学校だより LIVE

1. 197 なぜ、学校に来るのでしょうか

投稿日時: 2021/04/12 野木沢小-サイト管理者

 4月6日にスタートした令和3年度ですが、子どもたちは、毎日、当たり前のように学校に登校してきます。学校としては、それはとても有り難いことです。しかし、子どもたち自身は、おそらく、いろいろな思いで登校してくるのではないでしょうか。そう考えると、毎日、子どもたちを送り出していただき、保護者の皆様には感謝です。

 なぜ、子どもたちは、学校に来るのか考えてみました。小学校と中学校は、義務教育。義務だから、行かなければならない?実は、この義務教育は、憲法では次のように定められています。

 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。(日本国憲法第26条第2項)

 つまり、法律で言うところの義務教育の「義務」とは、子どもが行かなければならない義務ではなく、保護者に、自分の子どもに対して「教育を受けさせる義務」がある、というものです。

 では、子どもたち自身には、何かないのかというと、先程の日本国憲法第26条の第1項に次のような文言があるのです。

 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。

 また、「子どもの権利条約」にも同じようにあります。

  すべての子どもは、教育を受ける権利をもっています。国は、すべての子どもが小学校に行けるようにしなければなりません。さらに上の学校に進みたいときには、みんなにチャンスが与えられなければなりません。学校のきまりは、子どもの尊厳が守られるという考え方からはずれるものであってはなりません。

 「教育を受ける権利」があるから、子どもたちは学校に来るのでしょうか。そんな堅い理由ではなく、子どもたちが学校に来るのは、そこが行きたいところだからではないでしょうか。昨年、臨時休校が開けた時、やっと友達と会えることを楽しみにしていたという声を聞きました。

 学校に行けば、友達に会える。一緒に遊べる。そういう理由でいいのです。また、美味しい給食が食べられるでもいいのです。私たち教師としては、そこに、授業が楽しい、分からないことが分かってうれしい、できないことができてうれしい、自分のお話をみんなが聞いてくれてうれしい、みんなで考えて学習するのが楽しい、という理由が生まれてくれることを目指したいのです。

 子どもたちは、日々成長していきます。私たちは、そんな子どもたちの一人一人に向き合って、その成長を共に感じていきたいと思っています。