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1. 164 感染拡大に注意!

投稿日時: 2020/12/18 野木沢小-サイト管理者

 新型コロナウイルス感染症が全国的に拡大しています。福島県の感染状況も「ステージⅡ」になりました。ステージⅡは、「感染者の漸増及び医療提供体制への負荷が蓄積する段階」です。それを受け、県より「年末年始における注意喚起」が出ました。裏面に掲載してありますので、ご覧の上、十分注意した行動をお願いします。

 さて、ある雑誌に、川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長による「感染症対策の基礎知識」が載っていました。新型コロナウイルス感染症を始め、インフルエンザや食中毒のノロウイルスなど、感染症と呼ばれるものについて、改めて確認しておきたいと思います。以下、中略で紹介します。

感染症対策の基礎知識
1「病原体と感染症の関係」
 微生物のうち、生体にとって病気の原因となるものを病原体と呼びます。ウイルスもその一つです。感染症は、この病原体によって引き起こされる病気です。しかし、病原体が生体に侵入したら、必ず病気になるかというと、そうではありません。何の影響もなく、普通の状態でいる場合もあります。つまり、体内で病原体が見つかること(感染)が、感染症という病気にかかったこと(発病)ではないということです。感染と発病は別物です。新型コロナウイルスの場合でも、ウイルスが体内に侵入して感染しても、発病しない人がいることが分かっています。ただ、本人は痛くもかゆくもなく何事もなく済んでしまうのですが、他の人へうつすことがあることが分かってきました。それでも、新型コロナウイルスにかかった人でさえ、8割の人はうつさないので、感染力は決して強いとはいえません。

2「感染経路」
 感染経路として、飛沫感染や空気感染などがあります。飛沫感染は、会話時のしぶきやくしゃみなど水分に包まれた病原体が飛び出るもので、1m前後が感染範囲とされています。空気感染は、病原体が唾液などよりもっと細かい粒子(エアロゾル)となって遠距離まで感染が及ぶものです。新型コロナウイルスでは、マイクロエアロゾル感染といって、通常の飛沫感染よりもさらに数メートル先までウイルスを含む小粒子が届き、感染源になることが報告されています。これらは空気の流れなどによって速やかに拡散するので、空気の流れのよいところ、つまり広い空間や換気のよいところでは感染のリスクは大きく減少すると考えられます。なお、仮に新型コロナウイルスが空気感染で広がるようなものであれば、インフルエンザなどより多数の感染者があっという間に発生することになるので、空気感染の可能性があったとしても極めてまれ、と考えられています。

3「感染症の予防」
 感染症の予防の基本は、感染源、感染経路、感受性者(その感染症にかかる可能性のある人)対策です。この対策は、個人が行う部分と社会全体で行う部分があります。そのうち、個人で行うのが、感染経路対策と感受性対策です。
 感染経路対策は、マスク着用、手洗い(手指衛生)が重要です。感受性対策は、日常の栄養・休養・鍛錬・生活環境などによって得られる健康の増進が基本です。

4「改めて3密を避ける」
 国内で集団感染が生じた共通の場として、密閉空間、密集空間、密接という状態で、これらが重なっているほどリスクが高まるところから「3密を避けましょう」ということが薦められることになりました。
 今までは「飛沫感染」次いで「接触感染」が主たる感染経路と考えられてきましたが、最近になって「エアロゾル感染」が世界的に重要と認識されてきました。「エアロゾル感染」とは、呼気中などに含まれ、飛沫よりも小さく、空気中に漂う微細な粒子を介する感染のことをいいます。これは部屋の広さではなく、換気の程度が重要とされます。広い屋外を歩いたり、感染対策のとられている店舗での買い物や食事、十分に換気された電車での通勤・通学であれば、「エアロゾル感染」が起こる可能性は非常に低いと考えられており、日本が進めてきた「3密を避ける」ということは妥当な方法であると考えられているところです。改めて3密や大声を上げる環境の回避、接待、会食での飛沫防止、換気の徹底など基本的な感染対策を行うことが強く求められるところです。
 お出かけになる時は、混雑する場所や時間帯はできるだけ避けて、家族単位などの少人数でゆっくりと過ごされることをお勧めします。

 以上の記事を読むと、新型コロナウイルス自体は、そんなに感染力の強いウイルスではないこと、これまで取り組んでいる3密を避け、マスクの着用、手洗い・消毒、そして換気により、かなり感染を防ぐことができることが分かります。全国的に拡大していますが、必要以上に恐れることなく、基本に立ち返り、しっかりと感染予防していきましょう。

年末年始における注意喚起はこちら→年末年始における注意喚起.pdf