放送によるプール開きで、校長より次のような話をしました。
みなさんの中には、水泳学習が苦手だなあ、心配だなあと言う人がいると思います。
なぜ、小学校では、水泳学習を行うのでしょうか。
それは、陸の上と水の中では運動のしかたが違うので、どう違うのか正しく知って、水の危険から身を守るためなのです。
私たちは、陸の上で生活しています。
ですから、水の中での活動に慣れていません。
そのため、もし、水の中でも、陸の上と同じように動けると思っていると、大けがをしたり、場合によっては命にかかわる事故につながったりします。
水の中と陸の上では、体の動きがかなり違います。
例えば、水の中では、私たちは呼吸ができません。水の中では、陸の上のように早く走ることもできません。他にも、陸の上で出来ることが、水の中ではできないことが、たくさんあります。
そのことを、自分の体で体験して、しっかりと分かることが水泳学習のねらいです。
水泳学習は、自分の命を守る大切な学習というわけです。
ですから、水泳学習はふざけてはいけません。
そして、苦手だから、心配だからといって、水泳学習を休まないようにしてください。
最後に、私たち人間は、みんな、この世に生まれてくる前、お母さんのお腹の中では、羊水という水の中にいました。どういう状態でいたかというと、体の力を抜いてリラックスした状態でいました。ですから、プールで、体が沈んでしまう、体が思うように浮かないと思っている人は、もしかしたら、緊張して、体に力が入っているからかもしれません。体の力を抜いて、リラックスすると、私たちの体は、水に浮くように出来ているのです。今度、試してみて下さいね。
文科省の「水泳指導の手引」には、各学年、段階的に次のような指導内容が載っています。
低学年は、「水遊び」です。十分に水に慣れ親しみ、水中での動きを楽しく身に付けるようにします。
中学年は、「浮く・泳ぐ運動」です。泳法につながる初歩的な泳ぎを楽しく学ぶようにします。
高学年は、「水泳」です。心地よく泳いだり、泳ぐ距離を伸ばしたりする泳法学習を行います。
このように、低中高の発達に応じて、段階的な学習の積み重ねをしていきます。