学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

259 野小っ子学習発表会の感想より

 各学年、学んだ事をしっかり発表されており、一人一人、一生懸命自分らしさ、その学年の色を発揮されていたと思います。野木沢小学校の良さ、子どもたち一人一人に行き届いた学びの場があるおかげで、子どもたちの生き生きとした表情、成長した姿を見る事ができて本当に良かったです。この状況下で、工夫された発表会だったと思います。
 どの学年の子どもたちも、みんな、練習の成果を発揮し、元気でキラキラ輝いていたと思います。
 最初は緊張していましたが、最後までやることができて、とてもよかったです。セリフを忘れてしまっていても、友達から教えてもらいながらできて良かったです。子供の成長が見られてうれしかったです。
 3年生は、りんご園で学んできた事が良くまとめられ、役になり切って演じる姿も可愛かったです。合奏も、ピアノ演奏に合わせて、上手に出来ていたと思います。
 5年生は震災の時は覚えていないと思います。それでも、いろいろな事を聞いてきて、見てきて、自分達が感じた事、思った事をよくまとめて発表したと思います。
 自分の子どもの学年だけでなく、全学年の発表を観ることができ、良かったです。みんな堂々と立派に発表、演奏できていたと思います。ただ、緊張もあってか、声が少し小さい部分があって内容が聞き取れない箇所があったのが残念でした。でも、広い体育館で、たくさんの人の前に立って発表するということは、子どもたちにとって自信につながることだと思います。発表会後、我が子だけでなく、他の子どもたちにも労いの言葉をかけ、頑張りをほめてあげました。子どもたちの成長が感じられ、本当に良い発表会でした。

 この他にも、たくさんご感想をいただきました。ありがとうございました。
 今回の「野小っ子学習発表会」を通して、子どもたちの学びに取り組む姿や成長した姿を、お出で頂いた皆様に観ていただきたかったので、そのことを感じていただけたのが特にうれしかったです。発表する声の大きさについても、いろいろとご指摘いただきました。子どもたちには、これからの日々の中で、自分の考えに自信を持ち、相手にしっかりと伝えるという気持ちで、さらに堂々と発表できるよう、指導していきたいと思います。

258 やれば、できる。

 このフレーズを、どこかで聞いたことがあるかと思います。似たような言葉で、「為せば成る」というものもあります。こちらは、江戸時代の米沢藩主だった上杉鷹山(うえすぎ ようざん)の言葉です。この言葉は続きがあって、

 「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」。

 その意味は、「人間、その気になってやれば、どんなことでもできる。できないのは、その人が本気でやってないからだ。」というものです。前述の「やれば、できる。」も、同じようなことを言っています。つまり、「やらなければ、一生、できないまま。しかし、行動に移して、やれば、できる。」

 この「やれば、できる。」のお話を、先日の全校集会で、子どもたちにしました。

「私は、この言葉のように『やれば、できる。』と思っています。しかし、みなさんの中には、やってもできないことはある、と思っている人もいると思います。学習に運動に、いろいろなことをやってはいるが、なかなかできないと。でも、私はやはり、『やれば、できる。』と思います。実は、この『やれば、できる。』の言葉には、大切な言葉が隠れています。

 それは、『(あきらめないで)やれば、(いつか)できる。』です。

 大事なのは、できないからと言って、あきらめないことです。何かやっていて、すぐに、『できない!』とあきらめてしまう人がいます。それでは、だめです。何かできるようになるためには、時間がかかります。努力も必要です。簡単なことではないのです。ですから、例え、なかなか思うようにいかなくて、なかなかできないことでも、あきらめるのではなく、やり続けることです。そうやって、やり続けていけば、いつかは、必ずできるのです。それが、いつなのかは、その人の取り組み次第です。1ヶ月先か、3ヶ月先か、半年先か、1年先か、もっと先か、それは分かりませんが、あきらめないでやり続ければ、いつか出来る時が来る。そう信じて、頑張ることです。」

 子どもたちは、毎日、学校で、いろいろな学習に取り組みます。それらは、分からないから、できないから学ぶのです。授業を通して、子どもたちは、分かるようになったり、出来るようになったりします。しかし、そこには、すぐに分かったり、出来たりすることと、なかなか分からなかったり、出来なかったりすることがあります。簡単にできるようになることもあれば、出来るまで、時間がかかることがあります。子どもたちは、やはり、すぐに、出来るようになりたいと思っていますし、そうなると信じているところもあります。しかし、実際は、そんな簡単にできることばかりではないので、ちょっとやってできないと「あーっ、できない。」とイライラしたり、投げ出したりしがちです。

 でも、考えてみると、何かできないことを出来るようにするには、時間がかかることが多いと思います。簡単にできることの方が少ないと思います。そのことを、分かっていることは大事です。子どもによっては、(自分はもっとできるはずだ)と、思い込んでいる子も見られます。自信を持ってやろうとする姿勢はとてもよいです。しかし、自信過剰では、なかなかうまくいかないことが多いです。簡単にできると思っていることが、実際には、なかなか出来ないわけですから。それが、当たり前なのだと、それが普通なのだということを知らなければなりません。そして、何事も、出来るようになるには、それ相当の時間をかけて、努力しなければできないのだという構えが必要です。

 そうやって、時間をかけて、努力し続け、あきらめないで取り組んだ結果、出来るようになったことは、とても価値があるのだと思います。そうやって、身に付けたことは、簡単には忘れません。長く、自分の力となって、自分の自信の源になるはずです。

 「あきらめないで、やれば、いつか、できる。」そのことを忘れずに、今、取り組んでいることに向き合い、そして、何か新しいことにチャレンジしていってほしいと思います。

257 野小っ子学習発表会を終えて

 秋晴れの穏やかな天候に恵まれ、会場となった体育館もそれ程冷え込むこともなく、野小っ子学習発表会は行われました。早朝よりたくさんの方にお出で頂きました。
 開会に先立ち、PTA関係の表彰式を執り行い、前PTA会長の石井三千男様に福島県PTA連合会の表彰並びに石川郡連合PTAの表彰がありました。本日は欠席でしたが、前副会長の吉田真澄様にも郡PTA表彰がありました。

 その後、1年生7名による開会の言葉で始まった発表会は、1年生の「のぎさわスペシャルくじらぐも」の発表からスタートでした。1年生は、何と言っても、7名という少ない人数ですが、一人一人が大きな声で、身体いっぱい使って発表していました。国語の「くじらぐも」のお話をベースに、生活科の生き物探しなど発表しました。合奏の「きらきらぼし」も、一人でピアノを弾いたり、ふたりで鉄琴を演奏したりと、逆に聞き入る演出があり、7名でもしっかりと合奏になっている発表でした。

 2年生は、「お手紙~まだかな かたつむりくん~」の発表でした。これは、国語で学習したがまくんとかえるくんのお話「お手紙」を題材にして、そこに登場するかたつむりくんが、お話には書かれていない出来事を創作した発表でした。かたつむりくんが歩く途中で、もぐらくんに会い、生活科の紀陸さんにお世話になって取り組んだ里芋づくりの発表も行いました。合奏の「山のポルカ」も自信を持って発表していました。練習で人前に立つプレッシャーを感じていた子どもたちも、本番では、最後までしっかりと発表できました。

 3年生は、「マイタウン野木沢~めざせ!りんごはかせ~」の発表でした。3年生は、リンゴ栽培に取り組んでいます。その中で、相樂さんから教えて頂いたことを、分かりやすく発表しました。リンゴ栽培の工程を、テンポよく場面を変えながら、クイズなども交えて発表しました。小道具を工夫して使い、見ている人にも、よく調べて学んだ様子が伝わる発表でした。合奏の「ゆかいな木琴」の演奏も、自信を持って演奏できました。3年生は、練習段階から、自分たちでどうしたらよいか話し合って、取り組んできました。その成果が十分に発揮できていたと思います。

 4年生は、「自然を守るヒーロー4年生!」の発表でした。4年生は、森の案内人の矢吹さんに教えて頂いた川や森の様子やそこに棲む生き物や樹木について、発表しました。一人一人が、自分の発表する内容をしっかりと覚え、堂々と話すことが出来ていました。発表に合わせて作ったスライドも、イラストや写真を入れて、工夫して作成しました。合奏の「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」も、いろいろなパートの楽器の音がそろい、気持ちもそろった演奏でした。

 5年生は、「震災10年目の今~コミュタン福島を見学して学んだこと~」の発表でした。震災という大きなテーマの発表でした。それだけに、(それを発表する)気持ちがこめられた発表になっていました。今回、発表を見られた方の中には、あの当時のことを思い出した方も多かったのではないでしょうか。そんな難しい内容について、調べたことに自分の感想を交えて、分かりやすく発表できました。写真や資料を入れたスライドは、とても凝って作られていました。長い説明を覚えて発表する姿はさすがでした。合奏の「Believe」「カイト」は、メッセージ性もあり、この発表にとても合っていました。

 そして、最後は6年生の「クイズ!野木沢小学校」の発表でした。子どもたちは、学校に来て、日々、様々な学習に取り組んでいます。そのことを、改めて感じさせられた発表でした。そして、15名の6年生の子どもたちの個性が生かされた発表だったと思います。グループでの発表でも、一人一人、自分の伝えることをしっかりと発表しました。実は、最初の頃の練習では、それぞれのグループで、調べたことについてだけ発表していました。しかし、それでは、他の学校の6年生でも出来る発表です。野木沢小の6年生として発表する訳ですから、そこには、自分が、自分達が感じたこと、考えたことが必要です。その後の練習を経て、本番の発表では、思ったことや感じたことを、各自が述べていました。自分達の発表になっていました。そして、合奏の「ラバーズコンチェルト」は、素敵な音色を奏でていました。進行役の個性も光る、楽しい発表でした。

256 マラソン練習、頑張ってます!

 11月11日(木)が、校内マラソン大会の日です。先週から、業間の時間や体育の時間に、持久走の練習が始まっています。実際のコースを試走して、今の自分の記録を確認しています。1年・2年は約1.2km、3年・4年は約1.6km、そして、5年・6年は約2kmを走ります。校庭はほぼ平坦ですが、マラソンコースは、起伏が激しいコースになっています。私の経験上、これだけアップダウンがあるコースは、他に知りません。それだけ、子供たちにとっては、きついコースだと言えます。でも、その分、鍛えられることは間違いありません。

 マラソンは、足も痛くなるし、苦しくなる。とてもきつい、つらいものです。それは、最初から分かっていること。それでは、どうして、そんな、つらく、苦しいことを、やるのでしょうか。それは、「自分の力を付けるため」「自分を鍛えるため」です。これは、マラソンに限ったことではなく、つらく、苦しいことを、耐えて、頑張って、乗り越えた時に、人は力を付けるのだと思います。逆を言えば、つらくもない、苦しくない、そんな楽なことばかりして、力を付けることはできないのだと思います。だから、つらく、苦しい時は、歯を食いしばって、我慢して、できる限り頑張ってみる。そうやって、頑張っている自分を、自分自身で励ます。そして、最後までやり遂げた時、自分自身で自分をほめてあげる。頑張れた自分を、認めてあげる。それでいいのだと思います。どんなにつらいことでも、苦しいことでも、自分のためなら、頑張れる。その努力が、全て、自分の力になると思えば、耐えられる。乗り越えられる。そう思います。そういう積み重ねが、身体だけでなく、「我慢強い心」を育て、「最後まであきらめない態度」を養うのだと思います。

 苦しそうに、必死に頑張って走っている子供たちを見ると、涙が出そうになります。でも、誰も、その子ども自身の代わりにはなれないのです。自分の心と体を鍛えることは、結局、子ども本人にしかできないのです。だから、私たち教師は、その姿を応援することしかできない。頑張っている子供たちには、「頑張ってるよ、それでいいよ。そのまま、最後まで行こう。」と声をかけ、まだまだ頑張れそうな子供たちには、「もっとやれるよ、もっと頑張れるよ、全力で、手を抜かずにやろう」と励まします。マラソン練習は、まだまだ続きます。きっと、子供たちの中には、弱音を吐きたくなる子もいると思います。是非、お家の方々には、そういう思いを受け止めていただき、そして、言葉をかけてください。「あなたなら、できるよ。」と。その言葉が、子供たちの力になって、また、頑張ることができるのだと思います。

  最後に、今年のマラソンコースは、距離は変わっていませんが、コースの一部を変更しました。昨年度まで、3年生以上は、最後に県道に出た後、そのまま歩道を走って、学校前を過ぎ、奥井商店から左折して、校庭まで戻るルートを走っていました。しかし、やはり、奥井商店からの坂道が狭いので、安全上、そこを通らないことにしました。そこで、3年生以上も、低学年と同じように、県道に出た後、すぐに、職員駐車場に上る坂道を上がり、職員駐車場から校庭へ戻るルートを走ります。そのため、3年生以上は、コースの途中に、折り返しのコースが追加されました。この折り返しの部分は、ほぼ平坦なのですが、中間地点を過ぎるため、かなりきついと思われます。しかし、折り返しのため、頑張っている友だちの姿を見ることもでき、お互いに励まし合える場所にもなります。マラソン当日、是非、こちらの方でも応援していただけたらと思います。

255 スマホに絡む諸問題

 昨日、石川小学校で行われた就学時健康診断の時に開催された「子育て講座」で、石川警察署少年警察補導員の小野早希さんの講話がありました。演題は、「スマホに絡む諸問題」。これから学校にあがる子どもの保護者の方に、ちょっと早いのでは?と思われる方もお出でかもしれません。しかし、今の子供たちには、すっかり身近になっているスマホと、どう付き合っていけばよいか、また、その時に気をつけなければならないことはなにか、早い段階で保護者の方が正しく知り、そして、お子さんに伝えていくことは大事だと感じました。以下、講話の内容を紹介します。

 生まれた時から身近にスマホがあった今の子供たちにとって、スマホは生活の一部となっている。写真や動画を撮ったら、すぐにSNSに載せることも、当たり前になってきている。SNSによる事件の被害児童数は、1,819人。その内、4割はTwitter。そして、被害児童の9割は中高生(1割が小学生、最年少は8歳児童)。そして、SNSの出会い系サイトで、知らない人と会っている中高生は、そのほとんどが、自らの意思で会っている。

 デジタルタトゥー。それは、一度ネット上に上がった画像等の個人情報は、完全に削除することが困難であることを表している言葉。あまり考えもせず、勢いで書き込んだ言葉も同じ。そして、どこまで拡散するのかも分からない。実際、裸の画像を送ったことで、将来の進学や就職にも影響が出ている事件もある。

 このような事件事故の被害者・加害者にならないために、子供たちに伝えたいこと。それは、「親の前で出来ないこと、言えないことはやらないこと。」そして、「自分の大切な人が同じ目に遭ったら、どう思うか考える。」ということ。

 これらの事件事故に会わないためにも、「後が怖い、スマホの約束六ヵ条」
  あ・・・会わないで(知らない人に)

  と・・・とらないで(自分の裸)
  が・・・画像を送らないで
  こ・・・個人情報、のせないで
  わ・・・悪口を書き込まないで
  い・・・いじめないで(ネットを使って)

254 表彰の紹介

 石川地区児童理科作品展 
  特選 4年 佐藤 愛菜 さん「レーズンを使った天然こうぼパンの観察」
  特選 6年 吉田 智哉 さん「果汁もびっくり!シミ落としの大研究」

 石川地区読書感想文コンクール
  推薦 1年 近内 龍大 さん
  推薦 3年 水野 優結 さん
  特選 4年 佐藤 愛菜 さん

 第40回石川地区小体連陸上競技大会

  男子走り幅跳び     第3位 二瓶大雅さん(417cm)
  男子80mハードル   第5位 石下允透さん(15秒60)
  男子80mハードル   第7位 髙橋優守さん(17秒54)
  男子4×100mリレー 第6位 (1分00秒35)
           石井陽翔さん(1走)・二瓶大雅さん(2走)・石下允透さん(3走)・吉田智哉さん(4走)

   髙橋優守さん(補) ・円谷由義さん(補)

 第29回野木沢地区防犯・交通安全運動「標語コンクール」
  石川町青少年健全育成協議会野木沢地区協議会会長賞
   「わすれてない?家のとじまり 火のかくにん」     1年 草野 尚輝 さん
  石川地区交通安全協会野木沢分会会長賞
   「手をあげて 小さなわたしも 手しんごう」   2年 水戸 葉月 さん
  野木沢地区区長会長賞
   「友だちと 話すのがまん 一列歩行」      3年 岡田 そら さん
  石川町防犯協会野木沢支部長賞
   「毎日の 家族の会話が 防止策」        4年 佐藤 朋希 さん
  石川町消防団野木沢分団長賞
   「消したかな 小さな残り火 火事のもと」    5年 水野 陽菜 さん
  野木沢地区交通安全母の会会長賞
   「あわてるな そのイライラが 事故のもと」   6年 草野 大輝 さん

  入賞 1年 長谷川凛華さん、和気汰河さん 2年 円谷悠馬さん、佐藤太耀さん
     3年 黒澤結衣さん、草野桃花さん  4年 佐藤妃莉さん、宇佐美蒼さん
     5年 佐藤世菜さん、円谷頼人さん  6年 吉田智哉さん、円谷由義さん

253 努力と成長

 みなさんの今年の秋は、どんな秋でしょうか?
 先日、全校集会で表彰がありました。多くの子どもたちが表彰されました。読書感想文コンクールは、「読書の秋」ですね。理科作品展は、「研究の秋」でしょうか。小体連陸上大会は、「スポーツの秋」。そして、防犯・交通安全標語コンクールは、「文化の秋」ですね。また、スポ少で活躍している子どもたちも、スポーツの秋を満喫しているわけですね。
 秋は、「実りの秋」でもあります。これまで頑張って続けてきたことや、努力してきたことが、それなりの成果として現れることを言います。学習面でも、運動面でも、その子に応じて、努力してきた成果として、成長が感じられるようになってくるのが、この秋です。

 この、「努力と成長」の関係は、多くの人が、比例すると捉えています。つまり、努力した分、成長するという考えです。イメージとしては、「少しの努力→少しの成長→少しの努力→少しの成長→少しの努力→少しの成長・・・」という感じです。

 しかし、実際には、努力と成長は比例しません。努力しても、その成果は、すぐには現れないのです。では、いつ、努力の成果が現れるのか?それは、決まっていません。でも、努力し続ければ、必ず、ある時、現れます。それも、一気にぐーんと圧倒的に現れます。このイメージは、「少しの努力→見えない成長→少しの努力→見えない成長→少しの努力→見えない成長・・・→(ある時、突然に)圧倒的な成長・・・」

 子どもたちの中にも、前例のように、やっただけ伸びると思っている子がいます。そういう子は、やってもなかなか上達しなかったり、結果が出なかったりすることで、やっても無理とあきらめてしまう傾向があります。これは、おしいことなのです。やってもそう簡単に出来るようになったり、いい結果が出たりすることはないのですから。大事なのは、今はなかなか伸びなくても、いつか、必ず伸びることを信じて、あきらめずに、努力し続けることです。止めずに、こつこつと続けて行くことで、必ずその内に、出来るようになったり、いい結果が現れたりするのです。(あれっ、何か急に出来るようになった!)と、自分自身が驚くような成長をする日が来るのです。でも、その状態は、ずっとは続きません。また、思うように成長できない日が続きます。でも、それでも、あきらめずに努力し続ければ、また、その内、ぐんと伸びる日が来るのです。そうやって、人は、成長していくのです。だから、大事なのは、「あきらめないこと」と「続けること」なのです。

252 小体連陸上大会を終えて

 6年生の子どもたちが、小体連陸上大会に参加しました。6年生の子どもたちは、みな、一生懸命に競技しました。

 みなさんは、競技に出場した子どもたちが、どんな気持ちで大会に出場したか、想像がつくでしょうか。保護者のみなさんの中には、ご自身も小学生の時、陸上大会に出場した経験がおありの方も多いのではないかと思います。その時のことを覚えておいででしょうか。みなさんは、どんな気持ちで、陸上大会に参加していましたか。

 私は、陸上大会に出場している子どもたちは、「孤独との戦い」ではないかと想像しています。いつもの練習は、そばに友達もいる、先生もいる。そして、分からない時は、すぐに周りにいる友達や先生に聞ける。そういう安心感の中で練習しています。しかし、陸上大会では、周りは、他の学校の子どもばかり。係の先生も知らない先生。だから、分からないことがあっても、すぐに聞ける人がいない。何をどうしたらいいのか、困っていても、助けてくれる人がいないと感じる。実際は、周りの係の先生に聞けば、ちゃんと教えてくれるし、助けてくれるのですが、知らない先生に声をかけるのは、容易ではないのです。そういう孤独の中、必死に戦っていたのではないかと思います。

 そういう意味で、この経験は、子どもたちを、大きく成長させるのだと思っています。誰も頼れる人がいない。だからこそ、最後は、自分を頼るしかない。周りの状況から、自分で判断し、自分で決断し、実行する。そして、責任は自分で取る。今まで教えてもらったこと、練習してきたことを思い出し、自分を信じる。そういう経験をすることができるのが、陸上大会ではないかと思うのです。だから、この大会を通して、子どもたちは、大きく成長できるのだと思います。

 今回の大会には、6年生の子どもたちは、自己ベストを目指して臨みました。選手壮行会でも、みな、そのように目標を述べていました。毎日の練習でも、常に、今の自分を超えることを目標に、チャレンジしてきました。そして、大会前日は、各自が、自分の自己ベスト記録を書き出し、それを更新することを目標にしました。この陸上大会は、他の学校の子どもと競い合う大会ですが、競い合って勝つことが最終目標ではありません。勝ちにこだわることや、入賞することを目標にしていけないわけではないのです。ただ、勝つとか入賞するとか、そういうのは結果であって、他の選手との関係で決まることです。自分がどんなに努力しても、勝てないことはあります。入賞できないこともあります。その場合、その人がしてきた努力は無駄なのでしょうか。本大会の大会長が開会式のあいさつで、次のようなお話をされていました。

 「『結果が全てだ』という言葉がありますが、私はそうは思いません。この大会に向けて、コロナ禍で、十分な練習ができなかった人も多いと思います。それでも、お家の人に支えてもらい、友達と競い合い、励まし合って、先生方から教えていただきながら、自分の力を高めてきた、これまでの日々の努力は、決して無駄なことではなかったと思います。そうやって、自分を高めてきたことは、これからのみなさんの力になるはずです。」

 私も、同感です。今回の大会で、おしくも自己ベストを出せなかった人はいます。その人は、努力が足りなかったのでしょうか。その人がやってきた、これまでの努力は、無駄なことだったのでしょうか。そんなことはありません。6年生の子どもたちは、本当にこれまで、一生懸命練習に取り組んできました。その中で、今以上に自分の力を伸ばすよう、こつこつと努力を続けてきました。それは、一緒に練習に取り組んでいた4年生、5年生の陸上クラブの子どもたちが知っています。毎日、指導にあたって来られた先生方が知っています。そして、何より、頑張ってきた自分自身が、一番よく分かっているはずです。だから、6年生の子どもたちには、これまで諦めずに最後まで頑張って取り組んできた自分自身を、大いにほめてほしいと思います。そして、お家の方々からも、たっぷりとねぎらいの言葉をかけてほしいと思います。お願いします。

 6年生全員が、孤独と戦い、それでも、前に進んで行こうと、勇気を出して、一歩踏み出した陸上大会が終わりました。今の自分を超えようと、チャレンジした大会が終わりました。6年生のみなさん、本当にお疲れ様でした。また一つ、6年生のみなさんにとっては、小学校の思い出が出来、そして、大きな出来事が終わりました。しかし、6年生のみなさんの小学校生活は、減っては行きますが、まだまだ続きます。ここで、大事なのは、次へのチャレンジです。新たな目標に向かって、さらに努力する姿を、下級生たちに見せてください。それが、最高学年であるみなさんの大きな役目です。

251 なかよし遠足を終えて(続き)

 そして、今回、トイレ休憩を兼ねて見学先にさせていただいたお寺では、子どもたちにおやつまで用意していただきました。他にも、境内の鐘をつかせていただいたり、近くの珍しい観音様の場所も教えていただいたりもしました。また、事前に草刈りなどもしていただき、気持ちよく休憩させていただくこともできました。
 また、冒頭にあったような、地元の方との会話もあり、今回の遠足は、「ぐるり野木沢」だけでなく、「どっぷり野木沢」という活動になりました。やはり、野木沢の子どもたちは、この野木沢地区に育てられているんだということを、改めて感じることができました。

 子どもたちが生まれ育ってきた、この「野木沢」を知り、そのよさを感じ、そして、大好きになる。本校で取り組んでいる「野木沢教育」のねらいに迫る、とても有意義な活動になりました。

 それから、縦割り班活動のよさも、たくさん見られました。異学年集団での、それぞれの役割、責任と自覚、そして、思いやり。そういうことが、言われてやるのではなく、自分たちで、自ら気付き、考え、行動する姿。特に、各グループをまとめて、お世話した6年生たち、それをサポートする5年生たちの姿には、きっと下級生たちは、頼もしさを感じたことと思います。上級生たちのそういう姿にあこがれ、お手本にして、下級生たちは育ちます。そういう意味でも、子どもたち同士の絆を強くした活動になりました。

 近年、学校行事は、削減の方向にあります。理由は、授業時数の確保です。授業で教える内容が増え、授業以外に使える時間が足りなくなってきたからです。ですから、かつては、3年生では6校時はなかったのですが、今は、3年生でも6校時の日が何回かあります。2年生の4校時の日も少なくなりました。それでも、授業時間は十分とは言えず、結果、授業でない活動を減らしていくしかないわけです。しかし、子どもたちの学びのために、なくせない活動はあります。6年生の修学旅行もそうですし、4年生と5年生の宿泊学習もそうだと思います。3年生のリンゴ栽培体験も、1年生と2年生の野菜栽培体験もしかりです。それぞれ、野木沢の子どもたちには大事な学びです。

 今回のなかよし遠足は、初めての活動でした。コロナ前の異学年活動で行っていた藤田城での活動の、別バーションとして新しく取り入れたものでした。ですから、担当した係の先生を始め、先生方はいろいろと大変だったと思います。コース設定から、トイレの場所確保、チェックポイントでの活動、ボランティアの依頼、そして、子どもたちへの事前指導・・・。新しく何かを始める、生みの苦しみというものです。でも、やってみて感じるのは、午前中の4時間を費やして行うだけの価値は、十分にある活動だということです。それは、この活動を通して見られた、子どもたちの姿です。そこには、「歩いて疲れた」だけではない、「やってよかった」という実感を感じます。教室では学べない、なかよし遠足だから学べることが、たくさんあったと思います。ご協力いただいた皆様に感謝です。また、予備日の30日に都合をつけていただいた皆様にも、感謝申し上げます。ありがとうございました。

 最後に、今回、チェックポイントでは、子どもたちが気に入った場所の写真を撮ってきました。どんな写真を撮ったのか、とても楽しみです。後日、ホームページでも紹介したいと思います。

250 なかよし遠足を終えて

 ある場所で、農作業をされていた地元の方と、子どもたちの、こんな会話が聞こえてきました。

「今日は、何してんの?」
「遠足でーす」
「そう、ちょっと、おっちゃんの稲刈り、手伝ってよ(笑)」

 曇り空で日差しもなく、遠足にはちょうどよい天気の中、子どもたちは、よく歩きました。ほとんどの子どもが、今まで、こんなに歩いたことがないという距離を歩いたと思います。きっと一人では絶対歩けないような距離だったと思います。この野木沢の地区を、「ぐるり野木沢」とひたすら歩く遠足。8時半にスタートして、12時にゴール。本当によく歩きました。

 ボランティアで、子どもたちの各グループについて、一緒に歩いてくださった保護者のみなさんから、ゴールしてから感想を聞きました。

「やはり、小さい子には、かなりきつかったと思います。それでも、大きい子が、荷物を持ってあげたり、手をつないでくれたり、おんぶしてあげたりして、みんなで頑張って歩いていました。」
「最初は、表情もあまり楽しそうでない感じでしたが、みんなで歩いて行くうちに、だんだん楽しくなっていったみたいです。後半は、笑顔がたくさん見られました。」
「スタートした頃は、お互いに緊張していましたが、そのうち慣れてきて、グループの子どもたちとのおしゃべりが、とても楽しかったです。」
「自分たちだけで歩いている時は疲れていても、他のグループとすれ違う時は、子どもたちのテンションは上がってました。友達と会えて、とてもうれしそうでした。」
「自分が住んでいる地区になったら、進んで道案内をする姿が印象的でした。自分だけが知っているローカルな話題も面白かったです。」
「いつも車でしか通ったことのない道を、今回歩いてみて、意外と起伏があって、歩くと大変なんだと気付きました。」
「今まで行ったことがないところを回って、野木沢には、いろいろ魅力的なところがあるんだと分かって、うれしかったです。」

 今回のなかよし遠足の出発の際、係の先生から、「野木沢のよさを見つける」「今よりもっとなかよしになる」ことをめあてに示されました。今回の遠足では、この二つのことを、十分達成できた活動になりました。(次へ)