学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

49 わらべうた考(続き)

 さて、わらべうたの中に、「ずいずいずっころばし」というものがあります。これは、先程のおにきめのアレンジ版と似ています。手で作った輪の中に、一人の子が指を入れながら、歌を歌っていく。そして、最後に、「…だぁれ」で指が入った子が負け。このわらべうたは、結構みなさん、ご存じだと思います。この「ずいずいずっころばし」の歌の歌詞は次のようなものです。

  ずいずいずっころばし ごまみそずい
 茶壺に追われて とっぴんしゃん
 抜けたら、どんどこしょ
 俵のねずみが 米食ってちゅう、ちゅうちゅうちゅう
 おっとさんがよんでも、おっかさんがよんでも、行きっこなしよ
 井戸のまわりで、お茶碗欠いたのだぁれ

 この歌の歌詞の意味は、諸説ありますが、江戸時代の「茶壺道中」の様子を歌っていると言われています。「茶壺道中」は、京都の宇治茶を江戸の将軍様に献上するために、壺に入れ、駕籠に乗せ、大名行列のように運んだものです。そのため、この茶壺道中が通る間は、街道沿いにいる人は、通り過ぎるまで何もできなかったようです。ですから、茶壺道中が来ると分かると、みな家の中に入って、戸を閉めて家の中で通り過ぎるのを待った。それが歌詞の「茶壺に追われて とっ(戸)ぴんしゃん(締めた音)」そして、茶壺道中が「抜けたら どんどこしょ(ほっと一息、ちょっとした騒ぎ)」なんです。

 私の故郷会津にも、秋になると「身知らず柿」という美味しい柿がありまして、毎年、天皇家に献上していますが、「柿道中」とは聞いたことがありません。
おそらく、お殿様に献上する程、歴史が古くないのかもしれません。

48 わらべうた考

「おにきめ、おにきめ、おにはだれかな?」

 ある晴れた日の休み時間、校長室の窓の外から、そのような歌?が聞こえてきました。歌っていたのは、そこで遊んでいた子どもたちでした。そのあと、「わぁーっ」と駆け出す声が聞こえたので、(ああ、鬼ごっこの鬼を決めていたんだな)と分かりました。

 私は、これまで、この「おにきめ、おにきめ…」の歌は聞いたことがありませんでした。野木沢小に来て、初めて聞きました。そこで、インターネットで調べてみたら、この「おにきめ」は、わらべうたであることが分かりました。昔からあったんですね。しかし、そこで紹介してある「おにきめ」の歌は、

「おにきめ、おにきめ、おにじゃないよ」

というものでした。(あれっ、ちょっとちがうなあ。わたしの聞き違いだったのかな。)と思いました。

 わらべうた「おにきめ」は、まず、おにごっこをする子どもたちが、全員、輪になって、その輪の中心に、片方の足を出します。その並んだ足を、一人の子が「おにきめ、おにきめ…」と歌いながら、指で指していきます。そして、「おにじゃないよ」の「よ」で最後に指された子はオニではないので、輪から外れていきます。そうやって、一人ずつ輪から外れていき、最後に残った子がオニになるというものです。なかなかスリルがありそうな、オニの決め方です。

 でも、私が聞いたのは、最後は「おにはだれかな?」というもので、そして、何回も「おにきめ…」とは歌っていなかったような気がしました。すると、もしかしたら、オリジナルの「おにきめ」ではなく、一発でオニを決める、アレンジした「おにきめ」だったのかもしれません。今度、もう少し注意して聞いてみようと思いました。(次回へ)

47 6/25(木) 授業参観です

 すでにプリントでお知らせしましたが、来週25日(木)は、授業参観です。
参観後、体育館で「PTA全体会」を行います。職員の紹介やPTA役員紹介、学校のこれからについて、説明をします。その後、学年ごとに懇談会を開きます。お忙しいとは思いますが、どうぞおいで下さい。

 これまで、保護者の皆様に会う機会がありませんでしたので、やっと直接会ってお話しすることができるのが楽しみです。保護者の皆様も、このLIVEを書いてる校長は、一体どんな校長だ?と思っている方もおられるかと思います。どうぞ顔を見に来て下さい。PTA全体会では、スクリーンを使って、いろいろとご説明します。ですので、体育館のお席は、是非、前の方から詰めておかけになって下さい。

 最後に、日程を載せます。

  13:00~13:15 受付(体育館の玄関からお入り下さい。)
  13:20~14:05 授業参観
  14:20~15:00 PTA全体会(体育館)
  15:10~16:10 学級懇談
  16:15~      PTA執行部会(校長室)

 ※上履きをご持参下さい。校舎内は、マスク着用でお願いします。

46 自負と自信

 「自負」は「じふ」と読みます。

 見た感じ、自分に負けるみたいですが、「自負」の意味は「自分の才能・業績・仕事などに自信や誇りを持つこと」です。全然自分に負けていないのです。

 最近、先生方と話をしていて、話の中でこの言葉が登場しました。「子どもたちに『自負』を持たせたい。」その時、「自負」は、すごく大事だなあと思いました。私は、子どもたちに、「自信」を持たせることは大事だと、常々、思っています。自信と自負は似ています。

 「自信」は「自分で自分の能力や価値などを信じること」
 「自負」は「自分の能力や価値を信じるだけでなく、誇りを持つこと」

 こう見ると、「自負」は、「自信」よりさらに、崇高な意識です。だから、まずは、「自信」を持たせる。そして、その意識をさらに、「自負」まで高める。そういうことになります。

 どちらにしても、自分に対して、どういう思いでいるか、すごく大事になります。この世に、たった一人しかいない自分という存在を、どう思っているか。前にも述べましたが、子どもたちの中には、自信が持てない子どもが多いように思います。自信が持てない子どもは、「自己肯定感」、「自尊感情」が低いです。

 「自己肯定感」は、自分の存在を肯定的に受け止めること。例え、失敗して上手くいかないことがあっても、それでも、自己否定して自信をなくすのでなく、前に向かって進んでいける。それが自己肯定感。
 「自尊感情」は、「自己肯定感」とほぼ同じようなもので、簡単に言うと、「自分が好き」「自分は大切な存在」という感情です。自分の長所も短所も全て受け入れて、自分をかけがいのない存在であると思うこと。

 「自己肯定感」や「自尊感情」が高いというのは、自分の欠点も含めて自分を受け入れる余裕があるので、他人のことも認められます。結果、人に優しく出来るとも言えます。
 「自己肯定感」や「自尊感情」が低いと、自分のことさえ、否定的に考えるわけですから、他の人のことを受け入れる余裕はありません。結果、優しくすることはできないとも言えます。一概に言い切れないところもあるとは思いますが、概ね、そのような傾向が見られると言うことです。

 結論、子どもたちの「自己肯定感」「自尊感情」を高めていきたい。そして、自分に自信を持って、物事に取り組めるようにしたい。そして、いずれは、自分という人間の生き方に、自負をもって生きるような、そんな人間になってほしい、と思います。

45 青少年赤十字登録式

 15日(月)青少年赤十字登録式を放送で行いました。そこで、校長より、次のような話をしました。

「青少年赤十字を、英語で言うと、Junior Red Cross。その頭文字をとると、JRCになります。
 青少年赤十字のことを、JRCともいます。

 さて、青少年赤十字の目標は3つあります。一つは「健康・安全」。二つは「奉仕」。三つは「国際理解・親善」です。わかりやすく言うと、いのちと健康を大切にすること。だれかのためになることを実行すること。そして、世界中の人となかよく助け合うことです。ちょっと難しそうと思う人もいるでしょう。しかし、実は、もうすでに、みなさんはやっていることなのです。

 先日の避難訓練、あれは、いのちを守るための活動ですから、青少年赤十字の活動です。清掃活動や委員会活動、募金活動なども、誰かを助ける活動ですから、青少年赤十字の活動です。6年生のみなさんが、毎朝行っているボランティア清掃。あれは、立派な青少年赤十字活動です。6年生のみなさん、ありがとうございます。外国語活動は、英語を通した国際理解ですから、青少年赤十字の活動なのです。

  それから、みなさんは、困っている人をみかけたら、その人を助けようとすると思います。その行動も、青少年赤十字の活動です。まず、困っている人に気付くこと。次に、その人のために、自分に何が出来るか考えること。そして、考えたことを、実行すること。この気付き、考え、実行することの3つも、青少年赤十字の目標なのです。

 このように、これまでも行ってきている普段の学校生活は、多くの青少年赤十字の活動でもあったわけです。野木沢小学校は、今年、この青少年赤十字JRCに登録しました。これから、青少年赤十字の活動を積極的にやっていくことになります。ですから、これからも、自分で気付き、自分で考えて、いいと思ったことは、どんどん進んでやっていきましょう。そうして、みんなで、この野木沢小学校を、思いやりのある、素敵な学校にしていきましょう。」

44 避難訓練は、100点か0点

 11日(木)避難訓練をしました。その全体会で、次のような話をしました。

「もし、避難訓練に点数をつけるなら、100点か0点しかありません。
 避難訓練に、『おしい、95点』はないのです。
 避難訓練は、命を守るための学習ですから、ちゃんとできなければならないのです。
 おさない、かけない、しゃべらない、もどらないを守って、真剣に、本気・全力で取り組んだら、100点。少しでも、そうでなかったら0点。
 それが、避難訓練なのです。
 今日は訓練なので、火も出ていません。煙もありません。
 しかし、実際の火事の現場は、火が出てて、煙が立ちこめていて、もしかしたら、真夜中で真っ暗かもしれません。それでも、慌てず、冷静に行動し、安全な場所に避難しなければなりません。そのために、この訓練があります。
 今日の避難訓練を、まずは一人一人、自分の取組を振り返り、次に学級みんなの取組を、よく振り返っておきましょう。」

 避難訓練は練習です。このように、練習と本番があるものは、他にもたくさんあります。この練習と本番に、どのように取り組めばよいか、大切なキーワードがあります。それは、

 「練習は本番のように。本番は練習のように。」

 練習で大事なのは、練習を練習と思わないことです。練習では、常に本番と同じような気持ちで行うことが大切です。練習だからといって、適当に中途半端な気持ちでやらないことです。
 そして、いざ本番を迎えたら、今度は、その本番を一回こっきりの本番と思わないことです。本番では、いつも練習でやってきたようにやることだけを考えます。特別に、力む必要はないのです。これまで練習でやってきた通りにやるだけ。本番だからといって、緊張しすぎたり、慌てたりすると、実力が出せなくなります。

 だから、「練習は本番のように。本番は練習のように。」なのです。

43 感覚過敏

 6/10付の朝日小学生新聞に、「感覚過敏」について載っていました。実は以前、あるテレビのニュースでそのことを取り上げていました。それは、触覚過敏の人にとって、顔にマスクを付けるということは、激しい痛みを伴い、とても苦痛であるということ。それで、マスクをしないでいると、周りの人から、変な目で見られたり、注意されたりするので、とてもつらい思いをしているということでした。そこで、自分自身が触覚過敏である千葉県に住む中学生の加藤さんが、触覚過敏でマスクを付けられない人向けの意思表示カードを考えました。そこには、「触覚過敏のため、マスクをつけられません」の文字と、ハリネズミをモチーフにしたかわいいイラストが描かれています。それを付けて、周りの人に「触覚過敏」であることを知らせられるようになっています。新聞には、他にも「聴覚過敏」「視覚過敏」「嗅覚過敏」「味覚過敏」についても、それぞれどうぶつのイラストで伝えるようなマークが紹介されていました。

 このニュースを知って、なるほどなあ、と思いました。私たちは、「感覚」は人それぞれ違うものであるということを、知っておく必要があると思いました。そうでないから、自分と違う人に対して、批判的に見たり、攻撃的になったりすることがあるのだと思います。加藤さんは「だれもが違うことを知り、『みんなちがっていい』を認め合えるような社会になってほしい」と言っていました。

 やはり、これからの社会を生きていくのに必要なキーワードは「寛容」です。他の人の行動や言動に対して、「違う」という尺度だけで批判したり攻撃したりするのではなく、その「違い」も含めて、その人のことを受け止められる「寛容」な気持ちが大切なのだと、改めて思いました。すべての人が、「寛容」さを持ち、どんな人も認められて、その人らしく生きることができる世の中は、きっと優しさでいっぱいの世の中になることでしょう。そういう社会を築いていける人間に、子どもたちを育てていきたいと思いました。

42 きれいにしたつもりでも… (その2)

 なぜ、この第一大臼歯がむし歯になりやすいかというと、前述したように、この歯は乳歯の外側に生えてきます。それも、奥歯の奥に。だから、生えてきているのに気付きにくいのです。さらに、臼歯ですから、食べ物をすりつぶす役割のため、表面がでこぼこしています。そこに、食べかすが残ってしまうのです。そして、一番の理由は、5歳から6歳頃に生えてきても、子ども自身では、そこまできれいに落とせないというのが原因です。ですから、この第一大臼歯は、むし歯になりやすい。この歯は、永久歯ですから、むし歯になって抜けたら、もう生えてきません。そして、この歯は、体育の時間の列の先頭のような役割もしていて、この歯を基準に、他の歯が並んで生えてきます。ですから、この歯がむし歯になることで、当然、歯並びも悪くなります。

 結論、小さいお子さんは、自力で第一大臼歯をきれいに磨くことはまず無理です。ぜひ、お家の方が仕上げ磨きをしてください。第一大臼歯は上下で4本あります。それから、乳歯はいずれ抜けるからといって、むし歯になっても大丈夫と思っている人がいますが、それは大きな間違いです。乳歯の下には、その後生えてくる永久歯があるのですから、乳歯がむし歯になると、その下の永久歯にも影響が出ます。歯は、一生使うものです。お子さんの歯の健康は、お家の方の愛情で守ってほしいと思います。

41 きれいにしたつもりでも…

 感染症予防のため、正しい手洗いのしかたを身につけることをねらい、養護教諭の先生と担任がTTで、学級活動を行いました。3年生と4年生で実施しました。手洗いの大切さを学んだ後は、手洗いの実験をしました。ローションをウイルスに見立て、手にまんべんなく塗り広げた後、いつものように手洗いをしました。そして、きれいにしたはずのその手にブラックライトを当ててみると…きれいに落としたと思っていた手の指の間や爪のところ、手首など、落とし残りがあることに気付きました。一人一人が、自分の落とし残りの場所を確認し、その後、落とし残りがあったところに気をつけて、きれいに手洗いすることが出来ました。

 今回のように、きれいにしたつもりでいるけれど、実はそうでないことは、他にもあります。それは、歯磨き。以前、むし歯は病気という話をしました。できましたら、是非、お子さんの口の中の歯を見てみて下さい。歯にはご存じのように、乳歯と永久歯があります。乳歯は、中央から左右に5本ずつ、上下で合計20本です。乳歯が抜けると、その後に生えてくるのが永久歯ですが、乳歯の外側の歯は、最初から永久歯で生えてきます。その中で、特によく見てほしい歯があります。それは、中央から数えて6本目の歯、乳歯のすぐわきに生えている歯です。その歯は、「第一大臼歯(だいいちだいきゅうし)」といいます。別名、「6歳臼歯」。その名の通り、6歳頃、ちょうど小学1年生頃の時期に生えてくる歯です。なぜ、この歯を見てほしいと言ったかと言うと、実は、この第一大臼歯は、「むし歯に最もなりやすい歯」だからです。(次回に続く)

40 時計の時間と心の時間

 このタイトルは、6年生国語の教科書に載っている教材文のタイトルです。筆者は、一川誠さんという心理学者です。
 簡単に紹介すると、時間には、「時計の時間」と「心の時間」の二つがあり、心の時間の特性を知り、そのことを分かって、時計の時間を使うことが大切だと言っています。では、この心の時間とはどういうものなのでしょうか。そのことも、教材文の中では、事例を挙げて説明しています。楽しいことをしている時、時間が経つのを早く感じ、逆に、退屈な時間は長く感じます。忙しい朝は、昼間より時間が早く過ぎるように感じます。そして、他にも環境や人によって、時間の進み方には違いがあると、筆者は言っています。こういう心や体の状態、身の回りの環境や人それぞれの違いによって、進み方がちがうのが、心の時間なのです。私たちは様々な集団の中で日常生活を送っています。そこには、常に正確に時を刻む時計の時間だけでなく、いろいろな影響を受けてずれを生じる心の時間の二つが存在し、この二つの時間と共に私たちは生活している。だから、この心の時間の存在を意識することが大切だというわけです。

 6年生は、先日、この教材文を使って、研究授業を行いました。文中の言葉やグラフや図、授業では映像なども手がかりにして、一人一人、心の時間の特性をとらえていました。なかなか一読では理解できないような難しい内容の読解に、諦めることなく、取り組んでいました。

 私は、この教材文を読んで、ふと思い出したことがあります。それは、有名なアインシュタイン博士の唱えた相対性理論です。その理論によると、運動する物体は、時間の流れが遅く流れるというものです。地球上にいると、その実感はありません。しかし、宇宙空間を光速で飛ぶロケットの中では、時間の進み方が地上の10倍遅くなるそうです。
 例えば、A少年とB少年の二人の12歳の少年がいたとします。A少年は、そのロケットに乗り、5年間、宇宙空間を飛び続けてから、地球に戻ったとします。A少年は、その時17歳になっています。これは分かりますよね。しかし、実は、A少年がロケットで飛び続けた5年間と言う時間は、地球上では10倍の50年経っていることになるのです。ですから、17歳のA少年は、戻ってきたら、62歳のB少年(B老人)と再会するというわけです。
 これに似たような話を知っている人がいると思います。そうです、浦島太郎のお話がこれに似ていますね。ほんの数日、竜宮城で過ごした浦島太郎が、地上に戻ってきたら、何十年も経っていた。そうなんです、実は先程の宇宙空間の話は、別名「ウラシマ効果」というらしいのです。時間とは、なんとも不思議な、興味深いものです。