学校だより LIVE

1. 40 時計の時間と心の時間

投稿日時: 2020/06/09 野木沢小-サイト管理者

 このタイトルは、6年生国語の教科書に載っている教材文のタイトルです。筆者は、一川誠さんという心理学者です。
 簡単に紹介すると、時間には、「時計の時間」と「心の時間」の二つがあり、心の時間の特性を知り、そのことを分かって、時計の時間を使うことが大切だと言っています。では、この心の時間とはどういうものなのでしょうか。そのことも、教材文の中では、事例を挙げて説明しています。楽しいことをしている時、時間が経つのを早く感じ、逆に、退屈な時間は長く感じます。忙しい朝は、昼間より時間が早く過ぎるように感じます。そして、他にも環境や人によって、時間の進み方には違いがあると、筆者は言っています。こういう心や体の状態、身の回りの環境や人それぞれの違いによって、進み方がちがうのが、心の時間なのです。私たちは様々な集団の中で日常生活を送っています。そこには、常に正確に時を刻む時計の時間だけでなく、いろいろな影響を受けてずれを生じる心の時間の二つが存在し、この二つの時間と共に私たちは生活している。だから、この心の時間の存在を意識することが大切だというわけです。

 6年生は、先日、この教材文を使って、研究授業を行いました。文中の言葉やグラフや図、授業では映像なども手がかりにして、一人一人、心の時間の特性をとらえていました。なかなか一読では理解できないような難しい内容の読解に、諦めることなく、取り組んでいました。

 私は、この教材文を読んで、ふと思い出したことがあります。それは、有名なアインシュタイン博士の唱えた相対性理論です。その理論によると、運動する物体は、時間の流れが遅く流れるというものです。地球上にいると、その実感はありません。しかし、宇宙空間を光速で飛ぶロケットの中では、時間の進み方が地上の10倍遅くなるそうです。
 例えば、A少年とB少年の二人の12歳の少年がいたとします。A少年は、そのロケットに乗り、5年間、宇宙空間を飛び続けてから、地球に戻ったとします。A少年は、その時17歳になっています。これは分かりますよね。しかし、実は、A少年がロケットで飛び続けた5年間と言う時間は、地球上では10倍の50年経っていることになるのです。ですから、17歳のA少年は、戻ってきたら、62歳のB少年(B老人)と再会するというわけです。
 これに似たような話を知っている人がいると思います。そうです、浦島太郎のお話がこれに似ていますね。ほんの数日、竜宮城で過ごした浦島太郎が、地上に戻ってきたら、何十年も経っていた。そうなんです、実は先程の宇宙空間の話は、別名「ウラシマ効果」というらしいのです。時間とは、なんとも不思議な、興味深いものです。