学校だより LIVE

1. 49 わらべうた考(続き)

投稿日時: 2020/06/24 野木沢小-サイト管理者

 さて、わらべうたの中に、「ずいずいずっころばし」というものがあります。これは、先程のおにきめのアレンジ版と似ています。手で作った輪の中に、一人の子が指を入れながら、歌を歌っていく。そして、最後に、「…だぁれ」で指が入った子が負け。このわらべうたは、結構みなさん、ご存じだと思います。この「ずいずいずっころばし」の歌の歌詞は次のようなものです。

  ずいずいずっころばし ごまみそずい
 茶壺に追われて とっぴんしゃん
 抜けたら、どんどこしょ
 俵のねずみが 米食ってちゅう、ちゅうちゅうちゅう
 おっとさんがよんでも、おっかさんがよんでも、行きっこなしよ
 井戸のまわりで、お茶碗欠いたのだぁれ

 この歌の歌詞の意味は、諸説ありますが、江戸時代の「茶壺道中」の様子を歌っていると言われています。「茶壺道中」は、京都の宇治茶を江戸の将軍様に献上するために、壺に入れ、駕籠に乗せ、大名行列のように運んだものです。そのため、この茶壺道中が通る間は、街道沿いにいる人は、通り過ぎるまで何もできなかったようです。ですから、茶壺道中が来ると分かると、みな家の中に入って、戸を閉めて家の中で通り過ぎるのを待った。それが歌詞の「茶壺に追われて とっ(戸)ぴんしゃん(締めた音)」そして、茶壺道中が「抜けたら どんどこしょ(ほっと一息、ちょっとした騒ぎ)」なんです。

 私の故郷会津にも、秋になると「身知らず柿」という美味しい柿がありまして、毎年、天皇家に献上していますが、「柿道中」とは聞いたことがありません。
おそらく、お殿様に献上する程、歴史が古くないのかもしれません。