学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

189 校内オリエンテーリングを終えて

 一言で言うと、とても有意義な活動になりました。縦割り班は異学年集団なので、いろいろな学年の子が一緒になって、各教室を回って遊びました。その中で、高学年の子が、下学年の子のことを気にかけながら、声をかけたり、手助けしたりしながら活動する姿が見られました。

 そもそも、小学校という集団は、1年生から6年生までの異学年集団です。しかし、普段の学校生活は、学級単位が基本なので、同じ学年の子ども同士の活動がメインです。その中で、学級内の人間関係を通して、人との関わりや集団生活のきまりなどを学びます。しかし、そこで学べるのは、同じ年齢の子ども同士ですから、同年齢としての関わりです。想像してみると分かると思いますが、子どもは同年齢同士だと、相手に対して、遠慮はなくなります。同年齢ですから当然です。大人の社会でも、同じ年齢だと分かると、急に「ため口」になったりしますから。(余談ですが、同年齢を表す“ため”とは、サイコロのぞろ目のことだそうです。)子どもは同じ年齢同士なら、やはり、相手に負けたくないという競争心が芽生えるのだと思います。それが普通です。だから、何か競争するものだと、むきになって取り組みます。学年が下がれば下がるほど、その傾向は強いと感じます。それは、負けたくないから。だから、遠慮がなくなるのです。それでも、のべつ幕なしにぶつかり合っているかというと、そんなことはなく、ちゃんと、協力して活動することはできるんです。

 道徳には、現在、22個の価値項目があります。その中に、「相互理解、寛容」というものがあります。私たちが社会を生きていく上で、とても大事な価値項目です。この「相互理解、寛容」について、それぞれの学年で、道徳の時間に次のような内容を養っていくことになっています。

 5年生・6年生
 「自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を尊重すること」

 3年生・4年生
 「自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、相手のことを理解し、自分と異なる意見も大切にすること」

 人は、そもそも、性格も考え方も違うので、そのことを理解し、尊重することは大事だということです。しかし、ご覧のように、この「相互理解、寛容」については、1年生と2年生では触れていません。3年生になってから、道徳の時間に初めて価値に触れることになっています。なぜ、1年生と2年生では、このことに触れないのでしょうか。それは、発達段階において、この道徳的価値を認識できる能力や指導の適時性に関係があります。前述しましたように、低学年の段階では、まだ、競争心が全面に出がちで、遠慮がありません。それは、同年齢同士として、当然の見方・考え方です。だから、相手を理解し、自分との違いを受け入れるのは、発達段階的に少し難しいということです。

 話をオリエンテーリングに戻しましょう。本来、学校は、異年齢集団という環境なのですから、その異年齢集団のふれ合いが、もっとあってもいいわけです。その中で、子どもたちが学ぶことは、とても多いのだと思います。実際、今回の活動の中でも、上級生は下級生の面倒を見て、下級生は上級生の言うことを聞いて、みんなで楽しく過ごすことができました。わずか1時間あまりの活動でしたが、十分ねらいを達成できていました。こういう活動を限られた時間で行えるのも、野木沢ならではだと改めて思いました。

 最後に、当日の閉会式で、各ゲームのチャンピオンのグループを紹介しましたが、ここでは、個人の成績で、チャンピオンの人を紹介します。

 ストップウォッチ10秒チャレンジ 10”01  1年 永井丈嗣さん
 サイコロチャレンジ 3つのサイコロ全部が「1」 4年 石 大和さん
 ペットボトルキャップつかみ 1回で22個つかんだ 6年 佐藤煌大さん
 ペットボトルボーリング 7本倒した 5年 草野大輝さん、6年 草野雄成さん
 フリスビー投げ 2回投げて100点獲得 3年 佐藤妃莉さん、石井斗真さん、佐藤 歩さん
 けん玉チャレンジ 3回皿乗せ成功したみなさんも、おめでとうございました。

188 東日本大震災の日

 10年前の今日、東日本大震災が起きました。連日、テレビや新聞等の報道でも、震災関係のいろいろな番組や記事を目にします。今日は、学校でも、震災に関連した集会をリモートで実施しました。校長から「地震の話」と題して、次のようなお話をしました。

「この日本という国は、世界的に見て、非常に地震が多い『地震大国』です。小さいものでは、年間1000~2000回の地震が起きています。世界中で発生している地震の内、M6以上の地震の約20%は、日本で発生しています。地震が起きると、建物が倒れたり、火災が起きたり、津波が起きたりします。そして、多くの被害を受けます。日本では、これまでに、何度も『大震災』とよばれる大規模な地震が起こっています。
 まず、1923年の関東大震災。M7.9の地震が関東地方を襲いました。発生時刻が午前11時58分で、ちょうど昼食の時間帯であったため、火災が発生し、強風がさらに被害を大きくしました。およそ10万人という犠牲者の多くは、火災による焼死でした。
 次は、1995年の阪神・淡路大震災。M7.3の地震が、関西地方を襲いました。発生時刻が午前5時46分。まだ、多くの人が就寝中の出来事で、犠牲者約6400人の多くは、建物の倒壊が原因でした。
 三つ目は、2011年3月11日の東日本大震災です。午後2時46分、M9.0、震度7という、これまでで最大規模の地震が、岩手・宮城・福島を襲いました。高さ約9mの大津波が海岸地帯に襲いかかり、約2万2千人という犠牲者を出しました。大変な被害が出ました。
 これだけの大きな地震に襲われ、その度に、大きな被害を受けてきた日本ですが、震災後は、確実に復興してきました。10年前の東日本大震災も同じです。
 まとめると、日本は地震大国。だからこそ、日頃から地震に備えておくことが大事。もし、地震が起きたら、落ち着いて、命を守る行動をとること。火を使っていたら止める。建物の中にいたら、外に避難する。そして、海辺にいたら、できるだけ高いところへ避難する。そして、どんな被害があろうとも、必ず復興できます。だから、『希望』を持つこと。そして、支えてくれる方々へ『感謝』の気持ちを忘れないことが大事です。
 最後に、東日本大震災では、津波の後、原子力発電所の事故も起こり、今なお、故郷に帰れず、避難生活をしている人たちがいます。また、放射線による風評被害も今だなくなっていません。そういう意味では、まだまだ地震の傷跡は癒えていないのです。そのことは、知っておいてください。」

187 校内オリエンテーリングを楽しもう!

 今年度も、残り12日間となりました。町の感染症対策期間も、今のところ7日(日)で解除されます。学校も年度末に向けて、ラストスパートです。それを受けて、全校生で行う思い出づくりの一環で、来週9日(火)に「校内オリエンテーリング」を実施します。実は、2月に実施予定だったのですが、延期されていた取り組みでした。

 今年お世話になった縦割り班のみんなで、楽しい思い出を作ろうというものです。校舎内の各教室を回って、そこで、みんなでゲームをして楽しみます。どんなゲームをするのか、紹介します。

・10秒チャレンジ・・・ストップウォッチを見ないで、10秒で止める。
・ペットボトルボーリング・・・ペットボトルのピンを何本倒せるか。
・けん玉チャレンジ・・・3回チャレンジで、皿に何回乗せられるか。
・さいころチャレンジ・・・3個のさいころを投げて、「1」を何個出せるか。
・ペットボトルキャップキャッチ・・・キャップつかみ取りで何個つかめるか。
・しりとり・・・30秒の間に、しりとりをいくつつなげられるか。
・フリスビーストラックアウト・・・ロッカーの得点めがけて、ディスク投げ。
・連想ゲーム・・・お題の「~と言えば」で連想する言葉はいくつそろうか。

 ゲームの内容によって、個人で競ったり団体で競ったりします。グループみんなで協力して行うものもあるので、きっと楽しく取り組めそうです。各ゲームは、先生方が担当して行います。本校の縦割り班は16班あるので、一カ所の教室に、2班ぐらいずつ回ることになります。多少、時間差でずれたとしても、校舎内にある程度分散するので、蜜は避けられそうです。活動時間内に、全部回れなくても終了となります。空いているところを探しながら、うまく回ってほしいです。最後は、体育館に集まって、グループごとの写真撮影と成績発表です。各ゲームのチャンピオンを発表します。自分の名前や班の名前が呼ばれるか、どきどきすることでしょう。

 楽しいイベントになりそうです。この土日、体調を整えて、当日、元気に参加できるようにしてほしいです。

186 6年生からの引継ぎ

 今まで、毎朝6年生が取り組んできた朝のボランティア清掃活動を、5年生が引き継ぎました。先日から各清掃場所で、6年生から掃除の範囲ややり方を教えてもらっています。これまで登校してきて、自分の時間として過ごしていた5年生にとっては、これは大きな変化です。しかし、これこそが、4月から最上級生になるという意味を表しています。それは、最上級生になるということは、自分のことだけでなく、学校のことや下級生のことを考えて行動しなければならないということです。もしかしたら、そういう時間や行動の制限に、不自由さを感じる人がいるかもしれません。しかし、その制限や不自由さも丸ごと含めて、それが「6年生という立場」なのだと思います。そして、それは、これまでの多くの先輩方が、みな経験してきたことなのです。だから、5年生の子どもたちには、「やっと自分たちの番が来たのだ」と、前向きに受け止めてほしいと思っています。
 5年生の子どもたちは、指定された時間になる前から、担当場所に行って、6年生に教わりながら、頑張って取り組んでいます。その様子を見ると、来年の野木沢小学校は、新しい6年生を中心に、また大きく進んでいけると感じます。きっとそういう5年生の姿を見て、6年生の子どもたちは、安心して卒業していけると思います。

185 真・善・美を求めよ

 かつて勤務したある学校の会議室に、この「真 善 美を求めよ」と書かれた額が掲げられていました。
 「真」とは、本物のことです。嘘偽りのない、正直な心のことです。人間は弱い生き物ですから、時にごまかしたり、嘘をついてしまったりすることがあります。しかし、それでも、ごまかさず、嘘をつかず、自分に正直に行動したいと思います。
 「善」とは、正しいことです。自分でそうすることが正しいと判断した行動のことです。人間は弱い生き物ですから、周りの目を気にして、自分では正しいこと、善いことだと思っていても、そうすることができないことがあります。しかし、それでも、自分で正しいこと、善いことだと思ったら、迷わず、行動に移したいと思います。
 そして、「美」とは、美しいことです。それは、見た目の美しさというよりも、内面の美しさ、心の美しさのことです。人間は弱い生き物ですから、自分が他の人からどう見られているか、見た目を気にしがちで、大事な内面の心の美しさを磨くことを忘れがちです。それは、心の美しさは、目に見えないと思っているからです。しかし、実際は、その人の心の美しさは、言葉遣いや行動、仕草など、目に見える形で現れるものなのです。

 先日、ある保護者の方から、次のような連絡が担任を通して届きました。(個人名等、一部修正してます。)

 2月の事ですが、子どもの迎えに行って、車の中で待っていたら、ある子どもが、数人のお友達と帰る途中、汚れたゴミを拾って、両手いっぱいの量を持ち帰っていました。「ゴミを捨てない」事は出来ても、「拾う」という事は大人でもなかなか出来る事ではないので、感心しました。

 まず、こんな素敵な御連絡をいただけたことに感謝です。そして、私も、この方のおっしゃることに同感です。きっと、私には、この子どものような行動は無理だと思いました。そして、そういうことをやれる子どもがいることが、とてもうれしく思いました。実は、以前、LIVEでゴミを拾って登校する子どもを紹介した後、同じように、ゴミを拾って登校する子どもたちが、何人も出て来ていました。

 「ゴミが落ちていたら拾う」という行為は、まさに「善」です。そして、そうすることは「真」であり、そういう行動ができる人の心は「美」そのものです。この「真・善・美」を実際に、体現している子どもたち。なんて素直で、素敵な子どもたちなのでしょう。そんな子どもたちの通う学校で勤務できることに幸せを感じます。そして、こんな子どもたちに負けないよう、自分ももっと努力しなければと改めて思いました。

184 なわとび記録会を終えて

 今年のなわとび記録会は、最終的に、1年と6年、2年と5年、3年と4年の兄弟学年ごとに、実施することになりました。石川町が感染拡大防止対策の期間中ということもあり、密を避けての実施となりました。本来なら、全校生で、それぞれのこれまでの頑張りの成果を見合うという、大切な機会だったわけですが、こればかりは仕方ありません。

 記録会では、個人種目と長縄跳びを実施しました。個人種目は、持久跳びと挑戦種目があります。持久跳びは、1年生が1分間、2年生が2分間、3年生以上が3分間になります。やってみるとわかりますが、1分間でさえ、跳び続けることは大変難しいです。しかし、子どもたちは、練習期間中も、規定の時間跳び続けられるよう、合格目指して取り組んできました。本番で、引っかかってしまう児童はみられましたが、それでも、みな集中して、合格目指して跳んでいました。

 挑戦種目は、自分で選択できる種目と共通の種目があり、共通しているのが「前二重跳び」です。今回、この前二重跳びで、二つの新記録が出ました。一つは、1年の紀陸文平さんの出した115回、もう一つが、6年の宇佐美皓大さんの出した298回です。両方とも、その瞬間を目撃できました。実は、1年生と2年生は、この種目は希望者の参加で、文平さんもその一人でしたが、スタートするや、体を丸めて前のめりの姿勢で、ものすごい速さで縄を回して跳び続けました。まるで、体が空中に止まっていて、縄だけが回っているような感じでした。この挑戦種目の時間は1分間で、その中で継続して跳んでいれば、引っかかるまで跳び続けられます。文平さんも当然、1分以上跳び続けました。そうして出した記録でした。一方、皓大さんは、文平さんとは対照的に、まっすぐ伸びた姿勢で、軽やかに跳び続けていました。無駄な力が入っていない、二重跳びのお手本のような姿勢で、回数を重ね、記録更新しました。二人とも、今後簡単には破られない、素晴らしい記録を出しました。実は今回、文平さんが更新した記録は、5年前、今の6年の皓大さんが1年の時に出した記録でした。

 「記録は破られるためにある。」5年前に偉大な先輩が残した記録を、何年間も多くの後輩たちがその記録更新に挑戦し、ついに破ることが出来たわけです。その破った記録は、また、これからの後輩たちの新たな目標になりました。そして、その偉大な先輩は、さらに簡単には越えられないような記録を、後輩たちのために残してくれました。この記録も、今後、多くの後輩たちの目標として、生き続けます。そして、また、いつの日か、誰かが、破るのでしょう。なわとび記録会で生まれた記録は、こうして、子どもたちの心と体を鍛えてくれるのです。

 長縄跳びでは、どの学年も、学級の全員の心を一つに取り組んでいました。練習期間中、自分たちの新記録が出る度に、喜び、そして、新たな目標に向かって、努力してきました。みな素晴らしい取り組みをしていました。本番で、残念ながら、これまでの新記録を出せなくて、悔しそうにしている姿も見られました。しかし、大事なのは、この本番に向けて、自分たちが、どのように成長してきたかです。うまく回数が伸びない時、自分たちで話し合って、問題を解決する姿が見られました。うまく縄には入れない仲間を、必死でサポートする姿がありました。休み時間の練習に、率先してみんなに声をかけて呼びかける姿がありました。跳んでいる最中も、大きな声で号令をかける姿がありました。ひっかかっても、「ドンマイ」と励ます姿がありました。そうやって、長縄跳びを通して、みんな、心も体も成長してきました。

 なわとび記録会は終わりましたが、子どもたちは、今日も、体育館で跳び続けていました。

183 良い睡眠で免疫力アップ!

 ある雑誌に、「新型コロナウイルス感染症にかからないためには ~良い睡眠で免疫力アップ~」と題した記事が掲載されていました。

 いよいよ日本でも、ワクチン接種が始まりました。しかし、再三LIVEでも書いているように、今後、ワクチン接種が広がっていったとしても、今の感染症対策を全くしなくてよいわけではないと思います。これからも、感染症対策として、これまで同様、マスク着用、手洗い、消毒、換気、密を避ける等の行動はとり続けることが必要だと思います。そして、これもまた同じように、一人一人の免疫力を高める生活をすることも大切になってくると思います。本記事では、その免疫力を高めるために、「良い睡眠」に着目した内容が載っていました。以下、ポイントを絞って紹介します。

 風邪には特効薬はありません。病院で出される薬も、風邪そのものを治すものではなく、対症療法(対処療法ではありません)として、病気によって起きている症状を和らげたり、なくしたりするものです。風邪が治るとは、体の免疫力が風邪のウイルスとの戦いに打ち勝つことを示します。ですから、「風邪にかかったかな?」という時に、栄養をしっかり摂って一晩ぐっすり眠ったら翌日にはすっかり良くなっていたなどということを経験したことがある人もいると思います。これは、主に自然免疫がしっかり働いて睡眠中にウイルスを倒した結果だと言えます。

 ちなみに、人間の免疫による防御機構は、3段階になっています。第一の防御は、「皮膚や粘膜による物理的防御」。第二の防御は「自然免疫による病原体の排除」。そして、最後の砦である第三の防御が「獲得免疫による病原体の排除」です。ワクチンを接種したり、一度罹患したりしたことで、体内に抗体をもつのは、「第三の防御」です。私たちは、今、新型コロナウイルスに対しては、第一と第二の防御で戦っているわけです。

 さて、話を睡眠に戻しましょう。適切な睡眠をとることが、免疫機能を健全に保つ、あるいは睡眠が芳しくないと免疫機能が下がるという実験結果が出ています。例えば、アメリカのある大学の研究によると、睡眠時間が短いと、しっかり睡眠が取れている人に比べて、3倍も風邪にかかりやすかったそうです。

 睡眠は時間だけでなく、眠る時間帯と睡眠の質も重要です。睡眠にはリズムがあります。そのリズムは、レム睡眠とノンレム睡眠が交互に繰り返されるものです。レム睡眠とは、体が眠っていて、脳は覚醒している状態。逆にノンレム睡眠は、脳はしっかりと休んでいて、体の筋肉はそれほど休息していない状態です。私たちは、一般的に、まず、寝入りばなに深いノンレム睡眠に入り、その後、徐々にレム睡眠に移っていきます。この一サイクルがだいたい90分程度で、その後、ノンレム睡眠とレム睡眠のセットで4~6回、サイクルしていきます。そして、寝入りばなに一番深かったノンレム睡眠は、その後、時間とともに少しずつ浅いノンレム睡眠になっていきます。

 寝ている間に分泌される成長ホルモンは、かつて、午後10時から午前2時頃までに活発に分泌されると言われていました。しかし、実際は、眠りについて最初の深いノンレム睡眠の時に最も分泌されます。前述したように、人は最初の寝入りばなが最も深く、その後はだんだん浅くなるので、大事なのは、入眠してから「最初の3時間」になります。そこで、分泌された成長ホルモンは、細胞の修復や骨や肌、筋肉の再生などを行います。

 寝ている間に分泌されるホルモンには、もう一つあります。それが、「睡眠ホルモン」と呼ばれる「メラトニン」です。このメラトニンは、睡眠のリズムを作る働きがありますが、免疫系に作用して感染症予防やがんの発生を抑える働きがあることがわかってきました。ですから、このメラトニンをしっかりと分泌させることで、ウイルスを倒す力がつきます。このメラトニンの分泌に関係してくるのが「光」です。メラトニンは、夕方以降だんだん暗くなってくると分泌量が増え、眠りが深くなり、午前2時頃にピークを迎え、それ以降、今度はだんだん分泌量が減少していくことで、眠りもだんだん浅くなるという働きをします。ですから、朝、朝日を浴びてメラトニンをしっかりと減らし、夜はなるべく強い光を浴びないようにして、暗くして寝ることが大事です。電気やテレビをつけっぱなしで寝たり、夜遅くまでパソコン、スマホ、テレビゲームなどをすることは、メラトニンの分泌を妨げることになります。夕食後は、ブルーライトの刺激を避け、寝室を暗くして寝る環境を整えましょう。

 結論、やはり、健康の三要素の一つである「睡眠」は、私たちの健康を保つために、とても重要であり、また、感染症に負けない免疫力を高めるためにも、とても大事な働きをしているということです。睡眠の時間も質も、どちらも充実させた睡眠をとれるように、日頃の生活を見直してみましょう。

182 角膜損傷

 正直、参りました。と言うのも、先週金曜日の昼頃、突然、左目が痛くなりました。何か異物が入ったのかと思いました。その時は、しばらくして痛みが弱まり、その後、多少異物感はありましたが、痛みは和らいだので、あまり気にせず過ごしていました。しかし、その夜、再び、左目に激痛が走り、今度は、異物感どころではなく、鋭利な物が目に突き刺さっているような感覚で、とても我慢できるものではありません。必死に痛みに耐え、翌朝、眼科に駆け込みました。診断は「角膜が傷ついている」とのことでした。

 その後、2日間は、ほぼ左目を開けることさえ困難な日々でした。うっすら開けてみると、外の明るさだけでなく、部屋の蛍光灯の明かりさえ、目に突き刺さる痛みを感じるのでした。電話がかかって、うっかりスマホを開いた瞬間、そのスマホの光さえ、目には強烈なダメージを与えました。ですから、暗い部屋で、目を休めて静かに過ごすしか出来ませんでした。

 3日後、再度眼科を受診した際には、少しは痛みが和らいできた感じで、診察結果でも、傷の方はよくなっているとのことでした。6日経った今、やっと両目を開けて仕事ができるようになりました。

 今回、自分の目がこのような状態になって、初めて気付いたことあります。それは、普段、当たり前のように目を開けて生活していますが、実は、目にとっては、かなり負担が大きいということです。私たちの生活は、かなり目を酷使した生活だということです。そして、なんと言っても、光による刺激は、目にとっては、とても脅威だということです。

 健康でいる時は、きっとそれ程、気にならないのだと思います。病気になって、当たり前のようにできていたことができなくなって、初めて気付くことなのだと思います。こういうことって、意外と多いのではないでしょうか。

 大事なのは、目に限らず、日中、動かして疲れた身体全体を、夜はしっかりと休めて、回復させることです。睡眠の大きな目的の一つが、成長ホルモンの分泌により、疲れをとり、痛めたところを修復することにあります。しっかりと睡眠を取って、回復させるから、次の日に、また、頑張れるのです。睡眠不足は、健康な身体を壊す大きな原因です。気をつけてほしいです。

181 クラスター発生は、他人事ではない

 まず、今回のクラスター発生で感染した方々が、一日も早く元気になられることを、心よりお祈りいたします。

 さて、今回の石川町内でのクラスター発生は、もう他人事とは言えない状況であると思っています。それは、どういうことかというと、やはり、このコロナ感染は、もう私たちの身近になっていて、いつ、誰が感染してもおかしくないということです。もしかしたら、知らず知らずに、実はすでに感染していて、ただ、症状が出ていないだけ、なのかもしれないということです。そう考えれば、これは、もう、「他人事」ではなく、「自分事」として受け止めなければなりません。

 今回のクラスター発生も、それに関連して感染した方々も、自分から感染したくて感染した人はいないはずです。結果的に、感染してしまった。今、一番苦しいのは、紛れもなく、感染した本人であり、その御家族だと思います。誰もが感染する可能性があり、明日は我が身だと考えれば、感染した方に対しては、一日も早く快復することを願うばかりですし、御家族の不安が一日も早く解消されることを願いばかりです。

 仮に、今後、野木沢地区で、野木沢小で、職員に、児童に、その御家族に、この地域の方に、感染者が出たとしても、それを「他人事」とは捉えず、「自分事」として捉え、そして、「明日は我が身」と考え、その感染者の快復と御家族の不安解消を、みんなで、温かい気持ちで、受け止めたいと思います。もし、自分が感染したら・・・きっとそのようにしてもらえたら、救われると思います。

 新型コロナウイルスの感染が騒がれたのは、昨年3月頃でした。しかし、考えてみれば、私たちの身の回りには、これまでも、多くのウイルスが存在していました。風邪ウイルス、インフルエンザウイルス、ノロウイルス・・・。これらのウイルスは、常に私たちの身の回りに存在し、私たちは常にこれらのウイルスに罹患する可能性の中で生活をしていたわけです。今回の新型コロナウイルスも、考えてみれば、これまでのウイルスとそれ程変わらないと言えます。

 それは、ある程度、予防できるという点です。このウイルスがあることで、100%の人が罹患する、というものはありません。どのウイルスも、罹患率100%ではなく、どのウイルスも感染を予防できるのです。現に、マスク着用、手洗い、消毒、換気、密を避ける等の手立てで、これまでも感染を防いできました。これは、これからもなんら変わることはありません。ワクチン接種が始まっても、きっとこれらの感染予防は、続けて行かなければならないでしょう。しかし、この感染予防をすることで、かなり防ぐことはできるのです。そして、自らの免疫力を高めておけば、さらにです。新型コロナウイルスも、インフルエンザウイルスも、風邪ウイルスも、ちゃんと感染予防できるのです。

 しかし、どんなに感染予防をしっかりと行っていても、感染してしまうことはあるのです。だから、いつ、誰が感染してもおかしくない状況だと言えるのです。こうしていれば、絶対に感染しません等、そんなことはないのです。実際、毎日の学校生活も、感染リスクはゼロにはできないことが前提の上で、できるだけ感染リスクを高めないように気をつけながら、生活しています。決められた感染予防対策を、しっかりと行いながら、生活しています。しかし、だからと言って、誰も感染しないわけではないわけです。

 今、新型コロナウイルス感染に関連して、感染者に対する誹謗中傷が問題になっています。その根本には、感染が「他人事」で「自分事」ではないという考え方からきているのではないでしょうか。そうではなく、これは、「自分事」で、「明日は我が身」「感染した本人・御家族が一番苦しいのだ」と捉えれば、誹謗中傷などできないのではないでしょうか。

179 授業参観時「家庭教育学級」のお知らせ

 2月19日(金)の授業参観については、今のところ、予定どおり実施します。日程は、下記のとおりですが、その中の「家庭教育学級」へは、5年・6年児童と、全学年の保護者の皆様を対象としております。
 今回、「適切なネット利用について」と題しまして、講演会を開催します。講師は、現石川中学校教頭の相樂秀幸先生です。相樂先生は、かつて福島県教育センターに勤務されていて、その時に情報教育のご担当をされていました。そのご経験から、ネット利用の問題点や対応策等について、お話しいただく予定です。高学年の子どもたちにも、自分事としてしっかり考えてもらう機会としたいと思います。そして、保護者の皆様にも、小学生のネット利用について、日頃、気をつけなければならないこと等、一緒に考えていただく機会になればと思います。学級懇談は、その後行いますので、授業参観後、体育館にお集まり下さい。その際は、防寒対策をお願いいたします。

 2月19日(金)
  13:00~13:10 受付(児童昇降口)
  13:10~13:55 授業参観(各学級)
  14:10~15:00 家庭教育学級(体育館)
  15:10~16:20 学級懇談(各学級)
  16:30~      PTA執行部会(校長室)

 ・駐車場は、校庭を御利用ください。
 ・上履き持参願います。
 ・1年~4年児童は、14:10下校になりますが、お子さんを待たせる場  合は、2階会議室を御利用ください。
 ・当日、お弁当になります。

178 「建国記念の日」に思う

 2月11日は、「建国記念日」ではなく、「建国記念の日」です。「の」がつくんです。
 日本の祝日は、「国民の祝日に関する法律(祝日法)」という法律で、きちんと決められています。現在、法律で定められている祝日は、16あります。その中の一つが、「建国記念の日」で、2月11日に定められています。(ちなみに2021年は、7月の第3月曜日の海の日と、8月11日の山の日、そして、10月の第2月曜日のスポーツの日が、東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせ、開会式前日と当日、閉会式当日にそれぞれ移動になります。これも、特別措置法として法律に則って行われます。)
 国際的に「建国記念日」を定めている国は多く、例えば、アメリカ合衆国は独立記念日である7月4日、フランスはフランス革命の始まった日で7月14日、ドイツは東西ドイツが統一した日で10月3日です。しかし、日本の2月11日は、日本が建国した日(建国記念日)のお祝いではなく、建国そのものを祝う日として定められており、「建国記念の日」となっています。そこには、歴史上の理由がありました。
 日本には、明治時代、当時の法律で定められていた祝日の中に、「紀元節」というものがありました。これは、日本書紀に記されている、日本の初代天皇と言われる「神武天皇」の即位の日が2月11日で祝日と定めたものでした。しかし、昭和になり、戦後、紀元節は廃止になり、2月11日は祝日でなくなりました。それが、18年後の昭和41年に、今の「建国記念の日」として、再度、祝日として復活したのでした。
 祝日法では、「建国記念の日」は、「建国を偲び、国を愛する心を養う」日とあります。第二次大戦で敗戦国となって荒れ果てた日本でしたが、その後、復興し、経済成長し、世界的にも平和な国として発展してきました。そこには、どんなに多くの人たちの苦労があったことでしょう。そして、東日本大震災から10年目を迎えようとしている今はまさにコロナ禍でもあり、いろいろと大変な状況ですが、一日も早くコロナも収束し、復興も進んで、また自由に人が行き来でき、触れ合える日が来ることを心から願います。そういう思いで、今年の2月11日を迎えたいと思います。

177 カウントダウンとカウントアップ

2/8(月)の全校集会は、リモートで行いました。その時の校長の話です。

 

 今日は、二つの数字を紹介します。

 一つ目の数字は、「30」。これは、今年度の残りの授業日です。今日から数えて、卒業、修了までカウントダウンで、残り30日です。今の学年でやるべきことを、残り30日で達成することを目指して、一日一日大事に過ごしていきましょう。

 もう一つの数字は、「171」。これは、今年度、4月にスタートしてから、先週までの授業日数です。みなさんは、4月になってから、171日間、今の学年で過ごしてきました。その中で、たくさんのことが出来るようになったり、分かるようになったりしましたね。みなさん、本当に、頑張ってきました。残り30日、さらに多くの経験を積み重ねていきましょう。カウントアップしていきますと、ゴールは201日間になります。

176 リモートによる豆まき集会

 過日の豆まき集会は、リモートで行いました。例年ですと、全校生が体育館に集まって行っていましたが、この時期の体育館はとても寒いのと、密を避けて、そのようにしました。

 校長の話は、校長室から行いました。その様子をライブカメラでネットワークでつながった各学級のパソコンを介してテレビに映し出し、子どもたちは学級で見ました。そして、各学級の追い出したい鬼の発表は、放送委員の子どもたちが、各学級に出向いて代表児童にインタビューし、その様子を同じようにリモートで見ました。

 初めての試みでしたが、なかなかうまくいきました。今後、全校生が集まれないような状況になっても、このような形でお互いの様子を確認できると思いました。

 今回、こういうことが出来たのも、石川町で進めている「学校ICT環境整備」のお陰です。それは、国の施策として進められている「GIGAスクール構想」を受けて行われています。この「GIGAスクール構想」とは、令和時代のスタンダードとして学校のICT環境を整備し、全ての子ども一人一人にふさわしい教育がなされ、AIに代替えされない創造性を育める学びの場を実現することをねらいとしているものです。内容としては、①高速大容量の通信ネットワークの整備、②児童一人1台コンピュータの整備、そして、③オンライン授業環境の整備です。

 この中の、学校内のネットワーク整備工事が昨年中に完了したため、校舎内のどこにいても、Wi-Fiでネットワークに接続できるようになりました。実は、昨秋に開催した「学習の発表会」でも、このネットワーク環境を利用したことで、いくつかのスクリーンに同じ画面を映すことができたのでした。そして、1月に開催した6年生とその保護者対象の中学校入学説明会でも、このリモートを実施してみました。その時は、密を避けるために、保護者の方々には音楽室で説明会を開催し、その様子をライブカメラで6年教室のテレビにつなぎ、子どもたちはそのテレビで説明を聞くということをやりました。

 その際、パソコンのマイクだと小さい声がうまく拾えず、聞こえにくいという課題がわかり、豆まき集会では、音声はパソコンのマイクで拾わず、校舎内のワイヤレスマイクを使うことにしました。こうしたことで、ほとんどの声は聞こえたのですが、電波の届きにくい場所では、若干聞こえにくいという新たな課題が見つかり、さらなる対策を検討中です。しかし、このように新たなことにチャレンジすることで、確実に、今まではできなかった取り組みが実現可能になってきています。

 今後は、子どもたち一人1台のタブレット端末が整備されます。それを授業に生かすのは当然ですが、それに合わせて、一人ずつネットワークのアカウントが整うことで、そのタブレットを各自が持ち帰り、自宅からアクセスしてリモートでオンライン授業を受けることも可能になります。これは、また臨時休校等になったとしても、子どもたちの学びを止めないための手段です。そうなった時の問題は、各御家庭のネット環境です。これについては、石川町では家庭貸し出し用のモバイルルータを準備して対応することになっていますが、これについては、もう少し整備が進みましたら、お知らせをしたいと思います。

 このようなICT環境が整うことは、今まではできなかったことが新たにできるということで、うれしい限りです。うまく活用することで、子どもたちの学びが豊かになることは間違いありません。しかし、忘れてはいけないのは、個々の学びが充実することと、みんなで学ぶことは、切っても切れない関係だと言うことです。ICT機器を使って、各自が学ぶことだけ重要視すれば、学校という共同体の中での学ぶ意味が薄れます。学校は学ぶところです。それも、集団で学ぶところに意味があるのだと思います。いろいろな人のいろいろな考えを直接出し合う授業だから、子どもたちの学びが広がったり深まったりするのです。ICT機器は、あくまでも手段です。それを活用することが目的ではないのです。

175 スケート教室を終えて

 今週、全学年でスケート教室を実施しました。まず、実施にあたり、お忙しい中、靴の履き替えや直接指導に御協力いただきました皆様方、大変お世話になりました。ありがとうございました。お陰様で、活動時間をたっぷりと取れて、とても充実したスケート教室になりました。

 さて、私が高校時代まで、会津若松市内には冬期間、屋内のスケート場がオープンしていました。ですから、子どもの時、冬は休日にたまに滑りに行ってました。しかし、その後、その施設はなくなり、郊外の場所に新たな施設ができたようでしたが、それもいつしかなくなっていました。今回お世話になった方から伺ったところ、現在、福島県内には、郡山の磐梯熱海とここ石川町にしかスケート場はないようです。

 屋外のスケート場は、天候にも左右されるので、なかなか造れないのかも知れません。しかし、屋外だからこそ、自然を感じながら気持ちよくスケートを楽しめるのだと思いました。今回、3・4年生の時は、少し風もあり、雪も舞っていましたが、元気な中学年の子どもたちは、全然平気で楽しんでいました。そして、1・2年、5・6年の時は、両日とも風もなく、太陽も見えて、絶好のスケート日和になりました。特に、1年生と2年生にとっては、昨年度実施していないので、今回が初めてのスケート教室でした。ですから、最高の天気の中、体験できて、きっとまたやりたいと思った人も多かったのではないかと思います。5・6年生は、やはり一番経験してるだけあって、基本の動きもしっかりと出来ていて、思うように体を動かせている人が多かったようです。

 学校教育は、その学校のある地域の特色を生かした教育活動を展開します。そういう意味で、こんなに身近な場所に、冬の娯楽、ウィンタースポーツを楽しめる場所があるなんと、すごく恵まれていると思いました。何でもそうですが、頭で分かるのと、実際に体験して分かるのとでは、全然違います。スケートというスポーツの難しさや面白さ、慣れてきたら思うように滑れた嬉しさや風を切る爽快感等、体験しなければきっと分からないと思います。今回、参加した子どもたち自身は、そういうことを感じることができた活動になっていたのではないかと思いました。とても素晴らしい学びになりました。本当に支えていただいた皆様に感謝です。

 ものすごく楽しそうにスケートをしている子どもたちの写真を撮りながら、私の心の中では、何十年ぶりにやってみたい思いと、思うように体が効かなくなっている不安がずっと葛藤していました。結果、今回はやむなく見送りましたが、来年は是非、子どもたちと一緒に楽しみたいと思いました。

174 ご存じですか?就学援助制度

 学校教育法第19条には、次のような条文があります。

 経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。」

 これを受けて、石川町では、「就学援助制度」を設けています。この制度は、何らかの理由で、学用品や給食費等の就学に係る経費の支払いが困難な御家庭に対して、基準を満たしている場合、就学援助費を支給する制度です。小学1年から中学3年まで対象で、申請はいつでも可能です。なお、小学校・中学校の第1学年においては、入学に関わる用品等に対する支給もあります。支援金は、学校を通して、各学期末に支給されます。

(支給内容の一例です。金額は、年間の支給予定額なので、変更になることもあります。)

  ・学用品等購入費  (小)11,520円 (中)22,510円

  ・新入学学用品費  (小)50,600円 (中)57,400円

  ・学校給食費    (小・中)実費

  ・卒業アルバム代等(小)10,890円 (中)8,710円

 このことについて、支給金額や申請方法、認定基準など、もっと詳しく知りたい方は、学校までお問い合わせください。なお、申請用紙等も学校にあります。「自分が該当するのか」といった内容にも、相談に応じますので、どうぞ御連絡ください。(℡26-1624 教頭もしくは事務の先﨑が担当します。)

173 横断歩道は歩行者優先

 先日、朝、学校周辺の横断歩道のところで街頭指導していて、気になることがありました。それは、横断歩道で、渡ろうとしている子どもがいるのに、そのまま通行している車が、意外と多いことです。

 最近、CM等でも流れていますが、「横断歩道は歩行者優先」です。それでも、一時停止しない車が全国的に多いのが現状のようです。JAFが2019年に「信号のない横断歩道における車の一時停止率」のランキングを発表しています。それによると、信号のない横断歩道で、一番停止してくれる第1位は、「長野県」で68.6%。第2位は「静岡県」で52.8%。そして、第3位は「兵庫県」で43.2%。なんと、第3位でも、停止してくれる割合は、50%以下なんです。そして、止まらないワースト県は、第47位が「三重県」で3.4%。第46位が「青森県」で4.4%。第45位が「京都府」で5.0%でした。気になります我が福島県はと言うと、悲しいことに第39位で8.7%という結果でした。

 確認しますが、これは、道路交通法38条の「横断歩道における歩行者優先」で、「横断歩道を横断しようとする歩行者があるときは横断歩道の直前で一時停止し、かつその通行を妨げないようにしなければならない」と定められています。違反すると、「横断歩行者妨害」という違反となり、違反点数2点、反則金9,000円(普通車)、その他罰則(下参照)が科せられます。運転者は、この先に横断歩道があることを知らせる道路標示(菱形の白線)を見掛けたら、減速する義務があります。その上で、歩行者がいないか確認し、通行しなければなりません。

 令和3年度の交通安全運動(福島県交通対策協議会)の年間スローガンは、「わたります 止まるやさしさ ありがとう」です。「横断歩道は、歩行者優先。横断歩道を渡ろうとする人を見掛けたら、必ず一時停止しましょう。」「これは、マナーじゃなくてルールです。」「横断歩行者妨害違反は、3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金」と告知しています。そして、これは、信号のない横断歩道だけでなく、横断歩道のない交差点においても、歩行者は優先になります。

172 行事食献立

 みなさんの御家庭のお正月料理は、何でしょうか。ちなみに、我が故郷会津のお正月の味は、なんと言っても「こづゆ」です。これは、各家庭によって味が微妙に変わるので、例年、親戚にあいさつ廻りに行くと、こづゆの食べ比べみたいになります。残念ながら、今年はそれもできませんでしたが。こづゆはもともとお祝い事の時の料理なので、お正月だけでなく、結婚式やお家の新築祝いなどでも出されます。実はこの「こづゆ」が給食に出されることがあるのです。故郷のメニューが取り上げられると、とても嬉しい気持ちになります。
 1月初めの給食の献立は、季節柄、お正月に関したものになっていました。初日には、七草汁。2日目は、いかにんじんに白玉雑煮が出ました。七草汁は、具だくさんで、柔らかく煮込まれた、胃に優しい味付けでした。いかにんじんは、福島県ならではの郷土食ですね。それを給食で食せるとは思いませんでした。そして、白玉がうれしい雑煮。実は、ある学年で、「正月と言えば」のビンゴゲームをした時、子どもたちが「お雑煮」という言葉を知らない場面がありました。おもちや野菜が入った汁だと知って、「あれがお雑煮なんだ」と言っていたので、食べたことはあったのでしょう。各行事や習わしなどで食するものは食文化です。それを味わえる給食は、とても有り難いと思いました。
 給食では、このように行事食と言って、その季節やイベントなどに由来したメニューが出されます。本校には、栄養士さんはおりませんので、基本的に石川小学校の栄養士さんの立てた献立が基になっています。それを、毎月1回、校内で献立検討委員会が開かれ、そこで、本校の実態に合わせて見直しを行い、最終的な献立が決定しています。
 1月の献立には他にも、26日に「給食はじまりの献立」が出る予定です。詳しくは、給食だよりでも紹介されていますが、1/24~1/30が「全国学校給食週間」になっています。また、6年生のリクエスト給食が3回もあります。これは、6年生が考えてくれた献立で、3回ともなかなかバラエティに富んだ、よく考えられたメニューになっています。当然、栄養バランスもバッチリです。
 本校の給食のおいしさは、以前紹介しましたが、本当に充実した内容で、毎日楽しみにしている子どもたちもたくさんいます。みんな、もりもり食べて、元気な体を作っています。そんな毎日の給食を作ってくださる、2名の調理員さんには、みんな感謝の気持ちでいっぱいです。

171 新型コロナ対策の確認

 福島県もステージ3になりました。12日、内堀知事より県民への外出自粛要請が出されました。学校においても、感染リスクの高い学習活動に対して停止となりました。

 福島県内の新型コロナウイルス発生状況は、令和2年3月7日に初感染者をカウントしてから、令和3年1月11日で1,276人となりました。
 この1,276人中、入院中の人が355人、死亡者が30人、退院した人が891人です。

 これまでの感染状況から、発生する場面は、「屋内で」「マスクを外した状態で」「近い距離で」「飛沫が飛ぶ会話をする」ということが明らかになっています。言い換えれば、そのような場面に十分気をつけることが、感染を防ぐことになるわけです。

 これに該当する場面としては、一番考えられるのが、「会食」時です。

 そういう意味で、今回の外出自粛も、首都圏の緊急事態宣言にも、飲食店の時短営業をあげているわけです。しかし、注意しなければならない会食は、飲食店での会食だけではなく、御自宅や親戚宅などにおいても、不特定多数の会食であったら状況は同じです。ですから、やはり、一緒に住んでいる家族以外の人との会食は、場所や人数に関係なく、要注意です。文科省の資料でも、児童生徒の感染状況として、家庭内感染が75%、学校内感染が6%、その他の交流活動8%、不明が11%と示されています。以前、LIVEでもお知らせしたように、児童生徒の感染源としては、学校ではなく、家庭内感染が主だということです。

 要は、学校でも各御家庭でも、感染防止のための取り組みは、これまでと同様で、「できる限り外出を控え、人との接触を減らす」「屋内ではマスクを装着する」「3密を避ける」「こまめに手洗いをする」を一人一人が意識して、より徹底して行動していくことが求められています。よろしくお願いいたします。

170 地獄絵図

 ちょっと怖いタイトルですが、みなさんは、「地獄絵図」を目にしたことがありますか。私は、白河市内のあるお寺で初めて見ました。とても興味深い内容の絵図だったので覚えていたのですが、実は、今回、会津で法要があった際、そのお寺で、また同じ「地獄絵図」を目にしたのでした。

 絵図の内容は、下の方に、一般的に知られている血の池や針の山などの地獄の様子が描かれています。そして、上の方には極楽浄土の様子が描かれているのです。そして、中央付近に、人が生まれてから、成長し、大人になり、そして、だんだん老いて、最後は死ぬという人の一生の過程が描かれています。私が、この絵図の中で、特に興味深いと感じたのは、絵図の中央にあたる場所に、おおきな円が描かれてあって、その中に、漢字が一字書かれてあったことです。みなさんは、その円の中にどんな漢字一字が書かれてあったと思いますか。

 その漢字は「心」です。白河のお寺の住職さんの説明では、ここに描かれている地獄絵図は、あの世のことではあるけれど、実は、人の心のことでもあるのだとおっしゃっていました。人は、その心持ち次第で、仏様にも鬼にもなるということです。なるほどと思いました。仏様の心とは、自分のことより、相手のことを思う気持ちのことです。相手の立場に立って、相手の気持ちに寄り添って、思いをはせる。一方、鬼の心とは、自分中心、自分がよければ、相手がどうこう関係ない、自分さえよければいいという気持ちです。

 みなさんは、こんな経験はないでしょうか。朝の通勤時、早く出勤したいのに、目の前に高齢者マークをつけた車がゆっくり走っていて、イライラするようなことが。この時、早く行きたいのに行けない苛立ちから、その車の運転手に文句を言いたくなるような気持ちは、まさに鬼の心ではないでしょうか。早く行きたいのは自分の都合。まさに、自分さえよければという気持ちです。一方、高齢者マークの車に気付いた時に、故郷の高齢になった親を思い出し、あせらないでゆっくり運転してね、とその運転手のことを気遣う気持ちは、仏様の心なのです。このように、人の心は、仏様にも鬼にも、すぐに変わってしまうものだと思います。

 学校生活の中でも、そのような場面はよく見かけます。ロッカーの物を取りに行く時、真っ先に自分の物を取りたくて、他の人と競ってぶつかって文句を言い合うような場面。これは、自分さえよければという気持ちです。一方、先に行った人が、他の人の分も取り出して、名前を呼んで渡してあげたりする場面。これは、他の人のことを考えた行動です。

 ある本に書かれていた地獄と極楽の話も、同じような場面でした。その話では、地獄も極楽も、どちらも同じような食卓があって、そのテーブルの上には、どちらも同じようにたくさんのごちそうが並んでいるそうです。ただ、変わっているのは、どちらの世界も食事をするのに使う箸が、三尺三寸の長さ、約1mぐらいの長い箸を使っているのだそうです。ここまでは、地獄も極楽も状況は同じです。しかし、なぜか極楽の人たちは、その食卓で、楽しそうに美味しく食事をして、みんなお腹いっぱいになっているのに、地獄の人たちはみな、文句を言い合い、だれも料理を口にできず、いつもお腹を空かせているのだそうです。一体、何が違うのでしょうか。

 それは、箸の使い方です。地獄の人たちは、みな自分が食べられればいい、自分さえよければいいという考えですから、その1mもある長い箸を使って、自分が食べたいものを自分で食べようとします。しかし、そんな長い箸を使って、料理を口に運ぶことはできないのです。途中で、他に人の箸とぶつかって、料理を落としてしまい、お互いに文句を言い合う。結果、誰一人お腹いっぱい食べることができず、テーブルの周りは落とした料理でぐちゃぐちゃというのが地獄です。では、極楽はどうかというと、ここでは、自分の箸で、テーブルの向かいの人の食べたいものを取ってあげているのです。お互いに、ぶつからないように気をつけながら、相手の食べたい料理を相手の口に運んであげているのです。だから、極楽では文句ではなく、「はい、どうぞ」「ありがとう」という言葉が飛び交います。そして、みんなでお腹いっぱい美味しい料理を食べているのでした。

 ある学級では、プリントを配る時、前の人が後ろの人へ「はい、どうぞ」と言って渡しています。もらう方は、「ありがとう」と言って受け取ります。その様子は、見ていて、とてもやさしい気持ちになります。「はい、どうぞ」「ありがとう」は、極楽の言葉、仏様の言葉なんですね。