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1. 208 「大洋デパート」火災から学ぶ

投稿日時: 2021/05/26 野木沢小-サイト管理者

 今から、48年前、1973年(昭和48年)11月29日、13時15分、熊本県熊本市にあった百貨店「大洋(たいよう)デパート」で火災が発生しました。この火災事故で、死者104名、負傷者124名におよぶ被害を出て、日本の百貨店火災としては史上最悪の惨事になりました。そして、この火災事故がきっかけになり、建物の消防用設備の設置等が進むこととなりました。

 この大洋デパートは、当時、いろいろな悪条件が重なり、大惨事となったのですが、その一つに、火災が起きた時に、どう行動しなければならないか、その判断が人によってばらばらだったことが挙げられます。今なら、火災の時は、まず何よりも避難することが当然です。しかし、当時は、逃げることよりも、荷物を取りに戻ったり、レジの会計を締めに行ったりする人がいたそうです。また、火災が発生しているにも関わらず、消防署への通報を誰も行わず、館内放送で火災発生を知らせることもなったようです。さらに、本来、避難経路である階段が、倉庫のように荷物置き場になっていたり、非常時の脱出口になる窓が、展示物で塞がれていたりしたことで、多くの人が逃げることができませんでした。また、建物全体が改修工事中で、スプリンクラーも作動せず、初期消火用のホースからも十分な水も出なかったそうです。このような結果、104名も命が奪われる事故となりました。そして、このデパートでは、従業員の火災による避難訓練もきちんと行っていなかったということです。

 先日、本校でも避難訓練を行いました。地震から火災が発生したという想定で、避難しました。全体会で、消防署の方からお話がありました。その中で、大事なのは「まず、放送を聞くこと」という話がありました。現在は、建物火災が発生した場合、どんな場所でも、館内放送で「どこから出火したのか」「どこに避難するのか」について、放送が流れるそうです。それを、しっかりと聞くことで、安全に避難することができるということです。

 この「放送を聞く」ということは、言い換えると、「人の話を聞く」ということになります。避難訓練の時だけ、放送をきちんと聞くことはできません。そのためには、普段から、人の話を黙って聞くことができるようになっていなければなりません。授業中、先生や友達の話を、最後まで、黙って聞く。これは、全学年で取り組まなければならないと思いました。

 最後に、消防署の方から、保護者のみなさんへ、伝えてほしいことがありました。それは、「住宅用火災警報器」の設置についてです。現在は、全ての住宅で、人が住んでいる場合は、この「住宅用火災警報器」を設置しなければならないことになっています。また、設置されている場合は、電池が切れていないか、きちんと作動するか、確認してほしいとのことでした。尊い命を守るため、是非、御確認下さい。