学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

209 人間として生きていくために

 3年生の男の子が、職員室に、あるものを見せにきてくれました。それは、「卵から孵化したばかりのカマキリの子どもたち」でした。虫かごいっぱいに生まれてきた赤ちゃんカマキリ。すごいなあ、と言ったら、その男の子は「でも、この中で大人になるのは、ちょっとだけだよ」と教えてくれました。

 調べてみると、カマキリの卵は一つの塊の中に、約300個あるそうです。しかし、その中から成虫になれるのは、1~2匹。他の生き物についても調べてみると、海の生き物のマンボウは、一度に3億個の卵を産むそうです。しかし、やはり、その中から大人になるのは、1~2匹。

 原因は、カマキリもマンボウも、卵は自然の中に産みっぱなしのため。だから、生まれた赤ちゃんは、生まれたその時から、自力で生きていかなければならない。餌も自分で探さないといけないし、敵からも自分で逃げなければならない。でも、親は守ってくれないわけです。

 しかし、私たち人間は、違います。生まれたら、お家の人が、ちゃんと世話してくれる。だから、子どもたちは、みんな無事に大きくなれる。でも、いつも、いつまでもお家の人がそばにいるわけではありません。

 そこで、子どもたちは、学校で自分の命を自分で守るためにどうしたらよいかを学びます。交通教室や防犯教室、先日の避難訓練などを通して、車の事故に遭わないためにはどうするか、不審者にはどう気をつけたらよいか、そして、火事の時は、どう逃げるかを学ぶわけです。

 それだけではありません。子どもたちは、いずれは、親から離れて、みんな一人で生きていくのです。その時に必要なのは、周りの人とどういうふうに付き合ったら良いのかということ。これは、自力で生きていくために必要な学びです。世の中には、いろいろな人がいます。そういう自分の周りの人と、どうやって関わるか、どうやって助け合ったり、支え合ったりして、人間として生きていくか、これも学校の集団生活を通して、学ぶのです。

 先週、6年生の子どもたちは、「いしかわコネクション」で、石川小に行って、そこで、沢田小と石川小の6年生と交流しました。100人以上の他の学校の人たちを前にして、緊張したと思います。でも、来年は、その人たちと同じ中学校に入学するわけです。これは、6年生だけの話ではありません。みな、いずれは、他の学校の子どもたちと出会い、関係を築いていくわけです。だからこそ、今、この野木沢小で一緒に生活している中で、お互いのことを理解し合い、どう協力していくか、もし、もめた時は、どう解決しなければならないか、そういうことを学ばなければならないのだと思います。これも、大事な「命を守る」ことであり、「生きる力」なのだと思います。

208 「大洋デパート」火災から学ぶ

 今から、48年前、1973年(昭和48年)11月29日、13時15分、熊本県熊本市にあった百貨店「大洋(たいよう)デパート」で火災が発生しました。この火災事故で、死者104名、負傷者124名におよぶ被害を出て、日本の百貨店火災としては史上最悪の惨事になりました。そして、この火災事故がきっかけになり、建物の消防用設備の設置等が進むこととなりました。

 この大洋デパートは、当時、いろいろな悪条件が重なり、大惨事となったのですが、その一つに、火災が起きた時に、どう行動しなければならないか、その判断が人によってばらばらだったことが挙げられます。今なら、火災の時は、まず何よりも避難することが当然です。しかし、当時は、逃げることよりも、荷物を取りに戻ったり、レジの会計を締めに行ったりする人がいたそうです。また、火災が発生しているにも関わらず、消防署への通報を誰も行わず、館内放送で火災発生を知らせることもなったようです。さらに、本来、避難経路である階段が、倉庫のように荷物置き場になっていたり、非常時の脱出口になる窓が、展示物で塞がれていたりしたことで、多くの人が逃げることができませんでした。また、建物全体が改修工事中で、スプリンクラーも作動せず、初期消火用のホースからも十分な水も出なかったそうです。このような結果、104名も命が奪われる事故となりました。そして、このデパートでは、従業員の火災による避難訓練もきちんと行っていなかったということです。

 先日、本校でも避難訓練を行いました。地震から火災が発生したという想定で、避難しました。全体会で、消防署の方からお話がありました。その中で、大事なのは「まず、放送を聞くこと」という話がありました。現在は、建物火災が発生した場合、どんな場所でも、館内放送で「どこから出火したのか」「どこに避難するのか」について、放送が流れるそうです。それを、しっかりと聞くことで、安全に避難することができるということです。

 この「放送を聞く」ということは、言い換えると、「人の話を聞く」ということになります。避難訓練の時だけ、放送をきちんと聞くことはできません。そのためには、普段から、人の話を黙って聞くことができるようになっていなければなりません。授業中、先生や友達の話を、最後まで、黙って聞く。これは、全学年で取り組まなければならないと思いました。

 最後に、消防署の方から、保護者のみなさんへ、伝えてほしいことがありました。それは、「住宅用火災警報器」の設置についてです。現在は、全ての住宅で、人が住んでいる場合は、この「住宅用火災警報器」を設置しなければならないことになっています。また、設置されている場合は、電池が切れていないか、きちんと作動するか、確認してほしいとのことでした。尊い命を守るため、是非、御確認下さい。

207 運動会を終えて

 この原稿を書いている校庭の方から、子どもたちがプール清掃をしている声が聞こえてきます。運動会は終わりましたが、学校はもう次の活動へ移っているということです。

 さて、今年の運動会は、何より天気に恵まれました。昨年は、予定していた日を延期して、なお、朝から霧雨の中、保護者の皆様に校庭整地の御協力いただいて、何とかやれた運動会でした。ですので、今年は、ずっと天気に恵まれ、練習も計画通りでき、前日準備も万国旗まで張ることができました。当日も、強い日差しもなく、かといって寒くもなく、風もなく、もう運動するには最高のコンディションの中、実施することができました。たくさんの皆様に応援いただき、子どもたちは、すごく張り切って頑張りました。

 徒競走では、途中転倒してしまっても、すぐに起き上がり、駆け出す姿がありました。スタート早々、シューズの片方が脱げてしまっても、ひるむことなく、最後まで走りきる姿がありました。リレーのアンカーとして、ラスト一周、ずり下がってきたアンカーたすきが足に絡まり、転倒するも、最後までしっかりと走る姿がありました。他のチームとどんなに開いていようと、あきらめずに、必死にその差を縮めようと走る姿がありました。まだ、足の怪我が治りかけで、うまく走れなくても、みんなと同じように参加して、ゴールを目指す姿がありました。チャンスレースで、道具のひもが絡んでいても、最後までちゃんと競技する姿がありました。頑張る仲間に対して、テントの前に並んで、大声で声援を送る姿がありました。係の仕事に一生懸命取り組む姿がありました。野木沢の子どもたちの「素直さ」「健気さ」が至る所で感じられました。

 そして、閉会の言葉で、6年吉田琴葉さんが、この運動会を締めくくるあいさつを述べました。コロナ禍でも、予定どおり運動会がやれた喜び。勝ち負けだけでなく、全力で取り組むことの大切さ。そして、この運動会を支えてくれた方々への感謝。そういう思いがたくさん詰まった、素敵な運動会だったと、私も思いました。

 運動会は終わりましたが、教育活動はこれからも続きます。その中で、目標に向かって健気に頑張る子どもたちの姿を、これからも紹介していきたいと思います。どうぞ、これからも、御理解、御協力をよろしくお願い致します。最後に、運動会で頑張っている子どもたちの姿は、野木沢小ホームページに掲載してます。どうぞ、御覧ください。

206 限界突破 心を燃やして 花咲く勝利を(続き)

 だれにでも得意、不得意があります。走るのがあまり得意でない子どもにとっては、運動会の徒競走は、はっきり順番がつくので、あまり楽しみではないのかもしれません。でも、大事なのは、一生懸命に取り組むことです。たとえ、ビリになったとしても、最後まで本気・全力で、走りきること。苦手なことから逃げずにチャレンジする気持ちが大事。そして、そうやって頑張れている自分自身を、自分で多いに褒めてほしいと思います。当然、お家の方からも、頑張って取り組んでいる姿を、褒めてほしいと思います。

 運動会当日は、全員で、限界突破を目指し、周りの目を気にせず、自分の弱い心に負けず、やり遂げた満足感という喜びの花を見れるように、頑張ってほしいと思います。みんな、頑張れ!

  最後に、詩を二つ紹介します。一つは、昨年も紹介しました、阪田寛夫さんの「びりのきもち」という詩。もう一つは、谷川俊太郎さんの「かけっこ」という詩です。

  びりのきもち    坂田寛夫(さかた・ひろお)

 びりのきもちが わかるかな / みんなのせなかや 足のうら
 じぶんの鼻が みえだすと / びりのつらさが ビリビリビリ

 だからきらいだ うんどうかい / まけるのいやだよ くやしいよ
 おもたい足を 追いぬいて / びりのつらさが ビリビリビリ

  かけっこ   谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう)

 いっとうのあじが バナナなら / びりのあじは にんじんか
 ところでぼくは にんじんだいすき / なまでぼりぼり かじっちゃう

 いっとうのきもちが はれならば / びりのきもちは くもりぞら
 ところでぼくは くもりがだいすき / まぶしいとみえないものが よくみえる

 谷川さんの詩を読むと、びりでも平気、びりでも楽しんじゃえ、という、とても前向きな気持ちを感じます。そんな考え方もいいなあと思います。

205 限界突破 心を燃やして 花咲く勝利を

 これは、今年の運動会のスローガンです。考えたのは、6年生の二瓶大雅さんです。大雅さんに、このスローガンに込めた思いを聞いてみました。

 ぼくにとっては、最後の運動会になるので、自分の持つ力を限界をこえるまで出し切り、心に残る最高の運動会にしたいと思い、このスローガンを考えました。
 そして、応援団長として、みんなに花咲く勝利を届けます。

 とても強い思いがこのスローガンに込められていました。きっと同じ応援団長の草野大輝さんも、同じ思いでいることと思います。紅も白も、この熱い思いを持った応援団長の下、精一杯戦ってほしいです。

 私は、このスローガンを見て、ある一つのことを思いました。それは、「ルーの法則」です。
 「ルーの法則」とは、トレーニングの世界の法則で、簡単に言うと、「人の体は、適度に使っていることで発達し、使わないでいると衰える」というものです。当たり前のような気もしますね。しかし、この適度な運動で大事なのは、自分の持っている力をちょっとだけ超えるということです。自分の持っている力を100としましょう。トレーニングでは、この100を常に意識し、それを、ちょっとだけ越えるようにします。そうして、トレーニングし続ければ、もともとの100の力が、102の力になるということです。一方、もともと100の力があるのに、トレーニングで全力を出さずに、少し手を抜いたトレーニングを続ければ、100の力があった自分の体がちょっと衰え、98の力の体になってしまうのです。
 だから、大事なのは、常に全力で、自分の限界をちょっとだけ突破したトレーニングを続けることです。そういう姿勢が、大事なのです。

 結果は、あとからついてくるもの。それよりも大切なことは、常に、限界突破の本気全力で、持っている力を出し切ること。中途半端にやらないということです。終わってから、「ああ、ホントはもっとやれたのになあ」なんて言うのは、愚の骨頂で、自分を全く鍛えてはくれません。例え何着になろうとも、ゴールするまで、あきらめず、本気・全力を出して、ベストを尽くす。そういう姿勢こそが、自分を高めてくれるのです。(続く)

204 もし、感染者が出たら・・・

 石川町では、今のところ、感染状況は落ち着いているのですが、福島県内では、感染拡大地域が多数あり、十分注意していかなければならない現状です。

 そこで、もし、本校でも感染者が出た場合、どういう対応になるのか、保護者のみなさんに事前にお伝えしておきたいと思います。

 A学年の児童Bさんが、感染したと仮定します。

(1)Bさんのお家から、学校に連絡が入った時、学校から「保健所や病院で、どのような指示があったか」を確認します。
(2)学校から、教育委員会へ第一報の連絡を入れます。
(3)保健所から学校へ、濃厚接触者を特定するための問い合わせが入るので、必要な情報を保健所へ提供します。
(4)児童・先生方の健康状態を確認します。
(5)教育委員会、保健所と相談して、臨時休校の必要の有無、実施する範囲や期間等を決めます。(目安は1~7日間)
(6)臨時休校について、保護者へプリントやメールでお知らせします。

 この際、個人情報保護のため、感染した児童に関した情報(学年、個人名等)は、一切公表いたしませんので、学校や教育委員会への問い合わせは、ご遠慮ください。ただし、濃厚接触者に特定された児童のお家には、保健所より個別に連絡が入ります。

(7)臨時休校期間中は、外出を控え、自宅等で待機し、健康観察をお願いします。
(8)学校では、臨時休校期間中に、施設内の消毒作業を行います。
(9)感染したBさんは、病院の医師が登校を認めるまで、出席停止になります。
(10)濃厚接触者に特定された人は、感染者と接触した翌日から、14日間の出席停止になります。
(11)臨時休校期間が終われば、学校を再開します。
(12)出席停止期間が終われば、登校できます。

 およそ、このような対応になります。この中で、保護者のみなさんが一番気になるのは、やはり、どの学年の児童が感染したのか?ということだと思います。我が子の学年ではないのか?兄弟が同じ学年にいないのか?等、特に知りたいことだと思います。
 その気持ちはよく分かります。しかし、実際に感染した児童やその保護者の方の立場を考えると、それに関しては、公表することはできません。ですので、保健所からの濃厚接触の連絡が来なければ、お子さんは該当しないと判断していただくしかないわけです。
 ただ、前述したとおり、臨時休校期間が終わり、学校を再開した時に、感染児童・濃厚接触児童は登校できない状況になります。ですので、必然的に学年等は分かることになりますが、決して誰が感染者なのか等の詮索は控えてくださいますよう、お願い致します。

 どんなに感染対策をとっても、いつ、誰が、感染するか分からない状況です。その時、一番不安でつらい思いをするのは、間違いなく、本人であり、その御家族です。その気持ちを察して、みんなで、感染者の一日も早い回復を、温かい気持ちで願っていきたいと思います。

 もし、感染者が出たら、というお話でしたが、各家庭におきましても、もし、自分の家で感染者が出たら・・・、とシミュレーションしてほしいと思います。

203 福島県新型コロナウイルス緊急特別対策

 昨日は、お忙しい中、早朝よりPTA奉仕作業に御協力いただきまして、ありがとうございました。お陰様で、とてもすっきりとした、気持ちのよい環境で、学校生活を送ることができています。

 さて、奉仕作業の時にもお話ししましたが、5月8日(土)から5月31日(月)まで、福島県新型コロナウイルス緊急特別対策機期間になりました。
 県の感染症対策本部会議で、福島県内の感染状況が「ステージⅢ」と判断され、それを受け、学校の行動基準も「レベル2」となりました。期間中、県民の皆様へのお願いとしては、「県をまたいだ不要不急の往来を控えること。」「県内でも感染拡大地域への不要不急の往来を控えること。」「飲食は、感染防止対策を徹底すること。」です。

 学校においても、感染リスクの高い学習活動は、停止となります。今のところ、石川町での感染状況は落ち着いているため、今週15日(土)に予定している運動会は、感染対策をしっかりと取って、実施する方向でいますが、今後の状況によって、急遽変更することも考えられます。その場合、メール等でお知らせします。

 5月28日(金)に予定している6年生の修学旅行は、現在、会津若松で感染者が増加傾向であり、予定どおりの実施は困難と思われますので、延期とします。実施時期等については未定で、県内の感染状況を見ながら、今後、決定次第お知らせ致します。

 各家庭におかれましては、引き続き、感染対策をお願いします。特に、朝の検温、体調チェックで、発熱があったり、体調がすぐれなかったりした場合は、無理に登校せず、休養するようにしてください。また、本人は元気でも御家族に発熱等の症状がある場合も、お子さんを登校をさせないよう、お願いします。その場合、欠席ではなく、出席停止扱いとなります。 今後も、もし、御家族やお子さんが、下記のような場合には、学校(教頭)までお知らせください。(学校 0247-26-1624)

 ①発熱や咳など、風邪症状が続く場合
 ②PCR検査を受けることが必要か不要か判明した場合
 ③PCR検査結果が判明した場合
 ④濃厚接触者に特定された場合

202 ムシテックワールド

 先日、1年生、2年生、3年生の子どもたちが、見学学習でムシテックワールドに行きました。私も活動の様子を見に行きましたが、そこで懐かしい物を見つけました。

 それは、「うつくしま未来博」の資料でした。うつくしま未来博は、2001年の7月から9月までの3ヶ月間、この須賀川市の会場で行われた博覧会です。当時は、ここにたくさんの展示館が建てられ、多くの人たちが訪れました。福島県内の小中学校は、全ての学校が訪れたと思います。また、パスポートもあったため、仕事を終えてから、連日駆けつけた人もいたようです。私も、当時勤務していた学校の子どもたちと来ましたし、矢吹からも近いので、休みの日に2、3度訪れました。日中はすごく混んでいましたが、夕方は人混みもなく、静かに散策できたことを覚えています。また、展示館の中に、昔話の語りべのお話を聞ける民話茶屋があって、実はそこで、当時、会津で語りべをしていた私の母親も語りをしたことがありました。そうそう、あのキビタンは、この未来博のマスコットとして誕生しました。その資料を見ていたら、懐かしいことを次々に思い出しました。

 このムシテックワールドは、その時、「なんだろうのミュージアム ムシテックワールド」という名の展示館でした。そして、未来博が終わってからも、昆虫と科学をテーマにした科学館「ムシテックワールド」として、今も残っているのです。

 子どもたちは、サイエンスショーを見たり、やじろべえの工作をしたりして、科学の世界に触れた後、昆虫の展示物を見に行きました。ここでは、いろいろな昆虫の体のつくりや行動の不思議を体験できました。お昼のお弁当も、天気が良かったので、オープンデッキで食べました。この日は、野木沢小だけの貸し切り状態でしたので、ゆっくりと過ごすことができました。館の方にお話を聞いたところ、5月からは、連日、たくさんの予約が入っているとのこと。今のうちに行けて良かったなあと思いました。

 さて、学校が始まって一ヶ月。これまで、子どもたちは毎日、元気に学校生活を送ってきました。明日からの連休は、ちょっと疲れた身体と心のリフレッシュができればいいなあと思います。そして、連休明けには、また元気に登校してきてほしいです。なお、外出する際には、マスクを着用し、感染対策をしっかりとして、できるだけ密を避けて、お願いします。

201 鉄棒運動

 各学年の教育計画によりますと、4月・5月に「鉄棒を使った運動遊び」「鉄棒運動」が計画されています。それぞれの学年の発達段階で、取り組む種目などは変わってきますが、一つだけ言えることは、計画されている時間だけでは、なかなか鉄棒は上手にならない、ということです。鉄棒運動に配当されている時間は限られていて、他の運動もたくさんあるので、これ以上増やすことはできません。そこで、体育の授業以外の時間に、鉄棒を使って遊ぶことが求められます。しかし、実際は、休み時間に、鬼ごっこなどで遊ぶ姿はよく見かけますが、鉄棒で遊んでいる姿はあまり見かけません。子どもたちには、是非、休み時間に鉄棒で遊んでほしいと思っています。

 4/21の福島民報に、「逆上がりの成功のこつ」という記事が載っていました。「逆上がり」は、子どもにとっては、是非、できるようになりたい技の一つです。この記事の中では、逆上がりができるようになるためには、次の三つのポイントを挙げています。

 ① 蹴り上げる足の力  ② 引き付ける腕の力  ③ 後ろに回る感覚

 この三つの動きがうまく連動すると、逆上がりは成功するそうです。この中で、後ろに回る感覚を身につけるために、親子で向き合って、手をつなぎ、子どもが大人の体を駆け上がって、後ろにくるっと回る動きが紹介されています。これを読んだ時、私も娘が小さい時に、よくやっていたのを思い出しました。子どもは、逆さまになったり、回転したりする動きが大好きです。親がへとへとになるまで、「やってやって」とねだられていました。

 この記事を、下部に掲載してあります。ポイントとなる動きについて、動画で確認できるようになっていますので、是非、覗いてみてください。最初は、思うようにいかないかもしれませんが、あきらめずに取り組むことで、できるようになると思います。

 逆上がり成功のこつ.jpg

200 感染予防の注意点

 新型コロナウイルスのワクチン接種がいよいよ福島県でも開始しています。しかし、県内も全国的にも、感染者は増加傾向にあり、まだまだ予断は許さない状況に変わりはありません。

 先週は、授業参観、PTA総会、学級懇談会への御出席、ありがとうございました。

 総会の折にお話ししましたとおり、今年度も、感染症対策をとりながら、できる範囲で、教育活動を充実させていきたいと考えております。そんな矢先、心配なニュースが報道されました。それは、県内の他地区での学校におけるクラスター発生のニュースです。

 クラスターが起きた学校関係者の方々、保護者の方々や子どもたちは、さぞ不安で、大変な日々を送っていることと思います。まず、このことは対岸の火事ではなく、次は我が身として受け止めたいと思います。やはり、新型コロナウイルス感染は、いつ、だれに起きてもおかしくない状況だということです。

 しかし、考えてみると、一年前の昨年4月、あの頃は、新型コロナウイルスの正体もはっきりとつかめない不安の中の毎日でしたが、今は違います。そして、ゼロにはできない感染リスクを、どうすれば下げることができるか、その方法も今は明らかになっています。マスクの着用、手洗い、消毒、換気、そして、密を避けた行動。これらを、できる限り徹底して行うことで、感染予防に努めてきたのが、今までです。そして、実際、この感染対策をすることで、新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザウイルスも、かぜウイルスも、これまで、その時期になると、必ず多くの子どもたちが感染してきた感染症を、ほぼ予防することができてきたのです。これは、事実です。

 ですから、私たちがこれからも感染症対策として行うことは、今のところ、これまでと一緒です。それを続けることが、感染リスクをあげない、唯一の方法で、確かな方法だと考えます。

 ですが、やはり、人間は弱い生き物ですから、気が緩みます。実際、子どもたちの中にも、気がつくと、マスクを顎まで下ろして話している子が見られます。声をかけると、「あっ」と気付いて直しますが。もしかしたら、マスクのひもも緩くなっているようにも見えます。感染者が出た施設では、保健所が濃厚接触者を特定するのですが、その指標の一つに、「マスクなしで会話していなかったか」というものがあるようです。そういう意味でも、校舎内で生活する際は、しっかりとマスクをつけることを徹底したいと思います。

 それから、お家の方々に、再度、注意していただきたいことは、不特定多数の外部の人との接触についてです。学校内で、毎日、一緒に生活している子どもたちや先生方の中だけでは、感染者が発生するリスクはそれ程高くありません。これは、各家庭も同じで、一緒に生活している家族だけなら、そんなに心配はいりません。しかし、お家の方々は、職場でいろいろな人と接触されます。休日に遊びに行くことで、不特定多数の方と接触することもあります。そういう機会に、十分注意していただきたい。休日や連休の過ごし方も、できる限り、密になるような場所を避け、マスク着用、消毒、手洗いを行って、感染しないように、行動していただきたい。

 そして、新型コロナウイルスの特徴である、感染しても症状が出るまで潜伏期間があり、中には無症状の場合があるということに対しては、毎朝、検温をして、発熱がある、体調がすぐれない、本人は元気でも、御家族に風邪のような症状が見られる、という場合に、お子さんを登校させないという対応をお願いします。その場合、お子さんは欠席ではなく、出席停止となります。

 改めて言いますが、感染リスクはゼロにはできません。クラスターが発生した学校でも、これまでの感染対策を行ってきていたはずです。しかし、それでも、クラスターが発生した。それがなぜなのか、情報は入ってきません。だからこそ、今、やれることを、徹底して行うしかないと思います。今後も、引き続き、保護者の皆様の御理解、御協力をお願い致します。

199 今年の運動会

 令和3年度がスタートして一週間。4月も半ばになろうとしていますが、先生方の会議は、これまで3回も行われています。その中で、今年の学校行事の取り組み方なども話し合われています。
 その一つが、「運動会」です。
 今年の運動会は、今のところ、5月15日(土)に実施する予定です。期日は、コロナ前に戻るような形ですが、実施内容・方法は、基本、昨年度の内容・方法に準ずる形で行うことになります。理由は、感染状況等は、昨年度と変わっていないからです。ですから、内容は厳選し、子どもたちの種目のみとし、時間も午前中で終了するようになります。
 実際は、まだ一ヶ月も先なのですが、体育の授業等では、50メートル走やトラック走を行って、リレーの選手を選考したり、種目を考えたりと、運動会に向けて動き出しています。
 運動会は、体育的行事と言われます。その名の通り、普段の体育の授業の延長線上に運動会があることになります。ですから、体育の授業で、整列したり走ったりする活動が、全て運動会で披露する姿につながっているわけです。
 子どもたちの中には、運動会が楽しみという子がいます。毎年、入賞しているような子どもにとっては、楽しみで仕方ないと思います。しかし、子どもたちの中には、運動が苦手という子どももいます。そういう子どもにとっては、運動会やマラソン大会などは、あまり気持ちが乗らない行事になっているかもしれません。
 しかし、先程言いましたように、運動会もマラソン大会も、普段の授業の延長。体育の授業で取り組んできた成果を発表する場と考えます。だから、入賞することだけが運動会やマラソン大会の目的ではないということです。それよりも、一つ一つの運動に、自分がどれだけ本気・全力で取り組めたかが大事です。入賞は、あくまで結果でしかありません。
 ですから、保護者のみなさんにお願いしたいのは、子どもたちに「運動会で入賞すること」のプレッシャーをかけないでいただきたい。それよりも、最後まで本気・全力で取り組む、かっこいい姿を楽しみにしてほしいと思います。しかし、それでも、入賞できたら、うれしいものです。ですから、走るのが苦手な子どもも運がよければ入賞できるかもしれない、そんな「チャンス走」を、先生方には考えてもらいます。

198 思いやりの会

 新入生を迎える会が、6年生の企画運営で行われました。まず、新年度がスタートして一週間という、とても慌ただしいこの時期に、6年生の子どもたちは、会の準備をするのは、とても大変だったと思いました。でも、その6年生のお陰で、とても温かい、思いやりにあふれた会になりました。

 1年生の子どもたちは、7名。一方、2年生から6年生までは79名。1年生の子どもたちにとっては、ほとんど知らないお兄さん、お姉さんに囲まれて、きっととてもドキドキしていたことでしょう。それでも、会が始まり、1年生へのインタビューでは、名前や好きなことの発表を、自分で描いた絵を見せながら、全員がしっかりと行うことができました。あんなに大勢の前でお話をするのは、とても緊張して大変だったと思います。1年生の子どもたちは、みな頑張りました。

 その後、6年生とゲーム対決をしたり、みんなで○×クイズや、からだジャンケンをしたりして楽しみました。最後は、みんなで校歌を歌って、会は終わりました。

 会の中では、ゲームをして頑張っている人たちへ、大きな声援を送ったり、最後までジャンケンで勝ち残った人たちへ、大きな拍手を送ったりと、会場にいる子どもたちの優しさが至る所で見られました。また、ジャンケンに途中で負けてしまった1年生に対して、そっと寄り添って慰めている6年生の姿も見られました。

 校長の話の中で、子どもたちに「思いやり」について、次のような話しました。

 「思いやりとは、相手に優しく接する気持ちのことですが、他の言い方をすると、『相手の立場に立って考える』ことです。自分が、もし相手だったら、どんな気持ちになるか考えるということです。
 
 1年生は、初めての小学校の生活が始まったばかりで、まだ、よく分からないことだらけで、毎日が不安かもしれません。2年生のみなさんは、去年の自分を思い出してみてください。みなさんも、いろいろと不安があったでしょう。他のみなさんもそうだったかもしれません。今の1年生も同じです。
 
 ですから、2年生から6年生のみなさんが、1年生の立場になって、1年生の気持ちを考えて、1年生に接してくれたら、きっと、1年生のみなさんは、早く学校生活に慣れて、安心して楽しく過ごせると思います。」

 そんなお話でしたが、結果的には、そんなことは、子どもたちには言わずもがなでした。みんなで、1年生を温かく包み込むような、迎える会になりました。これで、1年生の子どもたちにとっては、学校が、また少し楽しいところになったのではないかなと思いました。

197 なぜ、学校に来るのでしょうか

 4月6日にスタートした令和3年度ですが、子どもたちは、毎日、当たり前のように学校に登校してきます。学校としては、それはとても有り難いことです。しかし、子どもたち自身は、おそらく、いろいろな思いで登校してくるのではないでしょうか。そう考えると、毎日、子どもたちを送り出していただき、保護者の皆様には感謝です。

 なぜ、子どもたちは、学校に来るのか考えてみました。小学校と中学校は、義務教育。義務だから、行かなければならない?実は、この義務教育は、憲法では次のように定められています。

 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。(日本国憲法第26条第2項)

 つまり、法律で言うところの義務教育の「義務」とは、子どもが行かなければならない義務ではなく、保護者に、自分の子どもに対して「教育を受けさせる義務」がある、というものです。

 では、子どもたち自身には、何かないのかというと、先程の日本国憲法第26条の第1項に次のような文言があるのです。

 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。

 また、「子どもの権利条約」にも同じようにあります。

  すべての子どもは、教育を受ける権利をもっています。国は、すべての子どもが小学校に行けるようにしなければなりません。さらに上の学校に進みたいときには、みんなにチャンスが与えられなければなりません。学校のきまりは、子どもの尊厳が守られるという考え方からはずれるものであってはなりません。

 「教育を受ける権利」があるから、子どもたちは学校に来るのでしょうか。そんな堅い理由ではなく、子どもたちが学校に来るのは、そこが行きたいところだからではないでしょうか。昨年、臨時休校が開けた時、やっと友達と会えることを楽しみにしていたという声を聞きました。

 学校に行けば、友達に会える。一緒に遊べる。そういう理由でいいのです。また、美味しい給食が食べられるでもいいのです。私たち教師としては、そこに、授業が楽しい、分からないことが分かってうれしい、できないことができてうれしい、自分のお話をみんなが聞いてくれてうれしい、みんなで考えて学習するのが楽しい、という理由が生まれてくれることを目指したいのです。

 子どもたちは、日々成長していきます。私たちは、そんな子どもたちの一人一人に向き合って、その成長を共に感じていきたいと思っています。

196 令和3年度スタート!

 令和3年度がスタートするにあたり、今日4月6日、全校児童86名、全員が登校できたのが最高にうれしい出来事でした。そして、7名のかわいい1年生も、元気に入学してきました。

 昨年度末、23名の卒業生が卒業していき、6名の先生方とお別れして、改めて分かったことがありました。それは、同じ子どもたち、そして、同じ先生方で学校の教育が営まれるのは、一年限りだということです。言ってしまえば、当たり前のことですが、そのことを再確認したのです。年度内は、目の前の子どもたちと向き合い、日々、子どもたちのことを話し合い、協力し合って過ごしている先生方。だから、どこかで、このままずっと、いつまでも一緒に働けると思っているのかもしれません。しかし、現実は、6年生は卒業して行きますし、先生方の何人かとはお別れしなければならないのです。その時になって、悲しくもあり、寂しくもあるのですが、考えてみれば、学校では、こういうことを毎年毎年、当然のように繰り返しているのです。

 だから、今年、巡り合って、この野木沢小で出会う子どもたちと保護者のみなさん、そして、このメンバーの先生方で共に同じ時間を共有し、共に過ごすことができるのは、今年一年だけなのです。だから、まずは、この出会いに感謝したいと思います。そして、折角出会うことができたのですから、これから共に過ごせる日々を、大切に過ごしていきたいと思います。

 そして、今年は、偶然にも、全ての学年において、担任の先生が新しく変わりました。昨年から継続の先生方も、持ち上がりはありませんでした。ですから、全ての学年において、明日から、新しい担任の先生と学級づくりが始まります。学級づくりは、担任の先生だけで行うものではなく、担任の先生と学級の子どもたちが協働で行うものです。是非、それぞれの学年で、自分たちらしい、素敵な学級を作っていってほしいと思います。

195 愛別離苦

 四字熟語に「四苦八苦する」というと言葉があります。意味は、状況がとても辛い、切羽詰まった様子を表します。実は、この「四苦八苦」という言葉は、もともと仏教の教えです。本来、四苦八苦とは、人が生きる上で避けては通れない「八つの苦」を表しています。
 まず、四苦とは「生老病死」の苦のことです。

「生苦」・・・人は生まれる場所、条件を選べません。
「老苦」・・・人は必ず歳を取り、老います。
「病苦」・・・そして病気にもなります。
「死苦」・・・やがて寿命がくれば、みな死に至ります。

この四つが人間の根源的な苦しみであると、教えています。そして八苦とは、この四苦にさらに次の四つを追加して八苦となります。

「愛別離苦(あいべつりく)」・・・大切な人や大好きな人であっても、いつかは離れなければならない苦しみ。
「怨憎会苦(おんぞうえく)」・・・逆に大嫌いな人、顔も見たくない人でも出会ってしまう苦しみ。
「求不得苦(ぐふとっく)」・・・求めるモノゴトが手に入らない苦しみ。
「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」・・・自分の心や、自分の身体すら思い通りにならない苦しみ。

 今回の離任式は、まさに「愛別離苦」です。今まで、大変お世話になった先生方と、まだ別れがたく、まだ一緒にいたいのに、お別れしなければならない苦しみ。考え方によっては、卒業式だって、「愛別離苦」と言えるでしょう。しかし、私たち人間は、この仏教の「四苦八苦」の教えの通り、みないずれ、いつかは、誰とも、別れなければならない運命にあります。別れを知らないまま、一生を終えることはできないのです。それは、変えることができません。だからこそ、出会った運命に感謝し、一緒に過ごせる日々を大切にして、そして、お別れの時に、出会ってくれたこと、一緒に過ごせたことに、感謝しなければならないのだと思います。そして、きちんとお別れすることで、一つの区切りをつけ、また、新たな出会いに向かうのだと思います。今回、お別れする方々も、また私たちと同じように、この別れを一つの区切りとして、4月から、新しい場所で、新しい出会いを迎え、また、そこで新たな生活をスタートさせるのです。
 「愛別離苦」。この苦しみを乗り越える度に、私たち人間は、また、一つ成長できるのだと思います。
 昨年度は、3月に感染症拡大防止のために、臨時休校措置をとり、また、集団での接触を避けるため、離任式等をやれなかった学校がたくさんありました。きちんとお別れする機会がなかったわけです。私自身、前任校は離任式が行えず、お世話になった子どもたちときちんとお別れすることができませんでした。そのことは、本当に残念でなりませんでした。そういう意味で、今年度は、離任式を行って、きちんとお別れすることができたことはよかったと思っています。

194 卒業式 校長贈ることば

 本日は、御来賓の方々の御臨席を賜り、また、保護者の皆様にも御出席いただきまして、令和2年度卒業証書授与式を挙行できましたこと、心よりうれしく思います。

 保護者の皆様、先程、お子様に卒業証書を授与致しました。お子様の証書を授与される姿を御覧になり、どのような御心境でしょうか。おそらく、6年前、小学校に入学し、その後、いろいろなことを経験し、成長していった日々を思い出され、感慨もひとしおのことと思います。その中で、保護者の皆様が、どんなに御苦労をされたか、お察し致します。しかし、どうぞ御覧ください。その御苦労も、全て吹き飛んでしまうように、お子様は、立派に成長されました。この姿を見れば、全て報われるのではないでしょうか。本日のお子様の御卒業、誠におめでとうございます。

 さて、令和2年度卒業生のみなさん。今、私が、お家の方に話したように、みなさんはこの6年間、いろいろなことで、お家の方々に、お世話になったことと思います。心配をかけたこともあったでしょう。泣かせたこともあったかもしれません。お家の方の言うことをきかず、言い合いになったことも。しかし、それもこれも、全ては、みなさんのため。みなさんを愛しているからです。だから、心配もしたし、余計なことと思われるようなことも言ってきたのです。みなさんは、それを素直に聞き入れましたか。素直に従いましたか。反発して文句を言い返したりしませんでしたか。

 今はどうですか。まさに今、卒業するにあたり、お家の方々が、これまで、どんな思いで、みなさんの成長を支えてきたか、感じられるのではないでしょうか。有り難いですね。みなさんがどんな状況になろうとも、最後の最後まで、いつでも、みなさんの味方になって、みなさんを支えてくれたんです。これは、いくら感謝しても、感謝しきれません。今日、家に帰ったら、その気持ちを、きちんとお家の方々に伝えてくださいね。お願いします。

 さて、改めて、令和2年度の卒業生のみなさん。自分が野木沢小学校を卒業するというのは、どんな気持ちなのでしょうか。いよいよ小学校を卒業するという喜びですか。それとも寂しさでしょうか。6年間という長い小学校生活がやっと終わりを迎えるという達成感ですか。それとも、4月から始まる新しい中学校生活への期待でしょうか、不安でしょうか。

 みなさんが、これまで過ごした6年間は、一人一人いろいろな思い出があることと思います。その思い出は、楽しかった、うれしかった思い出ばかりでないと思います。悲しかったこと、苦しかったこと、つらかったこと、そういう出来事もあったことでしょう。その時々の心の傷は、もう癒えているでしょうか。それとも、まだ、心の底の方で、喘いでいるのでしょうか。

 私たち人間は、弱い生き物です。ですから、知らず知らずに相手を傷つけ、自分を傷つけてしまうことがあります。そうして、傷つけられた心の傷は、目に見えないので、なかなか誰にも気付いてもらえない。

 しかし、どうかそのことを悲しまないでください。心の傷の痛みを知る人は、他の人の心を優しく労り、癒やすことができるからです。だから、もし、今だ心の傷が癒えていないとしても、この卒業を機に、苦しんだ気持ちを引きずらず、そういう気持ちにけりをつけて、ここからは新たな気持ちで歩んでほしいと思います。

 これから、みなさんが歩んでいく道は、決して楽な道ではないと思います。先の見えない不安の中、歩いて行くことにためらいを感じた時は、あの修学旅行を思い出してみてください。

 会津若松への修学旅行は、これまで前例がありませんでした。それでも、みなさんは、資料を集め、見学先を検討し、コースを決め、実行しました。当日、会津若松市内を散策しながら、想定外の出来事も、グループのみんなで解決して行きました。あの修学旅行を成功させることは、決して楽なことではなかったはずです。それでも、みなさんは、勇気を持ってチャレンジし、成し遂げることができました。それどころか、あの修学旅行を、心の底から楽しもうとしていました。そんなみなさんなのですから、これからも、何が起ころうと、しっかり向き合い、笑顔で乗り越えていけるはずです。

 私は願います。みなさんが、自分が主役の自分の人生を、自分らしく歩いていくことを。どういう人生が自分らしいのか、その答えは、簡単には見つからないかもしれません。しかし、人生二度なし。人生は一度きり。一回こっきりしかありません。ならば、その一度きりの人生を、どんなにつらかろうが、どんなに苦しかろうが、投げ出すことなく、生きてください。その中で、みなさんに、生きている喜びや楽しさが少しでも味わえる、そんな経験が訪れることを切に願っています。

 みなさんの人生に幸多かれ。

     令和3年3月23日    石川町立野木沢小学校長 佐藤康二

193 修了式 校長の話

 みなさん、今年一年間、大変よく頑張りました。

 1年生のみなさん、みなさんは、初めての小学校生活でしたが、先生の話をよく聞いて、お勉強を頑張りました。そして、何事も、とてもていねいに取り組むことができていました。ノートを書く時の姿勢は、とてもよく、書く文字はとても上手でした。来年は、一つお兄さん、お姉さんになります。頑張ってくださいね。

 2年生のみなさん、みなさんは、何にでもやる気満々でした。授業でも、自分の考えをよく発表して、友達の発表もよく聞いて、学習することができていました。自分たちで工夫して、学校生活を楽しんでいました。私の悩みにも相談にのってもらいました。来年は、1年生と2年生のお兄さん、お姉さんになります。下学年のリーダーです。頑張ってくださいね。

 3年生のみなさん、みなさんは、いつも、外を元気いっぱい、走り回っていました。学習でも、自分たちで教え合って、進めることができていましたね。朝のゴミ拾いも、3年生のお友達から広まりました。みなさんは、おそらく、野木沢小で最後の20人を越える学級だと思います。そのパワーで、来年も学校を盛り上げてくださいね。

 4年生のみなさん、みなさんは、自分たちでどうしたらよいか、考えて行動できていました。学習でも、生活でも、みんなでよく話し合って、よりよいものを目指していましたね。その姿勢は立派です。いよいよ来年は、高学年の仲間入りです。6年生を支えて、一緒に、野木沢小学校を作っていきます。頑張ってくださいね。

 5年生のみなさん、みなさんは、男女なかよく、どんなことも協力して、15名で取り組んできました。5年生のあいさつは立派です。その姿は、もう最上級生にふさわしいものです。いよいよ、みなさんが6年生として、野木沢小学校をひっぱっていく番が回ってきました。自分たちで考えて、自信を持って、どんどんチャレンジしてください。

 学校は、みなさんが、元気に過ごすと、その元気パワーがたまっていって、その元気パワーがたまっていくと、明るく楽しい学校になっていきます。今年は、みなさんのお陰で、野木沢小学校は、とても明るく楽しい学校になりました。ありがとうございました。来年も、みんなで、明るく楽しい学校にしていきましょう。よろしくお願いします。

192 なりたい職業

 ある保険会社が、「大人になったらなりたいもの」のアンケートを実施した結果が、ネットで紹介されていました。

小学生・男子
 1 会社員
 2 YouTuber/動画投稿者
 3 サッカー選手
 4 ゲーム制作
 5 野球選手
 6 鉄道の運転士
 7 警察官
 8 公務員
 9 料理人/シェフ
 10 ITエンジニア/プログラマー
 10 教師/教員
小学生・女子
 1 パティシエ
 2 教師/教員
 3 幼稚園の先生/保育士
 4 会社員
 5 漫画家
 6 料理人/シェフ
 6 看護師
 8 芸能人/アイドル
 9 公務員
 9 医師

  この結果を受けたコメントには、コロナ禍で在宅勤務が広がったことで、子どもたちの中にも「会社員」という職業が身近になったこと、「会社員」以外の職業については、自分の好きなものを将来につなげようとしている傾向が見られること、そして、女子には、資格を得て働く職業が多いことなどのポイントが挙げられていました。

 「こども手に職図鑑」という本があります。そこには、将来、人工知能(AI)に取って代わられない仕事が100載っています。AIは、今後ますます、私たちの生活の中に入り込み、それまで人間が行っていたことを、代わりに行うようになるでしょう。上表の職業の中では、鉄道の運転士などは、将来なくなる確率が高いと言われています。しかし、万能と思われるAIには、どうしてもできないことがあります。それは、人間のような「したい」ことの最終判断をしたり手先や体を使ったりする仕事です。この図鑑では、「ものづくりの仕事」「医療・福祉の仕事」「人ともてなしに関わる仕事」「自然に関わる仕事」そして、「科学・テクノロジーの仕事」などが紹介されています。

 その中に、「ユーチューバー」の職業について、紹介されていました。ちょうど詳しく知りたいと思っていたので、じっくり読んでみました。そこには、暮らし系ユーチューバーのOさんの仕事ぶりについて、紹介されていました。Oさんは、大学を卒業後、デザイン系の専門学校に入学し、アルバイトで動画を作ったのが、ユーチューバーになるきっかけだったようです。ユーチューバーの収入源は、広告です。人気が出てくると、多くのフォロワーがフォロー(応援)してくれます。フォロワーが1000人を超え、動画の再生時間が4000時間を越えると、審査があって、審査を通ると、初めて動画にCMがつけられるのだそうです。そのCMが流れることで、お金がもらえるという仕組みです。しかし、どんな広告を入れるかは選べず、広告が多すぎると、視聴者がつまらなく感じるので、そのバランスが重要だそうです。
 小学生男子の2番人気の職業ですが、実際は、仕事として生活していけるまで、なかなか大変そうだなあと思いました。Oさんも、次のように言ってます。「ユーチューバーとして人気が出るには、時間がかかるので、根気強く動画を配信し続けることが大事。長く続けることで、流行に乗って、一気に活躍するチャンスに巡り合うかもしれない。最後は、自分を信じて、あきらめずに、チャレンジすることです。」なるほど、「自分を信じて、あきらめず、チャレンジする」。これは、仕事全般に共通することかもしれません。

191 R2卒業式予行 贈る言葉

 本日は、御来賓の方々の御臨席を賜り、また、保護者の皆様にも御参加いただき、令和2年度卒業証書授与式を挙行できましたこと、心よりうれしく思います。

 この後、卒業式当日は、卒業生のみなさんや保護者のみなさんに贈る言葉を述べます。

 本日は、予行ですので、違うお話をします。

 6年生のみなさんは、入学してから卒業までの6年間で、何日学校に来たことになるのか、調べてみました。

 そうしたら、合計で1,199日になるようです。

 年間約200日、その×6倍、学校に通ったことになります。

 そのおよそ1,200日間、学校に来て、授業を受け、休み時間に遊び、給食を食べ、掃除をして、過ごしてきました。

 その間、いろいろなことがあったと思います。その全てを覚えてはいないと思います。

 しかし、その約1,200日間、学校で過ごした日々を通して、みなさんは、成長してきたわけです。

 できなかったこともできるようになりました。分からなかったことも分かるようになりました。

 それらは、一日一日の積み重ねの結果です。

 当たり前のように、特別なことなどないような、そんな普通の一日の学校生活が、1200回繰り返されて、今のみなさんが育ったのです。

 幼稚園や保育所を出て、小学校生活を何も知らずにいた子どもが、1200日学校に通うと、みなさんのように成長するのです。

 これは、すごいことです。

 みなさん、頑張りましたね。大変だったでしょう。

 いろいろな人に支えられたと思いますが、一番は、みなさん自身が頑張った結果なんです。

 そんなすごい成長を遂げたみなさんなのですから、どうか、胸張って、堂々としてください。

 残りわずかですが、最後まで、よろしくお願いします。


 令和3年3月23日

                     石川町立野木沢小学校長 佐藤康二

190 6年生を送る会を終えて

 とてもほのぼのとして、あったかい会でした。

 まず、会場の体育館の壁はかわいく飾り付けられ、フロアーの中央に、きれいに飾り付けられた平均台が置いてありました。あれは何かな、と思っていたら、入場してきた6年生が一人ずつ紹介され、その平均台を渡って、最後はクラッカーと拍手で迎えられたのでした。
 会が始まると、5年生の実行委員長のしっかりとしたあいさつがありました。今回の会は、準備から運営まで、5年生が担当でした。15名の5年生全員で取り組んできました。
 会はその後、1年生から4年生が、6年生へ出し物をしました。一緒に玉入れをしたり、自分たちで考えたクイズを出したり、ダンスをしたりと、バラエティーにとんだ、盛りだくさんの内容でした。6年生は、それぞれの出し物に楽しそうに参加していました。
 出し物の後は、プレゼントの贈呈。まず、5年生から、下級生みんなの寄せ書きの色紙が、6年生に送られました。そこには、思いのこもったメッセージが書かれていて、受け取った6年生は、みな書かれているコメントにじっと見入っていました。その後、6年生からのプレゼントとして、ミシンで縫った手作りの雑巾と、リコーダーの演奏がありました。きれいな音色に、今度は下級生たちが、じっと聞き入っていました。
 この後、鼓笛の引継ぎがありました。まず、6年生も入った編制で、最後の演奏がありました。その後、新しい主指揮へ指揮棒の移杖がされ、新しい鼓笛隊へ楽器の引継ぎがされました。そして、3年生から5年生の新しい編制で演奏を行いました。6年生には、その演奏をステージの上から聞いてもらいました。会はこれで終了し、最後は、1年生と2年生が作る花のアーチを通り抜け、6年生は退場しました。

 前号で書きましたが、学校はそもそも異年齢集団です。ですから、この前のオリエンテーリングやこの送る会のように、いろいろな学年の子どもたちが、ふれ合って、一緒に楽しい時間を共有することは、学校という環境において、意義ある活動なのだと思います。6年生が、今年1年間、最上級生として、学校のため、下級生のために頑張ってきたことを、下級生たちは知っています。6年生がお世話してくれたお陰で、自分たちは学校生活を送れていることを、下級生たちはみな感じています。そういう下級生からの感謝の思いを、6年生たちはしっかりと受け止めていた、そんな素敵な会でした。

 今回、会終了後にはサプライズがありました。なんと、下級生の各教室の黒板に、6年生からのありがとうのメッセージが書かれていたのです。

 今回、5年生の子どもたちは、下級生の代表として、6年生への思いを形にしようと、この会を準備し、運営していたと思います。これは、6年生への恩返しです。そして、その恩は、来年、今度は自分たちが6年生として1年間、学校のため、下級生のために頑張っていくことで、3月にまた自分たちに返ってくるのです。そうやって、学校は、順繰り順繰り、思いを受け継いでいくのです。