学校だより LIVE

1. 165 子どもたちの向かう先は…

投稿日時: 2020/12/21 野木沢小-サイト管理者

 4つの国に住む、4人の子どもたちを紹介します。
 ジャクソンくん(11歳、ケニア)
  彼は、片道15kmの道のりを、6歳の妹と小走りで2時間かけて、野生動物に注意しながら進みます。
 カルロスくん(11歳、アルゼンチン)
  彼は、片道18kmの道のりを、馬に乗って6歳の妹と一緒に1時間30分かけて、山や平原を越えて進みます。
 ザヒラさん(12歳、モロッコ)
  彼女は、片道22kmの道のりを、友達3人で4時間かけて、夜明けに出発して進みます。
 サミュエルくん(13歳、インド)
  彼は、片道4kmの道のりを、二人の弟が押す車椅子に乗って、1時間15分かけて、トラブルの連続の中、進みます。

 この4人の子どもたちが、長時間かけ、大変な思いをして向かう先はどこだと思いますか。

 それは、「学校」です。この子どもたちは、「世界の果ての通学路」という映画で紹介されていた子どもたちです。この映画は、2013年にフランスのドキュメンタリー作品として制作されました。その後、日本でも公開されました。今はDVDにもなっています。

 野生のキリンやゾウが生息するサバンナを駆け抜けるケニアのジャクソン。山羊飼いの仕事を終えてから、愛馬で学校へ向かうアルゼンチンのカルロス。女子には教育は不要とする古い慣習が残る村から、寄宿学校に通うモロッコのザヒラ。生まれつき足が不自由で、弟たちに車椅子を押されて登校するインドのサミュエル。通学路は危険だらけで、大人の足でも過酷な道のり。それでも子どもたちは学校へまっしぐらに向かいます。

 どうして、そこまでして、この子どもたちは、学校へ通うのでしょうか。

 別の大陸、違う言葉、宗教、生活環境の中で暮らす4人の子どもたちは、真っ直ぐな瞳でみな同じ思いで、その理由を語ります。それは…

「夢をかなえたいから」

 学校に行くという、当たり前のことの「本当の意味」を考えさせられる映画です。

 4年生の子どもたちが、国語の授業で、自分のおすすめの本の紹介文を書きました。その作品が、本と一緒に図書室に掲示されていました。その中に、先程、紹介した話と似たような題名の本が紹介されていました。本の題名は、「すごいね!みんなの通学路」。その紹介文を書いていたのは、福島功大さんです。功大さんは、次のような紹介文を書いていました。

みんな学校が大好きだから。
   「すごいね!みんなの通学路」
              ローズマリー・マカーニー文 西田佳子訳
世界中には、いろいろな通学路があると分かる絵本です。
色あざやかな写真から、学校に行けることはうれしいことだよとよく分かります。
「学校に行ける」という意味を考えさせられる本です。
                             福島功大

 この本は、写真がたくさん載っていました。その写真には、世界中の子どもたちが、いろいろな通学路で学校に通っている様子が紹介されています。川を渡ったり、船をこいだり、崖を越えたりしながら通う子どもたち。学校に飲み水や机がないので、家からタライに汲んだ水や机を運びながら通う子どももいます。そんな大変な思いをしながら、それでも、子どもたちは楽しそうに学校に通うのです。きっと、学校には、それだけ大変な思いをしてまでも行くだけの何かがあるのでしょう。それが何なのか。功大さんも言っているように、「学校に行ける」ことが当たり前でなく、そこにはどんな意味があるのか、考えさせられました。