学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

229 野木沢地区の道路

 野木沢地区には、大きく5種類の道路が走っています。

 ①国道118号線
 ②県道139号母畑白河線
 ③県道284号曲木中野目線
 ④国道118号線から中野地区を縦断して、また国道118号線に戻る道路
 ⑤その他の路地(生活道路)

 これらの法定速度を確かめてみると、次のようになっていました。

 ①50km/h
 ②母畑地区~国道118号線高架下まで40km/h
  国道118号線高架下~野木沢駅前~朝日機工先のカーブまで30km/h
  その先は40km/h
 ③40km/h
 ④40km/h
 ⑤原則30km/h(標識はありません)

 御覧の通り、50km/hから30km/hまで、複雑に指定されています。
 ここで特に気をつけたいのは、中野地区内です。中野地区内の県道139号線は、高架下から一気に道路の幅が狭くなります。だから、制限速度も30km/hに指定されているのですが、④にあたる、国道からの迂回路は、道路幅も広いので40km/hになっているのです。この2本の道路が、片方は30km/h、もう片方は40km/hで、交差しています。さらに、この交差する地点は、クランクのようになっていて、T字路が2つ続くので、歩行者用の横断歩道は、合計で6つ集中しています。みなさんご存じのように、横断歩道を横断しようとする歩行者がいた場合、車は一時停止をして、歩行者の横断を妨げてはいけないことになっています。そういう意味で、この交差する地点は、要徐行になります。

 同じように気をつけたいのが、小学校前の道路です。学校前から高架下にかけては、40km/hですが、若干下り坂になっているので、スピードが出やすくなってます。また、その途中に藤田城跡方面からの横断歩道が一つ設けてあります。この場所は、道路がややカーブしていて、横断者が見えにくくなっています。登下校時、この横断歩道を横断する子どもたちがいます。そういう意味で、ここもやはり要徐行です。

 千葉県の痛ましい交通事故を受けて、全県的に、児童の通学路の点検が行われています。子どもたちには、車に十分注意するよう指導していますが、やはり、車を運転する人に、その道路状況をしっかりと把握し、安全に運転していただくことが大事だと思います。野木沢地区の交通事故ゼロを目指して、保護者の皆様も御協力をお願い致します。

228 ママのスマホになりたい

 過日の家庭教育学級の中で、紹介されていた絵本です。早速、手に入れて、読んでみました。

 主人公のぼくは、幼稚園に通うかんたろうくん。ある日、お家で、ママにブロックで作った車を見てもらおうとしたら、ママはスマホを見ていました。ママは、テレビのCMになると、スマホを見て、テレビが始まるとテレビを見て、赤ちゃん(弟?)が泣いたら赤ちゃんを見て、また、スマホ、テレビ、赤ちゃん、スマホ、テレビ・・・全然、ぼくを見てくれません。怒ったぼくは、段ボールで、自分の国を作りました。その国には、スマホもテレビも赤ちゃんも入れません。ママは、何も持たずに、その国に入って、ぼくを抱きしめました。
 次の日、ぼくが幼稚園に行くと、先生が「大人になったら、何になりたいですか?」と聞きました。「ぼくは、しょうぼうし」「わたしはおよめさん」・・・かんたろうくんは、「ママのスマホになりたい」と答えました。先生が、「なんでなりたいの?」と聞くと、かんたろうくんは、「ママがスマホばっかりみてるから、ぼくはスマホになりたい。ママがテレビばっかり見てるから、ぼくはテレビになりたい・・・でも、ホントのこというと、ぼくのまんまで、ママにみてほしい!」と言いました。「ママが見てくれないと、ぼくはいなくてもいいような気持ちになっちゃう」その時、ママがお迎えに来ました。ママは、「かんたろうの前で、スマホやテレビをみるのをやめる」と約束しました。「赤ちゃんのお世話は一緒にしてくれるかな」と言いました。そして、「ママはホントにかんたろうが大好きなのよ」と言って泣きました。かんたろうも「うん、うん」と言って、泣きました。

 どうですか。ご自分と重なることはありませんでしたか。この絵本の裏表紙に、こんなことが書かれていました。

しつもんタイム
 Q ママは、いちにちになんかいくらい、スマホをみますか?

 Q いきぬきも大切だけど、子どもは、すぐに大きくなっちゃうから注意を!
   さあ、いちにちにスマホをなんかいみることにしますか?

 ある時、こんな家族を見かけたことがあります。ファミリーレストランに、4人組の家族が入ってきました。注文を終えると、お父さん、お母さん、大きいお姉さんは、みんなスマホ。小さい弟さんは、ゲームをやり出しました。みんな、黙ってそれぞれの画面を見入っていました。料理が来るまで、会話は一切ありませんでした。今は、会食中は、会話は控えるようになっていますが、この御家族を見かけたのは、コロナ禍になるずっと前のことです。外出先だから、そうだったのでしょうか。それとも、お家の中でもそうなのでしょうか。

 二つ目の質問にある通り、子どもの成長は、あっという間です。親として、子どもに関われるのは、限られた期間だけです。乳児期、幼児期、学童期、それぞれの時期に、その時しかできない関わり方があると思います。その時期を逃してから、ああ、もっとこんなことしたかったと後悔しても、もう戻ることはできないのです。

227 お家ルール

 家庭教育学級で講話を聞いてから、いろいろな方に、お家ルールを尋ねてみました。みなさん、それぞれのお家ルールがあるようです。

 Aさんのお家ルール
  ・ゲームは、宿題が終わってからやります。
  ・時間は、夕食の前までです。

 Bさんのお家ルール
  ・ゲーム機は、リビングで使います。
  ・兄弟みんなで、なかよく使います。

 Cさんのお家ルール
  ・ゲームは、平日1時間まで。休日は1時間30分まで。
  ・時間が守れなかった場合、次の日は遊べません。

 このように、お家ルールをしっかりと決めているお家ばかりではないのかもしれないと思います。そういうお家の場合、次の項目を参考に、お家ルールを決めてみてはどうでしょうか。

(1)使う場所はどうするか。
   ・できれば、リビングのような、他の家族の目が届くところで使用させたいです。

(2)使う時間はどうするか。
   ・何時間以内というきまりもありますが、使っていいのは何時まで、何時からは触らない、というきまりもありです。

(3)ゲームよりも優先してやるべきことは何か。
   ・楽しいゲームを先にすると、肝心のやるべき事がおろそかになりがちです。
   ・まずは、先に優先すべき事をやってから、ゲームはやるようにしたいです。
   ・優先すべき事は、家庭学習や、お家のお手伝い等

(4)トラブル防止のためにどうするか。
   ・ネットにつながる場合、このきまりは大事です。
   ・個室にこもっての使用は、要注意です。
   ・どんなゲームで、どんな人たちとつながって遊ぶのか、親の確認が必要です。
   ・何か発信する場合、その内容や発信先について、親の許可は必要です。


 最後に、学校としては、ゲームのやり過ぎなどで、学校生活に支障をきたすようであれば、改善を促したいと思っています。例えば、次のような場合です。
 ・ゲームをして、家庭学習をやってこない。もしくは、適当に終わらせている。
 ・夜遅くまでやっていて、睡眠時間が足りていない。
 ・朝起きるのが遅く、朝ご飯を食べてこない。
 ・ゲームの影響で、行動や言葉遣いなど、荒れている。 等。

 子どもたちの健やかな成長が、学校の一番の目標です。ですから、その妨げになるような生活習慣は、その子どもの成長にとって、悪い影響を与えるものです。学校としても、その点に関しては、保護者のみなさんと協力しながら、考えていきたいと思います。

226 シトラスリボンプロジェクト

 先日、学校に来られた方から、クラフトバンドで作った黄緑色のリボンをいただきました。


 シトラスリボンというそうです。私は、知りませんでした。そこで、調べてみました。以下に紹介します。(シトラスリボンプロジェクトのHPより)


 これは、コロナ禍で生まれた差別、偏見を耳にした愛媛県の有志の方がつくったプロジェクトです。愛媛県特産の柑橘にちなみ、シトラス色のリボンや専用ロゴを身につけて、「ただいま」「おかえり」の気持ちを表す活動を広めています。リボンやロゴで表現する3つの輪は、地域と家庭と職場(もしくは学校)です。
 「ただいま」「おかえり」と言いあえるまちなら、安心して検査を受けることができ、ひいては感染拡大を防ぐことにつながります。また、感染者への差別や偏見が広がることで生まれる弊害も防ぐことができます。感染者が「出た」「出ない」ということ自体よりも、感染が確認された“その後”に的確な対応ができるかどうかで、その地域のイメージが左右されると、考えます。コロナ禍のなかに居ても居なくても、みんなが心から暮らしやすいまちを今こそ。コロナ禍の“その後”も見すえ、暮らしやすい社会をめざしませんか?

 石川町でも、計画通り、ワクチン接種が進められています。それに伴い、感染リスクも低くなることと思われます。感染症専門医の忽那賢志先生は、次のように話しています。

「ワクチン接種は、当初、「発症を防ぐ」のであって感染そのものを防ぐかどうかは分かっていない、と言われていましたが、感染を防ぐ効果も分かってきました。調査結果でも、新型コロナワクチンの2回の接種から14日以上経った人は、91%の感染予防効果が示されました。

 発症を防ぐことと、感染を防ぐことと、何が違うのか、別に本人にとっては同じじゃないか、と思われるかもしれません。本人にとってはあまり大差ないかもしれませんが、ワクチン接種者が感染しにくくなる、ということは、接種者がその周りの人に感染を広げる可能性が低くなる、ということです。自分の家族や周りの人を感染から守ることができるのであれば接種する意義は十分あると言えるのではないでしょうか。

 実際にワクチン接種が進んでいる地域では、接種した人だけでなく、接種していない人でも感染者が減っているというデータも出てきています。接種率が20%上がるごとに、ワクチンを受けていない集団の新型コロナの感染が約2倍減少したとのことです。お子さんがワクチンの接種対象年齢から外れており不安に思われている方も多いと思いますが、家族が接種することで間接的にお子さんを守ることにも繋がります。」

 先に紹介した、シトラスリボン、今度、自分でも作ってみようと思いました。作り方は、ネットでも紹介されています。興味がおありの方は、検索してみてください。

225 修学旅行を終えて

 昨年度に引き続き、今年度も会津若松市内のグループ散策による修学旅行を実施しました。実施に先立ち、子どもたちには、会津若松出身の私よりオリエンテーションで話をさせてもらいました。会津には、歴史・文化・伝統があり、それが建造物や工芸品、食べ物であること。それらを、自分の五感を通して感じることが、修学旅行の目的であること。その後、6年生の子どもたちは、自分たちで見学先を決め、コースを考え、体験活動の予約をとり、事前の準備を進めてきました。

 2日(金)当日、3つのグループは、それぞれ計画したコースを回りながら、修学旅行を楽しみました。職人さんに教えてもらいながら、ろくろを使って湯飲み茶碗作りをしました。赤べこや木の起き上がり小法師(私は知りませんでした)の絵付けを楽しみました。飯盛山では、校長一押しのさざえ堂で、不思議な二重らせん構造を体験しました。昼食は、ソースカツ丼などの名物をいただきました。そして、地元の方々とふれ合いながら、話を聞いたり、お土産を購入したりしました。

 そんな中、やはり、想定外の出来事は起こるもので・・・市内循環バスを乗り間違えて、逆の方向に行ってしまったり、次の目的地まで、約2kmを歩いて(走って?)移動したり、道に迷ってしまい、いろいろな人に道を尋ねたり・・・。それでも、野木沢小の6年生たちは、最後まで、自分たちの修学旅行を楽しみました。約束の6,000円の小遣いの中で、とても充実した修学旅行になっていました。

 ちょうど一年前は、コロナ禍の中、まだ、観光地会津もやっと観光客を迎え入れる準備を始めたところだったので、街中を散策している小学生は、野木沢小の子どもたちしか見られませんでした。しかし、今回は、他の学校の子どもたちも大勢見られ、それなりの賑わいを見せていました。我が故郷ですから、やはり、観光客で賑わっている様子をみると、うれしいものです。到着して、子どもたちにこんな話をしました。

「自分たちで計画したコースを回って、見学したり、体験したり、食事を取ったりできました。また、予定外の出来事が起きても、自分たちで考えて、協力して乗り越えて、楽しく活動できました。それら、丸ごと全部が、みなさんの修学旅行の思い出です。一生忘れることの出来ない小学校の素敵な思い出ができたと思います。それと同時に、また一つ、小学校の出来事が終わりました。これからも、この繰り返しです。だから、どうせやるなら、今回の修学旅行のように、みんなで協力して、助け合って、一生懸命、本気・全力で、真面目に取り組んでいってほしいと思います。」

 この修学旅行を通して、6年生の子どもたちのよさを、また、見つけることが出来ました。

224 星新一さんの作品から思うこと

 星新一さんという作家をご存じでしょうか。この方は、SF作家で、ショート・ショートという形式で短編の作品を多く書いた方です。私は、高校時代に、この作家の作品を知り、とても気に入り、よく読んでいました。数年前には、小学5年生の国語の教科書にも取り上げられていました。(「おみやげ」という作品でした。)今回の家庭教育学級で「スマホ依存」の話を聞き、この星新一さんの作品で、ちょっと思い出した話がありました。タイトルは忘れてしまったのですが、次のようなお話でした。

 ある企業が、子育ての画期的な機械を開発しました。その機械には、生まれたばかりの子どもを育てるあらゆる機能が備わっていました。お腹が空いて泣けば、ちょうどよい温度のミルクが与えられ、おむつが汚れれば、すぐに交換してくれます。眠たくなれば、やさしい声の子守歌が流れました。この機械のお陰で、若い夫婦は、子育ての苦労から解放され、自分たちの時間が出来て助かるとなって、みな、この機械を購入して、子育てをさせたのでした。それから、20年が経ち、テレビから、一斉に次のようなCMが流れました。「さあ、みなさん、この商品を買いましょう。」そのCMの声は、あの子育て機械から流れていた優しい声と同じものでした。幼い頃、毎日のように聞いていた、地球上で誰よりも安心できる優しい声。その声が、ある商品を買いましょうと言っているのです。何の疑いもなく、大人になった子どもたちは、みな、そのCMの商品を購入するのでした・・・

 星新一さんの作品は、ブラック・ジョークの部分もあるのですが、この作品を最初に読んだときは、なるほどなあ、そういうことになるのか・・・ぐらいの感想でしたが、スマホ依存が問題になっている今、親よりも機械という現実問題が、本当に起きているのかもしれないと思ったのです。本人も家族も、依存している意識は全くない中で、実は知らず知らずのうちに依存(洗脳?)されているとしたら・・・。

 これも、家庭教育学級の中でも紹介された話です。あるお母さんは、赤ちゃんに授乳中も、その目はスマホから離れません。そして、そのスマホに夢中のお母さんの顔を、ミルクを飲みながら、赤ちゃんはじっと見ている・・・。ぞくっとします。赤ちゃんは、どんなことを考えながら、お母さんの顔を見ているのでしょうか。本来なら、ミルクを与えながら、赤ちゃんの顔を見つめるお母さんと、そのお母さんの顔を見ながらミルクを飲む赤ちゃん、そこで、お互いに見つめ合い、愛情が伝わるのではないでしょうか。ミルクをただ与えるのが愛情ではないということだと思います。

 さらに、講話では、大人のスマホ依存について、話がありました。いつの時代も、大人は、子どものモデルです。家で、大人がどのようにスマホを使っているか、子どもたちは、モデルとして見ています。そして、大人の姿から学んでいます。子どもに使い方を考えさせるだけでなく、大人である親も一緒に、子どもとルールを決めていく。できれば、そこに、スマホ等を介さない、リアルな会話を大切にしたコミュニケーションの時間が生まれることを期待したいと思います。

223 交通事故防止「手上げ横断 復活」

 千葉県八街市で発生した交通事故は、みなさん、周知のことと思います。下校途中の小学生の列にトラックが突っ込み、児童5人が死傷するという悼まし事故になりました。

 警察庁によると、去年までの5年間に交通事故で死亡または大けがをした小学生は4687人で、58%の2734人が歩行中に事故に遭っているそうです。歩行中の児童が事故に遭う時間帯は、午後4時台から5時台にかけてが36%と最も多く、次いで午後2時台から3時台が29%で下校や帰宅時間に集中しているそうです。

 これは、他人事ではなく、本校でも十分に気をつけなければなりません。学校周辺の道路は歩道が設置されていますが、場所によっては、歩道がない道路もたくさんあります。また、街頭指導に立っていると感じるのが、車のスピードです。制限速度内で走っている車はまれで、中には、かなりスピードを出して通り過ぎていく車もあります。そういう道路を、横断して登下校する子どもたちがいると思うと、やはり心配でなりません。是非、本校保護者の皆様には、学区内を走る自動車のお手本になってもらい、スピードを控えめに走って頂きたいと思います。

 6月27日付の福島民友新聞に、「手上げ横断」を促す記事が載りました。

 それは、信号機がない場所での横断について、「手を上げて運転手に横断の意思を明確に伝える」ことを盛り込んだという内容です。えっ、それは当たり前のことではないの?と思われた方もいると思います。実は、1978年の改訂では、この「手上げ横断」は教則から削除されました。その時の道路横断の仕方は、「車が近づいている時は、通り過ぎるまで待つ。」と定められていたのです。しかし、それが今回、43年振りに復活したわけです。

 本校の子どもたちは、道路を横断する際、手を上げて、運転手に横断することをアピールしています。そうすることで、気付いた車は減速し、止まってくれます。横断した後は、止まってくれた車の運転手に、一礼して返すこともできています。これは、素晴らしいことです。しかし、中には、子どもに気付かないのか、そのまま、走り去ってしまう車もあります。そういう車がいることも含め、子どもたちには、道路横断は十分、安全確認するよう、指導しています。登下校中、道路を歩行する際は、周りの車に十分注意するよう、お家でも、確認と指導をお願い致します。

222 適切なネット利用について

 昨日は、授業参観にお出で頂き、ありがとうございました。また、その後開かれました家庭教育学級にも多数参加頂きまして、ありがとうございました。今回は、石川中学校教頭の相樂秀幸先生を講師にお招きし、「適切なネット利用」について御講話頂きました。以下、講話の概要を記します。

・インターネットの世界は、公共の場所。だから、いろいろな人が出入りしている。その中には、いい人ばかりでなく、悪い人も当然いる。
・昔なら、人のうわさは75日、そして、だんだん忘れられていく。しかし、今は、ネット上のうわさは、半永久、消えない、消せない、自分ではコント ロールできない・・・。
・インターネットの世界は、治安が悪い。危険なところ。端末を与えることは、その危険な世界に足を踏み入れさせること。
・インターネットの情報は、全てが真実ではない。信憑性が低いことを知ることが大事。
・ネット依存は、ネットに触れる機会が、早ければ早いほど依存度は高くなる。
・「PhoneWall」とは、お家の方がスマホに夢中になるあまり、その「時間」だけでなく、親子の「心」の間に大きな壁が作られてしまうこと。
・絵本「ママのスマホになりたい」。シンガポールの子どもの話がもとになって作られた絵本。
・子どもの問題を考えるだけでなく、お家の方のスマホ依存度について考える必要がある。
・親と子どもが一緒になって、話し合いながら、「ルール」を作ることが大切。
・大人ができることは、①フィルタリングをする。②ルール作りをする。③手本を示す。

 お話を聞いて、改めて、ネット利用に関しては、きちんとルールを作って使わせることの大切さを感じました。これは、決して、今だけの問題ではなく、子どもたちがいずれ、親元を離れ、自立して生活していくときに、自分の身を守るためでもあると思います。学校としても、このことについて、さらに考えていきたいと思います。

221 上級生に支えられ

 先週の金曜日のお昼休み、1年生が教室で「おおきなかぶ」の音読発表をしました。これは、国語の時間に学習してきた「おおきなかぶ」のお話を、音読劇として行うものでした。1年生の子どもたちは、国語の時間にお話を読み深め、どういうふうに読んだらよいか、学んできました。音読劇では、それに役割を決めて、それぞれの役の動きを決めて読むことになります。1年生の子どもたちは、これまで楽しく取り組んできました。そのまとめの発表でした。1年生の子どもたちから、校長室に「しょうたいじょう」も届いていましたので、行ってみました。

 すると、他の学年にも招待状が届いていたらしく、すでに、聞きに来ている数名の上級生の姿がありました。そのうち、次から次へと上級生のお兄さん、お姉さんたちが教室に入ってきて、最終的には、教室の半分以上の「お客さん」で埋まりました。(その様子は、ホームページに載せてありますので、どうぞ御覧ください。)

 この様子に、7人の1年生たちは、ちょっと緊張したり、逆に興奮したりしたようでした。しかし、見に来た上級生たちの温かいまなざしに励まされ、元気いっぱい、最後まで音読劇を発表することが出来ました。その頑張りに、大きな拍手が送られました。発表が終わり、感想を聞かれると、何人も手を挙げ、「大きな声で発表できていました。」「動きを工夫して頑張っていました。」と上級生から賞賛の声がありました。

 今回の経験は、1年生の子どもたちにとって、とても大きな出来事だったと思います。自分たちの学びを、たくさんの上級生たちが応援してくれて、そして、その頑張りを、みんなから賞賛されたわけです。自分たちを、こんなにも多くのお兄さん、お姉さんが支えてくれている、と感じることができたと思います。どんなにか、うれしかったことでしょう。そして、この上級生たちの存在を、心強く思ったことでしょう。そして、自分たちを励ましてくれる上級生のいる学校生活を、安心して過ごせると思ったことでしょう。

 野木沢小の素敵なところを、また一つ、見つけられました。

220 公民館の先駆け

 私の手元に、「石川町公民館史」という冊子があります。これは、令和3年3月に、石川町教育委員会生涯学習課が編集したものです。

 これによると、我が国における公民館の正式な誕生は、昭和21年7月に発せられた「公民館の設置運営について」という文部次官通牒(通達)によるそうです。そして、この通達が発せられたわずか5ヶ月後の昭和21年12月に、野木沢村中野公民館が設置されました。これは、まさに全国の公民館のさきがけ的存在と言えるそうです。そして、その翌年には「塩沢公民館」「曲木公民館」も創立し、昭和23年2月に村の中央館として「野木沢村公民館」が設立しました。

 このことを知って、この野木沢地区の皆様が、本校の教育活動にとても協力的であることが納得できました。こういう時代背景が、根底にあったわけです。

 当時の公民館は、郷倉と呼ばれる凶作に備えた米倉を改造したそうです。それも、当時の青年たちの熱意により、全集落の温かい協力の下、完成したものでした。わずか10坪に過ぎないその建物において、青年たちによる自主的な活動が繰り広げられたようです。

 教養部による成人教育の講座を始め、講演会、婦人講座など。集会部によるレコードコンサート、音楽会、幻燈会。図書部による図書の貸出など。

 農村地帯ですから、農繁期は、日中、みな肉体労働をしているわけです。それでも、その夜、自然に公民館に集まって、夜遅くまで運営計画を話し合う姿があったそうです。当時の館長さんが、何か慰労のための差し入れをあげようかと声をかけたら、「館長さん、そんなお金があるならば、本の一冊も買いましょう」と答えたそうです。立派な設備になるまでは、決して慰労会など催さないとみんなで申し合わせていた、その青年たちの姿に、館長さんは心密かに喜んで泣いたそうです。

 なんて純朴で、一途な若者たちなのでしょう。公民館という建物が大事ではないということです。その中で、お互いに盛り上がる自主的な運営こそが、公民館の生命なのです。そういう自主的で、自治的な、そして、学びに対して真摯な姿をもった若者たちが育っていた、この野木沢地区。ここで育つ子どもたちには、自分たちの大先輩方の姿を誇りに思い、自分たちも見習って、大きく成長してほしいと思いました。

219 道徳科授業参観に向けて

 道徳科の内容は、大きく4つの視点に分かれています。
  A 主として自分自身に関すること
  B 主として人との関わりに関すること
  C 主として集団や社会との関わりに関すること
  D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
   
 そして、それぞれの視点において、細かく内容項目が決められています。
  A 「善悪の判断、自律、自由と責任」「正直、誠実」「節度、節制」
    「個性の伸長」「希望と勇気、努力と強い意志」「真理の探究」
  B 「親切、思いやり」「感謝」「礼儀」「友情、信頼」「相互理解、寛容」
  C 「規則の尊重」「公正、公平、社会正義」「勤労、公共の精神」
    「家族愛、家庭生活の充実」「よりよい学校生活、集団生活の充実」
    「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」「国際理解、国際親善」
     D 「生命の尊さ」「自然愛護」「感動、畏敬の念」「よりよく生きる喜び」

 今回の授業参観で、各学年で行う道徳科の授業の題材名、内容項目は、次の通りです。

  1年 「わたしにできること」   C「勤労、公共の精神」
  2年 「おとうとのたんじょうび」  D「生命の尊さ」
  3年 「心の優先席」       C「規則の尊重」
  4年 「わたしのゆめ」      A「個性の伸長」
  5年 「手品師」         A「正直、誠実」
  6年 「チャットのつぶやき」   C「公正、公平、社会正義」

 1年生から5年生までは、光文書院の教科書を使い、6年生は福島県教育委員会作成の動画教材を使います。

 授業参観のポイントは、資料を通して、道徳的価値について、子どもたちが自分のこととして捉え、深く考えることができたかどうかです。それが、「考え、議論する道徳」です。

 価値項目や学年の発達段階に応じて、授業の展開もどのように工夫しているか、注目してください。登場人物の行動に「賛成」か「反対」か、自分の立場を明らかにして、その理由を話し合う授業。役割演技などを通して、登場人物の立場で気持ちを考える授業。情報モラルと関連して、身近な問題として、自分ならどうするか考える授業等、いろいろ参観できると思います。どうぞ、お楽しみに。

218 宿泊学習を終えて

「ぼくは、山登りに行って、足が痛くて大変でした。でも、5年生の人に励ましてもらって、とても助かりました。ぼくも来年、そういう5年生になりたいです。」

 これは、今回、宿泊学習に参加した4年生の人が、学校に帰ってきたときの帰校式で、感想発表で話したものです。今年の宿泊学習の全てが、この発表の中に込められていました。

 昨年度は、宿泊を伴う活動は出来ず、いわきの舟戸海岸で磯遊びを行い、石炭化石館ほるるの見学を行いました。しかし、今年は、那須甲子青少年自然の家も感染症対策を取りながら活動することが可能となり、十分気をつけながら、宿泊を伴う学習を行うことが出来ました。

 1日目は、まず、茶臼岳の登山を行いました。往復約4時間の登山でした。登山口に着いたときは、ちょっと霧雨も降っていて心配したのですが、その後、天候も回復し、参加者全員、山頂までたどり着くことができました。途中、休憩を挟みながら登りましたが、なかなかたどり着かないコースが延々と続くことに、子どもたちからはかなり参っている様子が見られました。それでも、お互いに励まし合い、支え合いながら、やっと山頂に着くと、みな、笑顔になり、ここまで自分の力で登りきった満足感や達成感を味わいました。

 自然の家に入所してからは、決められた時間で夕食を食べたり、お風呂に入ったりしました。他団体と混ざり合うこともほとんどなく、生活できました。夕食後は、外でキャンプファイヤーを行い、フォークダンスやゲームをして、みんなで楽しい時間を過ごしました。この時も、夜空には月や星が見られ、とても静かな森の中で、燃え上がる炎は、とても神々しい感じでした。その夜は、日中の登山とキャンプファイヤーの疲れからか、ほとんどの子どもたちが、消灯後、静かに寝息を立てていました。

 2日目は、朝食後、野外炊飯を行いました。メニューはカレーライスで、グループごとに、かまどでご飯を炊き、カレーを作りました。野菜や肉を上手に切ったり、かまどの火を起こしたり、みんなで分担して行いました。羽釜でご飯も炊きました。底に出来たお焦げも、香ばしくいただき、みな無事に、美味しいカレーを作ることが出来ました。片付けでは、食器やなべなど、ピカピカに洗って、きれいに片付けて、所員の方から、合格をいただきました。

 振り返ってみると、あっという間の2日間でした。しかし、この2日間で体験して学んだことは、たくさんあります。参加した子どもたちにとって、一生の思い出に残る、とても充実した宿泊学習でした。

 今回、いろいろと体験してきましたが、その中でも、とてもよかったと思ったのが、登山です。子どもたちは、登っている途中、つらそうにしている人がいると、みんなで声を掛け合い、荷物を持ってあげたり、手を引いてあげたりしていました。そうやって、全員が、山頂にたどり着きました。

 山登りは、山頂がゴールです。そのゴールを目指して、一歩ずつ登っていきます。この一歩は、ほんの少ししか前に進みません。それでも、一歩一歩登っていきます。そうやって、一歩ずつ進むことで、間違いなく、ゴールは近付きます。疲れたら休めばいい。そして、また、歩き始めればいい。そうする内に、ゴールは目の前になります。ゴールが見えてくると、また、頑張る力が湧いてきます。そうして、ついに、ゴールに到着するのです。山頂から、振り返ってみると、スタート地点がものすごく下に見えて、改めて、自分は、ここまで登ってきたんだなあと実感します。山頂に着いたとき、ここまで歩いてきたのは、紛れもなく自分の足です。周りの人から励まされ、支えてもらっても、歩き通したのは、自分の足なのです。それが事実です。

 山登りは、人生に例えられます。つらくて苦しい道のりも、一歩ずつ地道に歩んでいくことが大事です。急げば、転んだり、足をくじいたりして、大怪我をするかもしれません。ですから、慌てず、急がず、確実に一歩ずつ。そうやって、一歩ずつ努力していくことで、いつしか、目標にたどり着くのです。誰もが、あきらめずに、努力し続ければ、必ず、目標達成できるのです。そういうことを、登山は教えてくれます。

 今回、見事に山頂までたどり着いた4年生、5年生の子どもたちは、今後、どんなつらく苦しいことがあっても、きっと乗り越えていけるはずです。あの茶臼岳の山頂で万歳した自分を忘れずに、これからも、自分の目標に向かって、努力し続けてほしいと思います。

217 スポーツテストを実施して

 現在、学校で行っているスポーツテストは、文部科学省で行っている「新体力テスト」です。なぜ、「新」とついているのかというと、文科省のHPに、次のように説明がありました。

 文部科学省では、昭和39年以来、「体力・運動能力調査」を実施して、国民の体力・運動能力の現状を明らかにし、体育・スポーツ活動の指導と、行政上の基礎資料として広く活用しています。平成11年度の体力・運動能力調査から導入した「新体力テスト」は、国民の体位の変化、スポーツ医・科学の進歩、高齢化の進展等を踏まえ、これまでのテストを全面的に見直して、現状に合ったものとしました。(文科省HPより)

 体力テストは、平成11年度に改訂されているのです。平成11年度は、今から22年前になるので、当時の小学6年生だと現在34歳でしょうか。それ以前の方々は、前の体力テストを体験していることになります。私のかすかな記憶をたどると、「ジグザグドリブル」や「斜め懸垂腕屈伸」「垂直跳び」「背筋力」「上体そらし」、さらには「連続逆上がり」等もありました。そして、当時は、ソフトボールではなく、ドッジボール用のボールを投げていました。

 今年度の子どもたちの取り組みの様子を見て、やはり気になったのは、ボール投げです。今のボール投げは、ソフトボールの1号球を使用します。直径2mの円の中でボールを投げます。投球中や投げ終わった後、円から出ないように投げます。投球フォームは自由ですが、ソフトボールのピッチャーが投球するような下手投げはできるだけしないことになっています。ですから、どの子どもも直径2mの円の中で、ステップを踏んで、野球のピッチャーのような上手投げ(オーバースロー)で投げることになります。

 ここで、私が気になったのは、投げるフォームにかなり個人差が見られた点です。きれいなフォームで投げ、30m以上軽々と越えていくボールを投げる子どもがいます。一方、あきらかにボールを投げることをあまり経験していないと思える子どももいます。フォームもぎこちなく、ねらったところにボールがいかない場面も見られました。

 平均するとどのくらい投げられるのか?昨年度の結果を見てみたら、県・全国平均と比較しても、あれっ、思ったより、悪くない・・・という結果でした。でも、もう少し、ボールを投げる技術は高めたいと思いました。

 ボール投げで求められる能力は、投球能力。そのための2つの力は、運動を調整する能力の「巧緻性(こうちせい)」と、すばやく動き出す能力の「瞬発力」です。また、運動特性の項目では「力強さ」と「タイミングの良さ」が関係します。ボールを投げる際に使う力である投球能力は、多くのスポーツや日常生活でも重要な力です。投球能力を高め、力を入れるタイミングをつかむことができれば、ボールを速く投げられたり、遠くに飛ばせるようになったりします。

 そのためには、普段からボールを投げる動作になれていかなければなりません。休み時間、外遊びする子どもたちは多いのですが、ドッジボールなどのボールで遊ぶ子どもは、それ程いません。今の子どもたちには、もっとボールを使った遊びが必要なのかもしれません。

216 思いやり(続き)

 「思いやり」とは、相手の(     )に気付くこと。

 さて、みなさんは、(   )の中に、どんな言葉を入れるでしょうか。6年生に考えてもらったら、次のような考えが出ました。(書いてくれたものを、全て紹介します。重複あり)

・良いところと悪いところ ・悩んでいるところや困っているところ ・気持ち ・思っていること ・嫌なこと ・相手がいやだと思うこと ・気持ち ・思っていること ・気持ち(困り、悲しみ、嫌だ、つらい、どうしてほしいか、どうされたらうれしいか) ・相手がわからないことがあったら、教えてあげる ・気持ち ・思っていること ・思い、気持ち ・きらいなこと、してくれてうれしいこと、いやなこと ・気持ちや思っていること ・言葉 ・優しさ、親切、よさ ・思っていること ・気持ち ・気持ち、心、優しさ ・気持ち

 さすが、6年生です。相手の気持ちや思っていることに気付くことであるという考えが多く出ました。そして、その気持ちも、もっと具体的に、嫌なことやつらいこと、困りなどに気付くことだと挙げてます。さらに、相手の良いところ、よさ、優しさに気付くことも挙げられていました。やはり、最高学年になると、いろいろな見方や考え方ができるのですね。素晴らしいと思いました。

 この質問の正解はありません。間違いもありません。先程の6年生の考えは、どれも、その通りだと思います。似ているのですが、言葉として出ていなかった考えを紹介します。それは、

 「思いやり」とは、相手の(価値)に気付くこと。

 6年生の考えの中にも、良いところ、よさ等ありました。それを、もっと広げて考えると、それは、「相手の価値」ということになると思います。この世の中には、自分と同じ人はいません。誰もが、この地球上で、唯一無二の存在です。そして、一人一人、その人ならではの価値がある。まずは、お互いに、相手の価値に気付いて、その価値を認めることこそが、よりよく生きていくのに必要な事だと思うのです。価値を認めるというのは、その人の存在を尊重するということです。自分よりも下に見たり、差別したり、偏見を持ったりしないということです。みな、尊い命を頂いて、その人の人生を生きている。そこに、違いはないのです。違いを感じてはいけないのです。相手も、自分と同じ、人として、その人らしく生きている。自分の存在が大切なように、相手の存在も大切だということ。そのことに気付くこと。それが、「思いやり」だと思います。

215 思いやり

 学校は、子どもたちの学びの場。その学びには、道徳的価値に気付かせる学びもあります。それは、道徳の時間を核にして、教育活動全般において行われる学びです。当然、授業以外の休み時間や給食や掃除の時間なども含まれます。学校で過ごしている全ての時間において、子どもたちは、他の人とどう関わり、よりよく生きるにはどうしたよいかを学んでいます。

 時に、子どもたち同士のトラブルが起きます。トラブルは、起きない方がいいに決まっています。しかし、現実問題として、成長するために、そのトラブルを通して学ぶ事も、実際にあるのです。

 トラブルの原因は様々ですが、その原因を突き詰めていくと、共通して言えるのは、やはり、「相手の立場に立って考えられない」ことがほとんどです。自分のしたいことを、言いたいことを、よくよく考えずに、やったり言ったりすることで、結果的に、相手に嫌な思いをさせてしまう。自分が相手だったら、傷つくことを言われたり、嫌なことをされたりしたらどうなのか、ということを考えられないのです。時間が経って、後から考えれば、分かることも、その瞬間の沸き立つ気持ちを抑えきれない結果なのです。

 この「相手の立場に立つ」というのは、道徳的価値で言うと、「思いやり」です。小学校学習指導要領解説「道徳編」では、思いやりについて、次のように記されています。

 自分のことばかりを考えたり、自分の思いだけを主張したりしていては望ましい人間関係を構築することはできない。互いが相手に対して思いやりの心をもって接するようにすることが不可欠である。
 思いやりとは、相手の気持ちや立場を自分のことに置き換えて推し量り、相手に対してよかれと思う気持ちを相手に向けることである。そのためには、相手の存在を受け入れ、相手のよさを見いだそうとする姿勢が求められる。具体的には、相手の立場を考えたり相手の気持ちを想像したりすることを通して励ましや援助をすることである。また、単に手を差し伸べることではなく、時には相手のことを考えて温かく見守ることも親切な行為としての表れである。

 けがをした友達を見て、(痛そう)と感じたり、「大丈夫?」と声をかけたりするのは、思いやりです。しかし、弱者に対していたわる気持ちを持つだけが思いやりではないと思うのです。(続く)

214 ちょっといい話

 4校時が終了し、みな給食の準備をしているときのことです。3年生の給食当番が、調理室に自分たちの給食を取りに行きました。すると、配膳する数が、当番よりも多かったのでしょう。人手が足りなくなってしまいました。

 ちょうどその時、放送当番のために、5年生のKさんが、1階に降りてきました。そのKさんの姿を見つけた3年生たちは、Kさんに廊下の端から声をかけました。
 「Kさーん、ちょっと来てー」
 そう呼びかけられたKさんは、「俺?」と言いながら、3年生の方へ行きました。そうして、3年生の食器を一人で抱えたKさんが、3年生の当番たちと一緒に、教室まで運んであげたのでした。

 しばらくして、放送室に戻ってきたKさんに、声をかけました。
 「頼られるって、いいよねー」
 すると、ちょっとはにかんで、Kさんは、こくりとうなずきました。

 上級生を頼りにする下級生。そして、それに応える上級生。微笑ましくもあり、心がほっこりする瞬間に、立ち会いました。

213 全国学力・学習状況調査

 6年生が、国語科と算数科の問題に取り組みました。
 この調査は、学校における児童への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることを目的に行われています。ですから、6年生の実施ですが、どんな問題が出題されているのか、全職員で確認をします。そして、普段の学習指導において、どんなところに力を入れていくか、共通理解を図ります。

 さて、実際、どんな問題が出題されるのかというと、新聞等でも紹介されていますので、是非、さっと目を通してみてください。かつての一問一答の計算をしたり、漢字を書いたりという問題はありません。活用する力が問われていて、国語も算数も、日常生活の場面から問題が出されています。例えば、国語では、新5千円札のモデルの津田梅子さんに関する調べ学習からであったり、算数では、地域の昔のことを調べるコースから出題されていたりしています。

 また、一つの課題に対して、一つの解答で終わりという形式ではなく、一つの課題から次の課題へ、また、さらに次の課題へとつながって行きます。ですから、やはり重要なのは、そこで示されている課題を理解する読解力です。国語の問題の文字数を数えてみると、ざっと原稿用紙10枚を超える文章量はあります。さらに、文章だけでなく、資料と関連付けていたり、グラフから読み取ったりする等、様々なものから読み解く力も求められています。そして、たくさんの情報の中から、自分が必要な情報を取捨選択する力も求められます。

 課題に対して、どう捉えるかを考える時、その課題を自分事として受け止める課題意識が大事だと言います。そのためには、いつも課題を与えられる受け身ではなく、自分から進んで課題に向き合う主体性が大事になります。そして、自分なりの考えを持つことも大事です。

 本校の先生方で取り組んでいる研究は、まさに、この「自分の考えをもち、主体的に学びに向かう児童の育成」です。研究授業の様子については、今後もお伝えしていきたいと思います。

212 水泳学習について

 先日、プール開きをしました。プール清掃では、3年生から6年生の子どもたちが、きれいに掃除してくれたお陰で、今年も、きれいなプールで、水泳学習を行うことができます。厳密には、今、プールに入水中で、この後、水温が上がり、機械を回して、濾過装置が動いてからの使用になります。それでも、6月に入ったら、水泳学習がスタートします。条件がよければ、いつでも入れるように、プール開きを行いました。

 小学校の体育には、必ず、全学年、水泳学習が入っています。陸上で行う運動では、目標を持って、それぞれの運動をすることがねらいです。水泳学習でも、同じように目標を持って取り組みます。しかし、水泳学習だけ、陸上にはない、特別なねらいがあります。それは、水泳学習は「水の危険から身を守る運動」だということです。

 私たちは、陸上で生活するように身体ができています。ですから、魚のように、ずっと水の中で呼吸をして、活動することはできません。しかし、自分の命や身の回りの人の命を守るためには、水の中で安全に運動できるようになることは大切なことです。それが、水泳学習の大きなねらいです。

 水泳学習というと、泳げるようになることに注目しがちです。最終的には、そこまで目指しますが、まずは、泳げることよりも、浮くことが大事です。まずは、浮くこと。この浮くことこそ、水の危険から身を守る方法でもあります。昨年度、水泳学習の最後に、着衣泳を行いました。その時の合い言葉が、「浮いて待て」でした。もし、間違って水の中に落ちた時は、助けが来るまで「浮いて、待て」ということです。

 「浮く」。泳ぐよりも、浮くこと。ですから、水泳学習では、まず、水慣れしたら、いろいろな「浮き方」を練習します。伏し浮き、だるま浮き、クラゲ浮きなど、全身の力を抜いて、浮くことができるようにします。実は、この力を抜いて浮くことができれば、この後のけのびやバタ足などにつながり、結果、泳げるようになっていきます。そのために、まずは、「浮く」なのです。

 子どもたちの中には、水泳は苦手だからやりたくない、という子が見られます。しかし、見学ばかりでは、水の危険から身を守る方法は、身につきません。実際に、水に入って、自分の体で学ぶしかないのです。ですから、水泳学習は、できるだけ、見学せず、やるようになってほしいです。

 水泳学習では、できるだけ、一人一人の実態に合わせた練習をしていきます。ですから、子どもの苦手なところを、克服できるように練習しますので、お家でも、励ましてほしいと思います。また、今年度も、水泳学習は1学期で終了になります。天気がよい日は、できるだけプールに入るようになりますので、水着の準備は、毎日するようにお願いします。持ち帰ったら、すぐに洗って、干して、翌日、また持たせて下さい。御協力お願いします。

211 学級通信の発行に関するお知らせ

 改めて言うことではないのですが、この「LIVE」は、一応、「学校だより」という役割を担っております。一方、現在、各学年より保護者の皆様に向けて、「学級通信」が発行されております。この「LIVE」と「学級通信」の発行により、保護者の皆様へは、子どもたちの様子や保護者の皆様へのお知らせが成されています。

 改めて、これまでの発行状況を見ると、保護者の方々に対して、お伝えする情報が重複してしまうことがあり、場合によって、情報が合っておらず、再確認のお知らせが必要な事が、これまで度々起きていました。

 そこで、そのような状況にならないよう、この「学校だより」と「学級通信」の発行に関して、今後、以下のようにしていきますので、どうぞ御理解・御了承ください。

 ○これまで、各学年事にお知らせしていました「月行事予定」「下校時刻」については、一覧表にまとめたものを、この「学校だより」でのみ、お知らせします。

 ○コンクール等の入賞者や校内記録会の入賞者等の紹介も、「学校だより」に掲載します。

 ○各学年の「学級通信」では、引き続き、学級内の子どもたちの活動の様子や、学年として独自に連絡が必要な内容についてのみ、お知らせしていきます。

 ○「学級通信」の写真の掲載については、必要最低限として、活動の様子が分かる写真は、学校のホームページにて紹介していきます。

 ○「学級通信」の発行のタイミングは、学級の実態によって異なるため、不定期発行とさせていただきます。また、発行が必要なタイミングで発行するため、A4片面を原則とします。さらに、学年によっては、児童へ直接連絡することで、学級通信を発行しなくて済む場合もあります。そのため、学年によって、発行号数に差が生じますことを、御了承ください。

210 夜空を見上げてみませんか

 5月26日(水)の夜、珍しい天体ショーが見られます。それは、
「スーパームーンの皆既月食」です。

 皆既月食とは、満月に地球の影が重なって、月がすっかり隠れる現象ですが、この時の月が、地球から一番大きく見えるスーパームーンなのです。月食は午後7時前から始まって、皆既月食になるのは午後8時10分頃。約15分程見られるようです。観察する時は、大人の人とするようにお願いします。