学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

259 野小っ子学習発表会の感想より

 各学年、学んだ事をしっかり発表されており、一人一人、一生懸命自分らしさ、その学年の色を発揮されていたと思います。野木沢小学校の良さ、子どもたち一人一人に行き届いた学びの場があるおかげで、子どもたちの生き生きとした表情、成長した姿を見る事ができて本当に良かったです。この状況下で、工夫された発表会だったと思います。
 どの学年の子どもたちも、みんな、練習の成果を発揮し、元気でキラキラ輝いていたと思います。
 最初は緊張していましたが、最後までやることができて、とてもよかったです。セリフを忘れてしまっていても、友達から教えてもらいながらできて良かったです。子供の成長が見られてうれしかったです。
 3年生は、りんご園で学んできた事が良くまとめられ、役になり切って演じる姿も可愛かったです。合奏も、ピアノ演奏に合わせて、上手に出来ていたと思います。
 5年生は震災の時は覚えていないと思います。それでも、いろいろな事を聞いてきて、見てきて、自分達が感じた事、思った事をよくまとめて発表したと思います。
 自分の子どもの学年だけでなく、全学年の発表を観ることができ、良かったです。みんな堂々と立派に発表、演奏できていたと思います。ただ、緊張もあってか、声が少し小さい部分があって内容が聞き取れない箇所があったのが残念でした。でも、広い体育館で、たくさんの人の前に立って発表するということは、子どもたちにとって自信につながることだと思います。発表会後、我が子だけでなく、他の子どもたちにも労いの言葉をかけ、頑張りをほめてあげました。子どもたちの成長が感じられ、本当に良い発表会でした。

 この他にも、たくさんご感想をいただきました。ありがとうございました。
 今回の「野小っ子学習発表会」を通して、子どもたちの学びに取り組む姿や成長した姿を、お出で頂いた皆様に観ていただきたかったので、そのことを感じていただけたのが特にうれしかったです。発表する声の大きさについても、いろいろとご指摘いただきました。子どもたちには、これからの日々の中で、自分の考えに自信を持ち、相手にしっかりと伝えるという気持ちで、さらに堂々と発表できるよう、指導していきたいと思います。

258 やれば、できる。

 このフレーズを、どこかで聞いたことがあるかと思います。似たような言葉で、「為せば成る」というものもあります。こちらは、江戸時代の米沢藩主だった上杉鷹山(うえすぎ ようざん)の言葉です。この言葉は続きがあって、

 「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」。

 その意味は、「人間、その気になってやれば、どんなことでもできる。できないのは、その人が本気でやってないからだ。」というものです。前述の「やれば、できる。」も、同じようなことを言っています。つまり、「やらなければ、一生、できないまま。しかし、行動に移して、やれば、できる。」

 この「やれば、できる。」のお話を、先日の全校集会で、子どもたちにしました。

「私は、この言葉のように『やれば、できる。』と思っています。しかし、みなさんの中には、やってもできないことはある、と思っている人もいると思います。学習に運動に、いろいろなことをやってはいるが、なかなかできないと。でも、私はやはり、『やれば、できる。』と思います。実は、この『やれば、できる。』の言葉には、大切な言葉が隠れています。

 それは、『(あきらめないで)やれば、(いつか)できる。』です。

 大事なのは、できないからと言って、あきらめないことです。何かやっていて、すぐに、『できない!』とあきらめてしまう人がいます。それでは、だめです。何かできるようになるためには、時間がかかります。努力も必要です。簡単なことではないのです。ですから、例え、なかなか思うようにいかなくて、なかなかできないことでも、あきらめるのではなく、やり続けることです。そうやって、やり続けていけば、いつかは、必ずできるのです。それが、いつなのかは、その人の取り組み次第です。1ヶ月先か、3ヶ月先か、半年先か、1年先か、もっと先か、それは分かりませんが、あきらめないでやり続ければ、いつか出来る時が来る。そう信じて、頑張ることです。」

 子どもたちは、毎日、学校で、いろいろな学習に取り組みます。それらは、分からないから、できないから学ぶのです。授業を通して、子どもたちは、分かるようになったり、出来るようになったりします。しかし、そこには、すぐに分かったり、出来たりすることと、なかなか分からなかったり、出来なかったりすることがあります。簡単にできるようになることもあれば、出来るまで、時間がかかることがあります。子どもたちは、やはり、すぐに、出来るようになりたいと思っていますし、そうなると信じているところもあります。しかし、実際は、そんな簡単にできることばかりではないので、ちょっとやってできないと「あーっ、できない。」とイライラしたり、投げ出したりしがちです。

 でも、考えてみると、何かできないことを出来るようにするには、時間がかかることが多いと思います。簡単にできることの方が少ないと思います。そのことを、分かっていることは大事です。子どもによっては、(自分はもっとできるはずだ)と、思い込んでいる子も見られます。自信を持ってやろうとする姿勢はとてもよいです。しかし、自信過剰では、なかなかうまくいかないことが多いです。簡単にできると思っていることが、実際には、なかなか出来ないわけですから。それが、当たり前なのだと、それが普通なのだということを知らなければなりません。そして、何事も、出来るようになるには、それ相当の時間をかけて、努力しなければできないのだという構えが必要です。

 そうやって、時間をかけて、努力し続け、あきらめないで取り組んだ結果、出来るようになったことは、とても価値があるのだと思います。そうやって、身に付けたことは、簡単には忘れません。長く、自分の力となって、自分の自信の源になるはずです。

 「あきらめないで、やれば、いつか、できる。」そのことを忘れずに、今、取り組んでいることに向き合い、そして、何か新しいことにチャレンジしていってほしいと思います。

257 野小っ子学習発表会を終えて

 秋晴れの穏やかな天候に恵まれ、会場となった体育館もそれ程冷え込むこともなく、野小っ子学習発表会は行われました。早朝よりたくさんの方にお出で頂きました。
 開会に先立ち、PTA関係の表彰式を執り行い、前PTA会長の石井三千男様に福島県PTA連合会の表彰並びに石川郡連合PTAの表彰がありました。本日は欠席でしたが、前副会長の吉田真澄様にも郡PTA表彰がありました。

 その後、1年生7名による開会の言葉で始まった発表会は、1年生の「のぎさわスペシャルくじらぐも」の発表からスタートでした。1年生は、何と言っても、7名という少ない人数ですが、一人一人が大きな声で、身体いっぱい使って発表していました。国語の「くじらぐも」のお話をベースに、生活科の生き物探しなど発表しました。合奏の「きらきらぼし」も、一人でピアノを弾いたり、ふたりで鉄琴を演奏したりと、逆に聞き入る演出があり、7名でもしっかりと合奏になっている発表でした。

 2年生は、「お手紙~まだかな かたつむりくん~」の発表でした。これは、国語で学習したがまくんとかえるくんのお話「お手紙」を題材にして、そこに登場するかたつむりくんが、お話には書かれていない出来事を創作した発表でした。かたつむりくんが歩く途中で、もぐらくんに会い、生活科の紀陸さんにお世話になって取り組んだ里芋づくりの発表も行いました。合奏の「山のポルカ」も自信を持って発表していました。練習で人前に立つプレッシャーを感じていた子どもたちも、本番では、最後までしっかりと発表できました。

 3年生は、「マイタウン野木沢~めざせ!りんごはかせ~」の発表でした。3年生は、リンゴ栽培に取り組んでいます。その中で、相樂さんから教えて頂いたことを、分かりやすく発表しました。リンゴ栽培の工程を、テンポよく場面を変えながら、クイズなども交えて発表しました。小道具を工夫して使い、見ている人にも、よく調べて学んだ様子が伝わる発表でした。合奏の「ゆかいな木琴」の演奏も、自信を持って演奏できました。3年生は、練習段階から、自分たちでどうしたらよいか話し合って、取り組んできました。その成果が十分に発揮できていたと思います。

 4年生は、「自然を守るヒーロー4年生!」の発表でした。4年生は、森の案内人の矢吹さんに教えて頂いた川や森の様子やそこに棲む生き物や樹木について、発表しました。一人一人が、自分の発表する内容をしっかりと覚え、堂々と話すことが出来ていました。発表に合わせて作ったスライドも、イラストや写真を入れて、工夫して作成しました。合奏の「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」も、いろいろなパートの楽器の音がそろい、気持ちもそろった演奏でした。

 5年生は、「震災10年目の今~コミュタン福島を見学して学んだこと~」の発表でした。震災という大きなテーマの発表でした。それだけに、(それを発表する)気持ちがこめられた発表になっていました。今回、発表を見られた方の中には、あの当時のことを思い出した方も多かったのではないでしょうか。そんな難しい内容について、調べたことに自分の感想を交えて、分かりやすく発表できました。写真や資料を入れたスライドは、とても凝って作られていました。長い説明を覚えて発表する姿はさすがでした。合奏の「Believe」「カイト」は、メッセージ性もあり、この発表にとても合っていました。

 そして、最後は6年生の「クイズ!野木沢小学校」の発表でした。子どもたちは、学校に来て、日々、様々な学習に取り組んでいます。そのことを、改めて感じさせられた発表でした。そして、15名の6年生の子どもたちの個性が生かされた発表だったと思います。グループでの発表でも、一人一人、自分の伝えることをしっかりと発表しました。実は、最初の頃の練習では、それぞれのグループで、調べたことについてだけ発表していました。しかし、それでは、他の学校の6年生でも出来る発表です。野木沢小の6年生として発表する訳ですから、そこには、自分が、自分達が感じたこと、考えたことが必要です。その後の練習を経て、本番の発表では、思ったことや感じたことを、各自が述べていました。自分達の発表になっていました。そして、合奏の「ラバーズコンチェルト」は、素敵な音色を奏でていました。進行役の個性も光る、楽しい発表でした。

256 マラソン練習、頑張ってます!

 11月11日(木)が、校内マラソン大会の日です。先週から、業間の時間や体育の時間に、持久走の練習が始まっています。実際のコースを試走して、今の自分の記録を確認しています。1年・2年は約1.2km、3年・4年は約1.6km、そして、5年・6年は約2kmを走ります。校庭はほぼ平坦ですが、マラソンコースは、起伏が激しいコースになっています。私の経験上、これだけアップダウンがあるコースは、他に知りません。それだけ、子供たちにとっては、きついコースだと言えます。でも、その分、鍛えられることは間違いありません。

 マラソンは、足も痛くなるし、苦しくなる。とてもきつい、つらいものです。それは、最初から分かっていること。それでは、どうして、そんな、つらく、苦しいことを、やるのでしょうか。それは、「自分の力を付けるため」「自分を鍛えるため」です。これは、マラソンに限ったことではなく、つらく、苦しいことを、耐えて、頑張って、乗り越えた時に、人は力を付けるのだと思います。逆を言えば、つらくもない、苦しくない、そんな楽なことばかりして、力を付けることはできないのだと思います。だから、つらく、苦しい時は、歯を食いしばって、我慢して、できる限り頑張ってみる。そうやって、頑張っている自分を、自分自身で励ます。そして、最後までやり遂げた時、自分自身で自分をほめてあげる。頑張れた自分を、認めてあげる。それでいいのだと思います。どんなにつらいことでも、苦しいことでも、自分のためなら、頑張れる。その努力が、全て、自分の力になると思えば、耐えられる。乗り越えられる。そう思います。そういう積み重ねが、身体だけでなく、「我慢強い心」を育て、「最後まであきらめない態度」を養うのだと思います。

 苦しそうに、必死に頑張って走っている子供たちを見ると、涙が出そうになります。でも、誰も、その子ども自身の代わりにはなれないのです。自分の心と体を鍛えることは、結局、子ども本人にしかできないのです。だから、私たち教師は、その姿を応援することしかできない。頑張っている子供たちには、「頑張ってるよ、それでいいよ。そのまま、最後まで行こう。」と声をかけ、まだまだ頑張れそうな子供たちには、「もっとやれるよ、もっと頑張れるよ、全力で、手を抜かずにやろう」と励まします。マラソン練習は、まだまだ続きます。きっと、子供たちの中には、弱音を吐きたくなる子もいると思います。是非、お家の方々には、そういう思いを受け止めていただき、そして、言葉をかけてください。「あなたなら、できるよ。」と。その言葉が、子供たちの力になって、また、頑張ることができるのだと思います。

  最後に、今年のマラソンコースは、距離は変わっていませんが、コースの一部を変更しました。昨年度まで、3年生以上は、最後に県道に出た後、そのまま歩道を走って、学校前を過ぎ、奥井商店から左折して、校庭まで戻るルートを走っていました。しかし、やはり、奥井商店からの坂道が狭いので、安全上、そこを通らないことにしました。そこで、3年生以上も、低学年と同じように、県道に出た後、すぐに、職員駐車場に上る坂道を上がり、職員駐車場から校庭へ戻るルートを走ります。そのため、3年生以上は、コースの途中に、折り返しのコースが追加されました。この折り返しの部分は、ほぼ平坦なのですが、中間地点を過ぎるため、かなりきついと思われます。しかし、折り返しのため、頑張っている友だちの姿を見ることもでき、お互いに励まし合える場所にもなります。マラソン当日、是非、こちらの方でも応援していただけたらと思います。

255 スマホに絡む諸問題

 昨日、石川小学校で行われた就学時健康診断の時に開催された「子育て講座」で、石川警察署少年警察補導員の小野早希さんの講話がありました。演題は、「スマホに絡む諸問題」。これから学校にあがる子どもの保護者の方に、ちょっと早いのでは?と思われる方もお出でかもしれません。しかし、今の子供たちには、すっかり身近になっているスマホと、どう付き合っていけばよいか、また、その時に気をつけなければならないことはなにか、早い段階で保護者の方が正しく知り、そして、お子さんに伝えていくことは大事だと感じました。以下、講話の内容を紹介します。

 生まれた時から身近にスマホがあった今の子供たちにとって、スマホは生活の一部となっている。写真や動画を撮ったら、すぐにSNSに載せることも、当たり前になってきている。SNSによる事件の被害児童数は、1,819人。その内、4割はTwitter。そして、被害児童の9割は中高生(1割が小学生、最年少は8歳児童)。そして、SNSの出会い系サイトで、知らない人と会っている中高生は、そのほとんどが、自らの意思で会っている。

 デジタルタトゥー。それは、一度ネット上に上がった画像等の個人情報は、完全に削除することが困難であることを表している言葉。あまり考えもせず、勢いで書き込んだ言葉も同じ。そして、どこまで拡散するのかも分からない。実際、裸の画像を送ったことで、将来の進学や就職にも影響が出ている事件もある。

 このような事件事故の被害者・加害者にならないために、子供たちに伝えたいこと。それは、「親の前で出来ないこと、言えないことはやらないこと。」そして、「自分の大切な人が同じ目に遭ったら、どう思うか考える。」ということ。

 これらの事件事故に会わないためにも、「後が怖い、スマホの約束六ヵ条」
  あ・・・会わないで(知らない人に)

  と・・・とらないで(自分の裸)
  が・・・画像を送らないで
  こ・・・個人情報、のせないで
  わ・・・悪口を書き込まないで
  い・・・いじめないで(ネットを使って)

254 表彰の紹介

 石川地区児童理科作品展 
  特選 4年 佐藤 愛菜 さん「レーズンを使った天然こうぼパンの観察」
  特選 6年 吉田 智哉 さん「果汁もびっくり!シミ落としの大研究」

 石川地区読書感想文コンクール
  推薦 1年 近内 龍大 さん
  推薦 3年 水野 優結 さん
  特選 4年 佐藤 愛菜 さん

 第40回石川地区小体連陸上競技大会

  男子走り幅跳び     第3位 二瓶大雅さん(417cm)
  男子80mハードル   第5位 石下允透さん(15秒60)
  男子80mハードル   第7位 髙橋優守さん(17秒54)
  男子4×100mリレー 第6位 (1分00秒35)
           石井陽翔さん(1走)・二瓶大雅さん(2走)・石下允透さん(3走)・吉田智哉さん(4走)

   髙橋優守さん(補) ・円谷由義さん(補)

 第29回野木沢地区防犯・交通安全運動「標語コンクール」
  石川町青少年健全育成協議会野木沢地区協議会会長賞
   「わすれてない?家のとじまり 火のかくにん」     1年 草野 尚輝 さん
  石川地区交通安全協会野木沢分会会長賞
   「手をあげて 小さなわたしも 手しんごう」   2年 水戸 葉月 さん
  野木沢地区区長会長賞
   「友だちと 話すのがまん 一列歩行」      3年 岡田 そら さん
  石川町防犯協会野木沢支部長賞
   「毎日の 家族の会話が 防止策」        4年 佐藤 朋希 さん
  石川町消防団野木沢分団長賞
   「消したかな 小さな残り火 火事のもと」    5年 水野 陽菜 さん
  野木沢地区交通安全母の会会長賞
   「あわてるな そのイライラが 事故のもと」   6年 草野 大輝 さん

  入賞 1年 長谷川凛華さん、和気汰河さん 2年 円谷悠馬さん、佐藤太耀さん
     3年 黒澤結衣さん、草野桃花さん  4年 佐藤妃莉さん、宇佐美蒼さん
     5年 佐藤世菜さん、円谷頼人さん  6年 吉田智哉さん、円谷由義さん

253 努力と成長

 みなさんの今年の秋は、どんな秋でしょうか?
 先日、全校集会で表彰がありました。多くの子どもたちが表彰されました。読書感想文コンクールは、「読書の秋」ですね。理科作品展は、「研究の秋」でしょうか。小体連陸上大会は、「スポーツの秋」。そして、防犯・交通安全標語コンクールは、「文化の秋」ですね。また、スポ少で活躍している子どもたちも、スポーツの秋を満喫しているわけですね。
 秋は、「実りの秋」でもあります。これまで頑張って続けてきたことや、努力してきたことが、それなりの成果として現れることを言います。学習面でも、運動面でも、その子に応じて、努力してきた成果として、成長が感じられるようになってくるのが、この秋です。

 この、「努力と成長」の関係は、多くの人が、比例すると捉えています。つまり、努力した分、成長するという考えです。イメージとしては、「少しの努力→少しの成長→少しの努力→少しの成長→少しの努力→少しの成長・・・」という感じです。

 しかし、実際には、努力と成長は比例しません。努力しても、その成果は、すぐには現れないのです。では、いつ、努力の成果が現れるのか?それは、決まっていません。でも、努力し続ければ、必ず、ある時、現れます。それも、一気にぐーんと圧倒的に現れます。このイメージは、「少しの努力→見えない成長→少しの努力→見えない成長→少しの努力→見えない成長・・・→(ある時、突然に)圧倒的な成長・・・」

 子どもたちの中にも、前例のように、やっただけ伸びると思っている子がいます。そういう子は、やってもなかなか上達しなかったり、結果が出なかったりすることで、やっても無理とあきらめてしまう傾向があります。これは、おしいことなのです。やってもそう簡単に出来るようになったり、いい結果が出たりすることはないのですから。大事なのは、今はなかなか伸びなくても、いつか、必ず伸びることを信じて、あきらめずに、努力し続けることです。止めずに、こつこつと続けて行くことで、必ずその内に、出来るようになったり、いい結果が現れたりするのです。(あれっ、何か急に出来るようになった!)と、自分自身が驚くような成長をする日が来るのです。でも、その状態は、ずっとは続きません。また、思うように成長できない日が続きます。でも、それでも、あきらめずに努力し続ければ、また、その内、ぐんと伸びる日が来るのです。そうやって、人は、成長していくのです。だから、大事なのは、「あきらめないこと」と「続けること」なのです。

252 小体連陸上大会を終えて

 6年生の子どもたちが、小体連陸上大会に参加しました。6年生の子どもたちは、みな、一生懸命に競技しました。

 みなさんは、競技に出場した子どもたちが、どんな気持ちで大会に出場したか、想像がつくでしょうか。保護者のみなさんの中には、ご自身も小学生の時、陸上大会に出場した経験がおありの方も多いのではないかと思います。その時のことを覚えておいででしょうか。みなさんは、どんな気持ちで、陸上大会に参加していましたか。

 私は、陸上大会に出場している子どもたちは、「孤独との戦い」ではないかと想像しています。いつもの練習は、そばに友達もいる、先生もいる。そして、分からない時は、すぐに周りにいる友達や先生に聞ける。そういう安心感の中で練習しています。しかし、陸上大会では、周りは、他の学校の子どもばかり。係の先生も知らない先生。だから、分からないことがあっても、すぐに聞ける人がいない。何をどうしたらいいのか、困っていても、助けてくれる人がいないと感じる。実際は、周りの係の先生に聞けば、ちゃんと教えてくれるし、助けてくれるのですが、知らない先生に声をかけるのは、容易ではないのです。そういう孤独の中、必死に戦っていたのではないかと思います。

 そういう意味で、この経験は、子どもたちを、大きく成長させるのだと思っています。誰も頼れる人がいない。だからこそ、最後は、自分を頼るしかない。周りの状況から、自分で判断し、自分で決断し、実行する。そして、責任は自分で取る。今まで教えてもらったこと、練習してきたことを思い出し、自分を信じる。そういう経験をすることができるのが、陸上大会ではないかと思うのです。だから、この大会を通して、子どもたちは、大きく成長できるのだと思います。

 今回の大会には、6年生の子どもたちは、自己ベストを目指して臨みました。選手壮行会でも、みな、そのように目標を述べていました。毎日の練習でも、常に、今の自分を超えることを目標に、チャレンジしてきました。そして、大会前日は、各自が、自分の自己ベスト記録を書き出し、それを更新することを目標にしました。この陸上大会は、他の学校の子どもと競い合う大会ですが、競い合って勝つことが最終目標ではありません。勝ちにこだわることや、入賞することを目標にしていけないわけではないのです。ただ、勝つとか入賞するとか、そういうのは結果であって、他の選手との関係で決まることです。自分がどんなに努力しても、勝てないことはあります。入賞できないこともあります。その場合、その人がしてきた努力は無駄なのでしょうか。本大会の大会長が開会式のあいさつで、次のようなお話をされていました。

 「『結果が全てだ』という言葉がありますが、私はそうは思いません。この大会に向けて、コロナ禍で、十分な練習ができなかった人も多いと思います。それでも、お家の人に支えてもらい、友達と競い合い、励まし合って、先生方から教えていただきながら、自分の力を高めてきた、これまでの日々の努力は、決して無駄なことではなかったと思います。そうやって、自分を高めてきたことは、これからのみなさんの力になるはずです。」

 私も、同感です。今回の大会で、おしくも自己ベストを出せなかった人はいます。その人は、努力が足りなかったのでしょうか。その人がやってきた、これまでの努力は、無駄なことだったのでしょうか。そんなことはありません。6年生の子どもたちは、本当にこれまで、一生懸命練習に取り組んできました。その中で、今以上に自分の力を伸ばすよう、こつこつと努力を続けてきました。それは、一緒に練習に取り組んでいた4年生、5年生の陸上クラブの子どもたちが知っています。毎日、指導にあたって来られた先生方が知っています。そして、何より、頑張ってきた自分自身が、一番よく分かっているはずです。だから、6年生の子どもたちには、これまで諦めずに最後まで頑張って取り組んできた自分自身を、大いにほめてほしいと思います。そして、お家の方々からも、たっぷりとねぎらいの言葉をかけてほしいと思います。お願いします。

 6年生全員が、孤独と戦い、それでも、前に進んで行こうと、勇気を出して、一歩踏み出した陸上大会が終わりました。今の自分を超えようと、チャレンジした大会が終わりました。6年生のみなさん、本当にお疲れ様でした。また一つ、6年生のみなさんにとっては、小学校の思い出が出来、そして、大きな出来事が終わりました。しかし、6年生のみなさんの小学校生活は、減っては行きますが、まだまだ続きます。ここで、大事なのは、次へのチャレンジです。新たな目標に向かって、さらに努力する姿を、下級生たちに見せてください。それが、最高学年であるみなさんの大きな役目です。

251 なかよし遠足を終えて(続き)

 そして、今回、トイレ休憩を兼ねて見学先にさせていただいたお寺では、子どもたちにおやつまで用意していただきました。他にも、境内の鐘をつかせていただいたり、近くの珍しい観音様の場所も教えていただいたりもしました。また、事前に草刈りなどもしていただき、気持ちよく休憩させていただくこともできました。
 また、冒頭にあったような、地元の方との会話もあり、今回の遠足は、「ぐるり野木沢」だけでなく、「どっぷり野木沢」という活動になりました。やはり、野木沢の子どもたちは、この野木沢地区に育てられているんだということを、改めて感じることができました。

 子どもたちが生まれ育ってきた、この「野木沢」を知り、そのよさを感じ、そして、大好きになる。本校で取り組んでいる「野木沢教育」のねらいに迫る、とても有意義な活動になりました。

 それから、縦割り班活動のよさも、たくさん見られました。異学年集団での、それぞれの役割、責任と自覚、そして、思いやり。そういうことが、言われてやるのではなく、自分たちで、自ら気付き、考え、行動する姿。特に、各グループをまとめて、お世話した6年生たち、それをサポートする5年生たちの姿には、きっと下級生たちは、頼もしさを感じたことと思います。上級生たちのそういう姿にあこがれ、お手本にして、下級生たちは育ちます。そういう意味でも、子どもたち同士の絆を強くした活動になりました。

 近年、学校行事は、削減の方向にあります。理由は、授業時数の確保です。授業で教える内容が増え、授業以外に使える時間が足りなくなってきたからです。ですから、かつては、3年生では6校時はなかったのですが、今は、3年生でも6校時の日が何回かあります。2年生の4校時の日も少なくなりました。それでも、授業時間は十分とは言えず、結果、授業でない活動を減らしていくしかないわけです。しかし、子どもたちの学びのために、なくせない活動はあります。6年生の修学旅行もそうですし、4年生と5年生の宿泊学習もそうだと思います。3年生のリンゴ栽培体験も、1年生と2年生の野菜栽培体験もしかりです。それぞれ、野木沢の子どもたちには大事な学びです。

 今回のなかよし遠足は、初めての活動でした。コロナ前の異学年活動で行っていた藤田城での活動の、別バーションとして新しく取り入れたものでした。ですから、担当した係の先生を始め、先生方はいろいろと大変だったと思います。コース設定から、トイレの場所確保、チェックポイントでの活動、ボランティアの依頼、そして、子どもたちへの事前指導・・・。新しく何かを始める、生みの苦しみというものです。でも、やってみて感じるのは、午前中の4時間を費やして行うだけの価値は、十分にある活動だということです。それは、この活動を通して見られた、子どもたちの姿です。そこには、「歩いて疲れた」だけではない、「やってよかった」という実感を感じます。教室では学べない、なかよし遠足だから学べることが、たくさんあったと思います。ご協力いただいた皆様に感謝です。また、予備日の30日に都合をつけていただいた皆様にも、感謝申し上げます。ありがとうございました。

 最後に、今回、チェックポイントでは、子どもたちが気に入った場所の写真を撮ってきました。どんな写真を撮ったのか、とても楽しみです。後日、ホームページでも紹介したいと思います。

250 なかよし遠足を終えて

 ある場所で、農作業をされていた地元の方と、子どもたちの、こんな会話が聞こえてきました。

「今日は、何してんの?」
「遠足でーす」
「そう、ちょっと、おっちゃんの稲刈り、手伝ってよ(笑)」

 曇り空で日差しもなく、遠足にはちょうどよい天気の中、子どもたちは、よく歩きました。ほとんどの子どもが、今まで、こんなに歩いたことがないという距離を歩いたと思います。きっと一人では絶対歩けないような距離だったと思います。この野木沢の地区を、「ぐるり野木沢」とひたすら歩く遠足。8時半にスタートして、12時にゴール。本当によく歩きました。

 ボランティアで、子どもたちの各グループについて、一緒に歩いてくださった保護者のみなさんから、ゴールしてから感想を聞きました。

「やはり、小さい子には、かなりきつかったと思います。それでも、大きい子が、荷物を持ってあげたり、手をつないでくれたり、おんぶしてあげたりして、みんなで頑張って歩いていました。」
「最初は、表情もあまり楽しそうでない感じでしたが、みんなで歩いて行くうちに、だんだん楽しくなっていったみたいです。後半は、笑顔がたくさん見られました。」
「スタートした頃は、お互いに緊張していましたが、そのうち慣れてきて、グループの子どもたちとのおしゃべりが、とても楽しかったです。」
「自分たちだけで歩いている時は疲れていても、他のグループとすれ違う時は、子どもたちのテンションは上がってました。友達と会えて、とてもうれしそうでした。」
「自分が住んでいる地区になったら、進んで道案内をする姿が印象的でした。自分だけが知っているローカルな話題も面白かったです。」
「いつも車でしか通ったことのない道を、今回歩いてみて、意外と起伏があって、歩くと大変なんだと気付きました。」
「今まで行ったことがないところを回って、野木沢には、いろいろ魅力的なところがあるんだと分かって、うれしかったです。」

 今回のなかよし遠足の出発の際、係の先生から、「野木沢のよさを見つける」「今よりもっとなかよしになる」ことをめあてに示されました。今回の遠足では、この二つのことを、十分達成できた活動になりました。(次へ)

249 陸上練習、頑張ってます

 今年の小体連陸上競技大会は、10月7日(木)の予定です。今年も、昨年度と同じく、6年生のみの参加となります。現在、6年生の子どもたちは、朝、登校してからの時間と、放課後の時間に練習を頑張っています。

 過日、6年生の子どもたちに、陸上大会に向けて、次のような話をしました。

1 自己ベストを目指す
 大会に参加する自分の目標は、ずばり「自己ベストを出すこと」。入賞するかどうかは、周りの選手との関係で、あくまで結果でしかない。それよりも、参加する全員が、目標にしてほしいのは「自己ベストを出すこと」。この目標は、6年生全員が達成することが出来る目標でもある。そのためには、今、自分のベスト記録はいくつなのかを分かっていること。これからの練習の中で、記録を取る度に、自分のベスト記録を、しっかりと把握すること。

2 集中・本気・全力
 本番で一番大事なのは、集中すること。気が散って、落ち着かない状態では、自分のベスト記録など出せるはずもない。まして、周りの他校の選手のことが気になるようでもだめ。自分の目標は、「自己ベストを出すこと」。だから、例え、どんな選手と一緒に競技することになっても、全然関係ない。例え、その組で、一番最後になったとしても、自己ベストを出すことは可能。そのためには、集中すること。そして、本気・全力100%を出すこと。

3 練習は本番のように 本番は練習のように
 では、本番で自己ベストを出すために、どんな練習をすればよいのか。それは、本番を意識して、本番と同じ気持ちで、練習も集中・本気・全力でやること。練習だから手を抜かないこと。本番だけ頑張ればいいなんて思っている人は、本番でもいい結果は出せない。なぜなら、練習でできないことは、本番でもできないからだ。練習は本番のように取り組む。そして、本番だからと言って、緊張しすぎることはない。緊張すると、余計な力が入って、結果、実力を出せないことになる。そうではなく、本番では、肩の力を抜き、練習してきたことを、その通りにやることだけに集中する。

4 ルーの法則(全力+α)
 ルーの法則とは、トレーニングに関する法則で、簡単に言うと、自分の持っている力を高めるためには、全力+ちょっとだけ無理することが必要だというもの。全力だけでは、いつまでもそのまま。逆に、トレーニングで手を抜いていると、本来持っている力さえも、だんだん失ってしまう。だから、練習では、常に全力+αで取り組む。

5 道具を大切に
 そして、最後に大事なのは、道具の取り扱い。ハードル、リレーのバトン、スターティングブロック、スパイク、ユニフォームなど、自分が競技するための大事な道具は、大切に扱うこと。それらの道具には、陸上の神様がついていて、大事に扱うから、神様が味方についてくれる。

 6年生の子どもたちにとっては、小学校で最初で最後の陸上大会。運動の得意不得意に関係なく、全員が、今の自分の力を少しでも高め、本番で、自己ベスト記録を出せるよう、先生方全員で支えていきます。頑張れ、6年生!

248 正常性バイアスと同調性バイアス

 赤十字NEWSの9月号に、大変興味深い記事が掲載されていましたので、ご紹介します。

 まず、次の問題にお答えください。

  Q:職場や学校、外出先で非常ベルが鳴っているのを聞いた時、あなたはどうしますか?

  A:①点検だと思って何もしなかった。
    ②みんなが避難していないので、大丈夫だと思った。
    ③煙が出ていないし、大丈夫だと思った。
    ④安全な場所に避難した。

 これは、簡単にできる「正常性バイアス」と「同調性バイアス」の診断方法です。バイアスとは、先入観や偏見を意味します。

 正常性バイアスとは、一言で言うと、「これくらいなら大丈夫」という考え方です。
 この正常性バイアスは、異常なことが起こった時に、「大したことじゃない」と落ち着こうとする心の安定機能です。日常生活では、不安や心配を減らす役割があります。しかし、上の質問の回答①は、「非常ベル」=「点検」という先入観から、自分にとって危険な状況と認識できない正常性バイアスが働いています。また、回答③は「非常ベル」=「火事」=「煙が見える」という固定観念から、火事以外の危険の可能性を認識できない正常性バイアスが働いています。このように、緊急事態では逃げ遅れなど、危険に巻き込まれる原因になります。

 同調性バイアスとは、一言で言うと、「みんなと一緒だから大丈夫」という考え方です。
 この同調性バイアスは、集団の中にいるとついつい他人と同じ行動をとってしまう心理で、日常生活では協調性につながります。しかし、回答②は、非常ベルが鳴っているにもかかわらず、周囲の人の行動に合わせる同調性バイアスが働いています。災害時には、周囲の人の様子をうかがっているうちに避難が遅れる原因にもなります。その反対に、周囲に率先して避難する人がいれば、より多くの人を避難に導くことも可能です。

 最初の質問で、バイアスがないのは、④のみです。

 正常性バイアスと同調性バイアス、災害時に働くこの2つの心理を知っておくことが、逃げ遅れを防ぎます。

 日本赤十字社では、「ACTION!防災・減災」特設サイトを開設しており、上記の記事も含め、防災力を高める内容が盛りだくさんです。是非、アクセスしてみてください。

247 授業を創る

 17日(金)、本校を会場にして、石川町内の小中学校の先生方に参加いただき、石川町小中連携授業研究会が行われました。本校6年生の研究授業を参観してもらい、話し合いを行いました。
 6年生の授業は、国語科の「やまなし」の授業でした。作者は宮澤賢治。5月と12月のそれぞれの川の中の様子を描いた話からできている物語です。宮澤賢治の他の作品の中には、「注文の多い料理店」という作品があります。あの物語は、描かれている場面が分かりやすく、読者はイメージしやすいです。一方、この「やまなし」は、一見、カニの親子や魚などが登場し、分かりやすそうですが、「クラムボン」などの作者が想像したものが登場したり、独特な表現で描かれていたりするので、ちょっとつかみ所がないイメージを受ける作品かもしれません。それでも、授業では、6年生の子どもたちが、自分たちなりの解釈で、川の中の様子を読み取り、二つの場面を比較することで、作者がどんなことを伝えたいのか、いろいろと考えを深めることができました。
 授業後の話し合いでは、参観された先生方から、貴重な御意見をたくさんいただきました。また、この日の午前中は、2年生と3年生の授業も、指導助言の先生に参観いただきました。学校の先生方は、研修をする義務があります。今回のような研究授業をしたり、他の先生方に授業を見ていただいたりして、授業の質の向上を目指すのです。
 でも、授業は、先生だけで創っていく物ではありません。授業する先生がいて、そこに、本気で課題解決する子どもたちがいて、初めて、授業は成立するのです。そういう意味で、子どもたちにも、自分たちの授業を創る一人として、これからも意欲的に授業に参加してほしいと思っています。
 一生懸命考えたり、発表したり、作業したりすることは、自分の脳を刺激し、だんだん楽しくなっていきます。そして何より、一生懸命取り組んだ結果、分からなかったことが分かる喜びや、できなかったことができた嬉しさを感じることは、さらなる意欲につながります。
 最初から、やってもだめと決めつけないことです。分からないから、できないから、学校に来て、授業を受け、学んでいるのです。あきらめている人、分かろうとしない人、やろうとしない人は、いつまでも分からないし、できないままなのです。

246 なかよし遠足に向けて

 過日、なかよし遠足のお知らせを出しました。9月28日(火)午前中に実施します。

 このなかよし遠足の目的は、ずばり「野木沢地区内をみんなで歩こう」です。みなさん、よくご存じのように、この野木沢地区は、中野・曲木・塩沢の3地区からできています。しかし、子どもたちは、自分の住んでいるところ以外の地区について、どれだけ知っているのでしょうか。そして、実際に、この野木沢地区を歩いたことはあるのでしょうか、ということで、今回の遠足の目的ができました。

 コースは、野木沢地区内をぐるっと巡る、全行程8kmのコースです。実際に、自分たちで野木沢の3地区を回り、この野木沢地区を全身で感じてほしいと思います。このコースを設定するにあたり、昨年度、下見を兼ねて歩いてみました。車の通りも少なく、のんびりと、のどかな田園の中を、ただただ歩きました。その日は、お天気も良かったので、とても気持ちよく歩けました。コース途中に、神社仏閣などのチェックポイントを設けました。8kmの距離も、あっという間に歩けました。途中、トイレのある場所も確保でき、美味しい清水を飲める場所も2カ所あります。改めて、野木沢地区の魅力を感じました。きっと、子どもたちも感じるのではないかと思いました。「野木沢だからできる活動、野木沢のよさを感じる活動」は、今年、目指している「野木沢教育」の一番の柱です。

 ただ、実際は、子どもたちには、特に下の学年の子どもたちには、8kmはきついかもしれません。でも、縦割り班の中で、上級生が下級生に声を掛け、励まし合って、協力し合い歩いてほしいと思っています。昔の学校では、春や秋に、学校行事で遠足がありました。その頃の遠足とは歩いて出かけるものでした。自分たちの学校から、学年に応じて距離を変え、お弁当持参で歩きました。そうやって、自分たちの住んでいるところを知り、そのよさを感じていました。しかし、だんだん、学校行事が削減され、バスで出かける学習旅行が主流となり、ただひたすら歩く「遠足」は姿を消していきました。そういう意味でも、今回の「なかよし遠足」は、遠足の楽しさやよさを再確認しようとするものでもあります。どんな活動になるか、今からとても楽しみです。

245 学年別漢字配当表

 保護者の皆様は、お子さんが、今の学年で何文字の漢字を習うのか、ご存じですか。そして、小学校に入学してから卒業するまで、何文字の漢字を習って卒業するのか、ご存じでしょうか。

 答えは、裏に一覧表をつけましたので、御確認ください。学年の下の数字がその学年で習う漢字の数です。合計すると、1026字になります。

 表を見ると、1年生は80字なのに対し、2年生になると、倍の160字になることがわかります。そして、一番多いのは、6年生ではなく、4年生ということもわかります。

 どんな漢字を習うのか、もう一度、配当表を見てみると、下の学年でも、意外と難しい漢字を習うと思いませんか。例えば、「遠」は2年生で習います。「週」と合わせて、「しんにょう」の初めての漢字です。しんにょうは、子どもたちが形を整えて書くのが難しい部首の一つです。このしんにょうですが、みなさんは、何画で書いていますか。正解は、3画です。

 3年生になると「発」を習います。この字の部首は、「はつがしら」。こちらは、書き順を間違えやすい漢字の代表格。ちなみに、正しい書き順は、

です。

 4年生になると、「茨・媛・潟・岐・熊・縄・梨」などを習います。実は、これらは、2020年から4年生に新しく追加されました。理由は、「都道府県の漢字」だからです。都道府県名は、4年生の社会科で学習します。

 そして、5年生・6年生になると、画数が多い漢字がとても増えてきます。ちなみに、一番画数が多い感じは、4年生で習う「議」「競」、5年生で習う「護」で、20画です。

 漢字は、正しい書き順で書くことが大事です。正しい書き順で書くから、字の形が整います。昨年、LIVEにちょっと書いたのですが、私は、「必」という漢字の書き順を間違えて覚えていました。4年生で習ってから、高校1年まで気がつきませんでした。それまで、「心」を書いてから左払いを最後に書いていたのです。しかし、正しい書き順は、中央の点から書きます。

 正しい書き順で書くと、形が全く違うことが分かります。やはり、漢字は、書ければいいのではなく、正しい書き順で書けることが大事だということだと思います。

244 災害に備える

 今日、9月1日は「防災の日」です。1923年9月1日に、関東大震災が発生していること、そして、この頃、台風が多く発生しやすいことから、設定されました。

 日本は地震大国ですから、これまでに何度も、「大震災」と呼ばれる大きな地震による災害が起こってきました。そして、多くの命が奪われました。阪神・淡路大震災では、建物などの倒壊が原因による「圧死」が多く、東日本大震災では、津波による「溺死」が多く、そして、関東大震災は、火災による「焼死」が多かったそうです。

 関東大震災で火災が発生した原因は、地震発生の時間帯によるものでした。1923年9月1日午前11時58分に大地震が発生し、昼食の時間帯と重なり、多くの火災が発生したのでした。以前、このLIVEで、地震発生時、すぐにコンロの火を消すことを載せましたが、今のコンロは地震を感知すると自動で消火する機能がついているので、慌てて火を消す必要はなく、逆に料理中の鍋などがひっくり返って、火傷する危険性があるとのことでした。今は、そういう対応で大丈夫ですが、関東大震災が発生した大正時代は、まだ、そのような機能がついておらず、地震により至る所で大火事が発生したわけです。

 当時、寺田寅彦という物理学者がおりました。研究者として、火災や地震の災害にも関心を持っていたそうで、その彼が残した言葉が「天災は忘れた頃にやってくる」でした。この言葉と対になるような言葉は「備えあれば憂いなし」でしょうか。

 さて、みなさんのお家では、いざという時の災害発生時に向けて、どのような準備をされているでしょうか。青少年赤十字防災教育プログラムの中には、中高生向けのものとして、「災害に備える」という内容があります。そこでは、災害に向け、日頃の準備が大切なことを学ぶのですが、その中で、ワークシートを使って、どんな準備が必要か、考える活動があります。裏に、その時に使うワークシートを載せました。①では、家族で話し合いながら、チェックリストを参考にして、避難バックを作ってみます。②では、リスト以外に必要なものを書き出してみます。そして、③では、家族で相談して、集合場所や約束事などを決めてみます。

 防災の日に、家族で、災害に向けてちょっと準備してみてはいかがでしょうか。

243 自転車のきまり

 本校には、子どもたちが自転車を乗ってよい範囲が、次のように決められています。

低学年・・・家の周り・庭
中学年・・・自分の住む地区内(中野・曲木・塩沢)
高学年・・・野木沢小学区内

 野木沢地区は、前にも書きましたが、主要な道路が何本も走っているため、大きな道路は、交通量が多いです。また、大型トラックもかなり通行します。ですから、自転車に乗るときは、十分気をつけて乗ってほしいです。そして、自転車に乗るときは、必ずヘルメットの着用をお願いします。夏休み中、他地区ですが、自転車に乗って歩道をかなりのスピードで走っている小学生を見かけました。その子どもは、ヘルメットをかぶっていませんでした。また、別の日には、大人の人で、自転車を乗りながら、スマホを操作している人も見かけました。運転しながら、目はスマホを見ていました。どちらも、事故にあわないといいけど・・・と思いながら、すれ違いました。

 さて、福島県には、「福島県自転車安全利用五則」というものがあります。

【福島県自転車安全利用五則】
  1 自転車は、車道が原則、歩道は例外
  2 車道は左側を通行
  3 歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
  4 安全ルール・マナーを守る
   ○ 飲酒運転・二人乗り・並進の禁止
   ○ 夜間はライトを点灯・反射材着装
   ○ 交差点での信号遵守と一時停止・安全確認
   ○ 運転中の携帯電話・ヘッドホン使用、傘さし運転の禁止
  5 被害軽減のためヘルメットの着用に努める

 まず、「1」にあるように、自転車は車道を走らなければなりません。それは、自転車も「軽車両」という車の仲間だからです。(車と一緒の扱いなので、飲酒して自転車に乗るのは、飲酒運転という違反行為になるのです。)しかし、「歩道は例外」となっています。この例外とは、次の3点になります。

例外1 道路標識で指定されている場合
例外2 運転者が13歳未満の子ども、70歳以上の高齢者、身体の不自由な方の場合
例外3 道路工事等でやむを得ない場合

 これにより、小学生は、自転車に乗る場合、車道ではなく、歩道を通ってよいことになります。ただ、歩行者いる場合、歩行者の邪魔にならないよう、気をつけなければなりません。

 次に、「5」のヘルメット着用についてですが、「道路交通法」で次のように定められています。保護者の皆様、よろしくお願い致します。

【道路交通法第63の11】
  児童または幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児を自転車に乗車させるときは、乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

242 2学期も感染防止対策

 子どもたちへ最後に話したように、2学期も、これまで同様に、コロナ感染防止のための対策を、しっかりととっていきます。

 ニュースでも報道されましたが、夏休み期間中、福島県でも多くの子どもたちが感染しました。それらは、集団で集まって生活する施設における集団クラスターでした。感染した子どもたちが、施設でどのように過ごしていたのかは、報道されていないので分かりません。ですから、しっかりと感染防止対策を徹底していて、それでも感染したのかどうか不明です。

 しかし、学校としては、これまで行ってきた感染防止の対策(マスクの着用、手洗い、換気、密を避ける、給食は前を向いて黙って食べる等)を行っていくだけです。また、家庭においても、引き続き、朝の検温と体調チェックをお願いします。そして、熱がある、体調がすぐれない場合は、無理に登校させず、自宅で休養するようにしてください。また、御家族にそのような症状の方がいる場合も、児童は出席停止とさせていただきますので、同じく、自宅で待機して、様子をみてください。

 最後になりますが、メールでもお知らせしたとおり、野木沢小学校の放課後児童クラブ、並びに野小っ子クラブは、どちらも9月10日(金)までお休みになります。それまで、学校が終わりましたら、下校となりますので、よろしくお願い致します。9月の下校時刻については、次号でお知らせ致します。

241 第2学期スタート

 始まるときは、長い夏休みだと思っていても、あっという間に終わってしまうものです。子どもたちは、どのような夏休みを過ごしたでしょうか。中には、まだまだ休みたいと思っている子どももいたかもしれません。それでも、今日の始業日、86名、全員揃ってスタートできました。とてもうれしいことです。以下、第2学期始業式での校長の話です。

「今年の夏は、オリンピックの夏でした。たくさんの日本人選手の方が、メダルを取り、大活躍をされました。

 その中には、女子スケートボードで、銀メダルをとった開心那(ひらきここな)選手がいました。彼女は、現在12歳、中学1年生。夏のオリンピックの日本人史上最年少メダリストになりました。彼女は、5歳からスケートボードを始めたそうです。世界でかっこいいスケーターになりたいという夢をずっと追いかけてきたそうです。

 みなさんは、どんな夢がありますか。みなさんの未来は、これから、どのようにもなります。なぜなら、自分の未来は、これから、自分自身で作っていくからです。ですから、将来、こんなことをできるようになりたいなあ、こういう仕事をしてみたいなあ、こんな人になりたいなあ、という夢を持ち続けてほしいと思います。

 今回、女子ソフトボールでピッチャーをした上野由岐子(ゆきこ)選手は、2008年の北京オリンピックで金メダルをとりました。その後、ソフトボールがオリンピック種目から外れましたが、あきらめずに13年間、ずっと選手を続けてきました。そして、今回、また、オリンピック種目になった大会で、金メダルを取ったのです。彼女は、喜びのインタビューの中で、次のように話していました。それは、「あきらめなければ、夢は叶う」。

 何か続けていて、あきらめるのは簡単です。やめればいいからです。でも、やめたら、そこでおしまいです。つらいことや苦しいことがあっても、簡単にあきらめないで、やり続けること。それが、大事です。でも、それは、大変な努力が必要です。でも、だからこそ、夢の実現に近付くのだと思います。

 2学期は、83日間です。失敗を恐れず、いろいろとチャレンジして、頑張りましょう。

 最後に、コロナ関係のお話です。大人の人のワクチン接種が始まっています。でも、ワクチンを接種しても、安心は出来ません。学校も同じです。2学期も、これまで同様、マスクの着用、手洗い、換気、密を避ける、給食時はだまって食べる等、しっかりと感染対策を取っていきます。朝、熱があったり、体調が悪いときは、無理して学校に来ないようにしてください。」

 保護者の皆様、2学期もどうぞよろしくお願い致します。

240 2学期に向けて

 1学期は、72日間ありました。そのうち、先週末で、30日間、お休みする人がゼロでした。全校生86名が、全員揃った日が、72日間中、30日間あったということです。

 これは、素晴らしいことだと思います。子どもたちは、本当に、毎日、よく学校に通ってくれました。そして、保護者の皆様には、毎朝、よく、子どもたちを送り出していただきました。

 学校は、楽しいところであってほしいと思います。しかし、子どもによっては、何かしらの理由で、楽しくない日もあったかもしれません。今日は行きたくないなあ、と思った日もあったかもしれません。それは、授業や学習に関係することかもしれませんし、友達や先生に関係することかもしれません。もしかしたら、お家で何かあって、それが原因だったかもしれません。

 そんな気持ちが乗らない日でも、子どもたちは、学校に来てくれたわけです。重い足を引きずりながら、学校まで来てくれたわけです。しぶるお子さんを、励ましながら、学校まで送ってくれたお家の方もいたことでしょう。

 でも、そうやって、学校に来てみたら、思ったより、学校が楽しかった、なんて日もあったかもしれません。昨日、ちょっとけんかしちゃった友達と、今日はなかよくできたとか、昨日はよく分からなかった学習が、今日は、少し分かるような気がしたとか。昨日、注意された先生に、今日は、ほめられたこともあったでしょう。朝は、すごく行きたくなかった気持ちが、学校に来てみたら、嫌な気持ちも少しやわらいで、ちょとだけ楽しくなった・・・。いやいや、ぼくは、私は、毎朝、元気もりもりで、やる気まんまんで、学校に来て、毎日、楽しく充実していましたよ、という子も、中にはいると思います。

 学校は、楽しいところであってほしいと思います。しかし、86名も子どもたちはいるんです。その全員が、一人一人、いろいろな気持ちがあって、いろいろな思いを持って、毎日、学校で生活しているんです。だから、集団で生活している学校の中では、いろいろなことが起きて、当然です。先程のような、ちょっと元気がなくなるようなことが起きても、おかしくないんです。しかし、だからといって、じゃあ、行くのやーめた、となっては、やはり、いけないのだと思います。学校は、毎日、休まずに、行かなければならないところです。それは、子どもたちにとって、学校に来て、集団生活をする中で、一人一人が学び、身に付けていくことは、膨大だからです。そして、それは、やはり、今しかないからです。

 学校は、楽しいところであってほしいと思います。その楽しさが、休み時間ではなく、授業時間であってほしいと思います。休み時間、友達と遊ぶことも楽しいけれど、授業時間、いろいろ考え、みんなで意見を言い合い、あーだ、こーだと考えて考えて考えて・・・そんな時間も、同じように楽しい、となってほしいと思います。そうして、今まで分からなかったことが分かったり、出来なかったことが出来るようになったりしたら、最高です。

 本校の給食は、自校給食で、出来たてほやほやをいただけます。とってもおいしいです。ある日、授業を終えた子が、「お腹がすいたあ」と言いました。授業はまだ3時間目でした。きっと、この子は、授業中、いろいろと考えて、頭をいっぱい使ったのだと思います。身体を使ったら、お腹が空きますが、頭を使っても、やはり、お腹は空くんです。こんな授業を、子どもたちに受けてほしいと思います。そして、おいしい給食をお腹いっぱい食べて、健康で元気な心と身体を作ってほしいと思います。2学期は、そんな毎日を送れるよう、先生方みんなで頑張りたいと思います。

239 1学期を振り返って

 今年、本校では「野木沢教育」を進めています。そこでは、「夢を持ち、未来を切り拓く力を育む教育」を実践しています。そして、「健康で、自信を持って、チャレンジする子ども」を育てていきます。

 この1学期を振り返って、どの学年でも、コロナ禍の中、計画された教育活動を、ほぼ計画どおりに進めることが出来ました。そこには、保護者の皆様の御協力がありました。改めて、感謝申し上げます。

 子どもたちは、学校外に出かけて、学校では体験できない活動を行ってきました。1年生から3年生は、見学学習で「ムシテックワールド」に出かけ、科学の実験や工作を行い、昆虫について、いろいろと学びました。4年生と5年生は、那須甲子青少年自然の家で宿泊体験を行い、登山や野外炊飯など、自然の中で体験活動を行いました。6年生は、修学旅行で会津若松市を訪れ、グループで計画したコースで市内散策を行い、会津の歴史や文化に触れる体験活動を行いました。

 それから、それぞれの学年で、栽培活動にも取り組んできました。1年生はアサガオの栽培、2年生はミニトマトの栽培、3年生はホウセンカや野菜の栽培、4年生はヘチマの栽培、5年生はバケツ稲栽培、6年生はジャガイモ栽培を、それぞれ行ってきました。また、1年生と2年生は、紀陸さんにお世話になり、里芋の栽培も体験しています。3年生は、相樂さんにお世話になって、リンゴの栽培体験も行っています。5年生のバケツ稲作りは、JA夢みなみさんにお世話になり、田んぼの生きもの調査も行いました。

 5月には、運動会も実施できました。6月からは、水泳学習も取り組み、記録会も実施できました。縦割り班での清掃活動をしっかりと行ってきました。ただ、感染予防のため、集会活動などの異学年交流活動が実施できないことがありました。他にも、各委員会では、学校のために、委員会活動に取り組みました。6年生は朝のボランティア清掃に取り組み、4年生は、主体的に朝のあいさつ運動に取り組みました。

 交通教室や避難訓練など、命を守る学習も行ってきました。そして、登校中は、道路を横断する際、手を上げて、車が止まってから、安全に横断できました。止まってくれたドライバーに、しっかりとお辞儀もできていました。ちょっと大きなケガをした子はいましたが、全員、無事に1学期を終えることができました。72日間の1学期を終えて、子どもたちはみんな、それぞれ成長してきたと思います。まずは、毎日、頑張った子どもたちに、拍手を送りたいと思います。

238 命を守る「着衣泳」合い言葉は「ういてまて」

 厳密には、衣服を身につけて泳ぐことはしません。水の事故が起きるケースでは、海や河川などで、着衣状態で水中に転落してしまうケースが大半を占めるそうです。今回、日本赤十字福島県支部の指導員の方を講師にお招きし、着衣・着靴状態で水中に転落した際の対応を経験し、「浮いて助けを待つ」ために、どうすればよいか学びました。

 まず、着衣で水中に転落した時に、やってはいけないこと。
①水中で、衣服を脱いではいけません。
 ・かなり昔の着衣泳では、衣服が水を含んで重くなるので、水中で衣服を脱ぐことをやっていた時がありました。しかし、水中で濡れた衣服を脱ぐのは、かなり難しく、その分、体力が奪われます。さらには、水温が低いことで、身体が冷えて、低体温症になる危険もあります。
②着衣のまま、泳いではいけません。
 ・水分を含んで重くなった衣服を着たまま、泳ぐことは難しく、やはり、体力が奪われます。
③大声で助けを求めません。
 ・つい、大声で助けを求めたくなりそうですが、声を出すと、肺の中の空気が減り、浮力がなくなります。また、大声を出すことで、体力を奪われることにつながりますし、水を飲んで、逆に苦しくなってしまう場合もあります。

 次に、着衣で水中に転落したら、やるべきこと。
①浮くことを、最優先する。
 ・そのために、近くに浮くための助けになる物があったら、利用します。ランドセルやバック類も浮きます。今のシューズは、軽い素材でできているため、水に浮きます。ですから、シューズは脱がないで、はいたままが良いです。
②浮いたまま、救助が来るまで待つ。
 ・できるだけ、体力を保ったまま、助けが来るのを待ちます。

 最後に、事故にあわないために。
 それは、危険箇所には、近付かないことです。危なそうな場所には、行かないことです。夏休み期間中、子どもだけで、川や海には行かないようにしてください。釣りなどをして遊ぶ場合も、子どもだけではやらないようにしてください。そして、講師の方からのお願いは、今回の内容を、大人のみなさんに、よく分かってもらってほしいということでした。

 いよいよ、21日(水)から夏休みです。期間は、8月24日(火)まで。35日間という長い休みです。事故には、十分気をつけて、楽しい夏休みを過ごしてほしいです。できれば、今回学んだことを使うことなどないことを願っています。

237 読書のすすめ

 図書委員会が、1学期にたくさん本を借りた人を紹介しました。上位10名は、次のとおりです。

   1位 岩谷  澪さん(4年)
   2位 二瓶 亜輝さん(6年)
   3位 佐藤  碧さん(5年)
   4位 佐藤  遙さん(4年)
   5位 紀陸 文平さん(2年)

   6位 二瓶 沙羅さん(4年)
   7位 佐藤 柚希さん(4年)
   7位 近内 龍大さん(1年)
   8位 水野 好輝さん(1年)
   8位 水野 優結さん(3年)
 4年生は、学年全体としても、一番本を借りていました。この貸出冊数は、あくまでも、学校の図書室から借りた冊数ですので、もしかしたら、町の図書館からも借りて読んでいる人もいるかもしれません。また、人によっては、ページ数のある物語をじっくり読んでいるので、借りる冊数はあまり多くない人もいるかもしれません。

 それでも、本をたくさん借りて、いろいろな本を読むことをお勧めします。それは、読書は、想像力を養ってくれるからです。動画やテレビなどは、視覚的に見て理解するため、そこに映し出された物を、そのまま受け止めることができます。だから、わかりやすいと言えば、わかりやすい。しかし、本は、文字で書かれたことを、読んで理解するだけでなく、そこに描かれている情景を、読者が自分の頭の中で、想像することができます。

 実は、この想像する力は、算数などの文章題を解くときにも、多いに生かされます。文章で説明されている状況を、頭の中で具体的に想像(イメージ)できるかどうかが、文章題を解くためのポイントになるからです。読書は、その力も養ってくれるのです。読書が苦手だという人は、この想像することが苦手なのかもしれません。その場合は、挿絵のある本を選んで、その挿絵を手がかりに、本の世界に触れてはどうでしょうか。もっと入口としては、絵本の世界から入ることがよいです。そこから、段階的に、挿絵が多い本から挿絵が少ない本へ、少しずつ本の世界へ入っていってはどうでしょう。また、自分の興味関心のある世界の本から入る方法もあります。スポーツをしている人は、同じスポーツをしている人の書いた自伝のようなものが、身近でよいかもしれません。

 夏休み、時間はたっぷりあります。今まで、あまり読書をしてこなかった人も、チャレンジしてみてはどうでしょうか。

236 ホームページは、スマホからも見られます!

 野木沢小学校のホームページがあります。ご存じだったでしょうか。
 「野木沢小学校」と検索すると、「野木沢小学校-石川町教育ポータル」というサイトが表示されます。そこをタップしていただくと、
 「ようこそ!希望ヶ丘へ こちらは、石川町立野木沢小学校のホームページです。」というトップページが開きます。そこから、メニューを開くためには、一番上のカラーのバーの右側にある三本線をタップします。すると、メニューが開きます。今のところ、メニューは4つです。
 ・野小っ子NEWS・・・学校の子どもたちの様子を写真で紹介してます。
 ・学校案内・・・本校の紹介ページです。
 ・学校だよりLIVE・・・プリントの内容が、こちらでも見られます。
 ・学校行事・・・翌月までの主な行事予定です。
 ホームページでは、できる限り、写真を掲載し、子どもたちの様子を紹介していきます。また、連絡事項なども、トップページでお知らせすることもありますので、是非チェックしてみてください。

235 水泳記録会を終えて

 14日(水)、15日(木)の2日間、水泳記録会が行われました。
 水泳の学習は、学年によって時数の差はありますが、10時間程度になります。しかし、屋外の学習なので、天候に左右されます。曇り空でやれそうだと判断し、着替えてプールサイドまで行ったところで、遠くの方で「ゴロゴロ」と雷が鳴り、急いで校舎に戻ってきた時もありました。7月初旬は、雨も続いて、入れない日々も続きました。ですので、なかなか、予定時数をクリアすることは難しいのです。

 それでも、可能な限り、水泳の練習を進めてきた結果を確かめるため、記録会を実施しました。最初の頃は、水に顔をつけることもできなかった子が、もぐって、貝拾いができるようになりました。息継ぎがうまくできなかった子が、息継ぎの仕方を覚え、泳げる距離が伸びました。去年は、ほとんどプールに入らなかった子が、今年は、去年以上に、頑張ってプールに入ることが出来ました。一人一人、自分の目標を持って、水泳学習に取り組み、その成果を確認することが出来ました。今年の水泳学習は終わりますが、また、来年、目標を新たに取り組んでほしいと思います。

 今回、校内新記録が出ました。おめでとうございます。
  5年男子25M自由形 曲山恵太さん 記録 18秒47

 潜れないよりは、潜れるようになった方がいいですし、泳げないよりは泳げるようになった方がいいです。しかし、来週行う、着衣泳の学習では、浮くことを最優先します。万が一、衣服を着た状態で水に落ちたときは、水面で呼吸を確保しながら、助けを待つことが大事です。そのキーワードは「浮いて待て」です。前回のLIVEに準備物が載っていますので、確認して、19日(月)に忘れずに持たせてください。

234 安全マップ

 保護者の皆様から、野木沢地区の危険箇所の情報を、たくさんお寄せいただきました。ありがとうございました。今回、いただいた情報を基に、これまでの危険箇所に、新たな情報を加えて、新しい安全マップを作成しました。

 マップは、A3版で2枚になっております。1枚目は、交通に関する危険箇所についてまとめました。2枚目は、遊んだり近づいたりしてはいけない危険箇所についてまとめました。マップには、おおよその場所を示し、その場所が分かるような写真を掲載しました。

 作成にあたり、いただいた情報の場所を、学校で確認して、現地で撮影しました。今回、このマップを作成して、改めて思ったのは、野木沢地区は自然がいっぱい、だから、その反面、人家や人気も少なく、子どもだけで遊ぶのは危険と思われる場所が多いことです。そして、以前、LIVEでも書きましたが、野木沢地区内を走る道路は、狭く、カーブで見通しが悪いところが多く、それでも、国道に接続していることで、そこをスピードを出して走る車が多いことが挙げられます。

 今後ですが、危険箇所には、「きけん」看板の設置などの処置を、PTA執行部のみなさんにお世話になって進めていきます。また、道路に関しては、地区の交通安全協会に相談して、ドライバーに徐行を促す看板の設置を予定しています。これらの処置には、ある程度、時間もかかるかと思われます。各御家庭におかれましては、マップを見ながら、お家の近くや通学路の危険箇所を、お子さんと一緒に確認していただきたいと思います。マップは、20日(火)に実家庭で配付します。

 最後になりますが、昨年度、石川警察署交通課に、野木沢地区内の横断歩道の予告を意味する、ダイヤマークが薄れている箇所の表示をお願いしていました。昨日、その表示の修復をしていただき、はっきりとダイヤマークが見えるようになりました。これにより、ドライバーのみなさんが、横断歩道を意識され、スピードを減速し、歩行者がいたら、必ず一時停止することを期待したいと思います。そして、まずは、保護者のみなさんに手本になっていただきたいと思います。

夏の交通事故防止県民総ぐるみ運動

 7月16日(金)から7月25日(日)までの10日間
 ◇運動のスローガン
   「ゆずりあい 『お先にどうぞ』で 事故ゼロへ」
 ◇年間スローガン
   「わたります 止まるやさしさ ありがとう」

233 かっこいい姿

 かっこいい姿とは、上手に何でもスマートにできる姿ではないと思います。とは言っても、他の人が真似できないようなことをやれる姿は、それはそれでかっこいいです。でも、きっと、そこまでたどり着くまでに、影では、予想も出来ないようなひたむきな努力があるのだと思います。

 かっこいい姿とは、最後まであきらめずに、歯を食いしばって、必死になって、くらいついて、すごい形相で、本気・全力で、ただひたすらに、ひたむきに、一生懸命、なりふり構わず、集中して、周りの目など気にせず、自分のやれることを、精一杯、力を出し切って、取り組んでいる姿だと思います。

 人は誰でも、得意、不得意があります。得意なことは、やはり、自信を持ってやれますし、ある程度、かっこいい姿は見せられるのかもしれません。しかし、そうやって、誰かに見せようとする限り、自分の姿が、他の人にどう映っているか、そんなことばかり気にするようになります。だから、うまくいかない時は、ちょっと体調が悪そうなふりをしてしまいます。体調がばっちりなら、もっとうまくやれるのに、みたいなかっこつけをしてしまいます。それは、かっこつけなので、全然かっこよくないし、逆に、かっこ悪いことに、本人は気付いていません。

 かっこいい姿に、得意、不得意は、関係ないのだと思います。大事なのは、自分の取り組んでいる姿であって、うまく出来る、出来ないでは、ないのだということです。例え、不得意なことであっても、先程のような、必死で、ひたむきに、本気、全力で取り組んでいる姿であれば、やはり、それはかっこいい姿なのです。

 今回の水泳記録会では、そういうかっこいい姿がたくさん見られました。それは、自分の限界にチャレンジしている姿です。記録会は、今年の自分の取り組みの確かめですから、自分のベスト記録を目指して行うものです。そして、本番一回こっきりなので、集中して、簡単にあきらめずに、持っている力を全て出し切って、ちょっと無理して頑張るものです。今回の記録会の中では、見るからにへとへとになりながらも、途中で足をつくことなく、一かき一かき必死になって進み、そうやって、ゴールにたどり着いた人がいました。もう、プールサイドに上がる力もないほどに力を出し切った人が何人もいました。絶対に、最後までたどり着いてやる、という強い気持ちがそこにはありました。そうやって、自分の限界にチャレンジしている姿こそ、「かっこいい」姿だと思うのです。

 他のスポーツでも、同じようなことが言えると思います。試合で勝つことが、かっこいいのではないと思います。その試合に、どれだけ、本気、全力で、ひたむきに、必死で、最後まであきらめずに、歯を食いしばって、くらいついて、やれたかということです。そういう姿でやれたとしたら、それは、とてもかっこいい姿なんです。逆に、試合に勝ったとしても、へらへらした、中途半端な態度だったら、それは、全然かっこよくない、かっこ悪い姿なのだと思います。

 今年の夏は、オリンピックの中継を、見る機会があるかと思います。一流のアスリートは、みな、かっこいいです。それは、強いからではなく、本気、全力、最後まであきらめない、必死なプレイスタイルだからです。そういう姿を写したスナップ写真を見てみて下さい。みな、目を見開いて、すごい形相で、プレイしています。他の人から、自分はどう見られているかなんて、全く気にしていません。それが、かっこいい姿なのです。だから、見る人を感動させるのです。

232 正直に・・・

 体育館にあるフラフープが一本、破損していました。

 フラフープに限らず、体育館にある道具関係は、ある程度の強度はありますが、絶対的なものではなく、場合によっては、破損するものです。だから、使用していて、壊れることはあります。

 今回、破損していたフラフープは、破損した状態で体育館に置いてありました。ですから、いつ、誰が使用していて、そうなったのか、分かりませんでした。見ると、破損部分に、通常の使い方をすれば、つかないような跡が残っていました。もしかしたら、通常ではない、使い方をしたのかもしれません。その結果、破損したのかもしれません。

 しかし、後日、自分が壊しました、と名乗り出てきました。話を聞くと、フラフープを曲げて飛ばす遊びをしていて、折れてしまったとのことでした。

 実は、今回のように、正直に言いに来るケースばかりではないのです。物が壊れて放置されていて、誰が関係していたのか分からないことがありました。その度に、正直に言いにくればいいのに・・・と思っていました。

 昨年度、トイレットペーパーに指の爪で何かひっかいた跡が見つかったことがありました。その時は、やはり、誰がやったのか、不明でした。そこで、子どもたちに、こんな話をしました。

「やった人は、もしかしたら、この中にいるのかもしれません。今、ドキドキしているのかもしれません。でも、きっと、これをやったとき、誰にも見つかっていないのだと思います。だから、誰にもばれていないと思っていると思います。しかし、誰にも見られていない、誰にもばれていない、と思われることでも、たった一人には、絶対に知られているし、ばれています。
 それは、自分自身です。どんなに誰にも見られていない、ばれていないことでも、それをやったことを、自分自身は知っている。自分自身にはばれている。自分自身はごまかせないのです。どんなに、自分はやっていないと嘘をついたり、ごまかしたりしても、それが嘘だと自分だけは知っているのです。

 これをそのままにしておくと、そのうそやごまかしが、心のシミになっていきます。洋服についたシミは、洗濯すれば落ちますが、心についたシミは、簡単には落ちません。そして、その人は、心にシミをつけたまま、これから生きていくのです。心にシミをつけたまま、一生、生きていくのです。これは、つらいことです。これは、かわいそうなことです。そんなシミは、出来る事なら、心につけないで、きれいな心で生きてほしいです。そして、誰にも相談できない悩みがあるなら、なおのこと、正直にお話ししてほしいです。」

 その後、トイレットペーパーへのいたずらは、見なくなりました。話を聞いて、何かしら思うところがあったのかもしれません。でも、やはり、正直に話をできたらいいと思うのです。

 正直に話すことは、勇気がいることです。自分の非を認めるということは、難しいことです。今回、フラフープを壊して、正直に名乗り出た人は、すごくドキドキしたと思います。でも、きっと正直に話して、スッキリしたと思います。正直に話すのが一番いい。最初から、壊そうと思って壊す人は、いないのではないかと思います。壊すつもりでやったのではなく、たまたま、破損してしまったのだと思います。もし、使い方が悪かったら、やはり、そのことは、正直に認めることが大事だと思うのです。決して、自分が使っていて、破損したのを、そのまま黙って放っておいて、知らん顔をしてよいはずがないのです。子どもたちには、心のシミを作らないでほしいのです。だから、正直に名乗り出てくれて、よかったなあと思いました。

231 宿泊学習の思い出

 5年生が、このことを作文に書きました。読んでみると、改めて、今回の宿泊学習が、子どもたちにとって、とても有意義な活動だったんだなあと思いました。

 まずは、登山について書いている人が多かったです。
 ・茶臼岳では、何回もころんでしまったけれど、ぶじに山頂につくことができました。山頂からのけしきはきれいでした。
 ・茶臼岳は、ぼくの家から見えます。その茶臼岳に登ることが出来て、うれしかったです。
 ・何回か休けいしながら、大きな岩があり、足もとがガタガタだったけれど、つかれて、がんばった後のお弁当は、すごくおいしかったです。
 ・登山が初めてで、いろいろトラブルとかあったけれど、登りきった時は、たっせいかんがあって、(登山って、こんなにうれしい気持ちになるんだー)と初めて知りました。
 ・登山は、最初、楽勝だと思ったけど、いがいときつかったです。なぜなら、1950mだなんて知らなかったです。でも、頂上についたら、とてもいいけしきで、とても楽しかったです。
 ・ぼくは一度も登山をしたことがなかったです。それで、山を登っているときは、ちょっときつかったです。だけど、山頂につくと、達成感がすごかったです。
 ・途中で、4年生の子がつかれているとき、手をつないであげました。
 ・生まれて初めての登山だから、大きな岩につまずいたりして、とてもつかれました。それに、少し雨がふっていたから、すべって大変でした。でも、高い所の景色はとてもきれいでした。

 次に、野外炊飯も思い出になりました。
 ・ぼくは、かまど係だったので、かまどの火を見ていました。火を調整するのがむずかしかったです。
  ・みんなで協力して、とてもおいしいカレーができてうれしかったです。
 ・最初は、カレーをじょうずに作れるのか、不安でした。ほうちょうで、指を切っていたかったけど、カレーはじょうずにつくれたし、とても楽しかったです。
 ・みんなで作ったカレーは、すごくおいしくて、ぼくもみんなもおかわりしました。

 その他にも、キャンプファイヤーで、レク係の人ががんばってくれて楽しかったことや、部屋でみんなで話をして過ごしたことで、友達との関係が深められたんじゃないかな、と書いている人もいました。

 登山の感想に書いている人がいましたが、本校の校歌に「那須山」は出てきます。希望ヶ丘から、那須山が見えます。この那須山(那須連峰)の一つが、今回登山した茶臼岳です。ですから、自分たちの校歌に出てくる山に、実際に登ったことになります。きっと、4年生と5年生の子どもたちは、今後、校歌を歌う度に、あのつらく苦しかった山道や、山頂からの最高の眺めなどを思い出すのだと思います。

230 図書館に行こう

 私が小学生の時代、休みの日には、兄と一緒に、よく、会津若松市立図書館に行ってました。当時の市立図書館は、今の県立博物館の裏側にありました。家から約2km。自転車に乗って出かけていました。

 市立図書館の一階は、子ども向けの本がある部屋になっていました。借りられる本の冊数は、3冊ぐらいだったでしょうか。毎回、気に入った本を見つけては、借りていました。私のお気に入りは、探偵物。去年も紹介しました、「マガーク少年探偵団」シリーズや、シャーロック・ホームズのシリーズは、よく読んでいました。特に、ホームズ関係は、その後、中学・高校と進んでいっても、文庫本としても購入して、何度も読みふけっていました。それから、子ども向けの科学雑誌も好きでした。図書館には、「子供の科学」という雑誌が置いてあり、そのバックナンバーを借りてきては、その雑誌の中で紹介されていた電子工作を、夢中で作っていました。

 図書館の二階は、一般の人向けの部屋になっていました。こちらでは、高校時代、美術部だったこともあり、いろいろな画家の画集をよく見入っていました。また、これも高校の時ですが、国語科の先生から「高校生が読むべき100冊」なる本のリストが渡されて、そこに紹介されていた本を、片っ端から読んでいたことも覚えています。その頃、よく読んでいたのが、この前紹介した、星新一さんのショート・ショートや、井上ひさしさんの作品でした。

 図書館には、いろいろなジャンルの本が置いてあるので、ぶらぶらと書架の間を歩きながら、面白そうなタイトルの本を探すのも好きでした。多湖輝さんの「頭の体操」シリーズも、そうやって見つけた本でした。旅行の本も好きで、いろいろな国の写真を見ながら、空想旅行もしていました。

 今年、私は石川町図書館協議会の委員になったため、6月に初めて、石川町立図書館を尋ねました。モトガッコの一階にありました。蔵書冊数は約3万冊。入口近くに子ども向けの本がありました。ざっと見ても、学校の図書室にはない本がたくさんありました。一般向けの本も、新刊から雑誌まで、幅広くありました。学校は、夏休み期間中、お休みになりますが、ここは、やっています。もし、お子さんが学校から借りた本を読み終えたら、お子さんと一緒に、町の図書館を訪れてみてはどうでしょうか。お気に入りの一冊が見つかるかもしれません。

 石川町立図書館(26-9136)
   開館時間  月・木・金・土 10:00~18:00
         水       10:00~19:00
         日・祝日         9:00~17:00
   休館日   毎週火曜日(モトガッコが火曜日お休みのため)
     貸出冊数  一人10冊まで。うち、雑誌は2冊まで。
     貸出期間  2週間
      「キララっこ おはなし会」小学校低学年まで対象のお話会もやってます!
     7/24(土)11:00~11:30

229 野木沢地区の道路

 野木沢地区には、大きく5種類の道路が走っています。

 ①国道118号線
 ②県道139号母畑白河線
 ③県道284号曲木中野目線
 ④国道118号線から中野地区を縦断して、また国道118号線に戻る道路
 ⑤その他の路地(生活道路)

 これらの法定速度を確かめてみると、次のようになっていました。

 ①50km/h
 ②母畑地区~国道118号線高架下まで40km/h
  国道118号線高架下~野木沢駅前~朝日機工先のカーブまで30km/h
  その先は40km/h
 ③40km/h
 ④40km/h
 ⑤原則30km/h(標識はありません)

 御覧の通り、50km/hから30km/hまで、複雑に指定されています。
 ここで特に気をつけたいのは、中野地区内です。中野地区内の県道139号線は、高架下から一気に道路の幅が狭くなります。だから、制限速度も30km/hに指定されているのですが、④にあたる、国道からの迂回路は、道路幅も広いので40km/hになっているのです。この2本の道路が、片方は30km/h、もう片方は40km/hで、交差しています。さらに、この交差する地点は、クランクのようになっていて、T字路が2つ続くので、歩行者用の横断歩道は、合計で6つ集中しています。みなさんご存じのように、横断歩道を横断しようとする歩行者がいた場合、車は一時停止をして、歩行者の横断を妨げてはいけないことになっています。そういう意味で、この交差する地点は、要徐行になります。

 同じように気をつけたいのが、小学校前の道路です。学校前から高架下にかけては、40km/hですが、若干下り坂になっているので、スピードが出やすくなってます。また、その途中に藤田城跡方面からの横断歩道が一つ設けてあります。この場所は、道路がややカーブしていて、横断者が見えにくくなっています。登下校時、この横断歩道を横断する子どもたちがいます。そういう意味で、ここもやはり要徐行です。

 千葉県の痛ましい交通事故を受けて、全県的に、児童の通学路の点検が行われています。子どもたちには、車に十分注意するよう指導していますが、やはり、車を運転する人に、その道路状況をしっかりと把握し、安全に運転していただくことが大事だと思います。野木沢地区の交通事故ゼロを目指して、保護者の皆様も御協力をお願い致します。

228 ママのスマホになりたい

 過日の家庭教育学級の中で、紹介されていた絵本です。早速、手に入れて、読んでみました。

 主人公のぼくは、幼稚園に通うかんたろうくん。ある日、お家で、ママにブロックで作った車を見てもらおうとしたら、ママはスマホを見ていました。ママは、テレビのCMになると、スマホを見て、テレビが始まるとテレビを見て、赤ちゃん(弟?)が泣いたら赤ちゃんを見て、また、スマホ、テレビ、赤ちゃん、スマホ、テレビ・・・全然、ぼくを見てくれません。怒ったぼくは、段ボールで、自分の国を作りました。その国には、スマホもテレビも赤ちゃんも入れません。ママは、何も持たずに、その国に入って、ぼくを抱きしめました。
 次の日、ぼくが幼稚園に行くと、先生が「大人になったら、何になりたいですか?」と聞きました。「ぼくは、しょうぼうし」「わたしはおよめさん」・・・かんたろうくんは、「ママのスマホになりたい」と答えました。先生が、「なんでなりたいの?」と聞くと、かんたろうくんは、「ママがスマホばっかりみてるから、ぼくはスマホになりたい。ママがテレビばっかり見てるから、ぼくはテレビになりたい・・・でも、ホントのこというと、ぼくのまんまで、ママにみてほしい!」と言いました。「ママが見てくれないと、ぼくはいなくてもいいような気持ちになっちゃう」その時、ママがお迎えに来ました。ママは、「かんたろうの前で、スマホやテレビをみるのをやめる」と約束しました。「赤ちゃんのお世話は一緒にしてくれるかな」と言いました。そして、「ママはホントにかんたろうが大好きなのよ」と言って泣きました。かんたろうも「うん、うん」と言って、泣きました。

 どうですか。ご自分と重なることはありませんでしたか。この絵本の裏表紙に、こんなことが書かれていました。

しつもんタイム
 Q ママは、いちにちになんかいくらい、スマホをみますか?

 Q いきぬきも大切だけど、子どもは、すぐに大きくなっちゃうから注意を!
   さあ、いちにちにスマホをなんかいみることにしますか?

 ある時、こんな家族を見かけたことがあります。ファミリーレストランに、4人組の家族が入ってきました。注文を終えると、お父さん、お母さん、大きいお姉さんは、みんなスマホ。小さい弟さんは、ゲームをやり出しました。みんな、黙ってそれぞれの画面を見入っていました。料理が来るまで、会話は一切ありませんでした。今は、会食中は、会話は控えるようになっていますが、この御家族を見かけたのは、コロナ禍になるずっと前のことです。外出先だから、そうだったのでしょうか。それとも、お家の中でもそうなのでしょうか。

 二つ目の質問にある通り、子どもの成長は、あっという間です。親として、子どもに関われるのは、限られた期間だけです。乳児期、幼児期、学童期、それぞれの時期に、その時しかできない関わり方があると思います。その時期を逃してから、ああ、もっとこんなことしたかったと後悔しても、もう戻ることはできないのです。

227 お家ルール

 家庭教育学級で講話を聞いてから、いろいろな方に、お家ルールを尋ねてみました。みなさん、それぞれのお家ルールがあるようです。

 Aさんのお家ルール
  ・ゲームは、宿題が終わってからやります。
  ・時間は、夕食の前までです。

 Bさんのお家ルール
  ・ゲーム機は、リビングで使います。
  ・兄弟みんなで、なかよく使います。

 Cさんのお家ルール
  ・ゲームは、平日1時間まで。休日は1時間30分まで。
  ・時間が守れなかった場合、次の日は遊べません。

 このように、お家ルールをしっかりと決めているお家ばかりではないのかもしれないと思います。そういうお家の場合、次の項目を参考に、お家ルールを決めてみてはどうでしょうか。

(1)使う場所はどうするか。
   ・できれば、リビングのような、他の家族の目が届くところで使用させたいです。

(2)使う時間はどうするか。
   ・何時間以内というきまりもありますが、使っていいのは何時まで、何時からは触らない、というきまりもありです。

(3)ゲームよりも優先してやるべきことは何か。
   ・楽しいゲームを先にすると、肝心のやるべき事がおろそかになりがちです。
   ・まずは、先に優先すべき事をやってから、ゲームはやるようにしたいです。
   ・優先すべき事は、家庭学習や、お家のお手伝い等

(4)トラブル防止のためにどうするか。
   ・ネットにつながる場合、このきまりは大事です。
   ・個室にこもっての使用は、要注意です。
   ・どんなゲームで、どんな人たちとつながって遊ぶのか、親の確認が必要です。
   ・何か発信する場合、その内容や発信先について、親の許可は必要です。


 最後に、学校としては、ゲームのやり過ぎなどで、学校生活に支障をきたすようであれば、改善を促したいと思っています。例えば、次のような場合です。
 ・ゲームをして、家庭学習をやってこない。もしくは、適当に終わらせている。
 ・夜遅くまでやっていて、睡眠時間が足りていない。
 ・朝起きるのが遅く、朝ご飯を食べてこない。
 ・ゲームの影響で、行動や言葉遣いなど、荒れている。 等。

 子どもたちの健やかな成長が、学校の一番の目標です。ですから、その妨げになるような生活習慣は、その子どもの成長にとって、悪い影響を与えるものです。学校としても、その点に関しては、保護者のみなさんと協力しながら、考えていきたいと思います。

226 シトラスリボンプロジェクト

 先日、学校に来られた方から、クラフトバンドで作った黄緑色のリボンをいただきました。


 シトラスリボンというそうです。私は、知りませんでした。そこで、調べてみました。以下に紹介します。(シトラスリボンプロジェクトのHPより)


 これは、コロナ禍で生まれた差別、偏見を耳にした愛媛県の有志の方がつくったプロジェクトです。愛媛県特産の柑橘にちなみ、シトラス色のリボンや専用ロゴを身につけて、「ただいま」「おかえり」の気持ちを表す活動を広めています。リボンやロゴで表現する3つの輪は、地域と家庭と職場(もしくは学校)です。
 「ただいま」「おかえり」と言いあえるまちなら、安心して検査を受けることができ、ひいては感染拡大を防ぐことにつながります。また、感染者への差別や偏見が広がることで生まれる弊害も防ぐことができます。感染者が「出た」「出ない」ということ自体よりも、感染が確認された“その後”に的確な対応ができるかどうかで、その地域のイメージが左右されると、考えます。コロナ禍のなかに居ても居なくても、みんなが心から暮らしやすいまちを今こそ。コロナ禍の“その後”も見すえ、暮らしやすい社会をめざしませんか?

 石川町でも、計画通り、ワクチン接種が進められています。それに伴い、感染リスクも低くなることと思われます。感染症専門医の忽那賢志先生は、次のように話しています。

「ワクチン接種は、当初、「発症を防ぐ」のであって感染そのものを防ぐかどうかは分かっていない、と言われていましたが、感染を防ぐ効果も分かってきました。調査結果でも、新型コロナワクチンの2回の接種から14日以上経った人は、91%の感染予防効果が示されました。

 発症を防ぐことと、感染を防ぐことと、何が違うのか、別に本人にとっては同じじゃないか、と思われるかもしれません。本人にとってはあまり大差ないかもしれませんが、ワクチン接種者が感染しにくくなる、ということは、接種者がその周りの人に感染を広げる可能性が低くなる、ということです。自分の家族や周りの人を感染から守ることができるのであれば接種する意義は十分あると言えるのではないでしょうか。

 実際にワクチン接種が進んでいる地域では、接種した人だけでなく、接種していない人でも感染者が減っているというデータも出てきています。接種率が20%上がるごとに、ワクチンを受けていない集団の新型コロナの感染が約2倍減少したとのことです。お子さんがワクチンの接種対象年齢から外れており不安に思われている方も多いと思いますが、家族が接種することで間接的にお子さんを守ることにも繋がります。」

 先に紹介した、シトラスリボン、今度、自分でも作ってみようと思いました。作り方は、ネットでも紹介されています。興味がおありの方は、検索してみてください。

225 修学旅行を終えて

 昨年度に引き続き、今年度も会津若松市内のグループ散策による修学旅行を実施しました。実施に先立ち、子どもたちには、会津若松出身の私よりオリエンテーションで話をさせてもらいました。会津には、歴史・文化・伝統があり、それが建造物や工芸品、食べ物であること。それらを、自分の五感を通して感じることが、修学旅行の目的であること。その後、6年生の子どもたちは、自分たちで見学先を決め、コースを考え、体験活動の予約をとり、事前の準備を進めてきました。

 2日(金)当日、3つのグループは、それぞれ計画したコースを回りながら、修学旅行を楽しみました。職人さんに教えてもらいながら、ろくろを使って湯飲み茶碗作りをしました。赤べこや木の起き上がり小法師(私は知りませんでした)の絵付けを楽しみました。飯盛山では、校長一押しのさざえ堂で、不思議な二重らせん構造を体験しました。昼食は、ソースカツ丼などの名物をいただきました。そして、地元の方々とふれ合いながら、話を聞いたり、お土産を購入したりしました。

 そんな中、やはり、想定外の出来事は起こるもので・・・市内循環バスを乗り間違えて、逆の方向に行ってしまったり、次の目的地まで、約2kmを歩いて(走って?)移動したり、道に迷ってしまい、いろいろな人に道を尋ねたり・・・。それでも、野木沢小の6年生たちは、最後まで、自分たちの修学旅行を楽しみました。約束の6,000円の小遣いの中で、とても充実した修学旅行になっていました。

 ちょうど一年前は、コロナ禍の中、まだ、観光地会津もやっと観光客を迎え入れる準備を始めたところだったので、街中を散策している小学生は、野木沢小の子どもたちしか見られませんでした。しかし、今回は、他の学校の子どもたちも大勢見られ、それなりの賑わいを見せていました。我が故郷ですから、やはり、観光客で賑わっている様子をみると、うれしいものです。到着して、子どもたちにこんな話をしました。

「自分たちで計画したコースを回って、見学したり、体験したり、食事を取ったりできました。また、予定外の出来事が起きても、自分たちで考えて、協力して乗り越えて、楽しく活動できました。それら、丸ごと全部が、みなさんの修学旅行の思い出です。一生忘れることの出来ない小学校の素敵な思い出ができたと思います。それと同時に、また一つ、小学校の出来事が終わりました。これからも、この繰り返しです。だから、どうせやるなら、今回の修学旅行のように、みんなで協力して、助け合って、一生懸命、本気・全力で、真面目に取り組んでいってほしいと思います。」

 この修学旅行を通して、6年生の子どもたちのよさを、また、見つけることが出来ました。

224 星新一さんの作品から思うこと

 星新一さんという作家をご存じでしょうか。この方は、SF作家で、ショート・ショートという形式で短編の作品を多く書いた方です。私は、高校時代に、この作家の作品を知り、とても気に入り、よく読んでいました。数年前には、小学5年生の国語の教科書にも取り上げられていました。(「おみやげ」という作品でした。)今回の家庭教育学級で「スマホ依存」の話を聞き、この星新一さんの作品で、ちょっと思い出した話がありました。タイトルは忘れてしまったのですが、次のようなお話でした。

 ある企業が、子育ての画期的な機械を開発しました。その機械には、生まれたばかりの子どもを育てるあらゆる機能が備わっていました。お腹が空いて泣けば、ちょうどよい温度のミルクが与えられ、おむつが汚れれば、すぐに交換してくれます。眠たくなれば、やさしい声の子守歌が流れました。この機械のお陰で、若い夫婦は、子育ての苦労から解放され、自分たちの時間が出来て助かるとなって、みな、この機械を購入して、子育てをさせたのでした。それから、20年が経ち、テレビから、一斉に次のようなCMが流れました。「さあ、みなさん、この商品を買いましょう。」そのCMの声は、あの子育て機械から流れていた優しい声と同じものでした。幼い頃、毎日のように聞いていた、地球上で誰よりも安心できる優しい声。その声が、ある商品を買いましょうと言っているのです。何の疑いもなく、大人になった子どもたちは、みな、そのCMの商品を購入するのでした・・・

 星新一さんの作品は、ブラック・ジョークの部分もあるのですが、この作品を最初に読んだときは、なるほどなあ、そういうことになるのか・・・ぐらいの感想でしたが、スマホ依存が問題になっている今、親よりも機械という現実問題が、本当に起きているのかもしれないと思ったのです。本人も家族も、依存している意識は全くない中で、実は知らず知らずのうちに依存(洗脳?)されているとしたら・・・。

 これも、家庭教育学級の中でも紹介された話です。あるお母さんは、赤ちゃんに授乳中も、その目はスマホから離れません。そして、そのスマホに夢中のお母さんの顔を、ミルクを飲みながら、赤ちゃんはじっと見ている・・・。ぞくっとします。赤ちゃんは、どんなことを考えながら、お母さんの顔を見ているのでしょうか。本来なら、ミルクを与えながら、赤ちゃんの顔を見つめるお母さんと、そのお母さんの顔を見ながらミルクを飲む赤ちゃん、そこで、お互いに見つめ合い、愛情が伝わるのではないでしょうか。ミルクをただ与えるのが愛情ではないということだと思います。

 さらに、講話では、大人のスマホ依存について、話がありました。いつの時代も、大人は、子どものモデルです。家で、大人がどのようにスマホを使っているか、子どもたちは、モデルとして見ています。そして、大人の姿から学んでいます。子どもに使い方を考えさせるだけでなく、大人である親も一緒に、子どもとルールを決めていく。できれば、そこに、スマホ等を介さない、リアルな会話を大切にしたコミュニケーションの時間が生まれることを期待したいと思います。

223 交通事故防止「手上げ横断 復活」

 千葉県八街市で発生した交通事故は、みなさん、周知のことと思います。下校途中の小学生の列にトラックが突っ込み、児童5人が死傷するという悼まし事故になりました。

 警察庁によると、去年までの5年間に交通事故で死亡または大けがをした小学生は4687人で、58%の2734人が歩行中に事故に遭っているそうです。歩行中の児童が事故に遭う時間帯は、午後4時台から5時台にかけてが36%と最も多く、次いで午後2時台から3時台が29%で下校や帰宅時間に集中しているそうです。

 これは、他人事ではなく、本校でも十分に気をつけなければなりません。学校周辺の道路は歩道が設置されていますが、場所によっては、歩道がない道路もたくさんあります。また、街頭指導に立っていると感じるのが、車のスピードです。制限速度内で走っている車はまれで、中には、かなりスピードを出して通り過ぎていく車もあります。そういう道路を、横断して登下校する子どもたちがいると思うと、やはり心配でなりません。是非、本校保護者の皆様には、学区内を走る自動車のお手本になってもらい、スピードを控えめに走って頂きたいと思います。

 6月27日付の福島民友新聞に、「手上げ横断」を促す記事が載りました。

 それは、信号機がない場所での横断について、「手を上げて運転手に横断の意思を明確に伝える」ことを盛り込んだという内容です。えっ、それは当たり前のことではないの?と思われた方もいると思います。実は、1978年の改訂では、この「手上げ横断」は教則から削除されました。その時の道路横断の仕方は、「車が近づいている時は、通り過ぎるまで待つ。」と定められていたのです。しかし、それが今回、43年振りに復活したわけです。

 本校の子どもたちは、道路を横断する際、手を上げて、運転手に横断することをアピールしています。そうすることで、気付いた車は減速し、止まってくれます。横断した後は、止まってくれた車の運転手に、一礼して返すこともできています。これは、素晴らしいことです。しかし、中には、子どもに気付かないのか、そのまま、走り去ってしまう車もあります。そういう車がいることも含め、子どもたちには、道路横断は十分、安全確認するよう、指導しています。登下校中、道路を歩行する際は、周りの車に十分注意するよう、お家でも、確認と指導をお願い致します。

222 適切なネット利用について

 昨日は、授業参観にお出で頂き、ありがとうございました。また、その後開かれました家庭教育学級にも多数参加頂きまして、ありがとうございました。今回は、石川中学校教頭の相樂秀幸先生を講師にお招きし、「適切なネット利用」について御講話頂きました。以下、講話の概要を記します。

・インターネットの世界は、公共の場所。だから、いろいろな人が出入りしている。その中には、いい人ばかりでなく、悪い人も当然いる。
・昔なら、人のうわさは75日、そして、だんだん忘れられていく。しかし、今は、ネット上のうわさは、半永久、消えない、消せない、自分ではコント ロールできない・・・。
・インターネットの世界は、治安が悪い。危険なところ。端末を与えることは、その危険な世界に足を踏み入れさせること。
・インターネットの情報は、全てが真実ではない。信憑性が低いことを知ることが大事。
・ネット依存は、ネットに触れる機会が、早ければ早いほど依存度は高くなる。
・「PhoneWall」とは、お家の方がスマホに夢中になるあまり、その「時間」だけでなく、親子の「心」の間に大きな壁が作られてしまうこと。
・絵本「ママのスマホになりたい」。シンガポールの子どもの話がもとになって作られた絵本。
・子どもの問題を考えるだけでなく、お家の方のスマホ依存度について考える必要がある。
・親と子どもが一緒になって、話し合いながら、「ルール」を作ることが大切。
・大人ができることは、①フィルタリングをする。②ルール作りをする。③手本を示す。

 お話を聞いて、改めて、ネット利用に関しては、きちんとルールを作って使わせることの大切さを感じました。これは、決して、今だけの問題ではなく、子どもたちがいずれ、親元を離れ、自立して生活していくときに、自分の身を守るためでもあると思います。学校としても、このことについて、さらに考えていきたいと思います。

221 上級生に支えられ

 先週の金曜日のお昼休み、1年生が教室で「おおきなかぶ」の音読発表をしました。これは、国語の時間に学習してきた「おおきなかぶ」のお話を、音読劇として行うものでした。1年生の子どもたちは、国語の時間にお話を読み深め、どういうふうに読んだらよいか、学んできました。音読劇では、それに役割を決めて、それぞれの役の動きを決めて読むことになります。1年生の子どもたちは、これまで楽しく取り組んできました。そのまとめの発表でした。1年生の子どもたちから、校長室に「しょうたいじょう」も届いていましたので、行ってみました。

 すると、他の学年にも招待状が届いていたらしく、すでに、聞きに来ている数名の上級生の姿がありました。そのうち、次から次へと上級生のお兄さん、お姉さんたちが教室に入ってきて、最終的には、教室の半分以上の「お客さん」で埋まりました。(その様子は、ホームページに載せてありますので、どうぞ御覧ください。)

 この様子に、7人の1年生たちは、ちょっと緊張したり、逆に興奮したりしたようでした。しかし、見に来た上級生たちの温かいまなざしに励まされ、元気いっぱい、最後まで音読劇を発表することが出来ました。その頑張りに、大きな拍手が送られました。発表が終わり、感想を聞かれると、何人も手を挙げ、「大きな声で発表できていました。」「動きを工夫して頑張っていました。」と上級生から賞賛の声がありました。

 今回の経験は、1年生の子どもたちにとって、とても大きな出来事だったと思います。自分たちの学びを、たくさんの上級生たちが応援してくれて、そして、その頑張りを、みんなから賞賛されたわけです。自分たちを、こんなにも多くのお兄さん、お姉さんが支えてくれている、と感じることができたと思います。どんなにか、うれしかったことでしょう。そして、この上級生たちの存在を、心強く思ったことでしょう。そして、自分たちを励ましてくれる上級生のいる学校生活を、安心して過ごせると思ったことでしょう。

 野木沢小の素敵なところを、また一つ、見つけられました。

220 公民館の先駆け

 私の手元に、「石川町公民館史」という冊子があります。これは、令和3年3月に、石川町教育委員会生涯学習課が編集したものです。

 これによると、我が国における公民館の正式な誕生は、昭和21年7月に発せられた「公民館の設置運営について」という文部次官通牒(通達)によるそうです。そして、この通達が発せられたわずか5ヶ月後の昭和21年12月に、野木沢村中野公民館が設置されました。これは、まさに全国の公民館のさきがけ的存在と言えるそうです。そして、その翌年には「塩沢公民館」「曲木公民館」も創立し、昭和23年2月に村の中央館として「野木沢村公民館」が設立しました。

 このことを知って、この野木沢地区の皆様が、本校の教育活動にとても協力的であることが納得できました。こういう時代背景が、根底にあったわけです。

 当時の公民館は、郷倉と呼ばれる凶作に備えた米倉を改造したそうです。それも、当時の青年たちの熱意により、全集落の温かい協力の下、完成したものでした。わずか10坪に過ぎないその建物において、青年たちによる自主的な活動が繰り広げられたようです。

 教養部による成人教育の講座を始め、講演会、婦人講座など。集会部によるレコードコンサート、音楽会、幻燈会。図書部による図書の貸出など。

 農村地帯ですから、農繁期は、日中、みな肉体労働をしているわけです。それでも、その夜、自然に公民館に集まって、夜遅くまで運営計画を話し合う姿があったそうです。当時の館長さんが、何か慰労のための差し入れをあげようかと声をかけたら、「館長さん、そんなお金があるならば、本の一冊も買いましょう」と答えたそうです。立派な設備になるまでは、決して慰労会など催さないとみんなで申し合わせていた、その青年たちの姿に、館長さんは心密かに喜んで泣いたそうです。

 なんて純朴で、一途な若者たちなのでしょう。公民館という建物が大事ではないということです。その中で、お互いに盛り上がる自主的な運営こそが、公民館の生命なのです。そういう自主的で、自治的な、そして、学びに対して真摯な姿をもった若者たちが育っていた、この野木沢地区。ここで育つ子どもたちには、自分たちの大先輩方の姿を誇りに思い、自分たちも見習って、大きく成長してほしいと思いました。

219 道徳科授業参観に向けて

 道徳科の内容は、大きく4つの視点に分かれています。
  A 主として自分自身に関すること
  B 主として人との関わりに関すること
  C 主として集団や社会との関わりに関すること
  D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
   
 そして、それぞれの視点において、細かく内容項目が決められています。
  A 「善悪の判断、自律、自由と責任」「正直、誠実」「節度、節制」
    「個性の伸長」「希望と勇気、努力と強い意志」「真理の探究」
  B 「親切、思いやり」「感謝」「礼儀」「友情、信頼」「相互理解、寛容」
  C 「規則の尊重」「公正、公平、社会正義」「勤労、公共の精神」
    「家族愛、家庭生活の充実」「よりよい学校生活、集団生活の充実」
    「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」「国際理解、国際親善」
     D 「生命の尊さ」「自然愛護」「感動、畏敬の念」「よりよく生きる喜び」

 今回の授業参観で、各学年で行う道徳科の授業の題材名、内容項目は、次の通りです。

  1年 「わたしにできること」   C「勤労、公共の精神」
  2年 「おとうとのたんじょうび」  D「生命の尊さ」
  3年 「心の優先席」       C「規則の尊重」
  4年 「わたしのゆめ」      A「個性の伸長」
  5年 「手品師」         A「正直、誠実」
  6年 「チャットのつぶやき」   C「公正、公平、社会正義」

 1年生から5年生までは、光文書院の教科書を使い、6年生は福島県教育委員会作成の動画教材を使います。

 授業参観のポイントは、資料を通して、道徳的価値について、子どもたちが自分のこととして捉え、深く考えることができたかどうかです。それが、「考え、議論する道徳」です。

 価値項目や学年の発達段階に応じて、授業の展開もどのように工夫しているか、注目してください。登場人物の行動に「賛成」か「反対」か、自分の立場を明らかにして、その理由を話し合う授業。役割演技などを通して、登場人物の立場で気持ちを考える授業。情報モラルと関連して、身近な問題として、自分ならどうするか考える授業等、いろいろ参観できると思います。どうぞ、お楽しみに。

218 宿泊学習を終えて

「ぼくは、山登りに行って、足が痛くて大変でした。でも、5年生の人に励ましてもらって、とても助かりました。ぼくも来年、そういう5年生になりたいです。」

 これは、今回、宿泊学習に参加した4年生の人が、学校に帰ってきたときの帰校式で、感想発表で話したものです。今年の宿泊学習の全てが、この発表の中に込められていました。

 昨年度は、宿泊を伴う活動は出来ず、いわきの舟戸海岸で磯遊びを行い、石炭化石館ほるるの見学を行いました。しかし、今年は、那須甲子青少年自然の家も感染症対策を取りながら活動することが可能となり、十分気をつけながら、宿泊を伴う学習を行うことが出来ました。

 1日目は、まず、茶臼岳の登山を行いました。往復約4時間の登山でした。登山口に着いたときは、ちょっと霧雨も降っていて心配したのですが、その後、天候も回復し、参加者全員、山頂までたどり着くことができました。途中、休憩を挟みながら登りましたが、なかなかたどり着かないコースが延々と続くことに、子どもたちからはかなり参っている様子が見られました。それでも、お互いに励まし合い、支え合いながら、やっと山頂に着くと、みな、笑顔になり、ここまで自分の力で登りきった満足感や達成感を味わいました。

 自然の家に入所してからは、決められた時間で夕食を食べたり、お風呂に入ったりしました。他団体と混ざり合うこともほとんどなく、生活できました。夕食後は、外でキャンプファイヤーを行い、フォークダンスやゲームをして、みんなで楽しい時間を過ごしました。この時も、夜空には月や星が見られ、とても静かな森の中で、燃え上がる炎は、とても神々しい感じでした。その夜は、日中の登山とキャンプファイヤーの疲れからか、ほとんどの子どもたちが、消灯後、静かに寝息を立てていました。

 2日目は、朝食後、野外炊飯を行いました。メニューはカレーライスで、グループごとに、かまどでご飯を炊き、カレーを作りました。野菜や肉を上手に切ったり、かまどの火を起こしたり、みんなで分担して行いました。羽釜でご飯も炊きました。底に出来たお焦げも、香ばしくいただき、みな無事に、美味しいカレーを作ることが出来ました。片付けでは、食器やなべなど、ピカピカに洗って、きれいに片付けて、所員の方から、合格をいただきました。

 振り返ってみると、あっという間の2日間でした。しかし、この2日間で体験して学んだことは、たくさんあります。参加した子どもたちにとって、一生の思い出に残る、とても充実した宿泊学習でした。

 今回、いろいろと体験してきましたが、その中でも、とてもよかったと思ったのが、登山です。子どもたちは、登っている途中、つらそうにしている人がいると、みんなで声を掛け合い、荷物を持ってあげたり、手を引いてあげたりしていました。そうやって、全員が、山頂にたどり着きました。

 山登りは、山頂がゴールです。そのゴールを目指して、一歩ずつ登っていきます。この一歩は、ほんの少ししか前に進みません。それでも、一歩一歩登っていきます。そうやって、一歩ずつ進むことで、間違いなく、ゴールは近付きます。疲れたら休めばいい。そして、また、歩き始めればいい。そうする内に、ゴールは目の前になります。ゴールが見えてくると、また、頑張る力が湧いてきます。そうして、ついに、ゴールに到着するのです。山頂から、振り返ってみると、スタート地点がものすごく下に見えて、改めて、自分は、ここまで登ってきたんだなあと実感します。山頂に着いたとき、ここまで歩いてきたのは、紛れもなく自分の足です。周りの人から励まされ、支えてもらっても、歩き通したのは、自分の足なのです。それが事実です。

 山登りは、人生に例えられます。つらくて苦しい道のりも、一歩ずつ地道に歩んでいくことが大事です。急げば、転んだり、足をくじいたりして、大怪我をするかもしれません。ですから、慌てず、急がず、確実に一歩ずつ。そうやって、一歩ずつ努力していくことで、いつしか、目標にたどり着くのです。誰もが、あきらめずに、努力し続ければ、必ず、目標達成できるのです。そういうことを、登山は教えてくれます。

 今回、見事に山頂までたどり着いた4年生、5年生の子どもたちは、今後、どんなつらく苦しいことがあっても、きっと乗り越えていけるはずです。あの茶臼岳の山頂で万歳した自分を忘れずに、これからも、自分の目標に向かって、努力し続けてほしいと思います。

217 スポーツテストを実施して

 現在、学校で行っているスポーツテストは、文部科学省で行っている「新体力テスト」です。なぜ、「新」とついているのかというと、文科省のHPに、次のように説明がありました。

 文部科学省では、昭和39年以来、「体力・運動能力調査」を実施して、国民の体力・運動能力の現状を明らかにし、体育・スポーツ活動の指導と、行政上の基礎資料として広く活用しています。平成11年度の体力・運動能力調査から導入した「新体力テスト」は、国民の体位の変化、スポーツ医・科学の進歩、高齢化の進展等を踏まえ、これまでのテストを全面的に見直して、現状に合ったものとしました。(文科省HPより)

 体力テストは、平成11年度に改訂されているのです。平成11年度は、今から22年前になるので、当時の小学6年生だと現在34歳でしょうか。それ以前の方々は、前の体力テストを体験していることになります。私のかすかな記憶をたどると、「ジグザグドリブル」や「斜め懸垂腕屈伸」「垂直跳び」「背筋力」「上体そらし」、さらには「連続逆上がり」等もありました。そして、当時は、ソフトボールではなく、ドッジボール用のボールを投げていました。

 今年度の子どもたちの取り組みの様子を見て、やはり気になったのは、ボール投げです。今のボール投げは、ソフトボールの1号球を使用します。直径2mの円の中でボールを投げます。投球中や投げ終わった後、円から出ないように投げます。投球フォームは自由ですが、ソフトボールのピッチャーが投球するような下手投げはできるだけしないことになっています。ですから、どの子どもも直径2mの円の中で、ステップを踏んで、野球のピッチャーのような上手投げ(オーバースロー)で投げることになります。

 ここで、私が気になったのは、投げるフォームにかなり個人差が見られた点です。きれいなフォームで投げ、30m以上軽々と越えていくボールを投げる子どもがいます。一方、あきらかにボールを投げることをあまり経験していないと思える子どももいます。フォームもぎこちなく、ねらったところにボールがいかない場面も見られました。

 平均するとどのくらい投げられるのか?昨年度の結果を見てみたら、県・全国平均と比較しても、あれっ、思ったより、悪くない・・・という結果でした。でも、もう少し、ボールを投げる技術は高めたいと思いました。

 ボール投げで求められる能力は、投球能力。そのための2つの力は、運動を調整する能力の「巧緻性(こうちせい)」と、すばやく動き出す能力の「瞬発力」です。また、運動特性の項目では「力強さ」と「タイミングの良さ」が関係します。ボールを投げる際に使う力である投球能力は、多くのスポーツや日常生活でも重要な力です。投球能力を高め、力を入れるタイミングをつかむことができれば、ボールを速く投げられたり、遠くに飛ばせるようになったりします。

 そのためには、普段からボールを投げる動作になれていかなければなりません。休み時間、外遊びする子どもたちは多いのですが、ドッジボールなどのボールで遊ぶ子どもは、それ程いません。今の子どもたちには、もっとボールを使った遊びが必要なのかもしれません。

216 思いやり(続き)

 「思いやり」とは、相手の(     )に気付くこと。

 さて、みなさんは、(   )の中に、どんな言葉を入れるでしょうか。6年生に考えてもらったら、次のような考えが出ました。(書いてくれたものを、全て紹介します。重複あり)

・良いところと悪いところ ・悩んでいるところや困っているところ ・気持ち ・思っていること ・嫌なこと ・相手がいやだと思うこと ・気持ち ・思っていること ・気持ち(困り、悲しみ、嫌だ、つらい、どうしてほしいか、どうされたらうれしいか) ・相手がわからないことがあったら、教えてあげる ・気持ち ・思っていること ・思い、気持ち ・きらいなこと、してくれてうれしいこと、いやなこと ・気持ちや思っていること ・言葉 ・優しさ、親切、よさ ・思っていること ・気持ち ・気持ち、心、優しさ ・気持ち

 さすが、6年生です。相手の気持ちや思っていることに気付くことであるという考えが多く出ました。そして、その気持ちも、もっと具体的に、嫌なことやつらいこと、困りなどに気付くことだと挙げてます。さらに、相手の良いところ、よさ、優しさに気付くことも挙げられていました。やはり、最高学年になると、いろいろな見方や考え方ができるのですね。素晴らしいと思いました。

 この質問の正解はありません。間違いもありません。先程の6年生の考えは、どれも、その通りだと思います。似ているのですが、言葉として出ていなかった考えを紹介します。それは、

 「思いやり」とは、相手の(価値)に気付くこと。

 6年生の考えの中にも、良いところ、よさ等ありました。それを、もっと広げて考えると、それは、「相手の価値」ということになると思います。この世の中には、自分と同じ人はいません。誰もが、この地球上で、唯一無二の存在です。そして、一人一人、その人ならではの価値がある。まずは、お互いに、相手の価値に気付いて、その価値を認めることこそが、よりよく生きていくのに必要な事だと思うのです。価値を認めるというのは、その人の存在を尊重するということです。自分よりも下に見たり、差別したり、偏見を持ったりしないということです。みな、尊い命を頂いて、その人の人生を生きている。そこに、違いはないのです。違いを感じてはいけないのです。相手も、自分と同じ、人として、その人らしく生きている。自分の存在が大切なように、相手の存在も大切だということ。そのことに気付くこと。それが、「思いやり」だと思います。

215 思いやり

 学校は、子どもたちの学びの場。その学びには、道徳的価値に気付かせる学びもあります。それは、道徳の時間を核にして、教育活動全般において行われる学びです。当然、授業以外の休み時間や給食や掃除の時間なども含まれます。学校で過ごしている全ての時間において、子どもたちは、他の人とどう関わり、よりよく生きるにはどうしたよいかを学んでいます。

 時に、子どもたち同士のトラブルが起きます。トラブルは、起きない方がいいに決まっています。しかし、現実問題として、成長するために、そのトラブルを通して学ぶ事も、実際にあるのです。

 トラブルの原因は様々ですが、その原因を突き詰めていくと、共通して言えるのは、やはり、「相手の立場に立って考えられない」ことがほとんどです。自分のしたいことを、言いたいことを、よくよく考えずに、やったり言ったりすることで、結果的に、相手に嫌な思いをさせてしまう。自分が相手だったら、傷つくことを言われたり、嫌なことをされたりしたらどうなのか、ということを考えられないのです。時間が経って、後から考えれば、分かることも、その瞬間の沸き立つ気持ちを抑えきれない結果なのです。

 この「相手の立場に立つ」というのは、道徳的価値で言うと、「思いやり」です。小学校学習指導要領解説「道徳編」では、思いやりについて、次のように記されています。

 自分のことばかりを考えたり、自分の思いだけを主張したりしていては望ましい人間関係を構築することはできない。互いが相手に対して思いやりの心をもって接するようにすることが不可欠である。
 思いやりとは、相手の気持ちや立場を自分のことに置き換えて推し量り、相手に対してよかれと思う気持ちを相手に向けることである。そのためには、相手の存在を受け入れ、相手のよさを見いだそうとする姿勢が求められる。具体的には、相手の立場を考えたり相手の気持ちを想像したりすることを通して励ましや援助をすることである。また、単に手を差し伸べることではなく、時には相手のことを考えて温かく見守ることも親切な行為としての表れである。

 けがをした友達を見て、(痛そう)と感じたり、「大丈夫?」と声をかけたりするのは、思いやりです。しかし、弱者に対していたわる気持ちを持つだけが思いやりではないと思うのです。(続く)

214 ちょっといい話

 4校時が終了し、みな給食の準備をしているときのことです。3年生の給食当番が、調理室に自分たちの給食を取りに行きました。すると、配膳する数が、当番よりも多かったのでしょう。人手が足りなくなってしまいました。

 ちょうどその時、放送当番のために、5年生のKさんが、1階に降りてきました。そのKさんの姿を見つけた3年生たちは、Kさんに廊下の端から声をかけました。
 「Kさーん、ちょっと来てー」
 そう呼びかけられたKさんは、「俺?」と言いながら、3年生の方へ行きました。そうして、3年生の食器を一人で抱えたKさんが、3年生の当番たちと一緒に、教室まで運んであげたのでした。

 しばらくして、放送室に戻ってきたKさんに、声をかけました。
 「頼られるって、いいよねー」
 すると、ちょっとはにかんで、Kさんは、こくりとうなずきました。

 上級生を頼りにする下級生。そして、それに応える上級生。微笑ましくもあり、心がほっこりする瞬間に、立ち会いました。

213 全国学力・学習状況調査

 6年生が、国語科と算数科の問題に取り組みました。
 この調査は、学校における児童への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることを目的に行われています。ですから、6年生の実施ですが、どんな問題が出題されているのか、全職員で確認をします。そして、普段の学習指導において、どんなところに力を入れていくか、共通理解を図ります。

 さて、実際、どんな問題が出題されるのかというと、新聞等でも紹介されていますので、是非、さっと目を通してみてください。かつての一問一答の計算をしたり、漢字を書いたりという問題はありません。活用する力が問われていて、国語も算数も、日常生活の場面から問題が出されています。例えば、国語では、新5千円札のモデルの津田梅子さんに関する調べ学習からであったり、算数では、地域の昔のことを調べるコースから出題されていたりしています。

 また、一つの課題に対して、一つの解答で終わりという形式ではなく、一つの課題から次の課題へ、また、さらに次の課題へとつながって行きます。ですから、やはり重要なのは、そこで示されている課題を理解する読解力です。国語の問題の文字数を数えてみると、ざっと原稿用紙10枚を超える文章量はあります。さらに、文章だけでなく、資料と関連付けていたり、グラフから読み取ったりする等、様々なものから読み解く力も求められています。そして、たくさんの情報の中から、自分が必要な情報を取捨選択する力も求められます。

 課題に対して、どう捉えるかを考える時、その課題を自分事として受け止める課題意識が大事だと言います。そのためには、いつも課題を与えられる受け身ではなく、自分から進んで課題に向き合う主体性が大事になります。そして、自分なりの考えを持つことも大事です。

 本校の先生方で取り組んでいる研究は、まさに、この「自分の考えをもち、主体的に学びに向かう児童の育成」です。研究授業の様子については、今後もお伝えしていきたいと思います。

212 水泳学習について

 先日、プール開きをしました。プール清掃では、3年生から6年生の子どもたちが、きれいに掃除してくれたお陰で、今年も、きれいなプールで、水泳学習を行うことができます。厳密には、今、プールに入水中で、この後、水温が上がり、機械を回して、濾過装置が動いてからの使用になります。それでも、6月に入ったら、水泳学習がスタートします。条件がよければ、いつでも入れるように、プール開きを行いました。

 小学校の体育には、必ず、全学年、水泳学習が入っています。陸上で行う運動では、目標を持って、それぞれの運動をすることがねらいです。水泳学習でも、同じように目標を持って取り組みます。しかし、水泳学習だけ、陸上にはない、特別なねらいがあります。それは、水泳学習は「水の危険から身を守る運動」だということです。

 私たちは、陸上で生活するように身体ができています。ですから、魚のように、ずっと水の中で呼吸をして、活動することはできません。しかし、自分の命や身の回りの人の命を守るためには、水の中で安全に運動できるようになることは大切なことです。それが、水泳学習の大きなねらいです。

 水泳学習というと、泳げるようになることに注目しがちです。最終的には、そこまで目指しますが、まずは、泳げることよりも、浮くことが大事です。まずは、浮くこと。この浮くことこそ、水の危険から身を守る方法でもあります。昨年度、水泳学習の最後に、着衣泳を行いました。その時の合い言葉が、「浮いて待て」でした。もし、間違って水の中に落ちた時は、助けが来るまで「浮いて、待て」ということです。

 「浮く」。泳ぐよりも、浮くこと。ですから、水泳学習では、まず、水慣れしたら、いろいろな「浮き方」を練習します。伏し浮き、だるま浮き、クラゲ浮きなど、全身の力を抜いて、浮くことができるようにします。実は、この力を抜いて浮くことができれば、この後のけのびやバタ足などにつながり、結果、泳げるようになっていきます。そのために、まずは、「浮く」なのです。

 子どもたちの中には、水泳は苦手だからやりたくない、という子が見られます。しかし、見学ばかりでは、水の危険から身を守る方法は、身につきません。実際に、水に入って、自分の体で学ぶしかないのです。ですから、水泳学習は、できるだけ、見学せず、やるようになってほしいです。

 水泳学習では、できるだけ、一人一人の実態に合わせた練習をしていきます。ですから、子どもの苦手なところを、克服できるように練習しますので、お家でも、励ましてほしいと思います。また、今年度も、水泳学習は1学期で終了になります。天気がよい日は、できるだけプールに入るようになりますので、水着の準備は、毎日するようにお願いします。持ち帰ったら、すぐに洗って、干して、翌日、また持たせて下さい。御協力お願いします。

211 学級通信の発行に関するお知らせ

 改めて言うことではないのですが、この「LIVE」は、一応、「学校だより」という役割を担っております。一方、現在、各学年より保護者の皆様に向けて、「学級通信」が発行されております。この「LIVE」と「学級通信」の発行により、保護者の皆様へは、子どもたちの様子や保護者の皆様へのお知らせが成されています。

 改めて、これまでの発行状況を見ると、保護者の方々に対して、お伝えする情報が重複してしまうことがあり、場合によって、情報が合っておらず、再確認のお知らせが必要な事が、これまで度々起きていました。

 そこで、そのような状況にならないよう、この「学校だより」と「学級通信」の発行に関して、今後、以下のようにしていきますので、どうぞ御理解・御了承ください。

 ○これまで、各学年事にお知らせしていました「月行事予定」「下校時刻」については、一覧表にまとめたものを、この「学校だより」でのみ、お知らせします。

 ○コンクール等の入賞者や校内記録会の入賞者等の紹介も、「学校だより」に掲載します。

 ○各学年の「学級通信」では、引き続き、学級内の子どもたちの活動の様子や、学年として独自に連絡が必要な内容についてのみ、お知らせしていきます。

 ○「学級通信」の写真の掲載については、必要最低限として、活動の様子が分かる写真は、学校のホームページにて紹介していきます。

 ○「学級通信」の発行のタイミングは、学級の実態によって異なるため、不定期発行とさせていただきます。また、発行が必要なタイミングで発行するため、A4片面を原則とします。さらに、学年によっては、児童へ直接連絡することで、学級通信を発行しなくて済む場合もあります。そのため、学年によって、発行号数に差が生じますことを、御了承ください。

210 夜空を見上げてみませんか

 5月26日(水)の夜、珍しい天体ショーが見られます。それは、
「スーパームーンの皆既月食」です。

 皆既月食とは、満月に地球の影が重なって、月がすっかり隠れる現象ですが、この時の月が、地球から一番大きく見えるスーパームーンなのです。月食は午後7時前から始まって、皆既月食になるのは午後8時10分頃。約15分程見られるようです。観察する時は、大人の人とするようにお願いします。