学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

189 校内オリエンテーリングを終えて

 一言で言うと、とても有意義な活動になりました。縦割り班は異学年集団なので、いろいろな学年の子が一緒になって、各教室を回って遊びました。その中で、高学年の子が、下学年の子のことを気にかけながら、声をかけたり、手助けしたりしながら活動する姿が見られました。

 そもそも、小学校という集団は、1年生から6年生までの異学年集団です。しかし、普段の学校生活は、学級単位が基本なので、同じ学年の子ども同士の活動がメインです。その中で、学級内の人間関係を通して、人との関わりや集団生活のきまりなどを学びます。しかし、そこで学べるのは、同じ年齢の子ども同士ですから、同年齢としての関わりです。想像してみると分かると思いますが、子どもは同年齢同士だと、相手に対して、遠慮はなくなります。同年齢ですから当然です。大人の社会でも、同じ年齢だと分かると、急に「ため口」になったりしますから。(余談ですが、同年齢を表す“ため”とは、サイコロのぞろ目のことだそうです。)子どもは同じ年齢同士なら、やはり、相手に負けたくないという競争心が芽生えるのだと思います。それが普通です。だから、何か競争するものだと、むきになって取り組みます。学年が下がれば下がるほど、その傾向は強いと感じます。それは、負けたくないから。だから、遠慮がなくなるのです。それでも、のべつ幕なしにぶつかり合っているかというと、そんなことはなく、ちゃんと、協力して活動することはできるんです。

 道徳には、現在、22個の価値項目があります。その中に、「相互理解、寛容」というものがあります。私たちが社会を生きていく上で、とても大事な価値項目です。この「相互理解、寛容」について、それぞれの学年で、道徳の時間に次のような内容を養っていくことになっています。

 5年生・6年生
 「自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を尊重すること」

 3年生・4年生
 「自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、相手のことを理解し、自分と異なる意見も大切にすること」

 人は、そもそも、性格も考え方も違うので、そのことを理解し、尊重することは大事だということです。しかし、ご覧のように、この「相互理解、寛容」については、1年生と2年生では触れていません。3年生になってから、道徳の時間に初めて価値に触れることになっています。なぜ、1年生と2年生では、このことに触れないのでしょうか。それは、発達段階において、この道徳的価値を認識できる能力や指導の適時性に関係があります。前述しましたように、低学年の段階では、まだ、競争心が全面に出がちで、遠慮がありません。それは、同年齢同士として、当然の見方・考え方です。だから、相手を理解し、自分との違いを受け入れるのは、発達段階的に少し難しいということです。

 話をオリエンテーリングに戻しましょう。本来、学校は、異年齢集団という環境なのですから、その異年齢集団のふれ合いが、もっとあってもいいわけです。その中で、子どもたちが学ぶことは、とても多いのだと思います。実際、今回の活動の中でも、上級生は下級生の面倒を見て、下級生は上級生の言うことを聞いて、みんなで楽しく過ごすことができました。わずか1時間あまりの活動でしたが、十分ねらいを達成できていました。こういう活動を限られた時間で行えるのも、野木沢ならではだと改めて思いました。

 最後に、当日の閉会式で、各ゲームのチャンピオンのグループを紹介しましたが、ここでは、個人の成績で、チャンピオンの人を紹介します。

 ストップウォッチ10秒チャレンジ 10”01  1年 永井丈嗣さん
 サイコロチャレンジ 3つのサイコロ全部が「1」 4年 石 大和さん
 ペットボトルキャップつかみ 1回で22個つかんだ 6年 佐藤煌大さん
 ペットボトルボーリング 7本倒した 5年 草野大輝さん、6年 草野雄成さん
 フリスビー投げ 2回投げて100点獲得 3年 佐藤妃莉さん、石井斗真さん、佐藤 歩さん
 けん玉チャレンジ 3回皿乗せ成功したみなさんも、おめでとうございました。

188 東日本大震災の日

 10年前の今日、東日本大震災が起きました。連日、テレビや新聞等の報道でも、震災関係のいろいろな番組や記事を目にします。今日は、学校でも、震災に関連した集会をリモートで実施しました。校長から「地震の話」と題して、次のようなお話をしました。

「この日本という国は、世界的に見て、非常に地震が多い『地震大国』です。小さいものでは、年間1000~2000回の地震が起きています。世界中で発生している地震の内、M6以上の地震の約20%は、日本で発生しています。地震が起きると、建物が倒れたり、火災が起きたり、津波が起きたりします。そして、多くの被害を受けます。日本では、これまでに、何度も『大震災』とよばれる大規模な地震が起こっています。
 まず、1923年の関東大震災。M7.9の地震が関東地方を襲いました。発生時刻が午前11時58分で、ちょうど昼食の時間帯であったため、火災が発生し、強風がさらに被害を大きくしました。およそ10万人という犠牲者の多くは、火災による焼死でした。
 次は、1995年の阪神・淡路大震災。M7.3の地震が、関西地方を襲いました。発生時刻が午前5時46分。まだ、多くの人が就寝中の出来事で、犠牲者約6400人の多くは、建物の倒壊が原因でした。
 三つ目は、2011年3月11日の東日本大震災です。午後2時46分、M9.0、震度7という、これまでで最大規模の地震が、岩手・宮城・福島を襲いました。高さ約9mの大津波が海岸地帯に襲いかかり、約2万2千人という犠牲者を出しました。大変な被害が出ました。
 これだけの大きな地震に襲われ、その度に、大きな被害を受けてきた日本ですが、震災後は、確実に復興してきました。10年前の東日本大震災も同じです。
 まとめると、日本は地震大国。だからこそ、日頃から地震に備えておくことが大事。もし、地震が起きたら、落ち着いて、命を守る行動をとること。火を使っていたら止める。建物の中にいたら、外に避難する。そして、海辺にいたら、できるだけ高いところへ避難する。そして、どんな被害があろうとも、必ず復興できます。だから、『希望』を持つこと。そして、支えてくれる方々へ『感謝』の気持ちを忘れないことが大事です。
 最後に、東日本大震災では、津波の後、原子力発電所の事故も起こり、今なお、故郷に帰れず、避難生活をしている人たちがいます。また、放射線による風評被害も今だなくなっていません。そういう意味では、まだまだ地震の傷跡は癒えていないのです。そのことは、知っておいてください。」

187 校内オリエンテーリングを楽しもう!

 今年度も、残り12日間となりました。町の感染症対策期間も、今のところ7日(日)で解除されます。学校も年度末に向けて、ラストスパートです。それを受けて、全校生で行う思い出づくりの一環で、来週9日(火)に「校内オリエンテーリング」を実施します。実は、2月に実施予定だったのですが、延期されていた取り組みでした。

 今年お世話になった縦割り班のみんなで、楽しい思い出を作ろうというものです。校舎内の各教室を回って、そこで、みんなでゲームをして楽しみます。どんなゲームをするのか、紹介します。

・10秒チャレンジ・・・ストップウォッチを見ないで、10秒で止める。
・ペットボトルボーリング・・・ペットボトルのピンを何本倒せるか。
・けん玉チャレンジ・・・3回チャレンジで、皿に何回乗せられるか。
・さいころチャレンジ・・・3個のさいころを投げて、「1」を何個出せるか。
・ペットボトルキャップキャッチ・・・キャップつかみ取りで何個つかめるか。
・しりとり・・・30秒の間に、しりとりをいくつつなげられるか。
・フリスビーストラックアウト・・・ロッカーの得点めがけて、ディスク投げ。
・連想ゲーム・・・お題の「~と言えば」で連想する言葉はいくつそろうか。

 ゲームの内容によって、個人で競ったり団体で競ったりします。グループみんなで協力して行うものもあるので、きっと楽しく取り組めそうです。各ゲームは、先生方が担当して行います。本校の縦割り班は16班あるので、一カ所の教室に、2班ぐらいずつ回ることになります。多少、時間差でずれたとしても、校舎内にある程度分散するので、蜜は避けられそうです。活動時間内に、全部回れなくても終了となります。空いているところを探しながら、うまく回ってほしいです。最後は、体育館に集まって、グループごとの写真撮影と成績発表です。各ゲームのチャンピオンを発表します。自分の名前や班の名前が呼ばれるか、どきどきすることでしょう。

 楽しいイベントになりそうです。この土日、体調を整えて、当日、元気に参加できるようにしてほしいです。

186 6年生からの引継ぎ

 今まで、毎朝6年生が取り組んできた朝のボランティア清掃活動を、5年生が引き継ぎました。先日から各清掃場所で、6年生から掃除の範囲ややり方を教えてもらっています。これまで登校してきて、自分の時間として過ごしていた5年生にとっては、これは大きな変化です。しかし、これこそが、4月から最上級生になるという意味を表しています。それは、最上級生になるということは、自分のことだけでなく、学校のことや下級生のことを考えて行動しなければならないということです。もしかしたら、そういう時間や行動の制限に、不自由さを感じる人がいるかもしれません。しかし、その制限や不自由さも丸ごと含めて、それが「6年生という立場」なのだと思います。そして、それは、これまでの多くの先輩方が、みな経験してきたことなのです。だから、5年生の子どもたちには、「やっと自分たちの番が来たのだ」と、前向きに受け止めてほしいと思っています。
 5年生の子どもたちは、指定された時間になる前から、担当場所に行って、6年生に教わりながら、頑張って取り組んでいます。その様子を見ると、来年の野木沢小学校は、新しい6年生を中心に、また大きく進んでいけると感じます。きっとそういう5年生の姿を見て、6年生の子どもたちは、安心して卒業していけると思います。

185 真・善・美を求めよ

 かつて勤務したある学校の会議室に、この「真 善 美を求めよ」と書かれた額が掲げられていました。
 「真」とは、本物のことです。嘘偽りのない、正直な心のことです。人間は弱い生き物ですから、時にごまかしたり、嘘をついてしまったりすることがあります。しかし、それでも、ごまかさず、嘘をつかず、自分に正直に行動したいと思います。
 「善」とは、正しいことです。自分でそうすることが正しいと判断した行動のことです。人間は弱い生き物ですから、周りの目を気にして、自分では正しいこと、善いことだと思っていても、そうすることができないことがあります。しかし、それでも、自分で正しいこと、善いことだと思ったら、迷わず、行動に移したいと思います。
 そして、「美」とは、美しいことです。それは、見た目の美しさというよりも、内面の美しさ、心の美しさのことです。人間は弱い生き物ですから、自分が他の人からどう見られているか、見た目を気にしがちで、大事な内面の心の美しさを磨くことを忘れがちです。それは、心の美しさは、目に見えないと思っているからです。しかし、実際は、その人の心の美しさは、言葉遣いや行動、仕草など、目に見える形で現れるものなのです。

 先日、ある保護者の方から、次のような連絡が担任を通して届きました。(個人名等、一部修正してます。)

 2月の事ですが、子どもの迎えに行って、車の中で待っていたら、ある子どもが、数人のお友達と帰る途中、汚れたゴミを拾って、両手いっぱいの量を持ち帰っていました。「ゴミを捨てない」事は出来ても、「拾う」という事は大人でもなかなか出来る事ではないので、感心しました。

 まず、こんな素敵な御連絡をいただけたことに感謝です。そして、私も、この方のおっしゃることに同感です。きっと、私には、この子どものような行動は無理だと思いました。そして、そういうことをやれる子どもがいることが、とてもうれしく思いました。実は、以前、LIVEでゴミを拾って登校する子どもを紹介した後、同じように、ゴミを拾って登校する子どもたちが、何人も出て来ていました。

 「ゴミが落ちていたら拾う」という行為は、まさに「善」です。そして、そうすることは「真」であり、そういう行動ができる人の心は「美」そのものです。この「真・善・美」を実際に、体現している子どもたち。なんて素直で、素敵な子どもたちなのでしょう。そんな子どもたちの通う学校で勤務できることに幸せを感じます。そして、こんな子どもたちに負けないよう、自分ももっと努力しなければと改めて思いました。

184 なわとび記録会を終えて

 今年のなわとび記録会は、最終的に、1年と6年、2年と5年、3年と4年の兄弟学年ごとに、実施することになりました。石川町が感染拡大防止対策の期間中ということもあり、密を避けての実施となりました。本来なら、全校生で、それぞれのこれまでの頑張りの成果を見合うという、大切な機会だったわけですが、こればかりは仕方ありません。

 記録会では、個人種目と長縄跳びを実施しました。個人種目は、持久跳びと挑戦種目があります。持久跳びは、1年生が1分間、2年生が2分間、3年生以上が3分間になります。やってみるとわかりますが、1分間でさえ、跳び続けることは大変難しいです。しかし、子どもたちは、練習期間中も、規定の時間跳び続けられるよう、合格目指して取り組んできました。本番で、引っかかってしまう児童はみられましたが、それでも、みな集中して、合格目指して跳んでいました。

 挑戦種目は、自分で選択できる種目と共通の種目があり、共通しているのが「前二重跳び」です。今回、この前二重跳びで、二つの新記録が出ました。一つは、1年の紀陸文平さんの出した115回、もう一つが、6年の宇佐美皓大さんの出した298回です。両方とも、その瞬間を目撃できました。実は、1年生と2年生は、この種目は希望者の参加で、文平さんもその一人でしたが、スタートするや、体を丸めて前のめりの姿勢で、ものすごい速さで縄を回して跳び続けました。まるで、体が空中に止まっていて、縄だけが回っているような感じでした。この挑戦種目の時間は1分間で、その中で継続して跳んでいれば、引っかかるまで跳び続けられます。文平さんも当然、1分以上跳び続けました。そうして出した記録でした。一方、皓大さんは、文平さんとは対照的に、まっすぐ伸びた姿勢で、軽やかに跳び続けていました。無駄な力が入っていない、二重跳びのお手本のような姿勢で、回数を重ね、記録更新しました。二人とも、今後簡単には破られない、素晴らしい記録を出しました。実は今回、文平さんが更新した記録は、5年前、今の6年の皓大さんが1年の時に出した記録でした。

 「記録は破られるためにある。」5年前に偉大な先輩が残した記録を、何年間も多くの後輩たちがその記録更新に挑戦し、ついに破ることが出来たわけです。その破った記録は、また、これからの後輩たちの新たな目標になりました。そして、その偉大な先輩は、さらに簡単には越えられないような記録を、後輩たちのために残してくれました。この記録も、今後、多くの後輩たちの目標として、生き続けます。そして、また、いつの日か、誰かが、破るのでしょう。なわとび記録会で生まれた記録は、こうして、子どもたちの心と体を鍛えてくれるのです。

 長縄跳びでは、どの学年も、学級の全員の心を一つに取り組んでいました。練習期間中、自分たちの新記録が出る度に、喜び、そして、新たな目標に向かって、努力してきました。みな素晴らしい取り組みをしていました。本番で、残念ながら、これまでの新記録を出せなくて、悔しそうにしている姿も見られました。しかし、大事なのは、この本番に向けて、自分たちが、どのように成長してきたかです。うまく回数が伸びない時、自分たちで話し合って、問題を解決する姿が見られました。うまく縄には入れない仲間を、必死でサポートする姿がありました。休み時間の練習に、率先してみんなに声をかけて呼びかける姿がありました。跳んでいる最中も、大きな声で号令をかける姿がありました。ひっかかっても、「ドンマイ」と励ます姿がありました。そうやって、長縄跳びを通して、みんな、心も体も成長してきました。

 なわとび記録会は終わりましたが、子どもたちは、今日も、体育館で跳び続けていました。

183 良い睡眠で免疫力アップ!

 ある雑誌に、「新型コロナウイルス感染症にかからないためには ~良い睡眠で免疫力アップ~」と題した記事が掲載されていました。

 いよいよ日本でも、ワクチン接種が始まりました。しかし、再三LIVEでも書いているように、今後、ワクチン接種が広がっていったとしても、今の感染症対策を全くしなくてよいわけではないと思います。これからも、感染症対策として、これまで同様、マスク着用、手洗い、消毒、換気、密を避ける等の行動はとり続けることが必要だと思います。そして、これもまた同じように、一人一人の免疫力を高める生活をすることも大切になってくると思います。本記事では、その免疫力を高めるために、「良い睡眠」に着目した内容が載っていました。以下、ポイントを絞って紹介します。

 風邪には特効薬はありません。病院で出される薬も、風邪そのものを治すものではなく、対症療法(対処療法ではありません)として、病気によって起きている症状を和らげたり、なくしたりするものです。風邪が治るとは、体の免疫力が風邪のウイルスとの戦いに打ち勝つことを示します。ですから、「風邪にかかったかな?」という時に、栄養をしっかり摂って一晩ぐっすり眠ったら翌日にはすっかり良くなっていたなどということを経験したことがある人もいると思います。これは、主に自然免疫がしっかり働いて睡眠中にウイルスを倒した結果だと言えます。

 ちなみに、人間の免疫による防御機構は、3段階になっています。第一の防御は、「皮膚や粘膜による物理的防御」。第二の防御は「自然免疫による病原体の排除」。そして、最後の砦である第三の防御が「獲得免疫による病原体の排除」です。ワクチンを接種したり、一度罹患したりしたことで、体内に抗体をもつのは、「第三の防御」です。私たちは、今、新型コロナウイルスに対しては、第一と第二の防御で戦っているわけです。

 さて、話を睡眠に戻しましょう。適切な睡眠をとることが、免疫機能を健全に保つ、あるいは睡眠が芳しくないと免疫機能が下がるという実験結果が出ています。例えば、アメリカのある大学の研究によると、睡眠時間が短いと、しっかり睡眠が取れている人に比べて、3倍も風邪にかかりやすかったそうです。

 睡眠は時間だけでなく、眠る時間帯と睡眠の質も重要です。睡眠にはリズムがあります。そのリズムは、レム睡眠とノンレム睡眠が交互に繰り返されるものです。レム睡眠とは、体が眠っていて、脳は覚醒している状態。逆にノンレム睡眠は、脳はしっかりと休んでいて、体の筋肉はそれほど休息していない状態です。私たちは、一般的に、まず、寝入りばなに深いノンレム睡眠に入り、その後、徐々にレム睡眠に移っていきます。この一サイクルがだいたい90分程度で、その後、ノンレム睡眠とレム睡眠のセットで4~6回、サイクルしていきます。そして、寝入りばなに一番深かったノンレム睡眠は、その後、時間とともに少しずつ浅いノンレム睡眠になっていきます。

 寝ている間に分泌される成長ホルモンは、かつて、午後10時から午前2時頃までに活発に分泌されると言われていました。しかし、実際は、眠りについて最初の深いノンレム睡眠の時に最も分泌されます。前述したように、人は最初の寝入りばなが最も深く、その後はだんだん浅くなるので、大事なのは、入眠してから「最初の3時間」になります。そこで、分泌された成長ホルモンは、細胞の修復や骨や肌、筋肉の再生などを行います。

 寝ている間に分泌されるホルモンには、もう一つあります。それが、「睡眠ホルモン」と呼ばれる「メラトニン」です。このメラトニンは、睡眠のリズムを作る働きがありますが、免疫系に作用して感染症予防やがんの発生を抑える働きがあることがわかってきました。ですから、このメラトニンをしっかりと分泌させることで、ウイルスを倒す力がつきます。このメラトニンの分泌に関係してくるのが「光」です。メラトニンは、夕方以降だんだん暗くなってくると分泌量が増え、眠りが深くなり、午前2時頃にピークを迎え、それ以降、今度はだんだん分泌量が減少していくことで、眠りもだんだん浅くなるという働きをします。ですから、朝、朝日を浴びてメラトニンをしっかりと減らし、夜はなるべく強い光を浴びないようにして、暗くして寝ることが大事です。電気やテレビをつけっぱなしで寝たり、夜遅くまでパソコン、スマホ、テレビゲームなどをすることは、メラトニンの分泌を妨げることになります。夕食後は、ブルーライトの刺激を避け、寝室を暗くして寝る環境を整えましょう。

 結論、やはり、健康の三要素の一つである「睡眠」は、私たちの健康を保つために、とても重要であり、また、感染症に負けない免疫力を高めるためにも、とても大事な働きをしているということです。睡眠の時間も質も、どちらも充実させた睡眠をとれるように、日頃の生活を見直してみましょう。

182 角膜損傷

 正直、参りました。と言うのも、先週金曜日の昼頃、突然、左目が痛くなりました。何か異物が入ったのかと思いました。その時は、しばらくして痛みが弱まり、その後、多少異物感はありましたが、痛みは和らいだので、あまり気にせず過ごしていました。しかし、その夜、再び、左目に激痛が走り、今度は、異物感どころではなく、鋭利な物が目に突き刺さっているような感覚で、とても我慢できるものではありません。必死に痛みに耐え、翌朝、眼科に駆け込みました。診断は「角膜が傷ついている」とのことでした。

 その後、2日間は、ほぼ左目を開けることさえ困難な日々でした。うっすら開けてみると、外の明るさだけでなく、部屋の蛍光灯の明かりさえ、目に突き刺さる痛みを感じるのでした。電話がかかって、うっかりスマホを開いた瞬間、そのスマホの光さえ、目には強烈なダメージを与えました。ですから、暗い部屋で、目を休めて静かに過ごすしか出来ませんでした。

 3日後、再度眼科を受診した際には、少しは痛みが和らいできた感じで、診察結果でも、傷の方はよくなっているとのことでした。6日経った今、やっと両目を開けて仕事ができるようになりました。

 今回、自分の目がこのような状態になって、初めて気付いたことあります。それは、普段、当たり前のように目を開けて生活していますが、実は、目にとっては、かなり負担が大きいということです。私たちの生活は、かなり目を酷使した生活だということです。そして、なんと言っても、光による刺激は、目にとっては、とても脅威だということです。

 健康でいる時は、きっとそれ程、気にならないのだと思います。病気になって、当たり前のようにできていたことができなくなって、初めて気付くことなのだと思います。こういうことって、意外と多いのではないでしょうか。

 大事なのは、目に限らず、日中、動かして疲れた身体全体を、夜はしっかりと休めて、回復させることです。睡眠の大きな目的の一つが、成長ホルモンの分泌により、疲れをとり、痛めたところを修復することにあります。しっかりと睡眠を取って、回復させるから、次の日に、また、頑張れるのです。睡眠不足は、健康な身体を壊す大きな原因です。気をつけてほしいです。

181 クラスター発生は、他人事ではない

 まず、今回のクラスター発生で感染した方々が、一日も早く元気になられることを、心よりお祈りいたします。

 さて、今回の石川町内でのクラスター発生は、もう他人事とは言えない状況であると思っています。それは、どういうことかというと、やはり、このコロナ感染は、もう私たちの身近になっていて、いつ、誰が感染してもおかしくないということです。もしかしたら、知らず知らずに、実はすでに感染していて、ただ、症状が出ていないだけ、なのかもしれないということです。そう考えれば、これは、もう、「他人事」ではなく、「自分事」として受け止めなければなりません。

 今回のクラスター発生も、それに関連して感染した方々も、自分から感染したくて感染した人はいないはずです。結果的に、感染してしまった。今、一番苦しいのは、紛れもなく、感染した本人であり、その御家族だと思います。誰もが感染する可能性があり、明日は我が身だと考えれば、感染した方に対しては、一日も早く快復することを願うばかりですし、御家族の不安が一日も早く解消されることを願いばかりです。

 仮に、今後、野木沢地区で、野木沢小で、職員に、児童に、その御家族に、この地域の方に、感染者が出たとしても、それを「他人事」とは捉えず、「自分事」として捉え、そして、「明日は我が身」と考え、その感染者の快復と御家族の不安解消を、みんなで、温かい気持ちで、受け止めたいと思います。もし、自分が感染したら・・・きっとそのようにしてもらえたら、救われると思います。

 新型コロナウイルスの感染が騒がれたのは、昨年3月頃でした。しかし、考えてみれば、私たちの身の回りには、これまでも、多くのウイルスが存在していました。風邪ウイルス、インフルエンザウイルス、ノロウイルス・・・。これらのウイルスは、常に私たちの身の回りに存在し、私たちは常にこれらのウイルスに罹患する可能性の中で生活をしていたわけです。今回の新型コロナウイルスも、考えてみれば、これまでのウイルスとそれ程変わらないと言えます。

 それは、ある程度、予防できるという点です。このウイルスがあることで、100%の人が罹患する、というものはありません。どのウイルスも、罹患率100%ではなく、どのウイルスも感染を予防できるのです。現に、マスク着用、手洗い、消毒、換気、密を避ける等の手立てで、これまでも感染を防いできました。これは、これからもなんら変わることはありません。ワクチン接種が始まっても、きっとこれらの感染予防は、続けて行かなければならないでしょう。しかし、この感染予防をすることで、かなり防ぐことはできるのです。そして、自らの免疫力を高めておけば、さらにです。新型コロナウイルスも、インフルエンザウイルスも、風邪ウイルスも、ちゃんと感染予防できるのです。

 しかし、どんなに感染予防をしっかりと行っていても、感染してしまうことはあるのです。だから、いつ、誰が感染してもおかしくない状況だと言えるのです。こうしていれば、絶対に感染しません等、そんなことはないのです。実際、毎日の学校生活も、感染リスクはゼロにはできないことが前提の上で、できるだけ感染リスクを高めないように気をつけながら、生活しています。決められた感染予防対策を、しっかりと行いながら、生活しています。しかし、だからと言って、誰も感染しないわけではないわけです。

 今、新型コロナウイルス感染に関連して、感染者に対する誹謗中傷が問題になっています。その根本には、感染が「他人事」で「自分事」ではないという考え方からきているのではないでしょうか。そうではなく、これは、「自分事」で、「明日は我が身」「感染した本人・御家族が一番苦しいのだ」と捉えれば、誹謗中傷などできないのではないでしょうか。