学校だより LIVE

1. 125 運動会を終えて その2

投稿日時: 2020/10/13 野木沢小-サイト管理者

 改めて「ボランティア」について調べてみると、ボランティア活動は一般的に次の四原則で説明されています。

①自主性・自発性
  個人の自発的な自由意思に基づいて行われる活動であって、人から命令や強要されて行うものではないということ
②社会性・連帯性
  社会にある様々な課題について、個人の関心や動機から始まったことでも活動することによって社会へ影響を与えるということであり、その活動を通じて他の人とかかわりができ、新たな人間関係が育まれるということ
③無償性・無給性
  活動の対価や見返りを求めない活動であり、ボランティア活動の報酬は自分の満足感や人とかかわることによって得られる人間関係であること
④創造性・開拓性・先駆性
  独自の考えによって先駆的な、創造性豊かな活動ができるということ

 昨日の運動会における、保護者の皆様の行動は、学校からの指示ではなく、保護者の皆様の自主的・自発的なものでした。そして、一緒に校庭を整地しながら、子どもたちが最高の運動会をできるようにという同じ思いを持ちました。雨に濡れながらの作業でしたが、みなさん進んで、子どもたちのために作業されていました。限られた用具を駆使しながら、状況に応じて、何をすべきか創造的に、みなさん作業されていました。保護者の方々から、召集場所にテントは張れないかという意見が出され、プールで使用していたテントを張り、ブルーシートでつなぎました。このような保護者の皆様のボランティア精神あふれる行動は、その有様を目撃した子どもたちの目に、しっかりと焼き付いたことと思います。今回のことは、子どもたちはきっと忘れないと思います。そして、いずれ、自分たちが大人になり、自分の子どもの運動会を迎えた時、(ああ、そう言えば、自分の運動会で、お父さん、お母さんたちが、雨の中、校庭をならしてくれたっけ)と思い出すのでしょう。そして、そのお父さん、お母さんと同じように、自分も我が子のために、進んでボランティアで学校を支えるのだと思います。

 今回の運動会を通して、改めて、学校は保護者の皆様に支えられていると、強く感じました。子どもたちの教育活動を充実させるために、私たち教職員ができることは限られていて、そこに、保護者や地域の方々の御協力を頂いて、初めて意義ある活動に発展することを、実感しました。やはり、学校と家庭と地域が連携することは、子どもの健全な成長のためには、欠かすことはできないのだと思いました。当然のことですが、保護者の皆様と、学校の教職員は、「子どもの健全な成長」という共通な目的を持った、言わば「同志」なわけです。だからこそ、しっかりとスクラムを組んで、同じ思いを共有しながら、子どもの成長に携わっていくことが必要なのです。

 運動会の中で、最初、雨に濡れることから「鼓笛」は中止と判断しました。しかし、と同時に、鼓笛の演奏を発表する場をどうするか、考えました。鼓笛パレードが中止になっていますから、この運動会が、最後の発表の場だったわけです。6年生にとっては、最後の鼓笛。子どもたちは、この日のために一生懸命練習してきました。このまま、それを無駄にはできません。実際、保護者の方々からも、「鼓笛発表」を期待する声も届きました。そして、担当の先生とも相談し、この後、もし雨が止んだら、降っててもすごく弱ければ、鼓笛発表をやる方向で検討しました。その時は、閉会式が終わってから最後にやるという案でした。しかし、最後のリレーをやっている頃は、雨はほとんど止んでいましたので、急遽、リレーの後に鼓笛をやることに変更しました。鼓笛発表の裏側には、そのようないきさつがありました。学校としても、子どもたちには鼓笛発表をさせてあげたい、保護者の皆様も子どもたちの鼓笛発表を見たい、どちらも同じ思いでいたわけです。だから、やれてよかったとつくづく思います。

 運動会翌日、疲れていたのは大人だけでした。子どもたちは、いつも通り元気いっぱい。朝から、これまたいつものように校庭を走り回って遊んでいました。この日は、昨日の天気が嘘のように、晴れ間が見られました。天日干しにそのままにしていた万国旗は、昼休みに、子どもたちに協力してもらい、片付けました。この万国旗の出番は、また来年。さて、来年の運動会は、これまでと同じように、5月にやれるのでしょうか?そんなことを考えながら、久し振りの青空を眺めました。