです。自然界は、今だ神の領域なのかもしれません。だから、人間が介入することで、大変なことが起こる…。実は、そういうことをテーマにした映画がありました。
 映画「ジオストーム」。この映画の中では、人類が、ついに天候をコントロールすることができた世界を描いています。宇宙空間に大きな網のようなものを設置し、それが全世界の上空を覆っていて、気象コントロール衛星が、コンピュータにより、各地の天候を制御するという話です。しかし、コンピュータウイルスにより、気象衛星がコントロールできなくなり、世界各地で通常には起こりえないような災害が勃発します。熱ビームで山火事が起きたり、南米の海が一瞬で凍り付いたり、日本にも巨大な雹が降ってきたりします。そして、ついに「ジオストーム」という大規模な嵐が…。
 この映画を見て思ったことは、やはり、自然の力の前では、人間の力はかなわないこと。そして、改めて、私たち人間も、この地球においては自然の一部なんだということ。だから、今までも、自然と共に生き、そして、これから、自然と共存していくのだと思いました。

122 運動会の話「当日のスケジュール」

※12日(月)実施に変更になりました。朝の準備があるため、開始時刻は少し遅れます。

 また、当日、お弁当持参になります。昼食後、下校となります。

※時刻は、あくまで目安です。前後することがありますので御了承ください。
  6:00 花火の打ち上げ
  7:00 朝の準備(執行部と学年委員の皆様、お世話になります)
  8:15 入場行進
       開会式
  8:30 1 応援合戦
       2 ラジオ体操
       3 100メートル走(3・4年)
       4 かけっこ(1・2年)
       5 150m走(5・6年)
  9:20 休憩
       6 Hippappe!
       7 何がでるかな?(1・2年)
       8 どうぞ ごいっしょに!(5・6年)
       9 2020流行語大賞?(3・4年)
 10:30 休憩

                       10 鼓笛
                11 ダンシング紅白玉入れ(1・2年)
                12 野小タイフーン(3・4年)
                13 キャッチ ザ ドリームボール(5・6年)
                14 紅白対抗リレー
 11:30 閉会式
       児童は、教室に戻って帰りの会
       校庭は、片付け作業(お手伝いの御協力をお願いします)
 12:00 児童下校

 今のところ、当日の天気予報は「曇り一時雨」。午前中に運動会は終了する予定なので、降られる前に終わるかと思います。準備や片付けに御協力いただく皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、明日は運動会前日になります。当日、最高のコンディションで参加できるように、金曜日は早めに就寝し、土曜日朝の朝食の摂取、そして、最後の励ましの言葉をかけて、笑顔で送り出して下さい。

124 運動会を終えて

 5月から10月に延期して実施された、今年の運動会。まずは、やれてよかったと思います。ただ、私の予想は大きく外れ、台風が接近し、やむなく平日実施となったことで、観戦することができなかった保護者の皆様には、申し訳なく思います。しかし、6年生にとって、小学校最後の運動会であったわけですから、やれないよりはやれた方が絶対よかったです。また、一つ小学校の思い出ができたと思います。また、1年生にとっては、小学校初めての運動会。幼稚園や保育園とは違った感じを、子どもなりに受け止めたのではないでしょうか。

 さて、今年の運動会を振り返って、私が一番感じたのは、子どもたちの健気さです。いつも思うことですが、運動会は、運動が苦手な子どもにとっては、なかなか気持ちが前向きになれないところがあります。そういう子は、練習段階から、複雑な思いで参加しています。中には、休みたいとさえ思っている子どももいます。心と体は表裏一体なので、気持ちが沈んでいると、本当に体の調子が悪くなるのです。それでも、参加した子どもたちは、みな、頑張って競技しました。一生懸命頑張る姿に、野木沢の子どもたちの健気さが現れていたと思います。どの学年の、どの競技においても、みな、最後まであきらめずに、本気全力100%で頑張っていました。例え、入賞にならないと分かっていても、最後までしっかりと走りきりました。たとえ、びりでも、かっこよく走りきりました。ほんとに素晴らしい子どもたちだと思います。

 そして、応援団を中心に、紅も白も応援を頑張っていました。高学年の子どもが種目でいなくても、低学年の子どもたちが、大きな声援を送っていました。下級生たちに応援された上級生たちは、さぞかし、嬉しかったことでしょう。そして、お出で頂いた御家庭の皆様からも、大きな声援を頂いて、子どもたちは、みな、いつも以上に頑張ったに違いありません。また、代表児童の返事やあいさつ、態度も立派だったと思います。

 そして何より、今回の運動会は、保護者の皆様の支えがなければ、できなかったと思います。早朝からの準備、係分担、そして、休憩ごとの校庭整地と、本当にお世話になりました。野木沢小保護者の皆様のチームワーク、団結力、そして、ボランティア精神はとても素晴らしいです。本当に心強く思いました。ありがとうございました。

 さて、運動会は終わりました。しかし、子どもたちの教育活動が終わったわけではなく、番組はさらに続きます。これからも、日々の授業を充実させていくことはもちろん、行事的には、11月には、中旬にマラソン大会、下旬に学習発表会も控えています。それが過ぎれば、もう12月。2学期のまとめに入ります。これまで着実に、子どもたちは力を付け、成長してきています。コロナもインフルエンザも、心配なことはなくなりませんが、それでも、これまで同様、子どもたちの健やかな成長のために、学校、家庭、地域が一体となって、教育活動を展開していきたいと思います。引き続き、御理解と御協力をお願いします。

125 運動会を終えて その2

 改めて「ボランティア」について調べてみると、ボランティア活動は一般的に次の四原則で説明されています。

①自主性・自発性
  個人の自発的な自由意思に基づいて行われる活動であって、人から命令や強要されて行うものではないということ
②社会性・連帯性
  社会にある様々な課題について、個人の関心や動機から始まったことでも活動することによって社会へ影響を与えるということであり、その活動を通じて他の人とかかわりができ、新たな人間関係が育まれるということ
③無償性・無給性
  活動の対価や見返りを求めない活動であり、ボランティア活動の報酬は自分の満足感や人とかかわることによって得られる人間関係であること
④創造性・開拓性・先駆性
  独自の考えによって先駆的な、創造性豊かな活動ができるということ

 昨日の運動会における、保護者の皆様の行動は、学校からの指示ではなく、保護者の皆様の自主的・自発的なものでした。そして、一緒に校庭を整地しながら、子どもたちが最高の運動会をできるようにという同じ思いを持ちました。雨に濡れながらの作業でしたが、みなさん進んで、子どもたちのために作業されていました。限られた用具を駆使しながら、状況に応じて、何をすべきか創造的に、みなさん作業されていました。保護者の方々から、召集場所にテントは張れないかという意見が出され、プールで使用していたテントを張り、ブルーシートでつなぎました。このような保護者の皆様のボランティア精神あふれる行動は、その有様を目撃した子どもたちの目に、しっかりと焼き付いたことと思います。今回のことは、子どもたちはきっと忘れないと思います。そして、いずれ、自分たちが大人になり、自分の子どもの運動会を迎えた時、(ああ、そう言えば、自分の運動会で、お父さん、お母さんたちが、雨の中、校庭をならしてくれたっけ)と思い出すのでしょう。そして、そのお父さん、お母さんと同じように、自分も我が子のために、進んでボランティアで学校を支えるのだと思います。

 今回の運動会を通して、改めて、学校は保護者の皆様に支えられていると、強く感じました。子どもたちの教育活動を充実させるために、私たち教職員ができることは限られていて、そこに、保護者や地域の方々の御協力を頂いて、初めて意義ある活動に発展することを、実感しました。やはり、学校と家庭と地域が連携することは、子どもの健全な成長のためには、欠かすことはできないのだと思いました。当然のことですが、保護者の皆様と、学校の教職員は、「子どもの健全な成長」という共通な目的を持った、言わば「同志」なわけです。だからこそ、しっかりとスクラムを組んで、同じ思いを共有しながら、子どもの成長に携わっていくことが必要なのです。

 運動会の中で、最初、雨に濡れることから「鼓笛」は中止と判断しました。しかし、と同時に、鼓笛の演奏を発表する場をどうするか、考えました。鼓笛パレードが中止になっていますから、この運動会が、最後の発表の場だったわけです。6年生にとっては、最後の鼓笛。子どもたちは、この日のために一生懸命練習してきました。このまま、それを無駄にはできません。実際、保護者の方々からも、「鼓笛発表」を期待する声も届きました。そして、担当の先生とも相談し、この後、もし雨が止んだら、降っててもすごく弱ければ、鼓笛発表をやる方向で検討しました。その時は、閉会式が終わってから最後にやるという案でした。しかし、最後のリレーをやっている頃は、雨はほとんど止んでいましたので、急遽、リレーの後に鼓笛をやることに変更しました。鼓笛発表の裏側には、そのようないきさつがありました。学校としても、子どもたちには鼓笛発表をさせてあげたい、保護者の皆様も子どもたちの鼓笛発表を見たい、どちらも同じ思いでいたわけです。だから、やれてよかったとつくづく思います。

 運動会翌日、疲れていたのは大人だけでした。子どもたちは、いつも通り元気いっぱい。朝から、これまたいつものように校庭を走り回って遊んでいました。この日は、昨日の天気が嘘のように、晴れ間が見られました。天日干しにそのままにしていた万国旗は、昼休みに、子どもたちに協力してもらい、片付けました。この万国旗の出番は、また来年。さて、来年の運動会は、これまでと同じように、5月にやれるのでしょうか?そんなことを考えながら、久し振りの青空を眺めました。

126 アルテミス計画

 アルテミス計画とは、2024年、有人月面着陸を目指し、2028年までに月面基地の建設を開始するというNASA(アメリカ航空宇宙局)のプロジェクトである。
 有人月面着陸といえば、かつて、アポロ計画というものがあった。アポロ計画は、アメリカと旧ソ連による宇宙開発競争の中で、1961年にNASAが計画したものである。そして、1969年7月16日、アポロ11号が初めて月面に着陸し、2名の宇宙飛行士が人類で初めて月面に到達した。その後、アポロ計画は、1972年まで月面着陸を通算6回成功し、計12名の宇宙飛行士を月面に送り、その後、人類は誰も月まで行っていない。
 それから、およそ48年経ち、今、新たに、アルテミス計画が発表されたわけである。そして、この計画には、日本も参加するようなので、ついに、日本人初の月面着陸というのもあるかもしれない。私の好きな漫画に「宇宙兄弟」がある。その漫画の中では、すでに日本人宇宙飛行士が月面に到達している。それが、現実になるのかと思うと、大変興味深い。

127 「優しさは、心を結ぶ」

 私は思うのだが、SNSなどでコメントをする人は、そのほとんどが「匿名」である。結論から言おう。私は、何か意見を言うのなら、きちんと名乗って言うべきだと思っている。なぜなら、そこには、自分の発言に対する責任が伴うからだ。だから、匿名でいう意見は、自分の発言に対して、責任を担っているとは言い難い。逆に言えば、匿名で責任がない発言だから、相手のことを平気で批判したり、傷つくことを言ったりできるのかもしれない。だから、もし、名乗らずに匿名で言うのなら、相手を非難するような内容は言うべきでないと思っている。

 さらに言おう。万が一、自分に対して、誹謗中傷するような内容のコメントがあったとしても、その発信者が匿名で、どこの誰が言っているのかわからないとしたら、そのコメントは、「無視」しても構わないと思っている。匿名で批判する人はずるい。言いたいことがあるなら、自分が誰なのか、名乗って言うべきだ。だから、そんなずるい、自分だけ守られている立場で、勝手に言っていることは、知る必要なしである。どんなに批判しようが、こちらが知らなければ、それは、言われていないことと同じである。それでいいと思っている。しかし、そうだと頭でわかっていても、やはり、自分が批判されていたら、気持ちは穏やかではいられないように思う。

 「明日は我が身」ということわざがある。正式には、「今日は人の上、明日は我が身の上」というようだ。意味は、「今日は人ごとと思っていた災難も、明日は我が身の上に降りかかってくるかもしれない。災難というものは、いつ誰に起こるかわからないものである。」このことわざが、今、一番当てはまることは、新型コロナウイルスの感染者に対する誹謗中傷かもしれない。

 新型コロナウイルスに感染するリスクは、ゼロにはならない。そのことは変わらない。だから、今は感染していないからと言って、この後、自分が絶対に感染しないという保証はない。むしろ、自分もいつか感染するかもしれないと思っていた方がよい。それなのに、新型コロナに感染した人に対して、どうして無責任な誹謗中傷が言えるのか。「明日は我が身」なのである。自分がもし感染したら、今度は、同じような誹謗中傷を、どこかの誰かから受けるのは自分かもしれないのだ。そうなった時、匿名で誹謗中傷してきた人を、果たして批判できるのだろうか、自分のやってきたことをさておいて。(次回へ)

128 「優しさは、心を結ぶ」(続き)

「優しさは、心を結ぶ」

 これは、福島県が新型コロナウイルスの感染者やその関係者らに対する誹謗中傷を防止するための啓発事業の特設サイトである。そこでは、「お互いを思いやり、共に新型コロナウイルス感染症を乗り越えていきましょう。」と呼びかけている。特設サイトは15日から開設している。特設サイトには、相談窓口や県からのメッセージを掲載している。また、サイト上のハートマークをクリックすることで、クリック数に応じた小さなハートが大きなハートを形作る。県民同士の絆を表現し優しさや励ましの気持ちを発信する。累計クリック数も表示される。「いつ誰が感染してもおかしくない中で、誹謗中傷は何も生まない。思いやりや優しさをハートに託して広げてほしい」との願いだ。

 また、新型コロナ感染者らに対する誹謗中傷を巡り、県は専用の電話窓口を設けている。県職員が相談に応じ、会員制交流サイト(SNS)の書き込みの削除方法といった具体的な助言などを行う。特に悪質なものについては県警などの関係機関を紹介し、法的措置を含めた橋渡し役を担う。相談受け付けは平日午前9時~午後5時で、電話024・521・8647。

129 就学時健康診断にて

 今日、ここにお集まりのみなさんのお子さんは、来年4月、令和3年度に小学校に入学するお子さんです。ちょっとみなさんにお伺いしますが、来春入学されるお子さんは、小学校に初めて入学しますという方は、どのくらいいらっしゃいますか。挙手してもらっていいですか?ありがとうございます。

 私事ですが、私も今から○○年ぐらい前、みなさんと同じように、子どもが初めて小学校に入学しました。当時、心配なことは、いろいろありましたね。その中で、一番心配なのは、友達のことでしたね。友達はできるかな?みんなと仲良くやれるかな?実は私は、平成元年に先生になりました。ですから、今年で、32年ですね。平成の時は、わかりやすかったんです。令和になって、ちょっとわかりにくくなっちゃいました。32年間、この仕事をしていると、いろんなことがわかります。それで、一つ気付いたことがあります。それは、「1年生になったら」という歌がありますね。あの中に、「友達100人できるかな」と言う歌詞があります。あれは、個人的な意見を言わせてもらうと、プレッシャーですね、子どもにとって。結論から言うと、友達というか、仲良しさんというか、学校でおしゃべりしたり、遊んだりできる人は、一人いればいいんです。100人もいらない。一人いれば、学校は楽しいところになります。そして、誰にでも、馬が合うというか、気が合うというか、そういう子は一人はいます。だから、あんまり心配することはないんです。

 そして、学校は集団生活をしますから、いろんなことが起こります。中には、友達ともめたり、けんかになったりすることもある。私は思うのですが、子どもの周りで起きることは、全てその子が成長するために必要なことだと。だから、無駄なことは一つもなく、全ての出来事がその子の成長につながっていて、その子を作り上げている。だから、大事なのは、その成長に必要な経験を、大人が邪魔しないことです。昔から「子どものけんかに親が出るな」と言いますね。あれは、本当です。子どもにとって、友達ともめて嫌な思いをしたり、つらい気持ちになったりするのは、大事なこと。そして、子ども自身が解決していくことが必要なんです。その時に、大人が解決してしまっては、その子どもの成長につながらない。逆に、困った時に、自分では何もしないで、すぐに大人に頼ってしまう子どもになる。そのまま大人になってしまうと、嫌なこと、つらいことから逃げてしまう大人になってしまうのではないでしょうか。子どものうちに、そういう時、どうやって解決するか経験しておかなければならないんです。じゃあ、大人は何をすればよいか。大人は、見守ることです。子どもの話を聞いてあげて、言ってあげればいいんです。「大丈夫だよ」って。子どもにとって、家庭は安心基地なんです。家の外でいろいろ経験して、帰ってきて話を聞いてもらうことで安心できる場所。それが、家庭です。話を聞いてもらって、「大丈夫だよ」って言われるから、また、家の外に出て、チャレンジしてみようと思うんです。がんばろうとするんですよ。

 先程、初めてお子さんを小学校にあげると言ったお子さんは、初めての小学生になるわけですが、その保護者さんにとっては、初めて小学生の親になるということです。だから、当然、迷うこともあるでしょう。そういう時は、ベテランのお仲間の方に相談してはどうでしょうか。学校の先生に相談してもいいです。学校の先生と、保護者のみなさんとは、「お子さんを健全に育てる」という共通の目的を持った同志ですから。仲間なんですよ。決して、敵ではないのです。一人で抱え込んで悩まないで、何でも相談すればいいんです。一緒に考えていきましょう。

 最後に、新型コロナウイルス感染対策について、お話しします。どの学校でも、毎朝の検温をお願いしています。そして、発熱、体調がすぐれない場合は、無理して学校に来ないよう、お願いしています。新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスとの大きな違いは、症状が出た時に、排出するウイルスの量です。インフルの場合、感染するとすぐ発症するので、発熱した時点では、まだ、あまりウイルスは排出していないんです。しかし、コロナの場合、感染後、潜伏期間があって、その時点でどんどんウイルスを排出して、症状が出た時がほぼピークなんです。だから、簡単に言うと、いつ、どこで、感染したか、わかりにくい。ですから、学校生活は、基本、マスク着用。消毒とうがい、手洗い。教室の換気。給食時は、グループを作らない、といった対策をとっています。しかし、それでも、感染リスクはゼロにはできないのが、コロナです。だから、何よりも大事なのは、もともと持っている免疫力を高めることだと思います。そのためには、運動して体を鍛え、しっかり睡眠をとり、そして、栄養バランスの良い食事をとること。これは、コロナに限らず、健康な生活を送る上で、大切なことなので、子どもたちには、健康な生活習慣を身につけてほしいと思います。運動、食事、睡眠の中で、お家の方に特にお願いしたいのは、食事と睡眠です。学校と家庭が、しっかりと協力して、子どもの健康な生活習慣作りをすることが、今この状況において、特に求められているのではないでしょうか。

 それでは、私の話は、この辺りで、終わらせていただきます。次回は、それぞれ入学される各学校で、入学準備会が2月頃にあります。それぞれの学校からご案内がいくと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

130 「桃太郎はなぜ、この三匹を仲間にしたのか。」

 これは、21日付福島民報に掲載されたJTの全面広告の見出しです。以下、その広告の文章です。

「桃太郎がなぜ、犬、猿、キジという一見バラバラの三者を仲間にしたのか。そこには、桃太郎の明確な戦略がありそうです。おそらく桃太郎は、チームに多様性を取り入れ、ある種のケミストリーを起こそうとしたのではないでしょうか。最初は合わないこともあったかもしれません。でも、心を開き、認め合うことができれば、個性の違いはお互いを高め合うきっかけになります。違うから、視野が広がる。発見がある。成長できる。強くなれる。これからの多様性の時代に、私たちが学ぶべきことが、そこにはあるような気がします。違うから、人は人を想う。」

 この広告のキーワードは、「多様性」です。多様性…いろいろな種類や傾向のものがあること。変化に富むこと。今、社会的にも、この「多様性」(ダイバーシティー)という言葉を、いろいろな場面で目にするようになりました。昔からも、「生物の多様性」等、使われてきた言葉です。先程の広告の中で使われている「多様性」ですが、要は「一人一人を尊重すること」なのだと思います。つまり、「個人の尊重」です。でも、それは、別に今に始まったことではなく、我が日本国憲法でも、「基本的人権の尊重」として示されていることです。

 第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 私たちは元来、一人一人違う存在です。その個々の違いを、これからも尊重して行きましょうということです。そして、その個々の違いを尊重することが、自分たちの社会を、より豊かにしていくということです。まさに、金子みすゞさんの「みんなちがって みんないい」です。(次回へ続く)

131 「桃太郎はなぜ、この三匹を仲間にしたのか。」(続き)

 私は、この広告を見て、この「多様性」も注目したのですが、それよりも気になったのが、見出しの問いです。実は、以前、何かの番組で、そのことを紹介していて、それを聞いた時、(なるほどなあ、おもしろいなあ)と思った記憶があり、今回、改めて調べてみました。

 桃太郎のお供が、「犬・猿・雉」である理由は、あの干支の十二支と関係しています。十二支を北から時計回りに並べると、鬼門は北東になります。丑寅の方角です。だから、鬼のイメージは丑の角、寅柄のパンツをはいていますね。そして、その鬼門の方角に「鬼ヶ島」があることになります。次に、その鬼ヶ島に行って鬼を退治するためには、鬼門と反対の方角(裏鬼門)の生き物の力が必要と考えました。北東の反対は、南西です。その方角の干支は未(羊)と申(猿)です。しかし、この羊は角があるため、鬼の角に通じるということで避けられました。よって、猿から順番に3匹、つまり、申(猿)酉(鳥)戌(犬)となりました。よって、桃太郎の話に出ている家来は、「犬・猿・雉」となったというわけです。

 他にも、桃太郎のお供を考えるとき、「智・仁・勇」に、親しみのある動物をあてはめることによって子どもにもわかりやすいお話にしようとした説もあるそうです。「智」は、猿は猿知恵というように知恵がある生き物。「仁」は、犬は3日飼ったら恩を忘れないという仁徳のある生き物。そして、「勇」は、雉は火事の時、自らの羽を巣に覆いかぶせ卵を守ることから勇気がある生き物ということで、この3匹が選ばれました。

 以上の説明は、日本桃太郎会連合会というところで紹介されていました。この会では、桃太郎を学び、全国の桃太郎愛好家の方々と共に地域おこしや、桃太郎のおとぎ話の素晴らしさをより広く伝える活動をしているそうです。

132 就学時健康診断 子育て講座より

 福島県栄養士会の管理栄養士である吉田かいでさんの講演がありました。演題は「健康と食生活」。食べることがいかに私たちの健康と結びついているか、考えさせられました。

 まず、食事は、朝昼晩の3回食べることが大事だという話でした。特に朝食。驚くことに、朝食を食べないと、肥満になる傾向があるとのことです。理由は、食事をすると、体温が上がり、エネルギーを消費します。3食の内、朝食後のエネルギー消費が一番高いのですが、その朝食をとらないと、その分、昼食や夕食で補わなければなりません。仮に夕食で補ったとしましょう。しかし、夕食後は、朝食後に比べ、エネルギー消費量は低いので、結果、体脂肪を増やすことになってしまうのです。さらに、夜食後はエネルギー消費量が低いので、食べた分、たまってしまうわけです。この夕食や夜食を取り過ぎると、朝、食欲がなく欠食するという、よくないサイクルになってしまうようです。ですから、朝食をしっかり食べる習慣にするといいのです。朝食は多少食べ過ぎたとしても、食後のエネルギー消費量は一番高いので、影響はそれほどないそうです。

 他にも、朝食の大事な役割は、体の目覚ましスイッチであり、お腹の目覚ましスイッチであり、脳の目覚ましスイッチだということ。全てのスイッチが朝食。それから、食事も栄養のバランスを考えること。それには、和食がおすすめ。一汁二菜、一汁三菜と聞いたことがあるかと思います。和食には、脳を守る知恵が備わっているそうです。そして、おやつは4回目の食事として、何をどのように与えるか、考えるのが大事とのこと。

 子どもの体を作っているのは、食べたものであることは間違いありません。子どもの健康を考える時、何を食べさせるかは、大きな問題だと改めて思いました。

133 認知症サポーター養成講座

 5年生が、社会福祉士の方を講師に、認知症理解教室を行いました。これは、認知症サポーター養成講座ということで、認知症がどんな病気なのか理解し、認知症の方の気持ちを知り、自分にできることは何かを考える内容の講座でした。今回、野木沢小の講座が、記念すべき第111回目だそうです。

 まず、「認知症でも大丈夫」という劇を見ました。認知症のおばあさんと、その孫のやりとりを劇を見ながら考えました。その後、認知症という病気について、詳しく説明を聞きました。

 認知症は、脳の病気です。80歳以上の4人に1人は認知症だそうです。ですから、身近に認知症の方がいてもおかしくないわけです。認知症になると、ものを覚えたり、理解したり、判断したりすることができなくなります。新しい記憶ができないため、同じ事を繰り返します。劇の中のおばあさんも、医者に行くのは火曜日で、今日は日曜日だから行かないよ、と教えられても、しばらくすると、医者に行くからと言ってしまいます。医者に行くことしか考えられないため、何曜日に行くのが入っていかないわけです。そして、劇の中では、何度も同じ事をしてしまうおばあさんに、孫娘は怒ってしまいます。褒められたことより怒られたことが残るので、おばあさんの元気はどんどんなくなってしまうのでした。

 子どもたちは、劇を見て、自分は認知症の人に、優しくしてあげたい、捜し物は一緒に探してあげたい、優しい言葉をかけてあげたいという感想を持ちました。まとめでは、認知症の人を理解し、否定しないで、受け入れてほしいとお話がありました。

 5年生の子どもたちは、総合学習で、お年寄りや障害者、そして今回の認知症の方の立場になって、気持ちを想像したり、どう関わったらいいのか学習してきました。相手の立場に立つことは、相手理解の基本です。前号でもふれましたが、私たちは、もともと一人一人違うのです。年齢の違い、障害や病気の有無の違いも同じです。自分と違う立場を理解し、自分はどう関わっていけば良いのか、5年生の子どもたちは、いろいろと学ぶことができたと思います。

134 ラストページまで駆け抜けて

「ラストページまで駆け抜けて」これは、今年の『読書週間』の標語です。今年の読書週間は、10月27日から11月9日です。

 読書推進運動協議会のホームページには、読書週間について、次のような紹介がされています。

 終戦の2年後の1947年(昭和22年)、まだ戦火の傷痕が至るところに残っているとき、「読書の力によって、平和な文化国家を創ろう」と決意をひとつに、出版社、取次会社、書店と公共図書館が力を合わせ、さらに新聞・放送のマスコミ機関の協力のもとに、第1回「読書週間」が開催されました。
 第1回の「読書週間」は11月17日から23日。これは11月16日から1週間にわたって開かれるアメリカの「チルドレンズ・ブック・ウィーク」にならったものです。各地で講演会・図書に関する展示会が開かれ、その反響は大きなものでした。「一週間では惜しい」との声を受け、現在の10月27日から11月9日(文化の日をはさんで2週間)となったのは、第2回からです。
 それから70年以上が過ぎ、「読書週間」は国民的行事として定着し、日本は世界有数の「本を読む国民」の国となりました。その一方、物質生活の豊かさに比べ精神生活の低迷が問題視されている昨今、論理的思考の基礎となる読書の重要性は、ますます高まってきています。
 本年の「読書週間」が、みなさん一人ひとりの読書への関心と、読書習慣の確立の契機となることを願ってやみません。
 今年の『読書週間』が始まる10月27日が、「文字・活字文化の日」に制定されました。よりいっそうの盛りあがりを、期待いたします。

 読書週間では、毎年、ポスターを募集しています。2020年のポスターは、これです。

 隣のふくろうが描かれているマークは、読書週間のシンボルマークです。
 その昔、ギリシャ神話の世界で「ふくろう」は、学問・技芸・知恵を司る美貌の女神アテナの使者であり、また、代表的なポリスで文化の中心地アテナイ(アテネ)の聖鳥でもありました。古代のギリシャ人たちは、賢そうな丸い目ですまし顔の「ふくろう」を知恵の象徴として大切にしたといいます。森の奥ふかく、静かに瞑想にふけるこの「ふくろう」の姿こそ、読書週間のシンボルマークとしてもっともふさわしいものと考え、読進協では長い間使用しているそうです。

 本校の図書委員会では、みんなにたくさん本を読んでもらうことを目的に、2学期に読んだ本の冊数やページ数に応じて、多読賞の表彰を行う予定でいます。

 最後に、過日に実施された「石川地区読書感想文コンクール」の結果です。入賞したみなさん、おめでとうございました。なお、地区で推薦だった3年の佐藤愛菜さんの作品は、県読書感想文コンクールで、特選になりました。

 推薦 3年 佐藤愛菜さん 「ねこと王様を読んで」 ※県特選
 特選 2年 黒澤結衣さん 「えんぴつさん、ありがとう」
 特選 5年 二瓶大雅さん 「『こども電車』を読んで」
 入選 1年 佐藤快晴さん 「さすけがおしえてくれたこと」
 入選 4年 佐藤世菜さん 「私も地球のために」
 入選 6年 小松果恋さん 「『転んでも大丈夫、ぼくが義足を作る理由』を読んで」

135 マラソン練習

 マラソンの練習が始まっています。今年のマラソン大会は、11月12日(水)2・3校時の予定です。学年に応じて校庭を何周かしてから、校庭を出て、学校の周辺の道路を一周するコースを走ります。距離は1・2年生が1.2km、3・4年生が1.6km、5・6年生が2.0kmです。
 学校の周辺を回る周回コースを走ってみました。車の行き来が少ない、とても走りやすいコースだと思いました。ただ、アップダウンが激しいです。調べてみたら、校庭が標高246mで、校庭を出たら、すぐに上りです。しばらく行くと、ちょっと下って、また上ります。校庭から400m程行った辺りが一番標高は高く、約260mあります。なんと校庭との差が14m。4階建てのビルぐらいあります。そして、そこから、コースは400mの下り。一気に校庭より少し低い標高245mまで下ります。そして、ここから校庭まで残り200mぐらいですが、最後に学校の前の道路から職員駐車場までの勾配の急な上り坂が待っています。コースの終盤なので、かなりきついと思います。しかし、その坂を上りきれば、ラストスパート。校庭でゴールとなります。
 子どもたちは、朝の時間や休み時間に校庭を走っています。先日行われた全校集会で、次のような話をしました。
「いよいよマラソンの練習が始まりました。このマラソンの練習で大事なのは、途中、歩いたり、止まったりしないで、同じ速さで、最後まで走り続けることです。そして、マラソンの練習はつらくて、苦しいです。でも、そのつらくて、苦しいのを我慢して頑張った分、それは、自分の力になります。その力は、走る力だけでなく、つらくても苦しくても逃げないで頑張るという心も強くしてくれます。みんなで、マラソン練習を頑張りましょう。」
 体育の時間も練習している様子が見られます。長い距離を走るのが苦手な子どもにとっては、大変な練習です。しかし、マラソンも戦う相手は自分です。つらくて苦しくて歩きたいという自分と、もう少し頑張ろうとする自分とが、戦い続けます。そうやって、自分の心が強くなっていくのだと思います。そして、つらくて苦しいマラソンですが、一度、スタートしてしまえば、そこから後は、ゴールに向かって、距離はどんどん短くなっていきます。頑張って前に踏み出している一歩一歩で、間違いなく、ゴールへ近づいていきます。そして、途中でやめなければ、止まらなければ、全員がゴールにたどり着くことができます。それが、マラソンです。
 もうしばらく、練習の日々が続きます。お家でも、頑張っている子どもたちを励ましてください。

136 「理解ある親」をもつ子はたまらない(「こころの処方箋」より)

 河合隼雄さんの書いた「こころの処方箋」という本を読んだ。河合さんは臨床心理学者である。臨床心理士は、心身の健康問題に取り組む患者を支援する立場である。その河合さんが、読む人に何かしら感じてもらえるような短いお話を55編載せてあるのが本書である。目次を見ると、いきなり、「人の心などわかるはずがない」という題がある。人の心を相手の研究されてきた方が、そう言い切っているところが、なかなか興味深い。それで、一通り見回してみると、?と引っかかった題があった。それは、「『理解ある親』をもつ子はたまらない」。私も一人娘を持つ身、ちょっと内容が気になった。以下、文中から抜粋である。

「(前略)子どもは成長の過程で、成長のカーブが急上昇する時がある。そういう時、子どもは、自分でも抑えきれない不可解な力が湧き上がってくるのを感じる。それを何でもいいからぶっつけてみて、ぶつかった衝撃の中で、自らの存在を確かめてみるようなところがある。そのとき子どもがぶつかってゆく第一の壁として、親というものがある。親の壁にさえぎられ、子どもは自分の力の限界を感じたり、腹を立てたり、くやしい思いをしたりする。しかし、そのような体験を通じてこそ、子どもは自分というものを知り、現実というものを知るのである。
 いわゆる「理解のある親」というのは、このあたりのことをまったく誤解してしまっているのではなかろうか。子どもたちの力が爆発するとき、その前に立ちはだかる壁になるのではなく、「子どもたちの爆発するのもよくわかる」などと言って、その実は、それをどこかで回避し、自分はうまく衝突を免れようとしているのではなかろうか。壁が急になくなってしまって、子どもたちはいったいどこまで突っ走るといいのか、どこが止まるべき地点かわからなくなる。不安になった子どもは、壁を求めて暴走するより仕方なくなる。(中略)しかし、本当のところ、子どもたちは法律の壁なんかではなく、生きた人間にぶつかりたいのである。(中略)
 厳密に言うなら、理解のある親が悪いのではなく、理解のあるふりをしている親が、子どもにとってはたまらない存在となるのである。理解もしていないのに、どうして理解のあるようなふりをするのだろう。それは自分の生き方に自信がないことや、自分の道を歩んでゆく孤独に耐えられないことをごまかすために、そのような態度をとるのではなかろうか。(後略)」

 私はこれを読んで、思い出したことがある。私は中学時代、自転車でソロキャンプしながら、一人旅をしたいと考えたことがあった。しかし、それは、親に反対され、断念せざるを得なかった。当時の自分は、うまくいくことしか想像していなかったから、きっと、実際はいろいろな困難な状況を味わうことになったのかもしれない。しかし、その時はそんなふうに冷静に考えられず、ただやりたいことが反対され、できなかったことが悔しかった。子どものやりたいことを尊重し、自由にやらせる子育てもあろう。しかし一方で、親として、駄目なものは駄目と厳しく言い放つ子育てもあるのだと思う。河合さんは、文中で次のようにも言っている。

「すもう取りは、ぶつかり稽古で強くなるという。せっかくぶつかろうとしているのに、胸を貸す先輩が逃げまわってばかりいては、成長の機会を奪ってしまうことになる。もっとも、胸を貸してやるためには、こちらもそれだけの強さをもっていなければならない。子どもに対して壁になれるために、親は自分自身の人生をしっかりと歩んでいなくてはならないのである。」

 子どもの成長にとって、一番のモデルは、やはり親なのだということである。そのモデルである親が、しっかりと人生を歩む姿を見せることが、子どもにとっては、大事なのだということなのだろう。自戒を込めて、受け止めたいと思った。

137 赤べこはがき

 来年の干支は、丑(うし)です。今回、年賀はがきのデザインの一つに、「赤べこ」が登場しました。


 私たち福島県民として、また、会津出身の私にとっても嬉しい限りですが、この「赤べこ」はがきのデザインされた方が、なんと会津出身と新聞で知って、さらに驚くと共に嬉しくなりました。
 このデザインをされた方は、切手デザイナー(こういう職業があるんですね)の中丸ひとみさんです。中丸さんは、会津若松で生まれ、若松市内の高校を卒業後、美術関係の学校に進学し、旧日本郵政公社(今の郵政グループ)に入社されました。そこで、主に記念切手のデザインをされているわけですが、日本郵便のキャラクターである「ぽすくま」の生みの親でもあります。

 年賀はがきのデザインは、例年、担当者が決まっているそうです。しかし、今年は、切手デザイナー全員によるコンペ形式で決めることになったそうです。そこで、中丸さんも参加することになりました。会津に育った中丸さんにとって、赤べこは身近な物で、来年の干支が丑年ということで、真っ先に「赤べこ」を思い浮かべたそうです。そして、赤べこと組み合わせたのが梅と凧。厳しい冬の環境でも花を付ける梅の力強さ、そして、空高く昇る凧で希望を表しているそうです。そこに、疫病退散の赤べこですから、今のコロナ禍の中、この年賀はがきをやりとりする人たちに、勇気と元気を与えてくれそうです。中丸さん自身、赤べこデザインが採用されて喜びと感謝を述べていました。そして、「この絵で福島県民のみなさんが明るい気持ちになり、少しでも元気になる応援ができたらと思います。」とメッセージを寄せています。
 年々、メールによるやりとりが増えてきて、年賀はがきで年賀状を出す人が減ってきているようです。今年は、コロナの影響で、遠方の方々とは正月に会えない人もいるかもしれません。今年は、年賀状で近況報告などする方が増えるかもしれないなあと思いました。

138 私の思い出

 今の子どもたちは、家に帰ってからや休日の日等、どのように過ごしているのでしょうか。そんなことを考えていたら、自分は子どもの頃、どうだったかと振り返ってみたくなりました。

 会津盆地を囲むように山がありますが、その一角の山の麓に、私の家はありました。子どもの頃は、近所の子どもたちが集まって、一緒によく遊びました。ある時、みんなで近くの山の中に探検に行ったことがありました。その時、森の奥に大きな人口の池を発見しました。こんなところになぜ池が?よく見ると、鯉がいっぱい泳いでいました。おそらく、鯉の養殖場みたいなところだったのでしょう。そうとは知らず、みんなで鯉を捕まえて遊んでいたら、怒られました。子どもの頃から、漫画は好きで、よく読んでいましたし、よく真似して描いていました。漫画雑誌の読者コーナーに、応募した漫画が一度掲載されたこともあり、すごくうれしかったことを覚えています。その頃、年賀状は、毎年、ゴム版画で手作りしていました。しばらくして、プリントゴッコなる印刷機械が出来てからは、それで作るのにはまっていました。実家の周りは田んぼだらけで、近くに小川も流れていましたので、田んぼの間の小川に網をかけて、フナやドジョウ、ザリガニなどをとって遊びました。小川で釣りもしました。餌釣りから始まって、毛針、ルアーと何でもやりました。自転車に乗って、家から何時間もかけて釣りにも出かけたこともありました。当時の会津は、今よりも雪が多く、冬になると、スキーで遊びました。東山温泉のところに、昔、ロープウェーがあって、それに乗って、背炙り山までスキーに行きました。行きはロープウェーに乗りますが、帰りは乗らず、山の中の細い道を、友達とつながって、猛スピードで降りていくのが、恒例になっていました。片側が崖という山道だったので、今思い出すとちょっと怖いのですが、先頭の子がバランスを崩して転ぶと、その後続は全員同じように転ぶしかなくて、全員雪まみれになって、みんなで大笑いするという、それが楽しくて毎回やってました。(次回へ)

139 私の思い出(続き)

 中学1年の夏休み、たまたま本屋で見つけた切り絵の本に興味を持ち、初めて切り絵の作品を作りました。500円切手に描かれていた金剛力士像をモチーフに、四つ切り画用紙大の作品に仕上げました。それから、切り絵の世界にはまっていき、高校では美術部に所属し、大学は卒業論文ではなく、卒業制作で切り絵の作品を何点も制作しました。その時、制作した作品は、「滝」をテーマにした切り絵で、福島県内のいろいろな滝を見に行って、当時はデジカメなどなかったので、何枚もスケッチして、切り絵の作品に仕上げました。今では身近なパソコンが、少しずつ出回ったのが、ちょうど大学時代で、大学に入学した時に、初めてパソコンを買いました。その頃のパソコンは、簡単なプログラムを自分で入力して、ゲームを作って遊ぶことができましたので、プログラムが載っている雑誌を買っては、次々に入力して遊んでいました。ですから、今のゲームがいかにすごいかわかりますし、それにはまってしまうのもうなずけます。

 自然の中で思いっきり遊んだり、漫画を描いたり、工作したり、自分の好きなことをして、夢中で過ごしていた子ども時代。その後の成長過程でも、ずっと続けていたことがあったり、新しく始めたことがあったりと、なかなかバラエティーだなあ、と我ながら思います。それも、その時々で興味があったこと。実に様々なことに手を出していたなあと思います。「あなたの長所短所は何か?」と聞かれた時、「熱しやすく冷めやすいところ」と答えています。自分では、いろいろなことに興味を示し、次々に関心事が変わることは、短所かもしれませんが、それが、結果的には自分の人生を楽しくしているから、それはそれでよしと思っています。そんな人生を歩みながら、実は、明日11月5日で、55歳になります。

 いつ、どんなことに興味を持つかどうかは、本人しか分かりません。それでも、何かしら興味を持ち、やってみようとすることは、自分の可能性を広げることや、自分の人生を豊かにすることにつながっていることも間違いありません。時代は変われども、一度しかない自分の人生を、自分らしく楽しく過ごせたら、それはそれで最高だと思います。そのように、子どもたちにも過ごしてほしいと思っています。

140 30歳の時

 あれは、教師になって7年目。30歳を迎えた時のことだ。その時、こんなことを考えた。自分が生まれてから30歳までの30年間。実に様々な出来事があり、とてつもなく長かった。それと同じだけの年数を、自分はこれから60歳の定年までの30年間、教師として働き続けるのか、と思ったら、気が遠くなったのだ。なんとも不謹慎な物の考え方だが、そんなことを思ったことを思い出した。それから、25年。振り返ってみれば、やはり、いろいろなことがあったが、それでも55歳を迎えた今、定年までは残り5年。改めて、時間の早さを思い知る。

 それにしても、本当にかわいい子どもたちばかりだ。朝、いつものように校長室にあいさつする時、「校長先生、お誕生日おめでとうございます。」と言ってくれる子どもたち。手作りの折り紙をプレゼントしてくれたり、学年で寄せ書きまでしてくれる子どもたち。朝、読み聞かせに入ったところでは、誕生日の歌まで歌ってくれた。素敵なGo!Go!の誕生日になった。

 さて、私だけでなく、子どもたち一人一人にも誕生日がある。今度は、私が、一人一人に「おめでとう」を言ってあげなければと思った。

141 学習発表会ではありません、学習の発表会です。

 今年は、例年行っている、野小っ子フェスティバルでの学習発表会とは、大きく異なります。そこで、「学習の発表会」としました。

 1学期末に、保護者の皆様の学校評価アンケートで、2学期の学習発表会をなんとか工夫してやれないだろうか、という御意見を多数いただきました。そこで、当初、秋の学習発表会は中止で考えていましたが、内容や方法を変えた形で、実施することにしました。

 まず、今回の「学習の発表会」は、授業参観の延長と位置づけました。つまり、これまでの授業で取り組んできたことを中心に、多少アレンジを加え、発表形式にして、保護者の皆様に見ていただくことにしました。そして、普通の授業参観ですと、兄弟関係があると、じっくり一つの学年を参観していただくことができません。そこで、今回は、参観していただく発表場所を体育館として、学年ごとに、全ての発表を、全ての保護者の皆様に見ていただけるようにしました。こうすることで、兄弟全員の発表をご覧いただくことができます。

 発表する内容も、前述したとおり、学習で取り組んできたものを発表します。学年によって、国語科、社会科、音楽科、総合学習等、いろいろな内容を発表する予定です。子どもたちが、学年に応じて、どのような学習に取り組んでいるのか、興味深く見ていただけるかと思います。そして、6年生はその集大成ですから、これまでの6年間の総まとめ的な発表になることと思います。

 今回は、子どもたちの係等はありません。発表の番が来るまで、教室で待機して、発表の時だけ体育館で発表し、終わったら、また教室に戻ります。教室では、担任と普通に授業をして過ごします。ちなみに、子どもたち同士の発表を見合う予行は、17日に行います。ですから、20日は、体育館でご覧になるのは、保護者の皆様のみとなります。

 最後に、今年は、コロナの影響で臨時休校の措置となり、その後の授業時数の確保が重要になっています。そういう中での発表になりますので、昨年のような発表会に向けた練習時間を使えない状況であることを御理解いただきたいと思います。それでも、各学年、子どもたち一人一人が、少しでも輝いている姿をご覧いただけるよう、工夫を凝らして、当日の発表に臨みたいと考えています。一学年およそ20分の発表です。保護者の皆様に、野木沢小学校では、1年生から6年生まで、どのように学習に取り組み、どのような子どもたちを育てているか、ありのままの姿をお見せしたいと思います。どうぞ、お時間がありましたら、全ての学年の発表をご覧いただけますよう、お願いいたします。

142 マラソン試走

 どの学年でも、来週12日のマラソン大会に向けて、試走を行っている。実際に、マラソンコースを走って、タイムを測定するのだ。距離は、低・中・高学年で変わるため、2・4・6年生は、昨年も走っている距離だが、1・3・5年生にとっては、初めての距離になる。マラソンも、以前、陸上で話したことと同じで、今までの自己ベストを出すことが目標になる。そのために、練習段階で、自分はどのくらいのタイムで走れるのか知ることは大事なのだ。
 そして、このマラソン試走は、走れば走るだけタイムを縮める子がいる。1回目走って、もっと自分の力を出せると思った子は、2回目が良くなる。一方、1回目より2回目のタイムが悪くなる子もいる。それは、1回目は、初めてなので、結構頑張って走れるのだが、2回目は、1回目に走って、そのつらさを味わって知っている分、つらくなる前に、無意識でブレーキをかけてしまうのかもしれない。
 だから、マラソンは、自分との戦いなのだ。つらい、苦しい、力を抜くか…いや、もう少しだけ頑張ろう…そういう心の中の駆け引きがある。そうやって、体も心も鍛えられていくのである。

143 なりたい職業(中学生編)

 福島リビング新聞社で発行している「リビング中学生新聞」に、中学生に聞いた「将来なりたい職業」が紹介されていました。

 男子の部 第1位 動画投稿者
      第2位 プロeスポーツプレイヤー
      第3位 ゲームクリエイター
      第4位 ITエンジニア・プログラマー
      第5位 会社経営者・起業家
      第6位 公務員
          ものづくりエンジニア
          プロスポーツ選手
      第9位 歌手・俳優・声優などの芸能人
      第10位 会社員

 女子の部 第1位 歌手・俳優・声優などの芸能人
      第2位 漫画家・イラストレーター・アニメーター
      第3位 医師
      第4位 看護師
          公務員
      第6位 ショップ店員
      第7位 動画投稿者
      第8位 作家・ライター
      第9位 動物園や水族館の飼育員
      第10位 教師・教員・デザイナー・美容師

 実際に仕事に就いている人たちからのコメントも載っていました。動画投稿者さんは、「編集など一から勉強するなど、大変でしたが、大事なのは『やってみよう!』の精神。みなさんも挑戦してほしい。」。ゲームクリエーターさんは、「プログラミングは理系と思われるかもしれませんが、本当に大切なのは国語や道徳の力。ゲーム業界では、キャラクターデザインを考える人、ゲーム音楽を作る人などチームで制作しているので、コミュニケーション能力や意思を伝える力、倫理観などが求められます。」。イラストレーターさんは、「絵がうまくなるためには、とにかく描き続けること。そして、恥ずかしがらずに人に見せて評価をもらうこと。また、どんな経験でもスキルアップにつながります。好奇心を持って挑戦し、視野を広げてください。」。

 なかなか興味深い話だなと思いました。コンピュータを駆使して一人で行っていそうな仕事も、実際は他の人とコミュニケーションをとりながら進めるわけですから、やはり、働くことは、他の人と関係を作ることなのだと、改めて思いました。イラストを描く仕事も、一見、自分のオリジナルの世界で勝負しているようで、そこにはどんなイラストが求められているのかという、他の人との関わりが存在するわけです。そういう要望に合わせて描く楽しさもあると、イラストレーターさんは言っています。最後に、モデルをされている人は、「運も大きく左右する仕事。チャンスを逃さないように準備しておくこと、人とのご縁を大切にすること、次の仕事につながるように全力で取り組むこと」が必要だと言っています。やはり、何事にも、全力で努力して取り組むことは大事だと言うことです。楽して努力することなく、やれる仕事はないと言うことだと思いました。

144 算数・数学ジュニアオリンピック問題

 毎年、小学5年生から中学3年生を対象に、福島県では「算数・数学ジュニアオリンピック」を開催しています。今年は、行われなかったのですが、どんな問題が出題されているか、ちょっと紹介します。

【問題】
 5g、6g、7g、8gの4種類のおもりがたくさんあります。これらのおもりを使って、いろいろな重さを作ります。例えば、5gのおもり1個と6gのおもり2個を使うと、17gの重さを作ることができます。

(1)4種類のおもりは、どの種類のおもりも何個でも使えることとします。その時、作ることができない重さは、全部で何通りあるか求めなさい。

 みなさんは、解けましたか。解答は、次のとおりです。

【解答】
 1gから順番に確かめてもいいのですが、もっとすっきりと解ける方法があるようです。
 まず、重さを下のように並べます。丸数字は、おもり1個で作れる重さです。

  1  ⑥ 11 16 21 26
  2  ⑦ 12 17 22 27
  3  ⑧ 13 18 23 28
  4  9 14 19 24 29
  ⑤ 10 15 20 25 30

 一度重さを作ることができれば、そこから右に並んだ重さは、5gを加えているので作ることができます。9gは作れませんが、14gは作れます。よって、作れる重さを消していくと、残りが作れない重さになります。

  1  ⑥ 11 16 21 26
  2  ⑦ 12 17 22 27
  3  ⑧ 13 18 23 28
  4  9 14 19 24 29
  ⑤ 10 15 20 25 30

 よって、作れない重さは、1g、2g、3g、4g、9g の5通りです。

145 母の好きな言葉

 先週11月6日の金曜日の夕方、会津に住む私の母親が亡くなりました。ずっと認知症を患っていて、入院していたのですが、食事をとらなくなり、だんだん呼吸も弱くなってきて、最後は老衰でした。86歳でした。月曜日に通夜、火曜日に告別式を行いました。

 多くの方々が最期に会いに来てくださいました。その中に、一緒に旅行していたお仲間の方々がいて、母との思い出をいろいろと話してくださいました。母は、本当に旅行が好きで、行きたいところがあると、すぐに計画を立て、準備を進めて、そして、必ず行ってしまうのでした。日本全国、ほぼ全県に行っていたのではないでしょうか。昔からたまに会いに行くと、大概、どこどこに行って楽しかった、という話をしていました。他にも、会津語りの会に所属し、語り部として、いろんな方に会津の昔話を語っていました。「康二の学校にも行くよ」と言われていたのを思い出します。以前、LIVEで紹介した赤べこの話は、母から聞かされた話でした。

 そんな母が昔から好きな言葉がありました。その言葉が
「施して報いを願わず、受けて恩を忘れず」
というものです。この言葉は、大隈重信の言葉と言われていますが、江戸時代の儒学者の中根東里の言葉のようです。意味は、「人に何かしてあげても、その御礼を期待してはいけない。しかし、自分が他の人から何かしてもらったら、その御恩を忘れてはいけない。」

 世の中には、損得勘定で物事を考えることがあります。それをしたら損か得か。しかし、そういう物の考え方だけでは、きっと殺伐とした世の中になってしまうでしょう。人の心も同じで、損得だけで人と付き合うことは、温かみのない冷たい人間関係しか築けないのではないでしょうか。そうではなく、人に何かしてあげるのは施しです。施しは一方的な行為です。ボランティアです。ですから、そのお返しは期待しません。やってあげたではなく、やらせていただくのが施しです。だから、施しをさせていただいたことに感謝。それ以上はありません。しかし、逆に自分が誰かに何かしていただいたら、そのことについて感謝し、やっていただいたことを忘れずに、次は、自分が何かさせていただくつもりでいる。そういう関係を築くことは、とても大切なのだと思います。

146 マラソン大会

 これ以上ないという秋晴れの下、マラソン大会を行うことができました。昨年は、風が吹いて肌寒い中で実施したようですが、今年は、無風で、しかも太陽まで顔を出してくれたので、マラソンを行うには、最高のコンディションだったと言えます。

 子どもたちは、どんな気持ちでスタートラインに立っていたのでしょうか。体育館で行った開会式で、次のような話をしました。
「いよいよマラソン大会本番です。スタートラインに立ったら、後は、ゴールを目指して走るだけです。途中、どんなにつらくても、どんなに苦しくても、あきらめずに走り続ければ、必ずゴールにたどり着けます。もし、途中でくじけそうになったら、頑張っている自分を、自分で励ましてください。『ぼく、すごい』『わたし、えらい』って。そうして、ゴールを目指し、自己ベスト記録が出せるよう、頑張りましょう。」

 競技は、中学年女子からスタートしました。校庭には、多くの方々が応援に駆けつけてくださいました。そして、校庭を出発する子どもたちや、周回コースを走り終え、校庭に戻ってくる子どもたちに大声援を送ってくださいました。きっと、子どもたちは、その声援に後押しされ、いつも以上に頑張れたと思います。

 走った子どもたちは、全員、完走することができました。マラソンは、自分との戦いです。歩きたい、休みたい、足が痛いなど、走りながら、次々と変わる心と体の状態に、負けず、あきらめず、走り続けるのです。これは、走っている本人しか分からないことです。きっとゴールした時、やり遂げた達成感や満足感を味わったに違いありません。しかし、中には、思うように走れなくて、悔しい気持ちになった人もいたかもしれません。それも、成長する過程において、とても貴重な経験です。

147 校長会研修視察に行って

 先日、浜通りにある震災・原発関連の施設を研修視察してきました。
 2011年3月11日、あれから間もなく10年を迎えようとしています。
“10年一昔”という言葉があるように、東日本大震災、そして、その後の原発事故は、一昔も前の出来事になろうとしています。3年生以下の子どもたちは、生まれる前の出来事。そして、4年生は生まれたばかり、5年生・6年生はかろうじて記憶があるかないか…。あと3年もすると、小学生は誰一人知らない出来事となってしまうわけです。

 今回、見学した施設は次の2カ所です。
「東京電力廃炉資料館」
 この施設は、以前、富岡町にあった原子力発電について紹介する建物だった、東京電力所有の「エネルギー館」を改築して作られました。ちょっと皮肉っぽいのですが、今は、ここで、原子力事故の事実と廃炉に向けた取り組みについて説明しています。しかし、ここを一通り見学すると、東京電力として、今回の事故に対して、どのように考え、どのように責任をとろうとしているか分かるようになっています。

「東日本大震災原子力災害伝承館」
 この施設は、国の国家プロジェクトである「福島イノベーション・コースト構想」により双葉町に建設されました。「福島イノベーション・コースト構想」とは、大震災や原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業を回復するためのものです。
 ここでは、建物の名称のとおり、それぞれの災害の記録が細かく残され、そこから福島の未来に向けて、しっかりと継承していくことが目的となっています。先述の施設と似ているようですが、ここは一企業の目線ではなく、幅広い視点から、様々な資料が見られ、これからの福島をどうしていくか、観覧者が考えさせられるものとなっています。

 富岡町と双葉町まで、石川町からは、高速道路等を使っても、2時間ほどかかりました。それでも、こういう施設があることで、今後、何年経とうとも、これらの災害の記憶が、人々から消え去ることなく、次の世代の人たちへつながっていくのだと感じました。

 みなさんも機会がありましたら、訪れてみてはいかがでしょうか。

◆東京電力廃炉資料館(富岡町)
  開館時間 9:30~16:30
  休 館 日 毎月第3日曜日・年末年始
  入 館 料 無料
    人数制限する場合もあるので、事前予約をお勧めします。

◆東日本大震災原子力災害伝承館(双葉町)
  開館時間 9:00~16:30(最終入館)
  休 館 日 毎週火曜日・年末年始
  入 館 料 大人600円、小中高300円

148 学習の発表会 金曜日開催!

 火曜日の予行を終えて思ったのは、いろいろな発表があって、見ていて楽しいということです。本番の前に、あまり詳しくは言えないのですが、既に配付済みのプログラムにあるとおり、国語の音読や社会、総合学習の調べ学習、音楽の合唱・合奏があり、算数や体育まであります。さらに、寸劇があり、音読劇があり、本格的な創作劇やスクリーンを使った発表まであります。内容がとてもバラエティで発表のしかたもいろいろと工夫されています。
 次に、その発表に、一生懸命取り組む子どもたちの姿があります。1年生から6年生まで、段階的な野木沢小の子どもたちの育ちと、そこに関わる先生方の指導の様子が感じられます。
 かつて、あるお菓子のコマーシャルに「一粒で2度美味しい」というものがありました。今回の学習の発表会は、わずか20分程度の各学年の発表の中に、いろいろなものがぎゅーっと凝縮されていて、全ての発表をご覧になると、まさに、「一度で6倍楽しめる発表会」と言えるでしょう。どうぞお楽しみに。
 最後に、学校では子どもたちに「練習は本番のように、本番は練習のように」と言っています。練習を練習だからと気を抜いていては、本番もそういう発表になってしまいます。練習でも本番だと思って、本気全力でやることが大事です。そして、金曜日は本番。それでなくとも、本番を迎え、緊張している子どもたち。しかし、本番は、今までの練習のようにやるだけでいいのです。練習でできていないことは、本番でもできないのですから。そこで、お家の方々にお願いです。当日の朝、子どもたちにかける言葉は「練習のように頑張ろう」でお願いします。必要以上に、プレッシャーはかけないでくださいね。

149 学習の発表会を終えて

 今回は、平日の開催となりましたが、早朝より多くの方々にお出で頂きまして、感謝申し上げます。17日の予行と比べても、どの学年もさらに磨かれたいい発表ができていたように思います。

〈1年生の発表〉
 大きな声ではっきりと台詞を言ったり、歌を歌ったりできていました。予行の時より、前を向いて演技でき、途中で止まることなく、最後まで続けて発表することができていました。

〈2年生の発表〉
 役割を次々に交代しながら、自分が次に何をやるのか、しっかり確認しながら発表できていました。大きな声で台詞を言ったり、堂々と演技したりすることができました。

〈3年生の発表〉
 国語の俳句発表あり、ダンスあり、合唱・合奏ありとバラエティーに富んだ内容の発表でした。一人一人の声も大きく、見ていて楽しい発表をすることができました。

〈4年生の発表〉
 予行よりも格段に声を出して、発表することができました。スライドを効果的に使って、分かりやすい発表になっていました。歌や踊りも変化があって、よかったです。

〈5年生の発表〉
 はっきりとした話し方で、自分の考えを分かりやすく発表することができました。内容も、資料から分かることや資料について考えたことを、堂々と発表することができました。聞いている人が考えさせられる内容でした。

〈6年生の発表〉
 自分たちで考えた創作劇にチャレンジしたことが素晴らしいです。新しいものを創り出す難しさや楽しさなどを感じることができたと思います。6年生にとって、とてもいい経験になったと思います。予行よりまとまりや真剣さが見られて良かったです。

 20日の発表会後、メールにて多くの発表の感想をいただきました。ありがとうございました。いくつか紹介します。

〈保護者の方々の感想より〉

 とても楽しかったです。みんなで一生懸命やっていて良かったです。
 とてもよかったです。子どもたちがが一生懸命勉強したりまとめた軌跡が見られて、それがとても素晴らしかったです。
 1年生のかわいい姿が見れて、一生懸命発表している姿が見れて、よく頑張っていてほめてあげたいです。
 コロナ禍の中、授業時間の確保と感染予防といった、課題がたくさんある中、楽しい発表、素晴らしい発表を見せていただきました。子どもたちの一生懸命さと、先生方の熱意が伝わってきました。
 いつものように文化祭と一緒に行うより、今回の方が一つ一つ子どもたちの発表や言葉に集中して観ることができたので、とても良かったと思います。
 子どもたちの発表、とても素晴らしかったです。5年生の内容は、良く考えて調べてあると感心しました。6年生も最後の発表、温かい気持ちになりました。鼓笛の演奏も良かったです。
 今年はいろいろな行事が中止になる中、発表会という形で、子どもたちの成長した姿を見ることができ、とても感動いたしました。
 子どもたちの成長を感じ、うるうるとしてしまいました。舞台近くにマイクを設置していただき、子どもたちの声もよく聞こえました。
 短い時間でしたが、発表内容もまとまりがあり、分かりやすく、勉強になりました。
 6年生はいろんな要素があり、楽しかった。最後の言葉がとても感動的だった。近くで鼓笛が見れて迫力があった。
 行事が減ってしまっている状況の中で、開催していただけただけで有り難かったです。6年生は最後でしたが、思い出には残ったと思います。親の方も泣きそうなくらいでした。先生方には感謝ですね。ありがとうございました。
 子どもたちが一生懸命やっていて、とても感動しました。やっぱりいろんな人にその姿を見てほしいと思いました。みんな堂々としていて、普段見れない姿が見れて、とても良かった。最後の6年生の言葉が感動しました。
 このような状況の中、開催してくれました先生方には、感謝ばかりです。ありがとうございました。

150 郷土かるた

 群馬県に「上毛かるた」というものがあります。群馬県の郷土かるたで、作られたのは1947年。このかるたを使って、毎年2月に上毛かるた大会が全県的に行われているそうです。ですから、群馬県の小学生は、冬休みに練習するのが恒例で、その結果、ほぼ全員が上毛かるたの読み札を覚えているそうです。テレビでも、群馬県出身者と分かると、「い」「伊香保温泉 日本の名湯」等と上毛かるたを話題にしているので、後存知の方もいるのではないでしょうか。

 私は昔からこの「上毛かるた」文化をうらやましいと思っていました。かるたを通して、郷土を知り、郷土を愛する心が育つわけですから。そんなことを考えていたら、先日、学校の図書館で「いしかわまち 郷土かるた」なるものを見つけました。なんと我が石川町にも、郷土かるたがあったのですね。調べてみると、2008年に作られたようです。早速、どんな札があるのか、箱を開けてみました。その中で、野木沢に由来しているものは、次の札でした。

「あ」「悪戸古墳 時を越えて 石室の中に」
「そ」「その水は 式部ゆかりの 小和清水」
「の」「野木沢の 式部をしのぶ 光国寺」
「は」「禿山公園 真紅にそめる 山つつじ」
「へ」「ペグマタイト 結晶の大きさ 日本一」
「わ」「和久 沢井 曲木にもあるよ 板碑群」

 この中の禿山は、残念ながら、今は公園でなくなっています。時代と共に、変わってしまったものはしかたありません。それでも、この「いしかわまち 郷土かるた」には、石川町のよき郷土が札になっているわけですから、このかるたを通して、石川町のよさを知り、石川町への郷土愛が育まれることは期待できそうです。
 しかし、かるたという遊びは、絵札を囲むように見合って、読み札が読まれたら、お互いに手を伸ばして絵札を取り合う、接触や密になることは避けられない遊びです。今のコロナ禍では、ちょっと遊びづらいかもしれないなあ、とも思いました。

151 矢口高雄さんを偲んで

 みなさんは、「釣りキチ三平」という漫画をご存じでしょうか。三平少年が、日本や世界の様々な魚釣りに挑戦する釣り漫画です。以前紹介しましたが、釣り好きで漫画好きだった少年時代の私にとっては、バイブル的な存在でした。作品の中には「伝説の魚」「幻の怪魚」なども登場しますが、そのほとんどが実在する魚がモデルになっていたようです。例えば、「O池の滝太郎」というのがありました。これは、山形県鶴岡市の山奥にある大鳥池に生息しているといわれる巨大魚「タキタロウ」がモデルでした。実は、私の父親の故郷が鶴岡市でして、小学生の頃から大鳥池があることも、そこにタキタロウ伝説があることも知っていました。ですから、いつか行ってみたいと思っていたところ、大学時代、たまたま車で鶴岡に行く機会があり、念願の大鳥池に行ったことがあります。大鳥池は、車では行けない山奥にありまして、片道2時間以上歩いていったことを覚えています。苦労してたどり着いた大鳥池は、思ったより大きくて、いかにも巨大魚が潜んでいそうな雰囲気のところで、ここで三平少年が釣りをしたのだと想像しました。漫画では他にも、北海道釧路湿原の幻のイトウや、カナダのキングサーモンなど様々な魚釣りを取り上げていて、劇画タッチの漫画でしたので、描写がリアルで、まさに自分も体験したつもりになって、夢中で読みあさっていました。
 この漫画の作者、矢口高雄さんが先日、81歳で亡くなりました。矢口さんの故郷は、秋田県の横手市の山村で、冬はかなりの豪雪地帯でした。子どもの頃から漫画が好きで、手塚治虫さんの漫画をよく真似して描いていました。高校卒業後、地元の銀行に就職しますが、その頃から漫画を描き始め、30歳で漫画家としてデビュー。34歳の時に「釣りキチ三平」の連載がスタート。実はそのちょっと前に、「幻の怪蛇バチヘビ」という作品を描いています。ご存じの方はいるでしょうか。その昔、ツチノコという未確認生物がブームになりましたが、そのきっかけを作った漫画です。他にも、秋田の狩猟集団「マタギ」を題材にした作品や故郷秋田を題材にした「おらが村」などがあります。
 この「おらが村」の中で、秋田の田舎生活や子ども時代の思い出を描いているのですが、私が印象に残っているシーンがあります。一つは、豪雪地帯の秋田の山奥、冬、雪が降る様子を「上みれば虫ッコ… 中みれば綿ッコ… 下みれば雪ッコ…」と表現しているシーン。もう一つは、都会生活をしている人が田舎に帰ってきて、昔と変わらないその暮らしぶりに「いつまでも変わらないでほしい」と言うのに対して、その村で生活する人が言い返すシーンです。「このワラぶき屋根、いかにも田舎らしくて良いな…とか、この村はいつまでも変わらないで欲しいというのは勝手だが、しかし、そういう考え方は便利な都会で生活する者の、心のおごりではないか。ここで生活する人間の身になってみれば、アルミサッシの窓やステンレスの流し台、タイル張りの浴槽が良いに決まっているし、どんどん村は変わっていい。故郷はいつまでも同じでなくて、どんどん変わって欲しいと思うことはいけないのか。」子どもながら、深く考えさせられたことを思い出します。

152 思うようにいかないことにも意味がある

 27日の全校集会で、次のような話をしました。

「おはようございます。今日のお話は、『人生は、思うようにいかないことが多い。』という話です。

 例えば、学校生活においても、そうだと思うんですが、運動するのが苦手な人にとっては、運動会やマラソン大会があることがそうかもしれませんし、国語や算数が苦手な人にとっては、学力テストがそうかもしれませんし、野菜が苦手な人にとっては、給食があること自体、そうかもしれません。また、これまで友達とうまくいかないことがあった人もいると思います。それから、ほしいものがあっても、なかなか買ってもらえなかったりもすると思います。

 人生は、そういう思うようにいかないことの連続なのだと思います。しかし、『それには意味がある。』んです。だから、思うようにいかないからといって、やらなくていいわけではない。逆に、そういうことも、我慢して、やらなければならないんです。なぜなら、思うようにいかないことが、自分にとって、どういう意味があるかは、やってみなければわからないからです。だから、『何にでもチャレンジ』なんです。とにかく、頑張ってやってみる。やる前から、逃げない。やる前から、文句を言わない。まずは、やってみる。やってみて、その後で、自分にとって、どんな意味があったのか、自分で確かめてほしいのです。

 あきらめたら、何も変わりません。縄跳びの二重跳びだって、練習を頑張って、でも、なかなかできなくて、それでも頑張って練習して、そうして、ある時、できるようになります。できないからやーめた、と言っていたら、一生できないまま。苦手な食べ物だってそう。友達関係だって同じ。言いたいことがあっても、言わなかったら、何も変わらない。

 しかし、がんばってチャレンジしたからといって、思うようにいくかというとそうではない。やはり、思うようにいかないことが続く。それでも、あきらめずに、やり続けること。そういうことを繰り返すことが、生きることです。そうやって、生きていると、ある時、思うようにいくことがあります。だから、うれしいんです。そういう時、生きるって、面白いなあと、思うんです。頑張ってくださいね。」

153 吉田富三子ども科学賞授賞式

 浅川町の吉田富三記念館において、今年の子ども科学賞特別賞の授賞式が行われました。例年ですと、県の児童理科作品展の最優秀賞が子ども科学賞を受賞しているのですが、今年は、県の児童理科作品展が中止になったため、地区の推薦作品にのみ、特別賞が贈られました。以下、来賓として述べたあいさつです。

「今年度、石川地区小学校教育研究会理科研究部の部長をしております、野木沢小学校校長、佐藤です。一言、お祝いの言葉を述べさせていただきます。

 この度は、吉田富三子ども科学賞授賞式に際し、特別賞を受賞された皆さん、おめでとうございます。

 今年は、みなさん、ご存じのように、新型コロナウイルスの影響で、県の児童理科作品展は中止となり、それを受け、県内のほとんどの地区も、今年は理科作品展を行わないこととなりました。

 実は、以前にも、今年と同じような時がありました。平成23年、あの東日本大震災があった年です。あの時も、県や各地区の理科作品展が中止になりました。しかし、この石川地区は、震災のあった年も、理科作品展を開催していたのです。私は、驚きました。それは、地区の理科作品展の審査結果で推薦になった作品に、吉田富三子ども科学賞特別賞を授けていただいていたからでした。この吉田富三子ども科学賞が、どんな社会状況だろうと、子どもたちの科学を追究する姿を継続して応援してくれていたわけです。そういうことから、石川地区では、今年も、理科作品展を開催することになりました。

 審査が終わり、この吉田富三記念館をお借りして、一日だけ展示会を開催しました。180名もの方々にお出で頂き、みなさん、熱心に作品をご覧になりました。その様子を見て、今年、石川地区で理科作品展をやって良かったなあと、しみじみ思いました。

 今回、特別賞を受賞された皆さんの取り組みは、プレートになって、この記念館内に半永久的に掲示されます。みなさんが大人になった時、自分の子どもが、このプレートを見て、きっと驚くことでしょう。そして、みなさんを誇りに思うでしょう。そして、みなさんを手本にして、理科研究に興味をもつのではないかと想像します。そういう意味でも、これからも、吉田富三記念館が末永く、この石川地区の科学に興味を持つ子どもたちが育つ場所として、あり続けてほしいと願っています。そして、今後も、石川地区理科作品展を支えて頂ければ有り難いです。

 本日は、誠におめでとうございました。」

福島民報に掲載された写真

154 教育相談、ありがとうございました

 お忙しい中、御来校いただき、教育相談に御協力いただき、ありがとうございました。普段、なかなか保護者の皆様とお話しする機会が取れないので、とても貴重な時間となりました。その中で、お子様の成長に関して、学校からの情報と御家庭からの情報を共有できたことは、とても有意義でした。また、学校・家庭のそれぞれが、今後どのように携わっていくか、確認することもできたと思います。前にも述べましたように、家庭と学校は、子どもたちの健やかな成長という、共通の目的を持った同士・仲間ですので、そのために、情報を共有し、お互いの関わり方について確認し、しっかりとタッグを組んでいきたいと思っております。今回は、限られた時間の中での話し合いでしたので、もし、もっと御相談したい事がありましたら、気軽に学校まで御連絡いただきたいと思います。

155 朝のリズムが鍵です!

 第2回「朝食について見直そう週間運動」アンケート結果は次のとおりでした。

 朝食摂取者(最終日)     99.0%
 朝食に野菜を食べた児童     65.7%
 朝食に汁物をとった児童    72.5%
 昼食以外に誰かと食事した回数
      2回(朝、夕)   97.1%
      1回(朝夕どちらか) 2.9%
      0回         0.0%

 ほぼ全員の児童が、朝食をとり、それも家族の誰かと取っていることが分かりました。アンケートへの御協力、ありがとうございました。

 ちょうど、この時期、学年ごとに食育の授業を行っています。1年生から4年生までは、本校養護教諭が教室に入り、担任の先生と指導しました。5年生と6年生は、本日、石川小学校の栄養教諭の先生に御指導いただきました。

 先日は、2年生が「早ね 早おき 朝ごはん」のテーマで学習しました。その中で、元気に過ごすためには、早寝・早起き・朝ご飯を中心とした生活リズムを整えることが大切だということが分かり、健康な生活を実践することができることがねらいになっていました。

 授業では、まず、アンケートにより、自分たちの生活のしかたを振り返りました。そこでは、規則正しい生活リズムがとれている児童がいる一方、寝る時刻が遅くなってしまったり、朝ご飯が食欲がなく食べられなかったりしている児童がいました。その後、紙芝居で、生活リズムについて考えました。その紙芝居に登場する女の子は、寝るのが遅く、朝自分から起きられず、朝ご飯を食べず、学校では眠くて、運動もだるくてやらない生活をしていました。

 結果、体重も増え、ますます運動嫌いになっていました。この女の子の問題点と今後どうすればよいか、子どもたちが考えました。早く寝ればいい、朝ご飯を食べる、頑張って運動する等、自分たちの生活と照らし合わせながら、改善点を考えました。結果、紙芝居の女の子は、生活リズムがよくなって、中学校ではバレーボール部に入り、それから20年後、ママになってもママさんバレーを続けているというお話で、紙芝居は終わりました。

 この話し合いの中で、とても興味深いことがありました。朝ご飯とうんちの関係について説明があった時、ある子どもから「朝ご飯食べても、うんちをしたら出ちゃうんじゃないの」という疑問でした。なるほど、食べてもうんちで出ちゃったらだめじゃないか、という素朴な疑問でした。養護教諭の先生から、朝、うんちで出るのは、12~14時間前に食べたもので、朝ご飯で食べたものは、その日のエネルギーになることを説明してもらい、みんな納得した様子でした。

 先のアンケート結果から、野木沢小の子どもたちは、朝、しっかりと朝食が取れています。だから、学校に来たら、朝から外を走り回って、元気に遊べるのだと思いました。そして、授業でしっかり頭を使って、エネルギーを消費し、お腹が空いて、給食をもりもり食べ、また、午後、頑張って過ごす。そして、家に帰ったら、宿題をやって、午後9時から10時には就寝し、朝6時頃、お腹が空いて起きてきて、朝ご飯をしっかり食べる…というよい生活リズムが取れているのだと思いました。大事なのは、朝のリズムです!そこを整えることで、他の時間も整っていきます。今後も、よい生活リズムを続けていけるよう、引き続き、よろしくお願いします。

156 理科自由研究発表会 at コミュタン福島 講評

12/5(土)コミュタン福島で行われた、理科自由研究発表会 at コミュタン福島 研究発表会 午後の部において、講評を述べる機会がありました。前半は、発表した子どもたちの発表内容について、一人ずつ感想を述べ、後半、全体的に以下のような話をしました。

「さて、突然ですが、問題です。我が福島県の偉大な医学博士と言えば、誰でしょうか?
 きっとみなさん、野口英世博士の名前をあげるでしょう。世界的にも有名です。野口博士は、一度、帰国したことがあります。その時、母校の猪苗代の翁島小学校で講演をしました。その講演の中で、野口博士が板書した事が3つあります。それは、『目的・正直・忍耐』です。この言葉は、今回、発表されたみなさんの研究に取り組む姿勢と共通するかもしれません。目的を持って、研究結果に正直に向き合い、そして、最後まで忍耐強く取り組む。
 それでは、もう一問。同じく福島県の偉大な病理学者で、癌研究の先駆者と言ったら、誰でしょうか?
 実は、私は、この春、石川地区内の小学校に赴任するまで、恥ずかしながら、この人物のことを知りませんでした。
 それは、吉田富三博士です。
 吉田富三博士は、石川地区の浅川町出身です。吉田富三博士が発見した「吉田肉腫」は、移植可能ながん細胞で、今でも、がんの研究に使われています。この「吉田肉腫」は、今年、国立科学博物館の未来技術遺産に登録されました。
 吉田富三博士は、1959年に文化勲章を受章しています。これまで福島県出身者で、文化勲章を受章している人は、5名しかいません。その一人が、吉田富三博士です。

 今回、なぜ、吉田富三博士の話をしたかというと、今日、発表されたみなさんも、私と同じようなことをしたのではないかと思ったからです。

 私が、吉田富三博士の存在を知った時、もっと詳しく知りたいと思いました。そこで、吉田博士について、ネットで調べました。それから、吉田富三記念館に出かけて、そこに展示してある物を見ました。さらに、博士について書いてある本を何冊か読んだりもしました。

 みなさんも、それぞれの研究テーマについて、きっかけは、何でかな?どうしてだろう?こうしたらどうなるかな?という疑問だったと思います。そして、そのことについて、もっと詳しく調べてみたいと思ったと思います。ネットで調べたり、図書館で資料を見たりした人もいると思います。実際に、現場に行って、観察した人もいると思います。自分で、一つ一つ実験をして確かめた人もいるでしょう。

 みなさん、そうやって、最初の疑問を解決するために、いろいろアプローチして、できる限りのことを行い、それらをまとめた結果が、本日の研究発表だったのだと思います。その、できる限りのことを、最後まであきらめずに、根気強く、こつこつと取り組む姿勢こそが、評価されるのです。

 「むのたけじ」というジャーナリストがいました。ジャーナリストは、新聞などの報道機関に記事を提供する人です。このむのたけじさんが、「詞集たいまつ」の中で、次のような言葉を残しています。
「学ぶことをやめれば、人間であることをやめる。生きることは学ぶこと、学ぶことは育つことである。」
 私たち人間は、生まれながらに、学ぶ生き物なのです。知らないことを知りたい、もっと深く学びたい、そういう欲求をもった生き物なのです。その欲求こそが、生きるエネルギーなのではないでしょうか。
 簡単に知れること、すぐ分かること、それにはあまり価値がないのかもしれません。それより、よく考えたり、いろいろ調べたり、根気強く取り組んだりして、やっと分かったこと、知ったことにこそ、価値があるのかもしれません。

 そういう意味で、今日、みなさんが発表した内容の価値は、きっと取り組んだ皆さん自身が、一番感じているのかもしれませんね。

 みなさん、これからも、科学事象に疑問を持ち続けてください。そして、その疑問を解決すべく、柔軟な発想で、自分の素直な気持ちに寄り添い、これからも、自分らしい研究に取り組んでほしいと思います。

 今日は、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。」

157 夜空を見上げてみませんか?

 先日の早朝、南の空に、偶然、流れ星を見ました。見た目で5cmくらいの長さで、かなり明るく光って流れたので、とてもうれしかったのですが、調べてみたら、今、ちょうど「ふたご座流星群」の出現時期だったようです。

 流星が多く見られる主な流星群は、1年間に11個程ありますが、その中で、特に、毎年ほぼ安定して多くの流星が出現する3大流星群というのがあります。それが、12月28日頃から1月12日頃見られる「しぶんぎ座流星群」。7月17日頃から8月24日頃に見られる「ペルセウス座流星群」。そして、今の時期見られる「ふたご座流星群」です。

 国立天文台のホームページによると、ふたご座流星群は、毎年ほぼ一定して、多くの流星が見られるという点では、年間最大の流星群と言えるそうです。今年は特に条件がよく、15日が新月のため、月明かりの影響が少なく、いつもより多くの流星が見られそうです。流星が最も多く現れそうなのは、13日の夜から14日の明け方にかけてです。日付が14日に変わる頃、空の暗い場所で観察すれば、最大で1時間あたり55個前後の流星が見られるそうなので、期待したいです。また、12日の夜、14日の夜も、最大で1時間あたり20個を超える流星が出現するようなので、天気が良ければチャレンジしたいですね。いずれの夜も流星は、午後8時頃から現れ始め、本格的な出現は午後10時頃からで、夜半を過ぎた頃に数が最も多くなり、明け方まで流星の出現が続くようです。

 流星は、空全体に現れます。いつどこに出現するかは分かりませんので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにするといいです。また、目が屋外の暗さに慣れるまで、最低でも15分ほどは観察を続けると良いでしょう。レジャーシートを敷いて地面に寝転ぶなどすると、楽に観察できますが、大変寒い季節ですので、寒さ対策をしっかり行ってください。それから、事故に遭わないように、子どもだけでは見ないように、十分注意して観察をしてください。

158 新型コロナウイルス感染症について

 感染症専門医で国際感染症センターに勤務する忽那賢志(くつな さとし)先生が、「新型コロナの症状、経過、重症化のリスクと受診の目安」について、ホームページで記事を掲載されています。この記事をもとに、改めて、気をつけることを確認したいと思います。

新型コロナウイルス感染症の典型的な症状
 新型コロナの潜伏期間(感染する機会から何らかの症状を発症するまでの期間)には1~14日と幅がありますが、多くの人がおよそ4~5日で発症します。新型コロナウイルス感染症の初期症状は風邪やインフルエンザと似ています。風邪は、微熱を含む発熱、鼻水、鼻詰まり、ノドの痛み、咳などの症状がみられることが多く、またインフルエンザも風邪と似ていますが、風邪に比べると高熱が出ることが多く、頭痛や全身の関節痛・筋肉痛を伴うことがあります。風邪はインフルエンザに比べるとゆっくりと発症し、微熱、鼻水、ノドの痛み、咳などが数日続き、インフルエンザは比較的急に発症し、高熱と咳、ノドの痛み、鼻水、頭痛、関節痛などが3~5日続きます。しかし、風邪やインフルエンザが新型コロナのように1週間以上続くことは比較的稀です(ただし咳や痰の症状だけが2週間程度残ることはよくあります)。 また、新型コロナでは典型的には、発熱・咳・だるさ・食欲低下・息切れ・痰・筋肉痛・嗅覚障害・味覚障害などの症状の頻度が高いとされます。特に「息切れ」「嗅覚障害・味覚障害」の症状は、風邪やインフルエンザでは稀な症状ですので、新型コロナの可能性を疑うきっかけになります。

新型コロナウイルス感染症の典型的な経過
 新型コロナに特徴的なのは、症状の続く期間の長さです。前述のように新型コロナウイルス感染症は風邪やインフルエンザによく似ていますが、症状が続く期間がそれらと比べて長いという特徴があります。特に重症化する事例では、発症から1週間前後で肺炎の症状(咳・痰・呼吸困難など)が強くなってくることが分かっています。流行早期の中国での4万人の感染者のデータによると、発症してから1週間程度は風邪のような軽微な症状が続き、約8割の方はそのまま治癒しますが、約2割弱と考えられる重症化する人はそこから徐々に肺炎の症状が悪化して入院に至ります。2割のうち全体の約5%の症例で集中治療が必要になり、約2%の事例で致命的になりうるとされています。

新型コロナが重症化しやすい人は?
 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人の割合や死亡する人の割合は年齢によって異なり、高齢者は高く、若者は低い傾向にあります。重症化する割合や死亡する割合は以前と比べて低下しており、6月以降に診断された人の中では、重症化する人の割合は 約1.6%(50歳代以下で0.3%、60歳代以上で8.5%)、死亡する人の割合は 約1.0%(50歳代以下で0.06%、60歳代以上で5.7%)となっています(厚生労働省 「新型コロナウイルス感染症の“いま”についての10の知識」より)。これは、1月~4月の頃に比べて、軽症や無症状の人にも検査が行われるようになり感染者全体の重症度が下がったこと、そしてデキサメタゾンなどの治療薬による効果が現れていること、などが要因と考えられます。新型コロナウイルス感染症で重症化しやすいのは高齢者と持病のある方です。30代くらいまでは亡くなる人はほとんどいませんが、40代以降から徐々に致死率が高くなり、80歳以上では23%という非常に高い致死率となっています。日本国内のデータからも年齢が上がれば上がるほど致死率が高くなることが改めて数字として示されています。

病院を受診する前に
 自身が新型コロナかなと思ったら、まずはかかりつけ医か地域の医療機関に相談しましょう。

福島県では、かかりつけ医など相談する医療機関に迷う場合や、土日・夜
間などかかりつけ医が休診のときには
  福島県受診・相談センターへ(0120-567-747)24時間OK

 医療機関に受診が必要と判断されたら、マスクを着けて、なるべく公共の交通機関を使わずに病院を受診するようにしましょう。新型コロナは時期や地域によって流行状況が大きく異なります。つまり、発熱や咳のような症状が出現したとしても新型コロナである可能性は、住んでいる地域によって変わってきます。各地域における流行状況は、新規発生患者数・新規発生患者数のうち接触歴不明の患者の割合・PCR検査陽性率を参考にしましょう。新規症例報告数がほとんどなく、検査陽性率も低い地域にお住まいの方は、風邪症状が出たとしても、海外渡航歴や接触歴がなければ新型コロナの可能性は高くないでしょう。時期や地域によって、自身が新型コロナに罹る可能性も変わってきますので、お住まいの地域の流行状況をしっかりと把握しておくことが大事です。風邪やインフルエンザのような症状が出現した場合は、個々人が自身の感染リスクと重症化する可能性を考慮した上で、病院を受診するかどうか判断し、迷う場合にはかかりつけ医や前述の相談センターに電話で相談しましょう。また、病院を受診しない場合も、手洗いや咳エチケットなどの予防対策は必要ですし、周囲の人(特に高齢者や持病のある人)にはうつさないような配慮が必要です。新型コロナを広げないためには、手洗い、屋内でのマスク着用、3密回避など新型コロナに注意した生活を続けることが重要です。

159 イメージする力

 国際教育到達度評価学会が行っている、国際数学・理科教育動向調査の結果が新聞に載りました。世界の小4と中2を対象に実施した調査で、4年ごとに行われているようです。

 結果は、小中全てにおいて上位5位以内に入り、小4理科で平均得点が下がったものの、他は伸びているということでした。かつて、算数嫌い、理科離れが問題になったことがありましたが、かなり解消されているということだと思いました。ただ、今回の結果で気になったのは、算数・数学と理科の平均点の差です。算数が593点、数学が594点なのに比べ、理科は小学校で562点、中学校で570点と、教科の間でかなり差があることです。問題が載っていないので、一概には言えないのですが、算数・数学的な問題の正答率に比べ、理科的問題の正答率が低いのは何かあるのかと思いました。

 算数・数学と理科は、よく理数系と呼ばれることがあります。理数系と呼ばれると、どこか数字を扱って、理路整然とした考え方をするようなイメージにとらわれますが、決してそれだけではないと思っています。どちらかというと、算数・数学も理科も、すごく想像的で、文学的で、言葉を大切に扱っているように思います。例えば、算数の文章題の問題が苦手な子どもは、その問題の情景をイメージできていないことが原因だったりするからです。文章の内容を理解できるかどうか、大事なのは想像する力です。言葉の表現を具体的にイメージできるかどうかです。同じように、理科の実験でも、どういう条件をそろえて、何を変えて実験するかなどは、その実験自体をイメージできないと理解が深まりません。実験観察の結果を、どういう言葉で表現するかも大事です。物理学なども、自然界の現象から法則を見つけるわけですから、極めて想像的だと思うのです。単に数字を扱っているだけではないわけです。それより、いろいろな事象を言葉を駆使して説明する文章力も必要なわけです。この文章力や想像する力、イメージする力は、読書によって培われます。優れた科学者たちは、みな読書家であったりするのもうなずけます。

 先週、コミュタン福島で、理科自由研究発表会が行われ、県内の子どもたちの発表を見る機会がありました。見学して驚いたのは、小学生でも、いろいろなことに興味を持ち、楽しく研究に取り組んでいる子どもがいることでした。6年生で、蚕の遺伝子研究やバラの花の交配などに取り組んでいる子がいました。短時間では、どんな研究だったのか、大人でも理解が難しいような内容でしたが、本人たちは、とてもわくわくしながら、楽しく研究していることだけは、見ていて伝わりました。この楽しく学ぶという姿勢は、とても大事だと思いました。理科の実験・観察も、とても楽しいものです。その楽しさを味わいながら学ぶことが、結果的に理科に対する興味関心を高め、学習内容の定着を確かなものにしていくのだと思いました。

160 しんごろう

 14日(月)の給食に、「しんごろう」が出ました。(野小っ子NEWSで写真付きで紹介してます)この「しんごろう」という料理は、半突きにしたうるち米を竹串に刺して、「じゅうねん味噌」を塗って焼いた田楽の一つで、会津地方の郷土料理です。貧しくて「もち米」を買えなかった新五郎さんがうるち米を潰して串に指し味噌をつけて火で炙ったのが由来で、その名前がついたそうです。
 さて、このしんごろうを作る時の「半突き」とは、半分粒が残る程度に潰すことですが、別名「半殺し」と言います。この怖い言い方が、面白い落語の噺になっていますので、紹介します。(フジパンのHPより)

 むかし、ひとりの侍が旅をしていて、山の中で日が暮れてしまったと。真っ暗な山の中を、あっち行き、こっち行きして、ようやく一軒の山家(やまが)が見つかった。戸を叩(たた)いたら、中から、「戸は開きますで」と、爺(じい)さんの声がした。戸を開けて家の中に入ると、侍は、「今夜一晩だけ泊めていただけまいか」と、頼んだと。囲炉裏端で縄をなっていたお爺さんとお婆さんは、「ええとも、ええとも、なあ婆さんや」「はえ、はえ、困ったときはお互いさま」「婆さんも、ああいっとります。こんなあばら屋で、よかったらば」と、にこにこして招じ入れてくれたと。侍はあったかいお粥(かゆ)をごっつぉになって、次の部屋に休ませてもらったと。
 旅の疲れで、すぐに眠ったが、そこは侍、真夜中ごろ、お爺さんとお婆さんのひそひそ話に、ふと眼をさました。耳を澄ますと、「明日(あす)はひとつ、半殺しがええべか、それども、お手打ちがええべか」「江戸のお侍さんだそうだで、半殺しがええかも知んないな、お爺さん」といっている。さあ、侍はびっくりした。「これは、山賊の家かもしれん。とんだところへ泊ったもんだ」もう眠るどころではない。刀を抱いたまま布団の中でじいっと様子をうかがっておったと。四方八方、油断なく気を配って、すっかり気疲れした頃、朝になったと。「はて、襲(おそ)って来るのは夜(よる)の内(うち)かと思うたが……、さては、油断させておいて、不意をつく気だな。そうはさせるか」侍は刀をいつでも抜けるように身構えて、その時を待っておった。

 すると、隣りの囲炉裏端のあたりで、コトコト音がして、「婆さんや、半殺しはまだか」「もう少しだよ、お爺さん」との声が聞こえて来た。侍は肝(きも)をつぶして、「いよいよ来るか。何の、こっちから踏み込んでやる」と、刀を掴(つか)むやいないや、パッと隣の部屋へ飛び込んだら…。
 お婆さんが、「おや、お侍さん、もう起きたのかね」と、のんびり声をかけた。「ん?」と思って、婆さんの手元を見ると、婆さんはしきりにスリバチで何かをこねている。「はーて、何だかおかしな具合だな」と、まるで狐に化かされたような顔で眼(まなこ)を点にしていると、婆さんは、「何もないけんど、半殺しでも、ごっつぉすんべと思うてな」といって、出来立てのぼた餅をひとつ、手に乗せて見せた。「ははぁ、半殺しというのは、このぼた餅のことか」侍は、少し気が落ち着いて、「お婆さん、では、お手打ちというのは何のことかね」とたずねると、「はぁ、お手打ちかい。そいつは、家で作ったそばきりのこんだ。本殺しといえば餅のこんだよ」江戸の侍は、これを聞くと一度に気が抜けて、ドシーンと腰をおろしてしまったと。どんべすかんこねっけど。

 ぼた餅のことを「半殺し」、手打ちそばのことを「お手打ち」と呼ぶことを知らなかったお侍さんの勘違いでしたが、ちなみに、粒を残さず、全部潰してつくるお餅を「本殺し」の他に「みなごろし」とも呼ぶそうです。なんともぞっとする言い方ですが…どれも美味しいですね。

161 今年の漢字

 14日、日本漢字能力検定協会が1995年から毎年行っている「今年の漢字」が発表になりました。2020年を漢字一字で表すなら?と全国から応募された漢字の中で、一番多かった今年の世相を表す漢字は…

 第1位「密」  流行語大賞の「三密」と合わせて、2冠です!
 第2位「禍」  コロナ禍という言い方が一般化しました。
 第3位「病」  新型コロナ関連ですね。

 以下、「新」「変」「家」「滅」「菌」「鬼」「疫」という結果でした。

 ちなみに、私が選ぶ「野木沢小の今年の漢字」は、「健」です。コロナ禍でも、野小っ子たちは、いつも「健康」で元気いっぱいに過ごしてきました。学校、家庭、地域が一体となって、みな「健やか」に成長してきました。野小っ子たちは、いろいろと思うようにいかない中でも、みな「健気」に、一生懸命、学習や運動に取り組んできました。そして、これからも、どんな困難な状況だろうと、希望を持ち、何事にもチャレンジする野小っ子たちの「健闘」を祈ります。

162 ボディイメージ

 1年生や2年生などの低学年の子どもたちによく起きる出来事として、水道やロッカーなどに複数人集まった時に、体がぶつかり合うことです。一見、「粗暴な行動」と捉えられることもありますが、もしかしたら、「ボディイメージがない」からとも言えます。
 ボディイメージとは、自分の体の輪郭がどのくらいの幅やサイズをしているか、また、今、自分の体がどのように傾いているか、どこにどのくらいの力がかかっているか、といった感覚のことです。この感覚は「固有受容覚」「前庭覚」と呼ばれます。これらの感覚は、ボディイメージの発達を促す働きもしています。このボディイメージが発達することで、自分の体をコントロールした動きができるようになります。しかし、このボディイメージが十分発達していないと、先程の例のように、他者との距離感がつかめず、気付いたらぶつかっていたということになります。また、どの程度の力を入れているかわからず、ぶつかった相手が思った以上に痛がるということにもつながっています。これらは、決してわざとぶつかったのではない、というわけです。全ては、ボディイメージが未発達だから起こることなのです。さらに、このボディイメージを把握するために必要な感覚が「触覚」です。そう、皮膚に触れて感じる感覚です。ですから、低学年の子どもたちが、狭いところでぶつかり合いながら、その接触する感覚を通して、各自が、自分のボディイメージを発達させているとも言えます。この触覚は、相手に与える力より、相手から受けた力の方が強く感じますので、結果、ぶつかっているのはお互い様なのに、相手にぶつかられた、という感覚になるわけです。このボディイメージが発達することで、友達とぶつかり合うことも減ってきます。
 そして、実は、このボディイメージは、空間認知力ともつながっていると言います。どのくらいの隙間があれば、自分の体は通り抜けられるかというのもそうですが、目で見た枠の中に、手に持った鉛筆をどのように動かしたら、枠の中に字が収まって書くことができるか、というのも空間認知力だそうです。枠の中に収まっていても、極端に小さい字や偏った字になってしまうのも関係しているようです。
 最後に、このボディイメージの発達を促す遊びがあります。ブランコやジャングルジム、平均台など、ゆれや加速を感じたり、遊具に合わせたいろいろな体の動かし方をしたりするのがいいようです。また、触覚を刺激する粘土や砂遊びなどもよさそうです。要は、体全体を使って、いろいろな動きをすることが大事なのですね。たまには、ゲームではなく、体を使った遊びもしてほしいと思います。

163 守・破・離の世界

 各学年で、書き初めの練習が始まっています。1・2年生は硬筆で、3年生以上は毛筆で条幅用紙に書きます。半紙と違って、倍以上長い用紙なので、全体のバランスを取るのがとても難しいです。そのため、条幅用紙を折って、その折り目を手がかりに、お手本の文字を書き写していきます。硬筆も毛筆もお手本の字を書き写すので「書写」と言います。書写は、決して、自分の書きやすい文字を、書きやすいように、好き勝手に書いていいのではないのです。一方、書の道を極めた書道家と呼ばれる人たちがいます。この人たちの作品は、一見、好きなように独創的に書いているように見えますが、やはり、しっかりとした基本が土台にはあります。

 昔から、芸道・芸術の世界は「守・破・離」と言われる三段階があります。まずは師匠から教わった基本の型を徹底的に「守る」段階です。次に、その教えに従って修業を重ね、他の型についても学び、その中から自分に合ったより良いと思われる型を模索し試すことで、これまでの型を「破る」段階。そして、最後は、さらに修業を重ね、今まで身につけた型にこだわらず、今までの型から「離れ」て、新たな型を生み出す段階です。これは、スポーツの世界でも同じで、王選手の一本足打法も、イチロー選手の振り子打法も、野茂選手のトルネード投法も、いきなりあのような型破りな技が生まれたのではなく、少年期に基本を忠実に練習し、何年もかけて基本の型を身につけた上で生まれたものなのです。また、画家のピカソと聞くと、とても不思議で個性的な作品が有名ですが、あのピカソも幼少期から青年期にかけては、写実的な絵を描いていました。その描写はとても子どもが描くレベルではなかったようで、画家だった彼の父は、ピカソが9歳の時に描いた絵を見て、ショックのあまり画家を辞めたというエピソードがあるほどです。どの世界も同じような「守・破・離」があって、そういう意味で、小学生の子どもたちは、あらゆることで「守」の段階なのだと思います。単調に思えるような基本の練習を、まずは繰り返し繰り返し取り組むことが大事だということです。

 話を書道に戻します。最近、面白い文字を書く人を知りました。その人は、原愛梨さんと言います。職業は、書道アーティスト。その人の作品は、見た目は絵です。しかし、よく見ると、その絵は、文字をデザインして描かれているのです。面白い作品だなあと感心しました。経歴を見ると、原さんはまだ27歳と若いのですが、2歳から書道を始め、8歳で文部科学大臣賞を受賞しています。まさに、守・破を過ぎて、今、書道アーティストという離の世界を生きているのだと思いました。

164 感染拡大に注意!

 新型コロナウイルス感染症が全国的に拡大しています。福島県の感染状況も「ステージⅡ」になりました。ステージⅡは、「感染者の漸増及び医療提供体制への負荷が蓄積する段階」です。それを受け、県より「年末年始における注意喚起」が出ました。裏面に掲載してありますので、ご覧の上、十分注意した行動をお願いします。

 さて、ある雑誌に、川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長による「感染症対策の基礎知識」が載っていました。新型コロナウイルス感染症を始め、インフルエンザや食中毒のノロウイルスなど、感染症と呼ばれるものについて、改めて確認しておきたいと思います。以下、中略で紹介します。

感染症対策の基礎知識
1「病原体と感染症の関係」
 微生物のうち、生体にとって病気の原因となるものを病原体と呼びます。ウイルスもその一つです。感染症は、この病原体によって引き起こされる病気です。しかし、病原体が生体に侵入したら、必ず病気になるかというと、そうではありません。何の影響もなく、普通の状態でいる場合もあります。つまり、体内で病原体が見つかること(感染)が、感染症という病気にかかったこと(発病)ではないということです。感染と発病は別物です。新型コロナウイルスの場合でも、ウイルスが体内に侵入して感染しても、発病しない人がいることが分かっています。ただ、本人は痛くもかゆくもなく何事もなく済んでしまうのですが、他の人へうつすことがあることが分かってきました。それでも、新型コロナウイルスにかかった人でさえ、8割の人はうつさないので、感染力は決して強いとはいえません。

2「感染経路」
 感染経路として、飛沫感染や空気感染などがあります。飛沫感染は、会話時のしぶきやくしゃみなど水分に包まれた病原体が飛び出るもので、1m前後が感染範囲とされています。空気感染は、病原体が唾液などよりもっと細かい粒子(エアロゾル)となって遠距離まで感染が及ぶものです。新型コロナウイルスでは、マイクロエアロゾル感染といって、通常の飛沫感染よりもさらに数メートル先までウイルスを含む小粒子が届き、感染源になることが報告されています。これらは空気の流れなどによって速やかに拡散するので、空気の流れのよいところ、つまり広い空間や換気のよいところでは感染のリスクは大きく減少すると考えられます。なお、仮に新型コロナウイルスが空気感染で広がるようなものであれば、インフルエンザなどより多数の感染者があっという間に発生することになるので、空気感染の可能性があったとしても極めてまれ、と考えられています。

3「感染症の予防」
 感染症の予防の基本は、感染源、感染経路、感受性者(その感染症にかかる可能性のある人)対策です。この対策は、個人が行う部分と社会全体で行う部分があります。そのうち、個人で行うのが、感染経路対策と感受性対策です。
 感染経路対策は、マスク着用、手洗い(手指衛生)が重要です。感受性対策は、日常の栄養・休養・鍛錬・生活環境などによって得られる健康の増進が基本です。

4「改めて3密を避ける」
 国内で集団感染が生じた共通の場として、密閉空間、密集空間、密接という状態で、これらが重なっているほどリスクが高まるところから「3密を避けましょう」ということが薦められることになりました。
 今までは「飛沫感染」次いで「接触感染」が主たる感染経路と考えられてきましたが、最近になって「エアロゾル感染」が世界的に重要と認識されてきました。「エアロゾル感染」とは、呼気中などに含まれ、飛沫よりも小さく、空気中に漂う微細な粒子を介する感染のことをいいます。これは部屋の広さではなく、換気の程度が重要とされます。広い屋外を歩いたり、感染対策のとられている店舗での買い物や食事、十分に換気された電車での通勤・通学であれば、「エアロゾル感染」が起こる可能性は非常に低いと考えられており、日本が進めてきた「3密を避ける」ということは妥当な方法であると考えられているところです。改めて3密や大声を上げる環境の回避、接待、会食での飛沫防止、換気の徹底など基本的な感染対策を行うことが強く求められるところです。
 お出かけになる時は、混雑する場所や時間帯はできるだけ避けて、家族単位などの少人数でゆっくりと過ごされることをお勧めします。

 以上の記事を読むと、新型コロナウイルス自体は、そんなに感染力の強いウイルスではないこと、これまで取り組んでいる3密を避け、マスクの着用、手洗い・消毒、そして換気により、かなり感染を防ぐことができることが分かります。全国的に拡大していますが、必要以上に恐れることなく、基本に立ち返り、しっかりと感染予防していきましょう。

年末年始における注意喚起はこちら→年末年始における注意喚起.pdf

165 子どもたちの向かう先は…

 4つの国に住む、4人の子どもたちを紹介します。
 ジャクソンくん(11歳、ケニア)
  彼は、片道15kmの道のりを、6歳の妹と小走りで2時間かけて、野生動物に注意しながら進みます。
 カルロスくん(11歳、アルゼンチン)
  彼は、片道18kmの道のりを、馬に乗って6歳の妹と一緒に1時間30分かけて、山や平原を越えて進みます。
 ザヒラさん(12歳、モロッコ)
  彼女は、片道22kmの道のりを、友達3人で4時間かけて、夜明けに出発して進みます。
 サミュエルくん(13歳、インド)
  彼は、片道4kmの道のりを、二人の弟が押す車椅子に乗って、1時間15分かけて、トラブルの連続の中、進みます。

 この4人の子どもたちが、長時間かけ、大変な思いをして向かう先はどこだと思いますか。

 それは、「学校」です。この子どもたちは、「世界の果ての通学路」という映画で紹介されていた子どもたちです。この映画は、2013年にフランスのドキュメンタリー作品として制作されました。その後、日本でも公開されました。今はDVDにもなっています。

 野生のキリンやゾウが生息するサバンナを駆け抜けるケニアのジャクソン。山羊飼いの仕事を終えてから、愛馬で学校へ向かうアルゼンチンのカルロス。女子には教育は不要とする古い慣習が残る村から、寄宿学校に通うモロッコのザヒラ。生まれつき足が不自由で、弟たちに車椅子を押されて登校するインドのサミュエル。通学路は危険だらけで、大人の足でも過酷な道のり。それでも子どもたちは学校へまっしぐらに向かいます。

 どうして、そこまでして、この子どもたちは、学校へ通うのでしょうか。

 別の大陸、違う言葉、宗教、生活環境の中で暮らす4人の子どもたちは、真っ直ぐな瞳でみな同じ思いで、その理由を語ります。それは…

「夢をかなえたいから」

 学校に行くという、当たり前のことの「本当の意味」を考えさせられる映画です。

 4年生の子どもたちが、国語の授業で、自分のおすすめの本の紹介文を書きました。その作品が、本と一緒に図書室に掲示されていました。その中に、先程、紹介した話と似たような題名の本が紹介されていました。本の題名は、「すごいね!みんなの通学路」。その紹介文を書いていたのは、福島功大さんです。功大さんは、次のような紹介文を書いていました。

みんな学校が大好きだから。
   「すごいね!みんなの通学路」
              ローズマリー・マカーニー文 西田佳子訳
世界中には、いろいろな通学路があると分かる絵本です。
色あざやかな写真から、学校に行けることはうれしいことだよとよく分かります。
「学校に行ける」という意味を考えさせられる本です。
                             福島功大

 この本は、写真がたくさん載っていました。その写真には、世界中の子どもたちが、いろいろな通学路で学校に通っている様子が紹介されています。川を渡ったり、船をこいだり、崖を越えたりしながら通う子どもたち。学校に飲み水や机がないので、家からタライに汲んだ水や机を運びながら通う子どももいます。そんな大変な思いをしながら、それでも、子どもたちは楽しそうに学校に通うのです。きっと、学校には、それだけ大変な思いをしてまでも行くだけの何かがあるのでしょう。それが何なのか。功大さんも言っているように、「学校に行ける」ことが当たり前でなく、そこにはどんな意味があるのか、考えさせられました。

166 野小っ子のいいなあと思うところ

 今日で、2学期が終わります。保護者の皆様には、大変お世話になりました。2学期の最後に、野小っ子のここが素敵、と思うところを紹介します。

「休み時間、外で元気に遊ぶ。」
 私は、野木沢小の日課表で昼休み時間が45分あり、たっぷり遊べるところが気に入ってます。その休み時間、そして、登校してきた朝の時間、外で走り回って遊ぶ子どもたちが多いところが、いいなあと思います。やはり、健康な体づくりに、運動は欠かせません。家に帰って外遊びをしない人はその分、学校で思いっきり体を動かして遊んでほしいと、いつも思います。

「休み時間が終わる時刻になると、切り替えて、すぐ戻る。」
 そして、休み時間が終わると、さあっと校庭から校舎に戻ってくるところがいいなあと思います。休み時間と授業や掃除の時間の切り替えができています。楽しく遊んでいても、ちゃんと切り替えができるというのは、強い心を持っている証拠です。

「校長室や職員室、保健室に、朝や帰りにあいさつする。」
 朝や帰りは、校舎の一階の廊下は、あいさつロードに変わります。校長室でできるだけあいさつを受けられるようにしたいと、いつも思っています。ほとんどの人があいさつする中、立ち止まって、顔を見て、お辞儀しながらあいさつする人が何人かいます。そういうあいさつをされると、こちらも気持ちがしゃきっとなります。

「横断歩道で、止まってくれた車にお辞儀をする。」
 先日、横断歩道を一人で渡ろうとしている低学年の女の子がいました。しっかりと手を上げて、車が止まるのを待っていました。そして、車が止まったのを確認してから道路を渡り、その後、ちゃんと止まってくれた車にお辞儀をしていました。誰かに見られているとかいないとかではなく、堂々としたその姿は、とてもかっこよく見えました。そのように、道路を横断できている人がたくさんいるのが、いいなあと思います。

「授業中、お互いの考えを交流で伝え合う。」
 授業中、友達と話し合う機会があります。その時に、自分の考えをちゃんと伝えたり、相手の考えをしっかりと聞いたりできています。そういう聞き合うことが、学び合いの基本です。授業は、いろいろな考えが出れば出るほど、深まります。ちゃんと考えた結果なら、例え、正答でなかったとしても、そこからいろいろなことを学べます。授業はそういう考えを大事にするところです。

「困っている友達に、声をかける。」
 友達が困っていたり、下学年の子が困っていたりした時、それに気付いた人が、ちゃんと声をかけて、助けてくれています。困る場面はいろいろです。そういう時に、声をかけてもらえると、安心します。自分さえ良ければという考えの人は、声はかけられません。相手のことを考えられるから、相手の立場を理解して、声をかけられるのだと思います。そういうことができる、優しい人がたくさんいます。

「先生の言うことを、しっかりと聞く。」
 まずは、先生の話をしっかりと聞ける人は、素直な人です。素直な人は、伸びる人です。一方、話を聞けない人は、素直に人の話を受け止められないので、伸びることができません。そういう意味で、素直で、伸びる人がたくさんいます。

「一生懸命、掃除する。」
 掃除の時間、お話をしないで、黙々と取り組んでいます。遊ばないで、自分のやるべきことを一生懸命やれるところがいいです。お陰で、校舎内はいつもきれいです。掃除中、校舎をきれいにしながら、自分の心もきれいに磨いています。

「休まず、毎日、学校に来る。」
 全体的に、お休みが少ないです。私は、学校に来ないと、学べないことがあると思っています。その一つが、他の人との関わりです。人は独りでは生きていけません。必ず、誰かと関わりながら、生きていきます。世の中には、いろいろな人がいます。全ての人が、自分と相性がいいとは限りません。そうでない人も当然いるし、そういう人とも関わらなければならないことだってあります。そういう時、どうしたらよいか。学校という集団生活では、そういうことも学びます。これは、学校に来ないと学べないことだと思います。野木沢小の子どもたちは、毎日、学校でいろいろなことを学び、日々、賢く、たくましくなっています。

 それでは、事故なく、けがなく、感染なく、楽しい冬休みを!

167 第2学期終業式

 第2学期終業式で、子どもたちに次のような話をしました。

「今年の野木沢小学校を表す漢字に、私は「健」を選びました。
みなさんが、コロナに負けず、健康に生活できたことと、何事にも健気に頑張ってきたからです。
今日で2学期が終わるので、2学期のみなさんを表す漢字を考えてみました。
まず、1年生。1年生は、「元」を選びました。1年生のみなさんは、1学期に比べて、この2学期は、とても元気に生活できました。給食もたくさん食べられるようになりました。
次に、2年生。2年生は、「話」を選びました。2年生のみなさんは、授業中、全員がよく発表しました。自分の考えを、しっかりと話すことができました。
次は、3年生。3年生は、「自」を選びました。3年生のみなさんは、自分たちで考えて、自主的にいろいろなことを進めました。自分のことをしっかりできるようにもなってきました。
次は、4年生。4年生は、「調」を選びました。4年生のみなさんは、川やダムやプラネタリウムなど、いろいろなところに出かけて、たくさんの調べて、分かったことを、発表できました。
次は、5年生。5年生は、「交」を選びました。5年生のみなさんは、米作りや障がい者、保育所の子どもたちなど、いろいろな人たちと交流して、たくさん学んできました。
最後は、6年生。6年生は、「創」を選びました。発表会では、全員で創造した、自分たちの発表をしました。また、今年の野木沢小の最高学年として、今年の学校をこれまで創り上げてきました。
さて、明日から冬休み。楽しい休みにしてください。」

168 第3学期スタート

第3学期始業式 校長の話

 新年明けましておめでとうございます。2021年、令和3年になりました。
 昨年は、コロナ禍でいろいろと大変な一年になりました。みなさん、よく頑張りましたね。1月になり、年は明けましたが、コロナウイルスが無くなったわけではなく、状況は変わりません。ですから、これからも、うがい・手洗い、マスク着用、消毒、換気、そして、三蜜を避けることを続けていきます。また、しっかり食事をして、運動して体を鍛え、夜はちゃんと睡眠時間を取って、健康な生活習慣も続けていきます。寒くなってきますので、コロナだけでなく、インフルエンザにも負けない、健康な体づくりを心がけてください。
 さて、今日から、3学期がスタートです。3学期は、50日あります。50日と聞くと、まだまだたくさんあるようですが、実際は、あっという間に過ぎていきます。ですから、大事なのは、目標と日々の努力です。この50日間で、自分はどんなことをできるようにするのか、しっかりと目標を立てること。そして、その目標達成に向けて、自分は毎日どんなことを努力していくのか決め、それを続けること。そうやって、この50日間を過ごしてほしいと思います。
 時間は誰にも止めることはできません。ですから、目標なく、何の努力をしない日々を過ごしても、50日は経ってしまいます。今の自分が、50日後、どのように変わっているか、成長できているかは、この50日間をどのように過ごしたかで決まります。それを決めるのは、自分自身です。お家の人や先生ではありません。自分を変えることができるのは、自分しかいないのです。人は、心持ち次第で、いくらでも変われます。変わること、それが成長です。そして、変わること、それが生きることなのです。

169 3学期もコロナに気をつけた生活を!

 新しい年のスタートに、多いに希望を持って進んでいきたいと思います。しかし、関東圏で緊急事態宣言が出されるなど、新型コロナの状況については、今後も気をつけて行きたいと思います。そこで、以前にも紹介した感染症専門医の忽那先生が、「子どもと新型コロナ 知っておきたい大事なポイント」と題して、次のような話をしていますので、紹介します。
 まず、下のグラフをご覧ください。これは、日本国内の年齢別コロナ感染者数(厚生労働省、11月18日時点)を表したグラフです。(省略)

 ご覧の通り、20代が最も多く、10代未満と10代は少ないことが分かります。全く感染しないわけではないので、油断してはいけませんが、これまでの状況からも、子どもは感染しにくいと言えます。それは、年齢が低いほど感受性(感染者との接触による感染確率)が低く、年齢が高くなると感染しやすい傾向があるからだそうですが、なぜ、そうなのかについては、はっきりとした結論は出ていないそうです。また、新型コロナでは、感染しても症状が出ない無症状性感染者が、大人に比べて子どもの割合が多いそうです。このことから、子どもが感染源となる可能性は、大人と比べると高くないと言えます。そして、特に気をつけてほしいことは、子どもが感染しないように注意するために、大人が感染しないことです。と言うのも、大半の子どもの感染例は、その親から感染しているからです。つまり、子どもたちの間で流行が広がるというよりも、大人が外から家庭内にウイルスを持ち帰り、子どもにも感染させていることが多いということです。学校でも、これまで同様、屋内ではマスクの着用、3密を避ける、こまめに手洗い・うがい、消毒と換気に気をつけていきます。そして、家庭と協力しながら、健康な習慣作りを進めていきたいと思います。3学期もよろしくお願いいたします。

 

170 地獄絵図

 ちょっと怖いタイトルですが、みなさんは、「地獄絵図」を目にしたことがありますか。私は、白河市内のあるお寺で初めて見ました。とても興味深い内容の絵図だったので覚えていたのですが、実は、今回、会津で法要があった際、そのお寺で、また同じ「地獄絵図」を目にしたのでした。

 絵図の内容は、下の方に、一般的に知られている血の池や針の山などの地獄の様子が描かれています。そして、上の方には極楽浄土の様子が描かれているのです。そして、中央付近に、人が生まれてから、成長し、大人になり、そして、だんだん老いて、最後は死ぬという人の一生の過程が描かれています。私が、この絵図の中で、特に興味深いと感じたのは、絵図の中央にあたる場所に、おおきな円が描かれてあって、その中に、漢字が一字書かれてあったことです。みなさんは、その円の中にどんな漢字一字が書かれてあったと思いますか。

 その漢字は「心」です。白河のお寺の住職さんの説明では、ここに描かれている地獄絵図は、あの世のことではあるけれど、実は、人の心のことでもあるのだとおっしゃっていました。人は、その心持ち次第で、仏様にも鬼にもなるということです。なるほどと思いました。仏様の心とは、自分のことより、相手のことを思う気持ちのことです。相手の立場に立って、相手の気持ちに寄り添って、思いをはせる。一方、鬼の心とは、自分中心、自分がよければ、相手がどうこう関係ない、自分さえよければいいという気持ちです。

 みなさんは、こんな経験はないでしょうか。朝の通勤時、早く出勤したいのに、目の前に高齢者マークをつけた車がゆっくり走っていて、イライラするようなことが。この時、早く行きたいのに行けない苛立ちから、その車の運転手に文句を言いたくなるような気持ちは、まさに鬼の心ではないでしょうか。早く行きたいのは自分の都合。まさに、自分さえよければという気持ちです。一方、高齢者マークの車に気付いた時に、故郷の高齢になった親を思い出し、あせらないでゆっくり運転してね、とその運転手のことを気遣う気持ちは、仏様の心なのです。このように、人の心は、仏様にも鬼にも、すぐに変わってしまうものだと思います。

 学校生活の中でも、そのような場面はよく見かけます。ロッカーの物を取りに行く時、真っ先に自分の物を取りたくて、他の人と競ってぶつかって文句を言い合うような場面。これは、自分さえよければという気持ちです。一方、先に行った人が、他の人の分も取り出して、名前を呼んで渡してあげたりする場面。これは、他の人のことを考えた行動です。

 ある本に書かれていた地獄と極楽の話も、同じような場面でした。その話では、地獄も極楽も、どちらも同じような食卓があって、そのテーブルの上には、どちらも同じようにたくさんのごちそうが並んでいるそうです。ただ、変わっているのは、どちらの世界も食事をするのに使う箸が、三尺三寸の長さ、約1mぐらいの長い箸を使っているのだそうです。ここまでは、地獄も極楽も状況は同じです。しかし、なぜか極楽の人たちは、その食卓で、楽しそうに美味しく食事をして、みんなお腹いっぱいになっているのに、地獄の人たちはみな、文句を言い合い、だれも料理を口にできず、いつもお腹を空かせているのだそうです。一体、何が違うのでしょうか。

 それは、箸の使い方です。地獄の人たちは、みな自分が食べられればいい、自分さえよければいいという考えですから、その1mもある長い箸を使って、自分が食べたいものを自分で食べようとします。しかし、そんな長い箸を使って、料理を口に運ぶことはできないのです。途中で、他に人の箸とぶつかって、料理を落としてしまい、お互いに文句を言い合う。結果、誰一人お腹いっぱい食べることができず、テーブルの周りは落とした料理でぐちゃぐちゃというのが地獄です。では、極楽はどうかというと、ここでは、自分の箸で、テーブルの向かいの人の食べたいものを取ってあげているのです。お互いに、ぶつからないように気をつけながら、相手の食べたい料理を相手の口に運んであげているのです。だから、極楽では文句ではなく、「はい、どうぞ」「ありがとう」という言葉が飛び交います。そして、みんなでお腹いっぱい美味しい料理を食べているのでした。

 ある学級では、プリントを配る時、前の人が後ろの人へ「はい、どうぞ」と言って渡しています。もらう方は、「ありがとう」と言って受け取ります。その様子は、見ていて、とてもやさしい気持ちになります。「はい、どうぞ」「ありがとう」は、極楽の言葉、仏様の言葉なんですね。

171 新型コロナ対策の確認

 福島県もステージ3になりました。12日、内堀知事より県民への外出自粛要請が出されました。学校においても、感染リスクの高い学習活動に対して停止となりました。

 福島県内の新型コロナウイルス発生状況は、令和2年3月7日に初感染者をカウントしてから、令和3年1月11日で1,276人となりました。
 この1,276人中、入院中の人が355人、死亡者が30人、退院した人が891人です。

 これまでの感染状況から、発生する場面は、「屋内で」「マスクを外した状態で」「近い距離で」「飛沫が飛ぶ会話をする」ということが明らかになっています。言い換えれば、そのような場面に十分気をつけることが、感染を防ぐことになるわけです。

 これに該当する場面としては、一番考えられるのが、「会食」時です。

 そういう意味で、今回の外出自粛も、首都圏の緊急事態宣言にも、飲食店の時短営業をあげているわけです。しかし、注意しなければならない会食は、飲食店での会食だけではなく、御自宅や親戚宅などにおいても、不特定多数の会食であったら状況は同じです。ですから、やはり、一緒に住んでいる家族以外の人との会食は、場所や人数に関係なく、要注意です。文科省の資料でも、児童生徒の感染状況として、家庭内感染が75%、学校内感染が6%、その他の交流活動8%、不明が11%と示されています。以前、LIVEでもお知らせしたように、児童生徒の感染源としては、学校ではなく、家庭内感染が主だということです。

 要は、学校でも各御家庭でも、感染防止のための取り組みは、これまでと同様で、「できる限り外出を控え、人との接触を減らす」「屋内ではマスクを装着する」「3密を避ける」「こまめに手洗いをする」を一人一人が意識して、より徹底して行動していくことが求められています。よろしくお願いいたします。

172 行事食献立

 みなさんの御家庭のお正月料理は、何でしょうか。ちなみに、我が故郷会津のお正月の味は、なんと言っても「こづゆ」です。これは、各家庭によって味が微妙に変わるので、例年、親戚にあいさつ廻りに行くと、こづゆの食べ比べみたいになります。残念ながら、今年はそれもできませんでしたが。こづゆはもともとお祝い事の時の料理なので、お正月だけでなく、結婚式やお家の新築祝いなどでも出されます。実はこの「こづゆ」が給食に出されることがあるのです。故郷のメニューが取り上げられると、とても嬉しい気持ちになります。
 1月初めの給食の献立は、季節柄、お正月に関したものになっていました。初日には、七草汁。2日目は、いかにんじんに白玉雑煮が出ました。七草汁は、具だくさんで、柔らかく煮込まれた、胃に優しい味付けでした。いかにんじんは、福島県ならではの郷土食ですね。それを給食で食せるとは思いませんでした。そして、白玉がうれしい雑煮。実は、ある学年で、「正月と言えば」のビンゴゲームをした時、子どもたちが「お雑煮」という言葉を知らない場面がありました。おもちや野菜が入った汁だと知って、「あれがお雑煮なんだ」と言っていたので、食べたことはあったのでしょう。各行事や習わしなどで食するものは食文化です。それを味わえる給食は、とても有り難いと思いました。
 給食では、このように行事食と言って、その季節やイベントなどに由来したメニューが出されます。本校には、栄養士さんはおりませんので、基本的に石川小学校の栄養士さんの立てた献立が基になっています。それを、毎月1回、校内で献立検討委員会が開かれ、そこで、本校の実態に合わせて見直しを行い、最終的な献立が決定しています。
 1月の献立には他にも、26日に「給食はじまりの献立」が出る予定です。詳しくは、給食だよりでも紹介されていますが、1/24~1/30が「全国学校給食週間」になっています。また、6年生のリクエスト給食が3回もあります。これは、6年生が考えてくれた献立で、3回ともなかなかバラエティに富んだ、よく考えられたメニューになっています。当然、栄養バランスもバッチリです。
 本校の給食のおいしさは、以前紹介しましたが、本当に充実した内容で、毎日楽しみにしている子どもたちもたくさんいます。みんな、もりもり食べて、元気な体を作っています。そんな毎日の給食を作ってくださる、2名の調理員さんには、みんな感謝の気持ちでいっぱいです。

173 横断歩道は歩行者優先

 先日、朝、学校周辺の横断歩道のところで街頭指導していて、気になることがありました。それは、横断歩道で、渡ろうとしている子どもがいるのに、そのまま通行している車が、意外と多いことです。

 最近、CM等でも流れていますが、「横断歩道は歩行者優先」です。それでも、一時停止しない車が全国的に多いのが現状のようです。JAFが2019年に「信号のない横断歩道における車の一時停止率」のランキングを発表しています。それによると、信号のない横断歩道で、一番停止してくれる第1位は、「長野県」で68.6%。第2位は「静岡県」で52.8%。そして、第3位は「兵庫県」で43.2%。なんと、第3位でも、停止してくれる割合は、50%以下なんです。そして、止まらないワースト県は、第47位が「三重県」で3.4%。第46位が「青森県」で4.4%。第45位が「京都府」で5.0%でした。気になります我が福島県はと言うと、悲しいことに第39位で8.7%という結果でした。

 確認しますが、これは、道路交通法38条の「横断歩道における歩行者優先」で、「横断歩道を横断しようとする歩行者があるときは横断歩道の直前で一時停止し、かつその通行を妨げないようにしなければならない」と定められています。違反すると、「横断歩行者妨害」という違反となり、違反点数2点、反則金9,000円(普通車)、その他罰則(下参照)が科せられます。運転者は、この先に横断歩道があることを知らせる道路標示(菱形の白線)を見掛けたら、減速する義務があります。その上で、歩行者がいないか確認し、通行しなければなりません。

 令和3年度の交通安全運動(福島県交通対策協議会)の年間スローガンは、「わたります 止まるやさしさ ありがとう」です。「横断歩道は、歩行者優先。横断歩道を渡ろうとする人を見掛けたら、必ず一時停止しましょう。」「これは、マナーじゃなくてルールです。」「横断歩行者妨害違反は、3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金」と告知しています。そして、これは、信号のない横断歩道だけでなく、横断歩道のない交差点においても、歩行者は優先になります。

174 ご存じですか?就学援助制度

 学校教育法第19条には、次のような条文があります。

 経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。」

 これを受けて、石川町では、「就学援助制度」を設けています。この制度は、何らかの理由で、学用品や給食費等の就学に係る経費の支払いが困難な御家庭に対して、基準を満たしている場合、就学援助費を支給する制度です。小学1年から中学3年まで対象で、申請はいつでも可能です。なお、小学校・中学校の第1学年においては、入学に関わる用品等に対する支給もあります。支援金は、学校を通して、各学期末に支給されます。

(支給内容の一例です。金額は、年間の支給予定額なので、変更になることもあります。)

  ・学用品等購入費  (小)11,520円 (中)22,510円

  ・新入学学用品費  (小)50,600円 (中)57,400円

  ・学校給食費    (小・中)実費

  ・卒業アルバム代等(小)10,890円 (中)8,710円

 このことについて、支給金額や申請方法、認定基準など、もっと詳しく知りたい方は、学校までお問い合わせください。なお、申請用紙等も学校にあります。「自分が該当するのか」といった内容にも、相談に応じますので、どうぞ御連絡ください。(℡26-1624 教頭もしくは事務の先﨑が担当します。)

175 スケート教室を終えて

 今週、全学年でスケート教室を実施しました。まず、実施にあたり、お忙しい中、靴の履き替えや直接指導に御協力いただきました皆様方、大変お世話になりました。ありがとうございました。お陰様で、活動時間をたっぷりと取れて、とても充実したスケート教室になりました。

 さて、私が高校時代まで、会津若松市内には冬期間、屋内のスケート場がオープンしていました。ですから、子どもの時、冬は休日にたまに滑りに行ってました。しかし、その後、その施設はなくなり、郊外の場所に新たな施設ができたようでしたが、それもいつしかなくなっていました。今回お世話になった方から伺ったところ、現在、福島県内には、郡山の磐梯熱海とここ石川町にしかスケート場はないようです。

 屋外のスケート場は、天候にも左右されるので、なかなか造れないのかも知れません。しかし、屋外だからこそ、自然を感じながら気持ちよくスケートを楽しめるのだと思いました。今回、3・4年生の時は、少し風もあり、雪も舞っていましたが、元気な中学年の子どもたちは、全然平気で楽しんでいました。そして、1・2年、5・6年の時は、両日とも風もなく、太陽も見えて、絶好のスケート日和になりました。特に、1年生と2年生にとっては、昨年度実施していないので、今回が初めてのスケート教室でした。ですから、最高の天気の中、体験できて、きっとまたやりたいと思った人も多かったのではないかと思います。5・6年生は、やはり一番経験してるだけあって、基本の動きもしっかりと出来ていて、思うように体を動かせている人が多かったようです。

 学校教育は、その学校のある地域の特色を生かした教育活動を展開します。そういう意味で、こんなに身近な場所に、冬の娯楽、ウィンタースポーツを楽しめる場所があるなんと、すごく恵まれていると思いました。何でもそうですが、頭で分かるのと、実際に体験して分かるのとでは、全然違います。スケートというスポーツの難しさや面白さ、慣れてきたら思うように滑れた嬉しさや風を切る爽快感等、体験しなければきっと分からないと思います。今回、参加した子どもたち自身は、そういうことを感じることができた活動になっていたのではないかと思いました。とても素晴らしい学びになりました。本当に支えていただいた皆様に感謝です。

 ものすごく楽しそうにスケートをしている子どもたちの写真を撮りながら、私の心の中では、何十年ぶりにやってみたい思いと、思うように体が効かなくなっている不安がずっと葛藤していました。結果、今回はやむなく見送りましたが、来年は是非、子どもたちと一緒に楽しみたいと思いました。

176 リモートによる豆まき集会

 過日の豆まき集会は、リモートで行いました。例年ですと、全校生が体育館に集まって行っていましたが、この時期の体育館はとても寒いのと、密を避けて、そのようにしました。

 校長の話は、校長室から行いました。その様子をライブカメラでネットワークでつながった各学級のパソコンを介してテレビに映し出し、子どもたちは学級で見ました。そして、各学級の追い出したい鬼の発表は、放送委員の子どもたちが、各学級に出向いて代表児童にインタビューし、その様子を同じようにリモートで見ました。

 初めての試みでしたが、なかなかうまくいきました。今後、全校生が集まれないような状況になっても、このような形でお互いの様子を確認できると思いました。

 今回、こういうことが出来たのも、石川町で進めている「学校ICT環境整備」のお陰です。それは、国の施策として進められている「GIGAスクール構想」を受けて行われています。この「GIGAスクール構想」とは、令和時代のスタンダードとして学校のICT環境を整備し、全ての子ども一人一人にふさわしい教育がなされ、AIに代替えされない創造性を育める学びの場を実現することをねらいとしているものです。内容としては、①高速大容量の通信ネットワークの整備、②児童一人1台コンピュータの整備、そして、③オンライン授業環境の整備です。

 この中の、学校内のネットワーク整備工事が昨年中に完了したため、校舎内のどこにいても、Wi-Fiでネットワークに接続できるようになりました。実は、昨秋に開催した「学習の発表会」でも、このネットワーク環境を利用したことで、いくつかのスクリーンに同じ画面を映すことができたのでした。そして、1月に開催した6年生とその保護者対象の中学校入学説明会でも、このリモートを実施してみました。その時は、密を避けるために、保護者の方々には音楽室で説明会を開催し、その様子をライブカメラで6年教室のテレビにつなぎ、子どもたちはそのテレビで説明を聞くということをやりました。

 その際、パソコンのマイクだと小さい声がうまく拾えず、聞こえにくいという課題がわかり、豆まき集会では、音声はパソコンのマイクで拾わず、校舎内のワイヤレスマイクを使うことにしました。こうしたことで、ほとんどの声は聞こえたのですが、電波の届きにくい場所では、若干聞こえにくいという新たな課題が見つかり、さらなる対策を検討中です。しかし、このように新たなことにチャレンジすることで、確実に、今まではできなかった取り組みが実現可能になってきています。

 今後は、子どもたち一人1台のタブレット端末が整備されます。それを授業に生かすのは当然ですが、それに合わせて、一人ずつネットワークのアカウントが整うことで、そのタブレットを各自が持ち帰り、自宅からアクセスしてリモートでオンライン授業を受けることも可能になります。これは、また臨時休校等になったとしても、子どもたちの学びを止めないための手段です。そうなった時の問題は、各御家庭のネット環境です。これについては、石川町では家庭貸し出し用のモバイルルータを準備して対応することになっていますが、これについては、もう少し整備が進みましたら、お知らせをしたいと思います。

 このようなICT環境が整うことは、今まではできなかったことが新たにできるということで、うれしい限りです。うまく活用することで、子どもたちの学びが豊かになることは間違いありません。しかし、忘れてはいけないのは、個々の学びが充実することと、みんなで学ぶことは、切っても切れない関係だと言うことです。ICT機器を使って、各自が学ぶことだけ重要視すれば、学校という共同体の中での学ぶ意味が薄れます。学校は学ぶところです。それも、集団で学ぶところに意味があるのだと思います。いろいろな人のいろいろな考えを直接出し合う授業だから、子どもたちの学びが広がったり深まったりするのです。ICT機器は、あくまでも手段です。それを活用することが目的ではないのです。

177 カウントダウンとカウントアップ

2/8(月)の全校集会は、リモートで行いました。その時の校長の話です。

 

 今日は、二つの数字を紹介します。

 一つ目の数字は、「30」。これは、今年度の残りの授業日です。今日から数えて、卒業、修了までカウントダウンで、残り30日です。今の学年でやるべきことを、残り30日で達成することを目指して、一日一日大事に過ごしていきましょう。

 もう一つの数字は、「171」。これは、今年度、4月にスタートしてから、先週までの授業日数です。みなさんは、4月になってから、171日間、今の学年で過ごしてきました。その中で、たくさんのことが出来るようになったり、分かるようになったりしましたね。みなさん、本当に、頑張ってきました。残り30日、さらに多くの経験を積み重ねていきましょう。カウントアップしていきますと、ゴールは201日間になります。

178 「建国記念の日」に思う

 2月11日は、「建国記念日」ではなく、「建国記念の日」です。「の」がつくんです。
 日本の祝日は、「国民の祝日に関する法律(祝日法)」という法律で、きちんと決められています。現在、法律で定められている祝日は、16あります。その中の一つが、「建国記念の日」で、2月11日に定められています。(ちなみに2021年は、7月の第3月曜日の海の日と、8月11日の山の日、そして、10月の第2月曜日のスポーツの日が、東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせ、開会式前日と当日、閉会式当日にそれぞれ移動になります。これも、特別措置法として法律に則って行われます。)
 国際的に「建国記念日」を定めている国は多く、例えば、アメリカ合衆国は独立記念日である7月4日、フランスはフランス革命の始まった日で7月14日、ドイツは東西ドイツが統一した日で10月3日です。しかし、日本の2月11日は、日本が建国した日(建国記念日)のお祝いではなく、建国そのものを祝う日として定められており、「建国記念の日」となっています。そこには、歴史上の理由がありました。
 日本には、明治時代、当時の法律で定められていた祝日の中に、「紀元節」というものがありました。これは、日本書紀に記されている、日本の初代天皇と言われる「神武天皇」の即位の日が2月11日で祝日と定めたものでした。しかし、昭和になり、戦後、紀元節は廃止になり、2月11日は祝日でなくなりました。それが、18年後の昭和41年に、今の「建国記念の日」として、再度、祝日として復活したのでした。
 祝日法では、「建国記念の日」は、「建国を偲び、国を愛する心を養う」日とあります。第二次大戦で敗戦国となって荒れ果てた日本でしたが、その後、復興し、経済成長し、世界的にも平和な国として発展してきました。そこには、どんなに多くの人たちの苦労があったことでしょう。そして、東日本大震災から10年目を迎えようとしている今はまさにコロナ禍でもあり、いろいろと大変な状況ですが、一日も早くコロナも収束し、復興も進んで、また自由に人が行き来でき、触れ合える日が来ることを心から願います。そういう思いで、今年の2月11日を迎えたいと思います。

179 授業参観時「家庭教育学級」のお知らせ

 2月19日(金)の授業参観については、今のところ、予定どおり実施します。日程は、下記のとおりですが、その中の「家庭教育学級」へは、5年・6年児童と、全学年の保護者の皆様を対象としております。
 今回、「適切なネット利用について」と題しまして、講演会を開催します。講師は、現石川中学校教頭の相樂秀幸先生です。相樂先生は、かつて福島県教育センターに勤務されていて、その時に情報教育のご担当をされていました。そのご経験から、ネット利用の問題点や対応策等について、お話しいただく予定です。高学年の子どもたちにも、自分事としてしっかり考えてもらう機会としたいと思います。そして、保護者の皆様にも、小学生のネット利用について、日頃、気をつけなければならないこと等、一緒に考えていただく機会になればと思います。学級懇談は、その後行いますので、授業参観後、体育館にお集まり下さい。その際は、防寒対策をお願いいたします。

 2月19日(金)
  13:00~13:10 受付(児童昇降口)
  13:10~13:55 授業参観(各学級)
  14:10~15:00 家庭教育学級(体育館)
  15:10~16:20 学級懇談(各学級)
  16:30~      PTA執行部会(校長室)

 ・駐車場は、校庭を御利用ください。
 ・上履き持参願います。
 ・1年~4年児童は、14:10下校になりますが、お子さんを待たせる場  合は、2階会議室を御利用ください。
 ・当日、お弁当になります。

181 クラスター発生は、他人事ではない

 まず、今回のクラスター発生で感染した方々が、一日も早く元気になられることを、心よりお祈りいたします。

 さて、今回の石川町内でのクラスター発生は、もう他人事とは言えない状況であると思っています。それは、どういうことかというと、やはり、このコロナ感染は、もう私たちの身近になっていて、いつ、誰が感染してもおかしくないということです。もしかしたら、知らず知らずに、実はすでに感染していて、ただ、症状が出ていないだけ、なのかもしれないということです。そう考えれば、これは、もう、「他人事」ではなく、「自分事」として受け止めなければなりません。

 今回のクラスター発生も、それに関連して感染した方々も、自分から感染したくて感染した人はいないはずです。結果的に、感染してしまった。今、一番苦しいのは、紛れもなく、感染した本人であり、その御家族だと思います。誰もが感染する可能性があり、明日は我が身だと考えれば、感染した方に対しては、一日も早く快復することを願うばかりですし、御家族の不安が一日も早く解消されることを願いばかりです。

 仮に、今後、野木沢地区で、野木沢小で、職員に、児童に、その御家族に、この地域の方に、感染者が出たとしても、それを「他人事」とは捉えず、「自分事」として捉え、そして、「明日は我が身」と考え、その感染者の快復と御家族の不安解消を、みんなで、温かい気持ちで、受け止めたいと思います。もし、自分が感染したら・・・きっとそのようにしてもらえたら、救われると思います。

 新型コロナウイルスの感染が騒がれたのは、昨年3月頃でした。しかし、考えてみれば、私たちの身の回りには、これまでも、多くのウイルスが存在していました。風邪ウイルス、インフルエンザウイルス、ノロウイルス・・・。これらのウイルスは、常に私たちの身の回りに存在し、私たちは常にこれらのウイルスに罹患する可能性の中で生活をしていたわけです。今回の新型コロナウイルスも、考えてみれば、これまでのウイルスとそれ程変わらないと言えます。

 それは、ある程度、予防できるという点です。このウイルスがあることで、100%の人が罹患する、というものはありません。どのウイルスも、罹患率100%ではなく、どのウイルスも感染を予防できるのです。現に、マスク着用、手洗い、消毒、換気、密を避ける等の手立てで、これまでも感染を防いできました。これは、これからもなんら変わることはありません。ワクチン接種が始まっても、きっとこれらの感染予防は、続けて行かなければならないでしょう。しかし、この感染予防をすることで、かなり防ぐことはできるのです。そして、自らの免疫力を高めておけば、さらにです。新型コロナウイルスも、インフルエンザウイルスも、風邪ウイルスも、ちゃんと感染予防できるのです。

 しかし、どんなに感染予防をしっかりと行っていても、感染してしまうことはあるのです。だから、いつ、誰が感染してもおかしくない状況だと言えるのです。こうしていれば、絶対に感染しません等、そんなことはないのです。実際、毎日の学校生活も、感染リスクはゼロにはできないことが前提の上で、できるだけ感染リスクを高めないように気をつけながら、生活しています。決められた感染予防対策を、しっかりと行いながら、生活しています。しかし、だからと言って、誰も感染しないわけではないわけです。

 今、新型コロナウイルス感染に関連して、感染者に対する誹謗中傷が問題になっています。その根本には、感染が「他人事」で「自分事」ではないという考え方からきているのではないでしょうか。そうではなく、これは、「自分事」で、「明日は我が身」「感染した本人・御家族が一番苦しいのだ」と捉えれば、誹謗中傷などできないのではないでしょうか。

182 角膜損傷

 正直、参りました。と言うのも、先週金曜日の昼頃、突然、左目が痛くなりました。何か異物が入ったのかと思いました。その時は、しばらくして痛みが弱まり、その後、多少異物感はありましたが、痛みは和らいだので、あまり気にせず過ごしていました。しかし、その夜、再び、左目に激痛が走り、今度は、異物感どころではなく、鋭利な物が目に突き刺さっているような感覚で、とても我慢できるものではありません。必死に痛みに耐え、翌朝、眼科に駆け込みました。診断は「角膜が傷ついている」とのことでした。

 その後、2日間は、ほぼ左目を開けることさえ困難な日々でした。うっすら開けてみると、外の明るさだけでなく、部屋の蛍光灯の明かりさえ、目に突き刺さる痛みを感じるのでした。電話がかかって、うっかりスマホを開いた瞬間、そのスマホの光さえ、目には強烈なダメージを与えました。ですから、暗い部屋で、目を休めて静かに過ごすしか出来ませんでした。

 3日後、再度眼科を受診した際には、少しは痛みが和らいできた感じで、診察結果でも、傷の方はよくなっているとのことでした。6日経った今、やっと両目を開けて仕事ができるようになりました。

 今回、自分の目がこのような状態になって、初めて気付いたことあります。それは、普段、当たり前のように目を開けて生活していますが、実は、目にとっては、かなり負担が大きいということです。私たちの生活は、かなり目を酷使した生活だということです。そして、なんと言っても、光による刺激は、目にとっては、とても脅威だということです。

 健康でいる時は、きっとそれ程、気にならないのだと思います。病気になって、当たり前のようにできていたことができなくなって、初めて気付くことなのだと思います。こういうことって、意外と多いのではないでしょうか。

 大事なのは、目に限らず、日中、動かして疲れた身体全体を、夜はしっかりと休めて、回復させることです。睡眠の大きな目的の一つが、成長ホルモンの分泌により、疲れをとり、痛めたところを修復することにあります。しっかりと睡眠を取って、回復させるから、次の日に、また、頑張れるのです。睡眠不足は、健康な身体を壊す大きな原因です。気をつけてほしいです。

183 良い睡眠で免疫力アップ!

 ある雑誌に、「新型コロナウイルス感染症にかからないためには ~良い睡眠で免疫力アップ~」と題した記事が掲載されていました。

 いよいよ日本でも、ワクチン接種が始まりました。しかし、再三LIVEでも書いているように、今後、ワクチン接種が広がっていったとしても、今の感染症対策を全くしなくてよいわけではないと思います。これからも、感染症対策として、これまで同様、マスク着用、手洗い、消毒、換気、密を避ける等の行動はとり続けることが必要だと思います。そして、これもまた同じように、一人一人の免疫力を高める生活をすることも大切になってくると思います。本記事では、その免疫力を高めるために、「良い睡眠」に着目した内容が載っていました。以下、ポイントを絞って紹介します。

 風邪には特効薬はありません。病院で出される薬も、風邪そのものを治すものではなく、対症療法(対処療法ではありません)として、病気によって起きている症状を和らげたり、なくしたりするものです。風邪が治るとは、体の免疫力が風邪のウイルスとの戦いに打ち勝つことを示します。ですから、「風邪にかかったかな?」という時に、栄養をしっかり摂って一晩ぐっすり眠ったら翌日にはすっかり良くなっていたなどということを経験したことがある人もいると思います。これは、主に自然免疫がしっかり働いて睡眠中にウイルスを倒した結果だと言えます。

 ちなみに、人間の免疫による防御機構は、3段階になっています。第一の防御は、「皮膚や粘膜による物理的防御」。第二の防御は「自然免疫による病原体の排除」。そして、最後の砦である第三の防御が「獲得免疫による病原体の排除」です。ワクチンを接種したり、一度罹患したりしたことで、体内に抗体をもつのは、「第三の防御」です。私たちは、今、新型コロナウイルスに対しては、第一と第二の防御で戦っているわけです。

 さて、話を睡眠に戻しましょう。適切な睡眠をとることが、免疫機能を健全に保つ、あるいは睡眠が芳しくないと免疫機能が下がるという実験結果が出ています。例えば、アメリカのある大学の研究によると、睡眠時間が短いと、しっかり睡眠が取れている人に比べて、3倍も風邪にかかりやすかったそうです。

 睡眠は時間だけでなく、眠る時間帯と睡眠の質も重要です。睡眠にはリズムがあります。そのリズムは、レム睡眠とノンレム睡眠が交互に繰り返されるものです。レム睡眠とは、体が眠っていて、脳は覚醒している状態。逆にノンレム睡眠は、脳はしっかりと休んでいて、体の筋肉はそれほど休息していない状態です。私たちは、一般的に、まず、寝入りばなに深いノンレム睡眠に入り、その後、徐々にレム睡眠に移っていきます。この一サイクルがだいたい90分程度で、その後、ノンレム睡眠とレム睡眠のセットで4~6回、サイクルしていきます。そして、寝入りばなに一番深かったノンレム睡眠は、その後、時間とともに少しずつ浅いノンレム睡眠になっていきます。

 寝ている間に分泌される成長ホルモンは、かつて、午後10時から午前2時頃までに活発に分泌されると言われていました。しかし、実際は、眠りについて最初の深いノンレム睡眠の時に最も分泌されます。前述したように、人は最初の寝入りばなが最も深く、その後はだんだん浅くなるので、大事なのは、入眠してから「最初の3時間」になります。そこで、分泌された成長ホルモンは、細胞の修復や骨や肌、筋肉の再生などを行います。

 寝ている間に分泌されるホルモンには、もう一つあります。それが、「睡眠ホルモン」と呼ばれる「メラトニン」です。このメラトニンは、睡眠のリズムを作る働きがありますが、免疫系に作用して感染症予防やがんの発生を抑える働きがあることがわかってきました。ですから、このメラトニンをしっかりと分泌させることで、ウイルスを倒す力がつきます。このメラトニンの分泌に関係してくるのが「光」です。メラトニンは、夕方以降だんだん暗くなってくると分泌量が増え、眠りが深くなり、午前2時頃にピークを迎え、それ以降、今度はだんだん分泌量が減少していくことで、眠りもだんだん浅くなるという働きをします。ですから、朝、朝日を浴びてメラトニンをしっかりと減らし、夜はなるべく強い光を浴びないようにして、暗くして寝ることが大事です。電気やテレビをつけっぱなしで寝たり、夜遅くまでパソコン、スマホ、テレビゲームなどをすることは、メラトニンの分泌を妨げることになります。夕食後は、ブルーライトの刺激を避け、寝室を暗くして寝る環境を整えましょう。

 結論、やはり、健康の三要素の一つである「睡眠」は、私たちの健康を保つために、とても重要であり、また、感染症に負けない免疫力を高めるためにも、とても大事な働きをしているということです。睡眠の時間も質も、どちらも充実させた睡眠をとれるように、日頃の生活を見直してみましょう。

184 なわとび記録会を終えて

 今年のなわとび記録会は、最終的に、1年と6年、2年と5年、3年と4年の兄弟学年ごとに、実施することになりました。石川町が感染拡大防止対策の期間中ということもあり、密を避けての実施となりました。本来なら、全校生で、それぞれのこれまでの頑張りの成果を見合うという、大切な機会だったわけですが、こればかりは仕方ありません。

 記録会では、個人種目と長縄跳びを実施しました。個人種目は、持久跳びと挑戦種目があります。持久跳びは、1年生が1分間、2年生が2分間、3年生以上が3分間になります。やってみるとわかりますが、1分間でさえ、跳び続けることは大変難しいです。しかし、子どもたちは、練習期間中も、規定の時間跳び続けられるよう、合格目指して取り組んできました。本番で、引っかかってしまう児童はみられましたが、それでも、みな集中して、合格目指して跳んでいました。

 挑戦種目は、自分で選択できる種目と共通の種目があり、共通しているのが「前二重跳び」です。今回、この前二重跳びで、二つの新記録が出ました。一つは、1年の紀陸文平さんの出した115回、もう一つが、6年の宇佐美皓大さんの出した298回です。両方とも、その瞬間を目撃できました。実は、1年生と2年生は、この種目は希望者の参加で、文平さんもその一人でしたが、スタートするや、体を丸めて前のめりの姿勢で、ものすごい速さで縄を回して跳び続けました。まるで、体が空中に止まっていて、縄だけが回っているような感じでした。この挑戦種目の時間は1分間で、その中で継続して跳んでいれば、引っかかるまで跳び続けられます。文平さんも当然、1分以上跳び続けました。そうして出した記録でした。一方、皓大さんは、文平さんとは対照的に、まっすぐ伸びた姿勢で、軽やかに跳び続けていました。無駄な力が入っていない、二重跳びのお手本のような姿勢で、回数を重ね、記録更新しました。二人とも、今後簡単には破られない、素晴らしい記録を出しました。実は今回、文平さんが更新した記録は、5年前、今の6年の皓大さんが1年の時に出した記録でした。

 「記録は破られるためにある。」5年前に偉大な先輩が残した記録を、何年間も多くの後輩たちがその記録更新に挑戦し、ついに破ることが出来たわけです。その破った記録は、また、これからの後輩たちの新たな目標になりました。そして、その偉大な先輩は、さらに簡単には越えられないような記録を、後輩たちのために残してくれました。この記録も、今後、多くの後輩たちの目標として、生き続けます。そして、また、いつの日か、誰かが、破るのでしょう。なわとび記録会で生まれた記録は、こうして、子どもたちの心と体を鍛えてくれるのです。

 長縄跳びでは、どの学年も、学級の全員の心を一つに取り組んでいました。練習期間中、自分たちの新記録が出る度に、喜び、そして、新たな目標に向かって、努力してきました。みな素晴らしい取り組みをしていました。本番で、残念ながら、これまでの新記録を出せなくて、悔しそうにしている姿も見られました。しかし、大事なのは、この本番に向けて、自分たちが、どのように成長してきたかです。うまく回数が伸びない時、自分たちで話し合って、問題を解決する姿が見られました。うまく縄には入れない仲間を、必死でサポートする姿がありました。休み時間の練習に、率先してみんなに声をかけて呼びかける姿がありました。跳んでいる最中も、大きな声で号令をかける姿がありました。ひっかかっても、「ドンマイ」と励ます姿がありました。そうやって、長縄跳びを通して、みんな、心も体も成長してきました。

 なわとび記録会は終わりましたが、子どもたちは、今日も、体育館で跳び続けていました。

185 真・善・美を求めよ

 かつて勤務したある学校の会議室に、この「真 善 美を求めよ」と書かれた額が掲げられていました。
 「真」とは、本物のことです。嘘偽りのない、正直な心のことです。人間は弱い生き物ですから、時にごまかしたり、嘘をついてしまったりすることがあります。しかし、それでも、ごまかさず、嘘をつかず、自分に正直に行動したいと思います。
 「善」とは、正しいことです。自分でそうすることが正しいと判断した行動のことです。人間は弱い生き物ですから、周りの目を気にして、自分では正しいこと、善いことだと思っていても、そうすることができないことがあります。しかし、それでも、自分で正しいこと、善いことだと思ったら、迷わず、行動に移したいと思います。
 そして、「美」とは、美しいことです。それは、見た目の美しさというよりも、内面の美しさ、心の美しさのことです。人間は弱い生き物ですから、自分が他の人からどう見られているか、見た目を気にしがちで、大事な内面の心の美しさを磨くことを忘れがちです。それは、心の美しさは、目に見えないと思っているからです。しかし、実際は、その人の心の美しさは、言葉遣いや行動、仕草など、目に見える形で現れるものなのです。

 先日、ある保護者の方から、次のような連絡が担任を通して届きました。(個人名等、一部修正してます。)

 2月の事ですが、子どもの迎えに行って、車の中で待っていたら、ある子どもが、数人のお友達と帰る途中、汚れたゴミを拾って、両手いっぱいの量を持ち帰っていました。「ゴミを捨てない」事は出来ても、「拾う」という事は大人でもなかなか出来る事ではないので、感心しました。

 まず、こんな素敵な御連絡をいただけたことに感謝です。そして、私も、この方のおっしゃることに同感です。きっと、私には、この子どものような行動は無理だと思いました。そして、そういうことをやれる子どもがいることが、とてもうれしく思いました。実は、以前、LIVEでゴミを拾って登校する子どもを紹介した後、同じように、ゴミを拾って登校する子どもたちが、何人も出て来ていました。

 「ゴミが落ちていたら拾う」という行為は、まさに「善」です。そして、そうすることは「真」であり、そういう行動ができる人の心は「美」そのものです。この「真・善・美」を実際に、体現している子どもたち。なんて素直で、素敵な子どもたちなのでしょう。そんな子どもたちの通う学校で勤務できることに幸せを感じます。そして、こんな子どもたちに負けないよう、自分ももっと努力しなければと改めて思いました。

186 6年生からの引継ぎ

 今まで、毎朝6年生が取り組んできた朝のボランティア清掃活動を、5年生が引き継ぎました。先日から各清掃場所で、6年生から掃除の範囲ややり方を教えてもらっています。これまで登校してきて、自分の時間として過ごしていた5年生にとっては、これは大きな変化です。しかし、これこそが、4月から最上級生になるという意味を表しています。それは、最上級生になるということは、自分のことだけでなく、学校のことや下級生のことを考えて行動しなければならないということです。もしかしたら、そういう時間や行動の制限に、不自由さを感じる人がいるかもしれません。しかし、その制限や不自由さも丸ごと含めて、それが「6年生という立場」なのだと思います。そして、それは、これまでの多くの先輩方が、みな経験してきたことなのです。だから、5年生の子どもたちには、「やっと自分たちの番が来たのだ」と、前向きに受け止めてほしいと思っています。
 5年生の子どもたちは、指定された時間になる前から、担当場所に行って、6年生に教わりながら、頑張って取り組んでいます。その様子を見ると、来年の野木沢小学校は、新しい6年生を中心に、また大きく進んでいけると感じます。きっとそういう5年生の姿を見て、6年生の子どもたちは、安心して卒業していけると思います。

187 校内オリエンテーリングを楽しもう!

 今年度も、残り12日間となりました。町の感染症対策期間も、今のところ7日(日)で解除されます。学校も年度末に向けて、ラストスパートです。それを受けて、全校生で行う思い出づくりの一環で、来週9日(火)に「校内オリエンテーリング」を実施します。実は、2月に実施予定だったのですが、延期されていた取り組みでした。

 今年お世話になった縦割り班のみんなで、楽しい思い出を作ろうというものです。校舎内の各教室を回って、そこで、みんなでゲームをして楽しみます。どんなゲームをするのか、紹介します。

・10秒チャレンジ・・・ストップウォッチを見ないで、10秒で止める。
・ペットボトルボーリング・・・ペットボトルのピンを何本倒せるか。
・けん玉チャレンジ・・・3回チャレンジで、皿に何回乗せられるか。
・さいころチャレンジ・・・3個のさいころを投げて、「1」を何個出せるか。
・ペットボトルキャップキャッチ・・・キャップつかみ取りで何個つかめるか。
・しりとり・・・30秒の間に、しりとりをいくつつなげられるか。
・フリスビーストラックアウト・・・ロッカーの得点めがけて、ディスク投げ。
・連想ゲーム・・・お題の「~と言えば」で連想する言葉はいくつそろうか。

 ゲームの内容によって、個人で競ったり団体で競ったりします。グループみんなで協力して行うものもあるので、きっと楽しく取り組めそうです。各ゲームは、先生方が担当して行います。本校の縦割り班は16班あるので、一カ所の教室に、2班ぐらいずつ回ることになります。多少、時間差でずれたとしても、校舎内にある程度分散するので、蜜は避けられそうです。活動時間内に、全部回れなくても終了となります。空いているところを探しながら、うまく回ってほしいです。最後は、体育館に集まって、グループごとの写真撮影と成績発表です。各ゲームのチャンピオンを発表します。自分の名前や班の名前が呼ばれるか、どきどきすることでしょう。

 楽しいイベントになりそうです。この土日、体調を整えて、当日、元気に参加できるようにしてほしいです。

188 東日本大震災の日

 10年前の今日、東日本大震災が起きました。連日、テレビや新聞等の報道でも、震災関係のいろいろな番組や記事を目にします。今日は、学校でも、震災に関連した集会をリモートで実施しました。校長から「地震の話」と題して、次のようなお話をしました。

「この日本という国は、世界的に見て、非常に地震が多い『地震大国』です。小さいものでは、年間1000~2000回の地震が起きています。世界中で発生している地震の内、M6以上の地震の約20%は、日本で発生しています。地震が起きると、建物が倒れたり、火災が起きたり、津波が起きたりします。そして、多くの被害を受けます。日本では、これまでに、何度も『大震災』とよばれる大規模な地震が起こっています。
 まず、1923年の関東大震災。M7.9の地震が関東地方を襲いました。発生時刻が午前11時58分で、ちょうど昼食の時間帯であったため、火災が発生し、強風がさらに被害を大きくしました。およそ10万人という犠牲者の多くは、火災による焼死でした。
 次は、1995年の阪神・淡路大震災。M7.3の地震が、関西地方を襲いました。発生時刻が午前5時46分。まだ、多くの人が就寝中の出来事で、犠牲者約6400人の多くは、建物の倒壊が原因でした。
 三つ目は、2011年3月11日の東日本大震災です。午後2時46分、M9.0、震度7という、これまでで最大規模の地震が、岩手・宮城・福島を襲いました。高さ約9mの大津波が海岸地帯に襲いかかり、約2万2千人という犠牲者を出しました。大変な被害が出ました。
 これだけの大きな地震に襲われ、その度に、大きな被害を受けてきた日本ですが、震災後は、確実に復興してきました。10年前の東日本大震災も同じです。
 まとめると、日本は地震大国。だからこそ、日頃から地震に備えておくことが大事。もし、地震が起きたら、落ち着いて、命を守る行動をとること。火を使っていたら止める。建物の中にいたら、外に避難する。そして、海辺にいたら、できるだけ高いところへ避難する。そして、どんな被害があろうとも、必ず復興できます。だから、『希望』を持つこと。そして、支えてくれる方々へ『感謝』の気持ちを忘れないことが大事です。
 最後に、東日本大震災では、津波の後、原子力発電所の事故も起こり、今なお、故郷に帰れず、避難生活をしている人たちがいます。また、放射線による風評被害も今だなくなっていません。そういう意味では、まだまだ地震の傷跡は癒えていないのです。そのことは、知っておいてください。」

189 校内オリエンテーリングを終えて

 一言で言うと、とても有意義な活動になりました。縦割り班は異学年集団なので、いろいろな学年の子が一緒になって、各教室を回って遊びました。その中で、高学年の子が、下学年の子のことを気にかけながら、声をかけたり、手助けしたりしながら活動する姿が見られました。

 そもそも、小学校という集団は、1年生から6年生までの異学年集団です。しかし、普段の学校生活は、学級単位が基本なので、同じ学年の子ども同士の活動がメインです。その中で、学級内の人間関係を通して、人との関わりや集団生活のきまりなどを学びます。しかし、そこで学べるのは、同じ年齢の子ども同士ですから、同年齢としての関わりです。想像してみると分かると思いますが、子どもは同年齢同士だと、相手に対して、遠慮はなくなります。同年齢ですから当然です。大人の社会でも、同じ年齢だと分かると、急に「ため口」になったりしますから。(余談ですが、同年齢を表す“ため”とは、サイコロのぞろ目のことだそうです。)子どもは同じ年齢同士なら、やはり、相手に負けたくないという競争心が芽生えるのだと思います。それが普通です。だから、何か競争するものだと、むきになって取り組みます。学年が下がれば下がるほど、その傾向は強いと感じます。それは、負けたくないから。だから、遠慮がなくなるのです。それでも、のべつ幕なしにぶつかり合っているかというと、そんなことはなく、ちゃんと、協力して活動することはできるんです。

 道徳には、現在、22個の価値項目があります。その中に、「相互理解、寛容」というものがあります。私たちが社会を生きていく上で、とても大事な価値項目です。この「相互理解、寛容」について、それぞれの学年で、道徳の時間に次のような内容を養っていくことになっています。

 5年生・6年生
 「自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を尊重すること」

 3年生・4年生
 「自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、相手のことを理解し、自分と異なる意見も大切にすること」

 人は、そもそも、性格も考え方も違うので、そのことを理解し、尊重することは大事だということです。しかし、ご覧のように、この「相互理解、寛容」については、1年生と2年生では触れていません。3年生になってから、道徳の時間に初めて価値に触れることになっています。なぜ、1年生と2年生では、このことに触れないのでしょうか。それは、発達段階において、この道徳的価値を認識できる能力や指導の適時性に関係があります。前述しましたように、低学年の段階では、まだ、競争心が全面に出がちで、遠慮がありません。それは、同年齢同士として、当然の見方・考え方です。だから、相手を理解し、自分との違いを受け入れるのは、発達段階的に少し難しいということです。

 話をオリエンテーリングに戻しましょう。本来、学校は、異年齢集団という環境なのですから、その異年齢集団のふれ合いが、もっとあってもいいわけです。その中で、子どもたちが学ぶことは、とても多いのだと思います。実際、今回の活動の中でも、上級生は下級生の面倒を見て、下級生は上級生の言うことを聞いて、みんなで楽しく過ごすことができました。わずか1時間あまりの活動でしたが、十分ねらいを達成できていました。こういう活動を限られた時間で行えるのも、野木沢ならではだと改めて思いました。

 最後に、当日の閉会式で、各ゲームのチャンピオンのグループを紹介しましたが、ここでは、個人の成績で、チャンピオンの人を紹介します。

 ストップウォッチ10秒チャレンジ 10”01  1年 永井丈嗣さん
 サイコロチャレンジ 3つのサイコロ全部が「1」 4年 石 大和さん
 ペットボトルキャップつかみ 1回で22個つかんだ 6年 佐藤煌大さん
 ペットボトルボーリング 7本倒した 5年 草野大輝さん、6年 草野雄成さん
 フリスビー投げ 2回投げて100点獲得 3年 佐藤妃莉さん、石井斗真さん、佐藤 歩さん
 けん玉チャレンジ 3回皿乗せ成功したみなさんも、おめでとうございました。

190 6年生を送る会を終えて

 とてもほのぼのとして、あったかい会でした。

 まず、会場の体育館の壁はかわいく飾り付けられ、フロアーの中央に、きれいに飾り付けられた平均台が置いてありました。あれは何かな、と思っていたら、入場してきた6年生が一人ずつ紹介され、その平均台を渡って、最後はクラッカーと拍手で迎えられたのでした。
 会が始まると、5年生の実行委員長のしっかりとしたあいさつがありました。今回の会は、準備から運営まで、5年生が担当でした。15名の5年生全員で取り組んできました。
 会はその後、1年生から4年生が、6年生へ出し物をしました。一緒に玉入れをしたり、自分たちで考えたクイズを出したり、ダンスをしたりと、バラエティーにとんだ、盛りだくさんの内容でした。6年生は、それぞれの出し物に楽しそうに参加していました。
 出し物の後は、プレゼントの贈呈。まず、5年生から、下級生みんなの寄せ書きの色紙が、6年生に送られました。そこには、思いのこもったメッセージが書かれていて、受け取った6年生は、みな書かれているコメントにじっと見入っていました。その後、6年生からのプレゼントとして、ミシンで縫った手作りの雑巾と、リコーダーの演奏がありました。きれいな音色に、今度は下級生たちが、じっと聞き入っていました。
 この後、鼓笛の引継ぎがありました。まず、6年生も入った編制で、最後の演奏がありました。その後、新しい主指揮へ指揮棒の移杖がされ、新しい鼓笛隊へ楽器の引継ぎがされました。そして、3年生から5年生の新しい編制で演奏を行いました。6年生には、その演奏をステージの上から聞いてもらいました。会はこれで終了し、最後は、1年生と2年生が作る花のアーチを通り抜け、6年生は退場しました。

 前号で書きましたが、学校はそもそも異年齢集団です。ですから、この前のオリエンテーリングやこの送る会のように、いろいろな学年の子どもたちが、ふれ合って、一緒に楽しい時間を共有することは、学校という環境において、意義ある活動なのだと思います。6年生が、今年1年間、最上級生として、学校のため、下級生のために頑張ってきたことを、下級生たちは知っています。6年生がお世話してくれたお陰で、自分たちは学校生活を送れていることを、下級生たちはみな感じています。そういう下級生からの感謝の思いを、6年生たちはしっかりと受け止めていた、そんな素敵な会でした。

 今回、会終了後にはサプライズがありました。なんと、下級生の各教室の黒板に、6年生からのありがとうのメッセージが書かれていたのです。

 今回、5年生の子どもたちは、下級生の代表として、6年生への思いを形にしようと、この会を準備し、運営していたと思います。これは、6年生への恩返しです。そして、その恩は、来年、今度は自分たちが6年生として1年間、学校のため、下級生のために頑張っていくことで、3月にまた自分たちに返ってくるのです。そうやって、学校は、順繰り順繰り、思いを受け継いでいくのです。

191 R2卒業式予行 贈る言葉

 本日は、御来賓の方々の御臨席を賜り、また、保護者の皆様にも御参加いただき、令和2年度卒業証書授与式を挙行できましたこと、心よりうれしく思います。

 この後、卒業式当日は、卒業生のみなさんや保護者のみなさんに贈る言葉を述べます。

 本日は、予行ですので、違うお話をします。

 6年生のみなさんは、入学してから卒業までの6年間で、何日学校に来たことになるのか、調べてみました。

 そうしたら、合計で1,199日になるようです。

 年間約200日、その×6倍、学校に通ったことになります。

 そのおよそ1,200日間、学校に来て、授業を受け、休み時間に遊び、給食を食べ、掃除をして、過ごしてきました。

 その間、いろいろなことがあったと思います。その全てを覚えてはいないと思います。

 しかし、その約1,200日間、学校で過ごした日々を通して、みなさんは、成長してきたわけです。

 できなかったこともできるようになりました。分からなかったことも分かるようになりました。

 それらは、一日一日の積み重ねの結果です。

 当たり前のように、特別なことなどないような、そんな普通の一日の学校生活が、1200回繰り返されて、今のみなさんが育ったのです。

 幼稚園や保育所を出て、小学校生活を何も知らずにいた子どもが、1200日学校に通うと、みなさんのように成長するのです。

 これは、すごいことです。

 みなさん、頑張りましたね。大変だったでしょう。

 いろいろな人に支えられたと思いますが、一番は、みなさん自身が頑張った結果なんです。

 そんなすごい成長を遂げたみなさんなのですから、どうか、胸張って、堂々としてください。

 残りわずかですが、最後まで、よろしくお願いします。


 令和3年3月23日

                     石川町立野木沢小学校長 佐藤康二

192 なりたい職業

 ある保険会社が、「大人になったらなりたいもの」のアンケートを実施した結果が、ネットで紹介されていました。

小学生・男子
 1 会社員
 2 YouTuber/動画投稿者
 3 サッカー選手
 4 ゲーム制作
 5 野球選手
 6 鉄道の運転士
 7 警察官
 8 公務員
 9 料理人/シェフ
 10 ITエンジニア/プログラマー
 10 教師/教員
小学生・女子
 1 パティシエ
 2 教師/教員
 3 幼稚園の先生/保育士
 4 会社員
 5 漫画家
 6 料理人/シェフ
 6 看護師
 8 芸能人/アイドル
 9 公務員
 9 医師

  この結果を受けたコメントには、コロナ禍で在宅勤務が広がったことで、子どもたちの中にも「会社員」という職業が身近になったこと、「会社員」以外の職業については、自分の好きなものを将来につなげようとしている傾向が見られること、そして、女子には、資格を得て働く職業が多いことなどのポイントが挙げられていました。

 「こども手に職図鑑」という本があります。そこには、将来、人工知能(AI)に取って代わられない仕事が100載っています。AIは、今後ますます、私たちの生活の中に入り込み、それまで人間が行っていたことを、代わりに行うようになるでしょう。上表の職業の中では、鉄道の運転士などは、将来なくなる確率が高いと言われています。しかし、万能と思われるAIには、どうしてもできないことがあります。それは、人間のような「したい」ことの最終判断をしたり手先や体を使ったりする仕事です。この図鑑では、「ものづくりの仕事」「医療・福祉の仕事」「人ともてなしに関わる仕事」「自然に関わる仕事」そして、「科学・テクノロジーの仕事」などが紹介されています。

 その中に、「ユーチューバー」の職業について、紹介されていました。ちょうど詳しく知りたいと思っていたので、じっくり読んでみました。そこには、暮らし系ユーチューバーのOさんの仕事ぶりについて、紹介されていました。Oさんは、大学を卒業後、デザイン系の専門学校に入学し、アルバイトで動画を作ったのが、ユーチューバーになるきっかけだったようです。ユーチューバーの収入源は、広告です。人気が出てくると、多くのフォロワーがフォロー(応援)してくれます。フォロワーが1000人を超え、動画の再生時間が4000時間を越えると、審査があって、審査を通ると、初めて動画にCMがつけられるのだそうです。そのCMが流れることで、お金がもらえるという仕組みです。しかし、どんな広告を入れるかは選べず、広告が多すぎると、視聴者がつまらなく感じるので、そのバランスが重要だそうです。
 小学生男子の2番人気の職業ですが、実際は、仕事として生活していけるまで、なかなか大変そうだなあと思いました。Oさんも、次のように言ってます。「ユーチューバーとして人気が出るには、時間がかかるので、根気強く動画を配信し続けることが大事。長く続けることで、流行に乗って、一気に活躍するチャンスに巡り合うかもしれない。最後は、自分を信じて、あきらめずに、チャレンジすることです。」なるほど、「自分を信じて、あきらめず、チャレンジする」。これは、仕事全般に共通することかもしれません。

193 修了式 校長の話

 みなさん、今年一年間、大変よく頑張りました。

 1年生のみなさん、みなさんは、初めての小学校生活でしたが、先生の話をよく聞いて、お勉強を頑張りました。そして、何事も、とてもていねいに取り組むことができていました。ノートを書く時の姿勢は、とてもよく、書く文字はとても上手でした。来年は、一つお兄さん、お姉さんになります。頑張ってくださいね。

 2年生のみなさん、みなさんは、何にでもやる気満々でした。授業でも、自分の考えをよく発表して、友達の発表もよく聞いて、学習することができていました。自分たちで工夫して、学校生活を楽しんでいました。私の悩みにも相談にのってもらいました。来年は、1年生と2年生のお兄さん、お姉さんになります。下学年のリーダーです。頑張ってくださいね。

 3年生のみなさん、みなさんは、いつも、外を元気いっぱい、走り回っていました。学習でも、自分たちで教え合って、進めることができていましたね。朝のゴミ拾いも、3年生のお友達から広まりました。みなさんは、おそらく、野木沢小で最後の20人を越える学級だと思います。そのパワーで、来年も学校を盛り上げてくださいね。

 4年生のみなさん、みなさんは、自分たちでどうしたらよいか、考えて行動できていました。学習でも、生活でも、みんなでよく話し合って、よりよいものを目指していましたね。その姿勢は立派です。いよいよ来年は、高学年の仲間入りです。6年生を支えて、一緒に、野木沢小学校を作っていきます。頑張ってくださいね。

 5年生のみなさん、みなさんは、男女なかよく、どんなことも協力して、15名で取り組んできました。5年生のあいさつは立派です。その姿は、もう最上級生にふさわしいものです。いよいよ、みなさんが6年生として、野木沢小学校をひっぱっていく番が回ってきました。自分たちで考えて、自信を持って、どんどんチャレンジしてください。

 学校は、みなさんが、元気に過ごすと、その元気パワーがたまっていって、その元気パワーがたまっていくと、明るく楽しい学校になっていきます。今年は、みなさんのお陰で、野木沢小学校は、とても明るく楽しい学校になりました。ありがとうございました。来年も、みんなで、明るく楽しい学校にしていきましょう。よろしくお願いします。

194 卒業式 校長贈ることば

 本日は、御来賓の方々の御臨席を賜り、また、保護者の皆様にも御出席いただきまして、令和2年度卒業証書授与式を挙行できましたこと、心よりうれしく思います。

 保護者の皆様、先程、お子様に卒業証書を授与致しました。お子様の証書を授与される姿を御覧になり、どのような御心境でしょうか。おそらく、6年前、小学校に入学し、その後、いろいろなことを経験し、成長していった日々を思い出され、感慨もひとしおのことと思います。その中で、保護者の皆様が、どんなに御苦労をされたか、お察し致します。しかし、どうぞ御覧ください。その御苦労も、全て吹き飛んでしまうように、お子様は、立派に成長されました。この姿を見れば、全て報われるのではないでしょうか。本日のお子様の御卒業、誠におめでとうございます。

 さて、令和2年度卒業生のみなさん。今、私が、お家の方に話したように、みなさんはこの6年間、いろいろなことで、お家の方々に、お世話になったことと思います。心配をかけたこともあったでしょう。泣かせたこともあったかもしれません。お家の方の言うことをきかず、言い合いになったことも。しかし、それもこれも、全ては、みなさんのため。みなさんを愛しているからです。だから、心配もしたし、余計なことと思われるようなことも言ってきたのです。みなさんは、それを素直に聞き入れましたか。素直に従いましたか。反発して文句を言い返したりしませんでしたか。

 今はどうですか。まさに今、卒業するにあたり、お家の方々が、これまで、どんな思いで、みなさんの成長を支えてきたか、感じられるのではないでしょうか。有り難いですね。みなさんがどんな状況になろうとも、最後の最後まで、いつでも、みなさんの味方になって、みなさんを支えてくれたんです。これは、いくら感謝しても、感謝しきれません。今日、家に帰ったら、その気持ちを、きちんとお家の方々に伝えてくださいね。お願いします。

 さて、改めて、令和2年度の卒業生のみなさん。自分が野木沢小学校を卒業するというのは、どんな気持ちなのでしょうか。いよいよ小学校を卒業するという喜びですか。それとも寂しさでしょうか。6年間という長い小学校生活がやっと終わりを迎えるという達成感ですか。それとも、4月から始まる新しい中学校生活への期待でしょうか、不安でしょうか。

 みなさんが、これまで過ごした6年間は、一人一人いろいろな思い出があることと思います。その思い出は、楽しかった、うれしかった思い出ばかりでないと思います。悲しかったこと、苦しかったこと、つらかったこと、そういう出来事もあったことでしょう。その時々の心の傷は、もう癒えているでしょうか。それとも、まだ、心の底の方で、喘いでいるのでしょうか。

 私たち人間は、弱い生き物です。ですから、知らず知らずに相手を傷つけ、自分を傷つけてしまうことがあります。そうして、傷つけられた心の傷は、目に見えないので、なかなか誰にも気付いてもらえない。

 しかし、どうかそのことを悲しまないでください。心の傷の痛みを知る人は、他の人の心を優しく労り、癒やすことができるからです。だから、もし、今だ心の傷が癒えていないとしても、この卒業を機に、苦しんだ気持ちを引きずらず、そういう気持ちにけりをつけて、ここからは新たな気持ちで歩んでほしいと思います。

 これから、みなさんが歩んでいく道は、決して楽な道ではないと思います。先の見えない不安の中、歩いて行くことにためらいを感じた時は、あの修学旅行を思い出してみてください。

 会津若松への修学旅行は、これまで前例がありませんでした。それでも、みなさんは、資料を集め、見学先を検討し、コースを決め、実行しました。当日、会津若松市内を散策しながら、想定外の出来事も、グループのみんなで解決して行きました。あの修学旅行を成功させることは、決して楽なことではなかったはずです。それでも、みなさんは、勇気を持ってチャレンジし、成し遂げることができました。それどころか、あの修学旅行を、心の底から楽しもうとしていました。そんなみなさんなのですから、これからも、何が起ころうと、しっかり向き合い、笑顔で乗り越えていけるはずです。

 私は願います。みなさんが、自分が主役の自分の人生を、自分らしく歩いていくことを。どういう人生が自分らしいのか、その答えは、簡単には見つからないかもしれません。しかし、人生二度なし。人生は一度きり。一回こっきりしかありません。ならば、その一度きりの人生を、どんなにつらかろうが、どんなに苦しかろうが、投げ出すことなく、生きてください。その中で、みなさんに、生きている喜びや楽しさが少しでも味わえる、そんな経験が訪れることを切に願っています。

 みなさんの人生に幸多かれ。

     令和3年3月23日    石川町立野木沢小学校長 佐藤康二

195 愛別離苦

 四字熟語に「四苦八苦する」というと言葉があります。意味は、状況がとても辛い、切羽詰まった様子を表します。実は、この「四苦八苦」という言葉は、もともと仏教の教えです。本来、四苦八苦とは、人が生きる上で避けては通れない「八つの苦」を表しています。
 まず、四苦とは「生老病死」の苦のことです。

「生苦」・・・人は生まれる場所、条件を選べません。
「老苦」・・・人は必ず歳を取り、老います。
「病苦」・・・そして病気にもなります。
「死苦」・・・やがて寿命がくれば、みな死に至ります。

この四つが人間の根源的な苦しみであると、教えています。そして八苦とは、この四苦にさらに次の四つを追加して八苦となります。

「愛別離苦(あいべつりく)」・・・大切な人や大好きな人であっても、いつかは離れなければならない苦しみ。
「怨憎会苦(おんぞうえく)」・・・逆に大嫌いな人、顔も見たくない人でも出会ってしまう苦しみ。
「求不得苦(ぐふとっく)」・・・求めるモノゴトが手に入らない苦しみ。
「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」・・・自分の心や、自分の身体すら思い通りにならない苦しみ。

 今回の離任式は、まさに「愛別離苦」です。今まで、大変お世話になった先生方と、まだ別れがたく、まだ一緒にいたいのに、お別れしなければならない苦しみ。考え方によっては、卒業式だって、「愛別離苦」と言えるでしょう。しかし、私たち人間は、この仏教の「四苦八苦」の教えの通り、みないずれ、いつかは、誰とも、別れなければならない運命にあります。別れを知らないまま、一生を終えることはできないのです。それは、変えることができません。だからこそ、出会った運命に感謝し、一緒に過ごせる日々を大切にして、そして、お別れの時に、出会ってくれたこと、一緒に過ごせたことに、感謝しなければならないのだと思います。そして、きちんとお別れすることで、一つの区切りをつけ、また、新たな出会いに向かうのだと思います。今回、お別れする方々も、また私たちと同じように、この別れを一つの区切りとして、4月から、新しい場所で、新しい出会いを迎え、また、そこで新たな生活をスタートさせるのです。
 「愛別離苦」。この苦しみを乗り越える度に、私たち人間は、また、一つ成長できるのだと思います。
 昨年度は、3月に感染症拡大防止のために、臨時休校措置をとり、また、集団での接触を避けるため、離任式等をやれなかった学校がたくさんありました。きちんとお別れする機会がなかったわけです。私自身、前任校は離任式が行えず、お世話になった子どもたちときちんとお別れすることができませんでした。そのことは、本当に残念でなりませんでした。そういう意味で、今年度は、離任式を行って、きちんとお別れすることができたことはよかったと思っています。

196 令和3年度スタート!

 令和3年度がスタートするにあたり、今日4月6日、全校児童86名、全員が登校できたのが最高にうれしい出来事でした。そして、7名のかわいい1年生も、元気に入学してきました。

 昨年度末、23名の卒業生が卒業していき、6名の先生方とお別れして、改めて分かったことがありました。それは、同じ子どもたち、そして、同じ先生方で学校の教育が営まれるのは、一年限りだということです。言ってしまえば、当たり前のことですが、そのことを再確認したのです。年度内は、目の前の子どもたちと向き合い、日々、子どもたちのことを話し合い、協力し合って過ごしている先生方。だから、どこかで、このままずっと、いつまでも一緒に働けると思っているのかもしれません。しかし、現実は、6年生は卒業して行きますし、先生方の何人かとはお別れしなければならないのです。その時になって、悲しくもあり、寂しくもあるのですが、考えてみれば、学校では、こういうことを毎年毎年、当然のように繰り返しているのです。

 だから、今年、巡り合って、この野木沢小で出会う子どもたちと保護者のみなさん、そして、このメンバーの先生方で共に同じ時間を共有し、共に過ごすことができるのは、今年一年だけなのです。だから、まずは、この出会いに感謝したいと思います。そして、折角出会うことができたのですから、これから共に過ごせる日々を、大切に過ごしていきたいと思います。

 そして、今年は、偶然にも、全ての学年において、担任の先生が新しく変わりました。昨年から継続の先生方も、持ち上がりはありませんでした。ですから、全ての学年において、明日から、新しい担任の先生と学級づくりが始まります。学級づくりは、担任の先生だけで行うものではなく、担任の先生と学級の子どもたちが協働で行うものです。是非、それぞれの学年で、自分たちらしい、素敵な学級を作っていってほしいと思います。

197 なぜ、学校に来るのでしょうか

 4月6日にスタートした令和3年度ですが、子どもたちは、毎日、当たり前のように学校に登校してきます。学校としては、それはとても有り難いことです。しかし、子どもたち自身は、おそらく、いろいろな思いで登校してくるのではないでしょうか。そう考えると、毎日、子どもたちを送り出していただき、保護者の皆様には感謝です。

 なぜ、子どもたちは、学校に来るのか考えてみました。小学校と中学校は、義務教育。義務だから、行かなければならない?実は、この義務教育は、憲法では次のように定められています。

 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。(日本国憲法第26条第2項)

 つまり、法律で言うところの義務教育の「義務」とは、子どもが行かなければならない義務ではなく、保護者に、自分の子どもに対して「教育を受けさせる義務」がある、というものです。

 では、子どもたち自身には、何かないのかというと、先程の日本国憲法第26条の第1項に次のような文言があるのです。

 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。

 また、「子どもの権利条約」にも同じようにあります。

  すべての子どもは、教育を受ける権利をもっています。国は、すべての子どもが小学校に行けるようにしなければなりません。さらに上の学校に進みたいときには、みんなにチャンスが与えられなければなりません。学校のきまりは、子どもの尊厳が守られるという考え方からはずれるものであってはなりません。

 「教育を受ける権利」があるから、子どもたちは学校に来るのでしょうか。そんな堅い理由ではなく、子どもたちが学校に来るのは、そこが行きたいところだからではないでしょうか。昨年、臨時休校が開けた時、やっと友達と会えることを楽しみにしていたという声を聞きました。

 学校に行けば、友達に会える。一緒に遊べる。そういう理由でいいのです。また、美味しい給食が食べられるでもいいのです。私たち教師としては、そこに、授業が楽しい、分からないことが分かってうれしい、できないことができてうれしい、自分のお話をみんなが聞いてくれてうれしい、みんなで考えて学習するのが楽しい、という理由が生まれてくれることを目指したいのです。

 子どもたちは、日々成長していきます。私たちは、そんな子どもたちの一人一人に向き合って、その成長を共に感じていきたいと思っています。

198 思いやりの会

 新入生を迎える会が、6年生の企画運営で行われました。まず、新年度がスタートして一週間という、とても慌ただしいこの時期に、6年生の子どもたちは、会の準備をするのは、とても大変だったと思いました。でも、その6年生のお陰で、とても温かい、思いやりにあふれた会になりました。

 1年生の子どもたちは、7名。一方、2年生から6年生までは79名。1年生の子どもたちにとっては、ほとんど知らないお兄さん、お姉さんに囲まれて、きっととてもドキドキしていたことでしょう。それでも、会が始まり、1年生へのインタビューでは、名前や好きなことの発表を、自分で描いた絵を見せながら、全員がしっかりと行うことができました。あんなに大勢の前でお話をするのは、とても緊張して大変だったと思います。1年生の子どもたちは、みな頑張りました。

 その後、6年生とゲーム対決をしたり、みんなで○×クイズや、からだジャンケンをしたりして楽しみました。最後は、みんなで校歌を歌って、会は終わりました。

 会の中では、ゲームをして頑張っている人たちへ、大きな声援を送ったり、最後までジャンケンで勝ち残った人たちへ、大きな拍手を送ったりと、会場にいる子どもたちの優しさが至る所で見られました。また、ジャンケンに途中で負けてしまった1年生に対して、そっと寄り添って慰めている6年生の姿も見られました。

 校長の話の中で、子どもたちに「思いやり」について、次のような話しました。

 「思いやりとは、相手に優しく接する気持ちのことですが、他の言い方をすると、『相手の立場に立って考える』ことです。自分が、もし相手だったら、どんな気持ちになるか考えるということです。
 
 1年生は、初めての小学校の生活が始まったばかりで、まだ、よく分からないことだらけで、毎日が不安かもしれません。2年生のみなさんは、去年の自分を思い出してみてください。みなさんも、いろいろと不安があったでしょう。他のみなさんもそうだったかもしれません。今の1年生も同じです。
 
 ですから、2年生から6年生のみなさんが、1年生の立場になって、1年生の気持ちを考えて、1年生に接してくれたら、きっと、1年生のみなさんは、早く学校生活に慣れて、安心して楽しく過ごせると思います。」

 そんなお話でしたが、結果的には、そんなことは、子どもたちには言わずもがなでした。みんなで、1年生を温かく包み込むような、迎える会になりました。これで、1年生の子どもたちにとっては、学校が、また少し楽しいところになったのではないかなと思いました。

199 今年の運動会

 令和3年度がスタートして一週間。4月も半ばになろうとしていますが、先生方の会議は、これまで3回も行われています。その中で、今年の学校行事の取り組み方なども話し合われています。
 その一つが、「運動会」です。
 今年の運動会は、今のところ、5月15日(土)に実施する予定です。期日は、コロナ前に戻るような形ですが、実施内容・方法は、基本、昨年度の内容・方法に準ずる形で行うことになります。理由は、感染状況等は、昨年度と変わっていないからです。ですから、内容は厳選し、子どもたちの種目のみとし、時間も午前中で終了するようになります。
 実際は、まだ一ヶ月も先なのですが、体育の授業等では、50メートル走やトラック走を行って、リレーの選手を選考したり、種目を考えたりと、運動会に向けて動き出しています。
 運動会は、体育的行事と言われます。その名の通り、普段の体育の授業の延長線上に運動会があることになります。ですから、体育の授業で、整列したり走ったりする活動が、全て運動会で披露する姿につながっているわけです。
 子どもたちの中には、運動会が楽しみという子がいます。毎年、入賞しているような子どもにとっては、楽しみで仕方ないと思います。しかし、子どもたちの中には、運動が苦手という子どももいます。そういう子どもにとっては、運動会やマラソン大会などは、あまり気持ちが乗らない行事になっているかもしれません。
 しかし、先程言いましたように、運動会もマラソン大会も、普段の授業の延長。体育の授業で取り組んできた成果を発表する場と考えます。だから、入賞することだけが運動会やマラソン大会の目的ではないということです。それよりも、一つ一つの運動に、自分がどれだけ本気・全力で取り組めたかが大事です。入賞は、あくまで結果でしかありません。
 ですから、保護者のみなさんにお願いしたいのは、子どもたちに「運動会で入賞すること」のプレッシャーをかけないでいただきたい。それよりも、最後まで本気・全力で取り組む、かっこいい姿を楽しみにしてほしいと思います。しかし、それでも、入賞できたら、うれしいものです。ですから、走るのが苦手な子どもも運がよければ入賞できるかもしれない、そんな「チャンス走」を、先生方には考えてもらいます。

200 感染予防の注意点

 新型コロナウイルスのワクチン接種がいよいよ福島県でも開始しています。しかし、県内も全国的にも、感染者は増加傾向にあり、まだまだ予断は許さない状況に変わりはありません。

 先週は、授業参観、PTA総会、学級懇談会への御出席、ありがとうございました。

 総会の折にお話ししましたとおり、今年度も、感染症対策をとりながら、できる範囲で、教育活動を充実させていきたいと考えております。そんな矢先、心配なニュースが報道されました。それは、県内の他地区での学校におけるクラスター発生のニュースです。

 クラスターが起きた学校関係者の方々、保護者の方々や子どもたちは、さぞ不安で、大変な日々を送っていることと思います。まず、このことは対岸の火事ではなく、次は我が身として受け止めたいと思います。やはり、新型コロナウイルス感染は、いつ、だれに起きてもおかしくない状況だということです。

 しかし、考えてみると、一年前の昨年4月、あの頃は、新型コロナウイルスの正体もはっきりとつかめない不安の中の毎日でしたが、今は違います。そして、ゼロにはできない感染リスクを、どうすれば下げることができるか、その方法も今は明らかになっています。マスクの着用、手洗い、消毒、換気、そして、密を避けた行動。これらを、できる限り徹底して行うことで、感染予防に努めてきたのが、今までです。そして、実際、この感染対策をすることで、新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザウイルスも、かぜウイルスも、これまで、その時期になると、必ず多くの子どもたちが感染してきた感染症を、ほぼ予防することができてきたのです。これは、事実です。

 ですから、私たちがこれからも感染症対策として行うことは、今のところ、これまでと一緒です。それを続けることが、感染リスクをあげない、唯一の方法で、確かな方法だと考えます。

 ですが、やはり、人間は弱い生き物ですから、気が緩みます。実際、子どもたちの中にも、気がつくと、マスクを顎まで下ろして話している子が見られます。声をかけると、「あっ」と気付いて直しますが。もしかしたら、マスクのひもも緩くなっているようにも見えます。感染者が出た施設では、保健所が濃厚接触者を特定するのですが、その指標の一つに、「マスクなしで会話していなかったか」というものがあるようです。そういう意味でも、校舎内で生活する際は、しっかりとマスクをつけることを徹底したいと思います。

 それから、お家の方々に、再度、注意していただきたいことは、不特定多数の外部の人との接触についてです。学校内で、毎日、一緒に生活している子どもたちや先生方の中だけでは、感染者が発生するリスクはそれ程高くありません。これは、各家庭も同じで、一緒に生活している家族だけなら、そんなに心配はいりません。しかし、お家の方々は、職場でいろいろな人と接触されます。休日に遊びに行くことで、不特定多数の方と接触することもあります。そういう機会に、十分注意していただきたい。休日や連休の過ごし方も、できる限り、密になるような場所を避け、マスク着用、消毒、手洗いを行って、感染しないように、行動していただきたい。

 そして、新型コロナウイルスの特徴である、感染しても症状が出るまで潜伏期間があり、中には無症状の場合があるということに対しては、毎朝、検温をして、発熱がある、体調がすぐれない、本人は元気でも、御家族に風邪のような症状が見られる、という場合に、お子さんを登校させないという対応をお願いします。その場合、お子さんは欠席ではなく、出席停止となります。

 改めて言いますが、感染リスクはゼロにはできません。クラスターが発生した学校でも、これまでの感染対策を行ってきていたはずです。しかし、それでも、クラスターが発生した。それがなぜなのか、情報は入ってきません。だからこそ、今、やれることを、徹底して行うしかないと思います。今後も、引き続き、保護者の皆様の御理解、御協力をお願い致します。