学校だより LIVE

1. 228 ママのスマホになりたい

投稿日時: 2021/07/06 野木沢小-サイト管理者

 過日の家庭教育学級の中で、紹介されていた絵本です。早速、手に入れて、読んでみました。

 主人公のぼくは、幼稚園に通うかんたろうくん。ある日、お家で、ママにブロックで作った車を見てもらおうとしたら、ママはスマホを見ていました。ママは、テレビのCMになると、スマホを見て、テレビが始まるとテレビを見て、赤ちゃん(弟?)が泣いたら赤ちゃんを見て、また、スマホ、テレビ、赤ちゃん、スマホ、テレビ・・・全然、ぼくを見てくれません。怒ったぼくは、段ボールで、自分の国を作りました。その国には、スマホもテレビも赤ちゃんも入れません。ママは、何も持たずに、その国に入って、ぼくを抱きしめました。
 次の日、ぼくが幼稚園に行くと、先生が「大人になったら、何になりたいですか?」と聞きました。「ぼくは、しょうぼうし」「わたしはおよめさん」・・・かんたろうくんは、「ママのスマホになりたい」と答えました。先生が、「なんでなりたいの?」と聞くと、かんたろうくんは、「ママがスマホばっかりみてるから、ぼくはスマホになりたい。ママがテレビばっかり見てるから、ぼくはテレビになりたい・・・でも、ホントのこというと、ぼくのまんまで、ママにみてほしい!」と言いました。「ママが見てくれないと、ぼくはいなくてもいいような気持ちになっちゃう」その時、ママがお迎えに来ました。ママは、「かんたろうの前で、スマホやテレビをみるのをやめる」と約束しました。「赤ちゃんのお世話は一緒にしてくれるかな」と言いました。そして、「ママはホントにかんたろうが大好きなのよ」と言って泣きました。かんたろうも「うん、うん」と言って、泣きました。

 どうですか。ご自分と重なることはありませんでしたか。この絵本の裏表紙に、こんなことが書かれていました。

しつもんタイム
 Q ママは、いちにちになんかいくらい、スマホをみますか?

 Q いきぬきも大切だけど、子どもは、すぐに大きくなっちゃうから注意を!
   さあ、いちにちにスマホをなんかいみることにしますか?

 ある時、こんな家族を見かけたことがあります。ファミリーレストランに、4人組の家族が入ってきました。注文を終えると、お父さん、お母さん、大きいお姉さんは、みんなスマホ。小さい弟さんは、ゲームをやり出しました。みんな、黙ってそれぞれの画面を見入っていました。料理が来るまで、会話は一切ありませんでした。今は、会食中は、会話は控えるようになっていますが、この御家族を見かけたのは、コロナ禍になるずっと前のことです。外出先だから、そうだったのでしょうか。それとも、お家の中でもそうなのでしょうか。

 二つ目の質問にある通り、子どもの成長は、あっという間です。親として、子どもに関われるのは、限られた期間だけです。乳児期、幼児期、学童期、それぞれの時期に、その時しかできない関わり方があると思います。その時期を逃してから、ああ、もっとこんなことしたかったと後悔しても、もう戻ることはできないのです。