学校だより LIVE

1. 183 良い睡眠で免疫力アップ!

投稿日時: 2021/02/24 野木沢小-サイト管理者

 ある雑誌に、「新型コロナウイルス感染症にかからないためには ~良い睡眠で免疫力アップ~」と題した記事が掲載されていました。

 いよいよ日本でも、ワクチン接種が始まりました。しかし、再三LIVEでも書いているように、今後、ワクチン接種が広がっていったとしても、今の感染症対策を全くしなくてよいわけではないと思います。これからも、感染症対策として、これまで同様、マスク着用、手洗い、消毒、換気、密を避ける等の行動はとり続けることが必要だと思います。そして、これもまた同じように、一人一人の免疫力を高める生活をすることも大切になってくると思います。本記事では、その免疫力を高めるために、「良い睡眠」に着目した内容が載っていました。以下、ポイントを絞って紹介します。

 風邪には特効薬はありません。病院で出される薬も、風邪そのものを治すものではなく、対症療法(対処療法ではありません)として、病気によって起きている症状を和らげたり、なくしたりするものです。風邪が治るとは、体の免疫力が風邪のウイルスとの戦いに打ち勝つことを示します。ですから、「風邪にかかったかな?」という時に、栄養をしっかり摂って一晩ぐっすり眠ったら翌日にはすっかり良くなっていたなどということを経験したことがある人もいると思います。これは、主に自然免疫がしっかり働いて睡眠中にウイルスを倒した結果だと言えます。

 ちなみに、人間の免疫による防御機構は、3段階になっています。第一の防御は、「皮膚や粘膜による物理的防御」。第二の防御は「自然免疫による病原体の排除」。そして、最後の砦である第三の防御が「獲得免疫による病原体の排除」です。ワクチンを接種したり、一度罹患したりしたことで、体内に抗体をもつのは、「第三の防御」です。私たちは、今、新型コロナウイルスに対しては、第一と第二の防御で戦っているわけです。

 さて、話を睡眠に戻しましょう。適切な睡眠をとることが、免疫機能を健全に保つ、あるいは睡眠が芳しくないと免疫機能が下がるという実験結果が出ています。例えば、アメリカのある大学の研究によると、睡眠時間が短いと、しっかり睡眠が取れている人に比べて、3倍も風邪にかかりやすかったそうです。

 睡眠は時間だけでなく、眠る時間帯と睡眠の質も重要です。睡眠にはリズムがあります。そのリズムは、レム睡眠とノンレム睡眠が交互に繰り返されるものです。レム睡眠とは、体が眠っていて、脳は覚醒している状態。逆にノンレム睡眠は、脳はしっかりと休んでいて、体の筋肉はそれほど休息していない状態です。私たちは、一般的に、まず、寝入りばなに深いノンレム睡眠に入り、その後、徐々にレム睡眠に移っていきます。この一サイクルがだいたい90分程度で、その後、ノンレム睡眠とレム睡眠のセットで4~6回、サイクルしていきます。そして、寝入りばなに一番深かったノンレム睡眠は、その後、時間とともに少しずつ浅いノンレム睡眠になっていきます。

 寝ている間に分泌される成長ホルモンは、かつて、午後10時から午前2時頃までに活発に分泌されると言われていました。しかし、実際は、眠りについて最初の深いノンレム睡眠の時に最も分泌されます。前述したように、人は最初の寝入りばなが最も深く、その後はだんだん浅くなるので、大事なのは、入眠してから「最初の3時間」になります。そこで、分泌された成長ホルモンは、細胞の修復や骨や肌、筋肉の再生などを行います。

 寝ている間に分泌されるホルモンには、もう一つあります。それが、「睡眠ホルモン」と呼ばれる「メラトニン」です。このメラトニンは、睡眠のリズムを作る働きがありますが、免疫系に作用して感染症予防やがんの発生を抑える働きがあることがわかってきました。ですから、このメラトニンをしっかりと分泌させることで、ウイルスを倒す力がつきます。このメラトニンの分泌に関係してくるのが「光」です。メラトニンは、夕方以降だんだん暗くなってくると分泌量が増え、眠りが深くなり、午前2時頃にピークを迎え、それ以降、今度はだんだん分泌量が減少していくことで、眠りもだんだん浅くなるという働きをします。ですから、朝、朝日を浴びてメラトニンをしっかりと減らし、夜はなるべく強い光を浴びないようにして、暗くして寝ることが大事です。電気やテレビをつけっぱなしで寝たり、夜遅くまでパソコン、スマホ、テレビゲームなどをすることは、メラトニンの分泌を妨げることになります。夕食後は、ブルーライトの刺激を避け、寝室を暗くして寝る環境を整えましょう。

 結論、やはり、健康の三要素の一つである「睡眠」は、私たちの健康を保つために、とても重要であり、また、感染症に負けない免疫力を高めるためにも、とても大事な働きをしているということです。睡眠の時間も質も、どちらも充実させた睡眠をとれるように、日頃の生活を見直してみましょう。