学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

191 R2卒業式予行 贈る言葉

 本日は、御来賓の方々の御臨席を賜り、また、保護者の皆様にも御参加いただき、令和2年度卒業証書授与式を挙行できましたこと、心よりうれしく思います。

 この後、卒業式当日は、卒業生のみなさんや保護者のみなさんに贈る言葉を述べます。

 本日は、予行ですので、違うお話をします。

 6年生のみなさんは、入学してから卒業までの6年間で、何日学校に来たことになるのか、調べてみました。

 そうしたら、合計で1,199日になるようです。

 年間約200日、その×6倍、学校に通ったことになります。

 そのおよそ1,200日間、学校に来て、授業を受け、休み時間に遊び、給食を食べ、掃除をして、過ごしてきました。

 その間、いろいろなことがあったと思います。その全てを覚えてはいないと思います。

 しかし、その約1,200日間、学校で過ごした日々を通して、みなさんは、成長してきたわけです。

 できなかったこともできるようになりました。分からなかったことも分かるようになりました。

 それらは、一日一日の積み重ねの結果です。

 当たり前のように、特別なことなどないような、そんな普通の一日の学校生活が、1200回繰り返されて、今のみなさんが育ったのです。

 幼稚園や保育所を出て、小学校生活を何も知らずにいた子どもが、1200日学校に通うと、みなさんのように成長するのです。

 これは、すごいことです。

 みなさん、頑張りましたね。大変だったでしょう。

 いろいろな人に支えられたと思いますが、一番は、みなさん自身が頑張った結果なんです。

 そんなすごい成長を遂げたみなさんなのですから、どうか、胸張って、堂々としてください。

 残りわずかですが、最後まで、よろしくお願いします。


 令和3年3月23日

                     石川町立野木沢小学校長 佐藤康二

192 なりたい職業

 ある保険会社が、「大人になったらなりたいもの」のアンケートを実施した結果が、ネットで紹介されていました。

小学生・男子
 1 会社員
 2 YouTuber/動画投稿者
 3 サッカー選手
 4 ゲーム制作
 5 野球選手
 6 鉄道の運転士
 7 警察官
 8 公務員
 9 料理人/シェフ
 10 ITエンジニア/プログラマー
 10 教師/教員
小学生・女子
 1 パティシエ
 2 教師/教員
 3 幼稚園の先生/保育士
 4 会社員
 5 漫画家
 6 料理人/シェフ
 6 看護師
 8 芸能人/アイドル
 9 公務員
 9 医師

  この結果を受けたコメントには、コロナ禍で在宅勤務が広がったことで、子どもたちの中にも「会社員」という職業が身近になったこと、「会社員」以外の職業については、自分の好きなものを将来につなげようとしている傾向が見られること、そして、女子には、資格を得て働く職業が多いことなどのポイントが挙げられていました。

 「こども手に職図鑑」という本があります。そこには、将来、人工知能(AI)に取って代わられない仕事が100載っています。AIは、今後ますます、私たちの生活の中に入り込み、それまで人間が行っていたことを、代わりに行うようになるでしょう。上表の職業の中では、鉄道の運転士などは、将来なくなる確率が高いと言われています。しかし、万能と思われるAIには、どうしてもできないことがあります。それは、人間のような「したい」ことの最終判断をしたり手先や体を使ったりする仕事です。この図鑑では、「ものづくりの仕事」「医療・福祉の仕事」「人ともてなしに関わる仕事」「自然に関わる仕事」そして、「科学・テクノロジーの仕事」などが紹介されています。

 その中に、「ユーチューバー」の職業について、紹介されていました。ちょうど詳しく知りたいと思っていたので、じっくり読んでみました。そこには、暮らし系ユーチューバーのOさんの仕事ぶりについて、紹介されていました。Oさんは、大学を卒業後、デザイン系の専門学校に入学し、アルバイトで動画を作ったのが、ユーチューバーになるきっかけだったようです。ユーチューバーの収入源は、広告です。人気が出てくると、多くのフォロワーがフォロー(応援)してくれます。フォロワーが1000人を超え、動画の再生時間が4000時間を越えると、審査があって、審査を通ると、初めて動画にCMがつけられるのだそうです。そのCMが流れることで、お金がもらえるという仕組みです。しかし、どんな広告を入れるかは選べず、広告が多すぎると、視聴者がつまらなく感じるので、そのバランスが重要だそうです。
 小学生男子の2番人気の職業ですが、実際は、仕事として生活していけるまで、なかなか大変そうだなあと思いました。Oさんも、次のように言ってます。「ユーチューバーとして人気が出るには、時間がかかるので、根気強く動画を配信し続けることが大事。長く続けることで、流行に乗って、一気に活躍するチャンスに巡り合うかもしれない。最後は、自分を信じて、あきらめずに、チャレンジすることです。」なるほど、「自分を信じて、あきらめず、チャレンジする」。これは、仕事全般に共通することかもしれません。

193 修了式 校長の話

 みなさん、今年一年間、大変よく頑張りました。

 1年生のみなさん、みなさんは、初めての小学校生活でしたが、先生の話をよく聞いて、お勉強を頑張りました。そして、何事も、とてもていねいに取り組むことができていました。ノートを書く時の姿勢は、とてもよく、書く文字はとても上手でした。来年は、一つお兄さん、お姉さんになります。頑張ってくださいね。

 2年生のみなさん、みなさんは、何にでもやる気満々でした。授業でも、自分の考えをよく発表して、友達の発表もよく聞いて、学習することができていました。自分たちで工夫して、学校生活を楽しんでいました。私の悩みにも相談にのってもらいました。来年は、1年生と2年生のお兄さん、お姉さんになります。下学年のリーダーです。頑張ってくださいね。

 3年生のみなさん、みなさんは、いつも、外を元気いっぱい、走り回っていました。学習でも、自分たちで教え合って、進めることができていましたね。朝のゴミ拾いも、3年生のお友達から広まりました。みなさんは、おそらく、野木沢小で最後の20人を越える学級だと思います。そのパワーで、来年も学校を盛り上げてくださいね。

 4年生のみなさん、みなさんは、自分たちでどうしたらよいか、考えて行動できていました。学習でも、生活でも、みんなでよく話し合って、よりよいものを目指していましたね。その姿勢は立派です。いよいよ来年は、高学年の仲間入りです。6年生を支えて、一緒に、野木沢小学校を作っていきます。頑張ってくださいね。

 5年生のみなさん、みなさんは、男女なかよく、どんなことも協力して、15名で取り組んできました。5年生のあいさつは立派です。その姿は、もう最上級生にふさわしいものです。いよいよ、みなさんが6年生として、野木沢小学校をひっぱっていく番が回ってきました。自分たちで考えて、自信を持って、どんどんチャレンジしてください。

 学校は、みなさんが、元気に過ごすと、その元気パワーがたまっていって、その元気パワーがたまっていくと、明るく楽しい学校になっていきます。今年は、みなさんのお陰で、野木沢小学校は、とても明るく楽しい学校になりました。ありがとうございました。来年も、みんなで、明るく楽しい学校にしていきましょう。よろしくお願いします。

194 卒業式 校長贈ることば

 本日は、御来賓の方々の御臨席を賜り、また、保護者の皆様にも御出席いただきまして、令和2年度卒業証書授与式を挙行できましたこと、心よりうれしく思います。

 保護者の皆様、先程、お子様に卒業証書を授与致しました。お子様の証書を授与される姿を御覧になり、どのような御心境でしょうか。おそらく、6年前、小学校に入学し、その後、いろいろなことを経験し、成長していった日々を思い出され、感慨もひとしおのことと思います。その中で、保護者の皆様が、どんなに御苦労をされたか、お察し致します。しかし、どうぞ御覧ください。その御苦労も、全て吹き飛んでしまうように、お子様は、立派に成長されました。この姿を見れば、全て報われるのではないでしょうか。本日のお子様の御卒業、誠におめでとうございます。

 さて、令和2年度卒業生のみなさん。今、私が、お家の方に話したように、みなさんはこの6年間、いろいろなことで、お家の方々に、お世話になったことと思います。心配をかけたこともあったでしょう。泣かせたこともあったかもしれません。お家の方の言うことをきかず、言い合いになったことも。しかし、それもこれも、全ては、みなさんのため。みなさんを愛しているからです。だから、心配もしたし、余計なことと思われるようなことも言ってきたのです。みなさんは、それを素直に聞き入れましたか。素直に従いましたか。反発して文句を言い返したりしませんでしたか。

 今はどうですか。まさに今、卒業するにあたり、お家の方々が、これまで、どんな思いで、みなさんの成長を支えてきたか、感じられるのではないでしょうか。有り難いですね。みなさんがどんな状況になろうとも、最後の最後まで、いつでも、みなさんの味方になって、みなさんを支えてくれたんです。これは、いくら感謝しても、感謝しきれません。今日、家に帰ったら、その気持ちを、きちんとお家の方々に伝えてくださいね。お願いします。

 さて、改めて、令和2年度の卒業生のみなさん。自分が野木沢小学校を卒業するというのは、どんな気持ちなのでしょうか。いよいよ小学校を卒業するという喜びですか。それとも寂しさでしょうか。6年間という長い小学校生活がやっと終わりを迎えるという達成感ですか。それとも、4月から始まる新しい中学校生活への期待でしょうか、不安でしょうか。

 みなさんが、これまで過ごした6年間は、一人一人いろいろな思い出があることと思います。その思い出は、楽しかった、うれしかった思い出ばかりでないと思います。悲しかったこと、苦しかったこと、つらかったこと、そういう出来事もあったことでしょう。その時々の心の傷は、もう癒えているでしょうか。それとも、まだ、心の底の方で、喘いでいるのでしょうか。

 私たち人間は、弱い生き物です。ですから、知らず知らずに相手を傷つけ、自分を傷つけてしまうことがあります。そうして、傷つけられた心の傷は、目に見えないので、なかなか誰にも気付いてもらえない。

 しかし、どうかそのことを悲しまないでください。心の傷の痛みを知る人は、他の人の心を優しく労り、癒やすことができるからです。だから、もし、今だ心の傷が癒えていないとしても、この卒業を機に、苦しんだ気持ちを引きずらず、そういう気持ちにけりをつけて、ここからは新たな気持ちで歩んでほしいと思います。

 これから、みなさんが歩んでいく道は、決して楽な道ではないと思います。先の見えない不安の中、歩いて行くことにためらいを感じた時は、あの修学旅行を思い出してみてください。

 会津若松への修学旅行は、これまで前例がありませんでした。それでも、みなさんは、資料を集め、見学先を検討し、コースを決め、実行しました。当日、会津若松市内を散策しながら、想定外の出来事も、グループのみんなで解決して行きました。あの修学旅行を成功させることは、決して楽なことではなかったはずです。それでも、みなさんは、勇気を持ってチャレンジし、成し遂げることができました。それどころか、あの修学旅行を、心の底から楽しもうとしていました。そんなみなさんなのですから、これからも、何が起ころうと、しっかり向き合い、笑顔で乗り越えていけるはずです。

 私は願います。みなさんが、自分が主役の自分の人生を、自分らしく歩いていくことを。どういう人生が自分らしいのか、その答えは、簡単には見つからないかもしれません。しかし、人生二度なし。人生は一度きり。一回こっきりしかありません。ならば、その一度きりの人生を、どんなにつらかろうが、どんなに苦しかろうが、投げ出すことなく、生きてください。その中で、みなさんに、生きている喜びや楽しさが少しでも味わえる、そんな経験が訪れることを切に願っています。

 みなさんの人生に幸多かれ。

     令和3年3月23日    石川町立野木沢小学校長 佐藤康二

195 愛別離苦

 四字熟語に「四苦八苦する」というと言葉があります。意味は、状況がとても辛い、切羽詰まった様子を表します。実は、この「四苦八苦」という言葉は、もともと仏教の教えです。本来、四苦八苦とは、人が生きる上で避けては通れない「八つの苦」を表しています。
 まず、四苦とは「生老病死」の苦のことです。

「生苦」・・・人は生まれる場所、条件を選べません。
「老苦」・・・人は必ず歳を取り、老います。
「病苦」・・・そして病気にもなります。
「死苦」・・・やがて寿命がくれば、みな死に至ります。

この四つが人間の根源的な苦しみであると、教えています。そして八苦とは、この四苦にさらに次の四つを追加して八苦となります。

「愛別離苦(あいべつりく)」・・・大切な人や大好きな人であっても、いつかは離れなければならない苦しみ。
「怨憎会苦(おんぞうえく)」・・・逆に大嫌いな人、顔も見たくない人でも出会ってしまう苦しみ。
「求不得苦(ぐふとっく)」・・・求めるモノゴトが手に入らない苦しみ。
「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」・・・自分の心や、自分の身体すら思い通りにならない苦しみ。

 今回の離任式は、まさに「愛別離苦」です。今まで、大変お世話になった先生方と、まだ別れがたく、まだ一緒にいたいのに、お別れしなければならない苦しみ。考え方によっては、卒業式だって、「愛別離苦」と言えるでしょう。しかし、私たち人間は、この仏教の「四苦八苦」の教えの通り、みないずれ、いつかは、誰とも、別れなければならない運命にあります。別れを知らないまま、一生を終えることはできないのです。それは、変えることができません。だからこそ、出会った運命に感謝し、一緒に過ごせる日々を大切にして、そして、お別れの時に、出会ってくれたこと、一緒に過ごせたことに、感謝しなければならないのだと思います。そして、きちんとお別れすることで、一つの区切りをつけ、また、新たな出会いに向かうのだと思います。今回、お別れする方々も、また私たちと同じように、この別れを一つの区切りとして、4月から、新しい場所で、新しい出会いを迎え、また、そこで新たな生活をスタートさせるのです。
 「愛別離苦」。この苦しみを乗り越える度に、私たち人間は、また、一つ成長できるのだと思います。
 昨年度は、3月に感染症拡大防止のために、臨時休校措置をとり、また、集団での接触を避けるため、離任式等をやれなかった学校がたくさんありました。きちんとお別れする機会がなかったわけです。私自身、前任校は離任式が行えず、お世話になった子どもたちときちんとお別れすることができませんでした。そのことは、本当に残念でなりませんでした。そういう意味で、今年度は、離任式を行って、きちんとお別れすることができたことはよかったと思っています。