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1. 215 思いやり

投稿日時: 2021/06/04 野木沢小-サイト管理者

 学校は、子どもたちの学びの場。その学びには、道徳的価値に気付かせる学びもあります。それは、道徳の時間を核にして、教育活動全般において行われる学びです。当然、授業以外の休み時間や給食や掃除の時間なども含まれます。学校で過ごしている全ての時間において、子どもたちは、他の人とどう関わり、よりよく生きるにはどうしたよいかを学んでいます。

 時に、子どもたち同士のトラブルが起きます。トラブルは、起きない方がいいに決まっています。しかし、現実問題として、成長するために、そのトラブルを通して学ぶ事も、実際にあるのです。

 トラブルの原因は様々ですが、その原因を突き詰めていくと、共通して言えるのは、やはり、「相手の立場に立って考えられない」ことがほとんどです。自分のしたいことを、言いたいことを、よくよく考えずに、やったり言ったりすることで、結果的に、相手に嫌な思いをさせてしまう。自分が相手だったら、傷つくことを言われたり、嫌なことをされたりしたらどうなのか、ということを考えられないのです。時間が経って、後から考えれば、分かることも、その瞬間の沸き立つ気持ちを抑えきれない結果なのです。

 この「相手の立場に立つ」というのは、道徳的価値で言うと、「思いやり」です。小学校学習指導要領解説「道徳編」では、思いやりについて、次のように記されています。

 自分のことばかりを考えたり、自分の思いだけを主張したりしていては望ましい人間関係を構築することはできない。互いが相手に対して思いやりの心をもって接するようにすることが不可欠である。
 思いやりとは、相手の気持ちや立場を自分のことに置き換えて推し量り、相手に対してよかれと思う気持ちを相手に向けることである。そのためには、相手の存在を受け入れ、相手のよさを見いだそうとする姿勢が求められる。具体的には、相手の立場を考えたり相手の気持ちを想像したりすることを通して励ましや援助をすることである。また、単に手を差し伸べることではなく、時には相手のことを考えて温かく見守ることも親切な行為としての表れである。

 けがをした友達を見て、(痛そう)と感じたり、「大丈夫?」と声をかけたりするのは、思いやりです。しかし、弱者に対していたわる気持ちを持つだけが思いやりではないと思うのです。(続く)