学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

36 “ぶたはしゃべる”って何?

 全国で毎年12000人程の小学生が、交通事故に遭っています。これは、毎日30人超の子どもたちが事故に遭っている事になります。いつ、自分が事故に遭ってもおかしくない数字です。ですから、まずは、今度事故に遭うのは、もしかしたら自分かもしれないと思うことが大事です。自分は事故に遭うはずがないという油断が事故を招くのです。今度、自分が事故に遭うかもしれない。だから、絶対に事故に遭わないように、車には気をつけなければならない。歩いて帰る時は、自転車に乗る時は、それぞれ、どんなことに気をつければいいのか。それを学ぶための交通教室でした。交通専門員の金内さんと塩沢さんにご指導いただきました。その中で、自転車の点検や安全な乗り方について、次のような話がありました。

 自転車点検の5つのポイント「ぶたはしゃべる」
  ①ブレーキはきくか?
  ②タイヤの空気は大丈夫か?
  ③ハンドルは曲がっていないか?
  ④車体(ライトや反射材等)は大丈夫か?
  ⑤ベルは鳴るか?

 自転車の正しい乗り方5つのポイント
  ①スピードを出し過ぎないこと。
  ②一列で乗ること。
  ③ふざけて乗らないこと。
  ④自分の家から出る時は、必ず止まって安全確認すること。
  ⑤道路の左側を走ること。(自転車は車と一緒)
   ※小学生は歩道を乗ることができるが、歩行者優先。

 1・2年生は、道路の歩き方を学びました。道路の右側を歩くこと、一列で歩くこと、道路を渡る時は、左右の安全確認をすること等、実際の道路で教えていただきました。

 野木沢地区には、信号がありません。交通専門員の方は、「信号がないから、逆に、ドライバーも歩行者も安全確認をするので、事故が少ない。」とおっしゃっていました。なるほどと思いました。信号があると、その信号に頼ることで、逆に無理な運転や不十分な安全確認で、事故が起きやすくなるということです。信号があっても、自分の目と耳で、しっかりと安全を確認することが大事なんだと思いました。

 最後に、先日、道路交通法が一部改正され、「あおり運転」に対する「妨害運転罪」が成立しました。これにより、あおり運転がなくなってくれることを期待しますが、私たち自身、ゆとりをもって運転することを心がけたいものです。

37 万物皆師

 3年生の総合学習は、リンゴ栽培の体験学習を行います。ふるさと教育の一環で、野木沢地区でリンゴ栽培をされている相樂さんを先生に、いろいろと教えていただきます。

 例年ですと、5月初旬にリンゴの花が咲いた時に、受粉作業から体験するのですが、今年は臨時休業中であったため、先日、摘果作業から体験しました。摘果は、一つの大きな実を残して、他の実を切り落とす作業です。説明を聞いた後、一人一人摘果の体験をしました。慎重にはさみを使って、摘果しました。その後、実際に摘果した小さい実をかじらせてもらいました。どんな味だろうとおそるおそるかじってみると、その苦いこと!とても食べられたものではありません。子どもたちは、この貴重な体験から、今は小さくて、とても苦く美味しくないリンゴの実が、この後、どのように大きくなって、どのくらい美味しい実になるのか、興味を高めることができました。

 子どもたちの体験は1時間ほどでしたが、相樂さんのリンゴ畑にはリンゴの木が何百本とあるそうなので、この作業は実際は何日もかかります。そして、この後、袋かけや収穫、枝切りなど、秋まで継続して学習していきます。美味しいリンゴが収穫できる日を楽しみに、学び続けます。

 今回は、相樂さんがリンゴの先生でしたが、「万物皆師」、3年生は、リンゴの木からも学ぶ事になります。そして、実は3年生に限らず、他の学年も、学校の花壇や畑、自分のプランター等を使って、様々な植物を育てていますので、それぞれ育てている植物も、子どもたちにとっても、いろいろと学ぶことが出来る先生なのです。

38 むし歯は病気

 6月4日は「むし歯予防デー」でした。今年は、新型コロナウイルスの影響で、まだ、歯科検診が行えていないのですが、今後、検診をすると、中には、むし歯が見つかるお子さんもいると思います。

 結論から言いますと、むし歯は病気です。それも、放っておけば自然に治ることはない病気です。頭痛や腹痛のように、休んでいたらよくなるような病気ではなく、歯医者さんで治療してもらわないと治らない病気です。ですから、もし、今後、お子さんにむし歯が見つかったら、早めに受診をしてください。早ければ早いほど、完治も早いです。放っておけばおくほど、むし歯はどんどん悪化します。痛くない内がチャンスです。むし歯の痛みを知っている人は分かると思いますが、むし歯の痛さは、もう他に何もできなくなる痛さです。そうなる前に、治療してしまうのがベストです。そして、むし歯の怖さは、放っておくことで、むし歯の菌が全身に回って、他の病気を引き起こすことがある点です。それだけ、むし歯は怖い病気なのです。

 最後に、もう一度言います。むし歯は治療が必要な病気です。お忙しいとは思いますが、早めの受診・治療をお願いします。

39 水泳学習の話

 放送によるプール開きで、校長より次のような話をしました。

 みなさんの中には、水泳学習が苦手だなあ、心配だなあと言う人がいると思います。
 なぜ、小学校では、水泳学習を行うのでしょうか。
 それは、陸の上と水の中では運動のしかたが違うので、どう違うのか正しく知って、水の危険から身を守るためなのです。

 私たちは、陸の上で生活しています。
 ですから、水の中での活動に慣れていません。
 そのため、もし、水の中でも、陸の上と同じように動けると思っていると、大けがをしたり、場合によっては命にかかわる事故につながったりします。
 水の中と陸の上では、体の動きがかなり違います。
 例えば、水の中では、私たちは呼吸ができません。水の中では、陸の上のように早く走ることもできません。他にも、陸の上で出来ることが、水の中ではできないことが、たくさんあります。
 そのことを、自分の体で体験して、しっかりと分かることが水泳学習のねらいです。
 水泳学習は、自分の命を守る大切な学習というわけです。
 ですから、水泳学習はふざけてはいけません。
 そして、苦手だから、心配だからといって、水泳学習を休まないようにしてください。

 最後に、私たち人間は、みんな、この世に生まれてくる前、お母さんのお腹の中では、羊水という水の中にいました。どういう状態でいたかというと、体の力を抜いてリラックスした状態でいました。ですから、プールで、体が沈んでしまう、体が思うように浮かないと思っている人は、もしかしたら、緊張して、体に力が入っているからかもしれません。体の力を抜いて、リラックスすると、私たちの体は、水に浮くように出来ているのです。今度、試してみて下さいね。

 文科省の「水泳指導の手引」には、各学年、段階的に次のような指導内容が載っています。
  低学年は、「水遊び」です。十分に水に慣れ親しみ、水中での動きを楽しく身に付けるようにします。
  中学年は、「浮く・泳ぐ運動」です。泳法につながる初歩的な泳ぎを楽しく学ぶようにします。
  高学年は、「水泳」です。心地よく泳いだり、泳ぐ距離を伸ばしたりする泳法学習を行います。
 このように、低中高の発達に応じて、段階的な学習の積み重ねをしていきます。

40 時計の時間と心の時間

 このタイトルは、6年生国語の教科書に載っている教材文のタイトルです。筆者は、一川誠さんという心理学者です。
 簡単に紹介すると、時間には、「時計の時間」と「心の時間」の二つがあり、心の時間の特性を知り、そのことを分かって、時計の時間を使うことが大切だと言っています。では、この心の時間とはどういうものなのでしょうか。そのことも、教材文の中では、事例を挙げて説明しています。楽しいことをしている時、時間が経つのを早く感じ、逆に、退屈な時間は長く感じます。忙しい朝は、昼間より時間が早く過ぎるように感じます。そして、他にも環境や人によって、時間の進み方には違いがあると、筆者は言っています。こういう心や体の状態、身の回りの環境や人それぞれの違いによって、進み方がちがうのが、心の時間なのです。私たちは様々な集団の中で日常生活を送っています。そこには、常に正確に時を刻む時計の時間だけでなく、いろいろな影響を受けてずれを生じる心の時間の二つが存在し、この二つの時間と共に私たちは生活している。だから、この心の時間の存在を意識することが大切だというわけです。

 6年生は、先日、この教材文を使って、研究授業を行いました。文中の言葉やグラフや図、授業では映像なども手がかりにして、一人一人、心の時間の特性をとらえていました。なかなか一読では理解できないような難しい内容の読解に、諦めることなく、取り組んでいました。

 私は、この教材文を読んで、ふと思い出したことがあります。それは、有名なアインシュタイン博士の唱えた相対性理論です。その理論によると、運動する物体は、時間の流れが遅く流れるというものです。地球上にいると、その実感はありません。しかし、宇宙空間を光速で飛ぶロケットの中では、時間の進み方が地上の10倍遅くなるそうです。
 例えば、A少年とB少年の二人の12歳の少年がいたとします。A少年は、そのロケットに乗り、5年間、宇宙空間を飛び続けてから、地球に戻ったとします。A少年は、その時17歳になっています。これは分かりますよね。しかし、実は、A少年がロケットで飛び続けた5年間と言う時間は、地球上では10倍の50年経っていることになるのです。ですから、17歳のA少年は、戻ってきたら、62歳のB少年(B老人)と再会するというわけです。
 これに似たような話を知っている人がいると思います。そうです、浦島太郎のお話がこれに似ていますね。ほんの数日、竜宮城で過ごした浦島太郎が、地上に戻ってきたら、何十年も経っていた。そうなんです、実は先程の宇宙空間の話は、別名「ウラシマ効果」というらしいのです。時間とは、なんとも不思議な、興味深いものです。