学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

189 校内オリエンテーリングを終えて

 一言で言うと、とても有意義な活動になりました。縦割り班は異学年集団なので、いろいろな学年の子が一緒になって、各教室を回って遊びました。その中で、高学年の子が、下学年の子のことを気にかけながら、声をかけたり、手助けしたりしながら活動する姿が見られました。

 そもそも、小学校という集団は、1年生から6年生までの異学年集団です。しかし、普段の学校生活は、学級単位が基本なので、同じ学年の子ども同士の活動がメインです。その中で、学級内の人間関係を通して、人との関わりや集団生活のきまりなどを学びます。しかし、そこで学べるのは、同じ年齢の子ども同士ですから、同年齢としての関わりです。想像してみると分かると思いますが、子どもは同年齢同士だと、相手に対して、遠慮はなくなります。同年齢ですから当然です。大人の社会でも、同じ年齢だと分かると、急に「ため口」になったりしますから。(余談ですが、同年齢を表す“ため”とは、サイコロのぞろ目のことだそうです。)子どもは同じ年齢同士なら、やはり、相手に負けたくないという競争心が芽生えるのだと思います。それが普通です。だから、何か競争するものだと、むきになって取り組みます。学年が下がれば下がるほど、その傾向は強いと感じます。それは、負けたくないから。だから、遠慮がなくなるのです。それでも、のべつ幕なしにぶつかり合っているかというと、そんなことはなく、ちゃんと、協力して活動することはできるんです。

 道徳には、現在、22個の価値項目があります。その中に、「相互理解、寛容」というものがあります。私たちが社会を生きていく上で、とても大事な価値項目です。この「相互理解、寛容」について、それぞれの学年で、道徳の時間に次のような内容を養っていくことになっています。

 5年生・6年生
 「自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を尊重すること」

 3年生・4年生
 「自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、相手のことを理解し、自分と異なる意見も大切にすること」

 人は、そもそも、性格も考え方も違うので、そのことを理解し、尊重することは大事だということです。しかし、ご覧のように、この「相互理解、寛容」については、1年生と2年生では触れていません。3年生になってから、道徳の時間に初めて価値に触れることになっています。なぜ、1年生と2年生では、このことに触れないのでしょうか。それは、発達段階において、この道徳的価値を認識できる能力や指導の適時性に関係があります。前述しましたように、低学年の段階では、まだ、競争心が全面に出がちで、遠慮がありません。それは、同年齢同士として、当然の見方・考え方です。だから、相手を理解し、自分との違いを受け入れるのは、発達段階的に少し難しいということです。

 話をオリエンテーリングに戻しましょう。本来、学校は、異年齢集団という環境なのですから、その異年齢集団のふれ合いが、もっとあってもいいわけです。その中で、子どもたちが学ぶことは、とても多いのだと思います。実際、今回の活動の中でも、上級生は下級生の面倒を見て、下級生は上級生の言うことを聞いて、みんなで楽しく過ごすことができました。わずか1時間あまりの活動でしたが、十分ねらいを達成できていました。こういう活動を限られた時間で行えるのも、野木沢ならではだと改めて思いました。

 最後に、当日の閉会式で、各ゲームのチャンピオンのグループを紹介しましたが、ここでは、個人の成績で、チャンピオンの人を紹介します。

 ストップウォッチ10秒チャレンジ 10”01  1年 永井丈嗣さん
 サイコロチャレンジ 3つのサイコロ全部が「1」 4年 石 大和さん
 ペットボトルキャップつかみ 1回で22個つかんだ 6年 佐藤煌大さん
 ペットボトルボーリング 7本倒した 5年 草野大輝さん、6年 草野雄成さん
 フリスビー投げ 2回投げて100点獲得 3年 佐藤妃莉さん、石井斗真さん、佐藤 歩さん
 けん玉チャレンジ 3回皿乗せ成功したみなさんも、おめでとうございました。

188 東日本大震災の日

 10年前の今日、東日本大震災が起きました。連日、テレビや新聞等の報道でも、震災関係のいろいろな番組や記事を目にします。今日は、学校でも、震災に関連した集会をリモートで実施しました。校長から「地震の話」と題して、次のようなお話をしました。

「この日本という国は、世界的に見て、非常に地震が多い『地震大国』です。小さいものでは、年間1000~2000回の地震が起きています。世界中で発生している地震の内、M6以上の地震の約20%は、日本で発生しています。地震が起きると、建物が倒れたり、火災が起きたり、津波が起きたりします。そして、多くの被害を受けます。日本では、これまでに、何度も『大震災』とよばれる大規模な地震が起こっています。
 まず、1923年の関東大震災。M7.9の地震が関東地方を襲いました。発生時刻が午前11時58分で、ちょうど昼食の時間帯であったため、火災が発生し、強風がさらに被害を大きくしました。およそ10万人という犠牲者の多くは、火災による焼死でした。
 次は、1995年の阪神・淡路大震災。M7.3の地震が、関西地方を襲いました。発生時刻が午前5時46分。まだ、多くの人が就寝中の出来事で、犠牲者約6400人の多くは、建物の倒壊が原因でした。
 三つ目は、2011年3月11日の東日本大震災です。午後2時46分、M9.0、震度7という、これまでで最大規模の地震が、岩手・宮城・福島を襲いました。高さ約9mの大津波が海岸地帯に襲いかかり、約2万2千人という犠牲者を出しました。大変な被害が出ました。
 これだけの大きな地震に襲われ、その度に、大きな被害を受けてきた日本ですが、震災後は、確実に復興してきました。10年前の東日本大震災も同じです。
 まとめると、日本は地震大国。だからこそ、日頃から地震に備えておくことが大事。もし、地震が起きたら、落ち着いて、命を守る行動をとること。火を使っていたら止める。建物の中にいたら、外に避難する。そして、海辺にいたら、できるだけ高いところへ避難する。そして、どんな被害があろうとも、必ず復興できます。だから、『希望』を持つこと。そして、支えてくれる方々へ『感謝』の気持ちを忘れないことが大事です。
 最後に、東日本大震災では、津波の後、原子力発電所の事故も起こり、今なお、故郷に帰れず、避難生活をしている人たちがいます。また、放射線による風評被害も今だなくなっていません。そういう意味では、まだまだ地震の傷跡は癒えていないのです。そのことは、知っておいてください。」

187 校内オリエンテーリングを楽しもう!

 今年度も、残り12日間となりました。町の感染症対策期間も、今のところ7日(日)で解除されます。学校も年度末に向けて、ラストスパートです。それを受けて、全校生で行う思い出づくりの一環で、来週9日(火)に「校内オリエンテーリング」を実施します。実は、2月に実施予定だったのですが、延期されていた取り組みでした。

 今年お世話になった縦割り班のみんなで、楽しい思い出を作ろうというものです。校舎内の各教室を回って、そこで、みんなでゲームをして楽しみます。どんなゲームをするのか、紹介します。

・10秒チャレンジ・・・ストップウォッチを見ないで、10秒で止める。
・ペットボトルボーリング・・・ペットボトルのピンを何本倒せるか。
・けん玉チャレンジ・・・3回チャレンジで、皿に何回乗せられるか。
・さいころチャレンジ・・・3個のさいころを投げて、「1」を何個出せるか。
・ペットボトルキャップキャッチ・・・キャップつかみ取りで何個つかめるか。
・しりとり・・・30秒の間に、しりとりをいくつつなげられるか。
・フリスビーストラックアウト・・・ロッカーの得点めがけて、ディスク投げ。
・連想ゲーム・・・お題の「~と言えば」で連想する言葉はいくつそろうか。

 ゲームの内容によって、個人で競ったり団体で競ったりします。グループみんなで協力して行うものもあるので、きっと楽しく取り組めそうです。各ゲームは、先生方が担当して行います。本校の縦割り班は16班あるので、一カ所の教室に、2班ぐらいずつ回ることになります。多少、時間差でずれたとしても、校舎内にある程度分散するので、蜜は避けられそうです。活動時間内に、全部回れなくても終了となります。空いているところを探しながら、うまく回ってほしいです。最後は、体育館に集まって、グループごとの写真撮影と成績発表です。各ゲームのチャンピオンを発表します。自分の名前や班の名前が呼ばれるか、どきどきすることでしょう。

 楽しいイベントになりそうです。この土日、体調を整えて、当日、元気に参加できるようにしてほしいです。

186 6年生からの引継ぎ

 今まで、毎朝6年生が取り組んできた朝のボランティア清掃活動を、5年生が引き継ぎました。先日から各清掃場所で、6年生から掃除の範囲ややり方を教えてもらっています。これまで登校してきて、自分の時間として過ごしていた5年生にとっては、これは大きな変化です。しかし、これこそが、4月から最上級生になるという意味を表しています。それは、最上級生になるということは、自分のことだけでなく、学校のことや下級生のことを考えて行動しなければならないということです。もしかしたら、そういう時間や行動の制限に、不自由さを感じる人がいるかもしれません。しかし、その制限や不自由さも丸ごと含めて、それが「6年生という立場」なのだと思います。そして、それは、これまでの多くの先輩方が、みな経験してきたことなのです。だから、5年生の子どもたちには、「やっと自分たちの番が来たのだ」と、前向きに受け止めてほしいと思っています。
 5年生の子どもたちは、指定された時間になる前から、担当場所に行って、6年生に教わりながら、頑張って取り組んでいます。その様子を見ると、来年の野木沢小学校は、新しい6年生を中心に、また大きく進んでいけると感じます。きっとそういう5年生の姿を見て、6年生の子どもたちは、安心して卒業していけると思います。

185 真・善・美を求めよ

 かつて勤務したある学校の会議室に、この「真 善 美を求めよ」と書かれた額が掲げられていました。
 「真」とは、本物のことです。嘘偽りのない、正直な心のことです。人間は弱い生き物ですから、時にごまかしたり、嘘をついてしまったりすることがあります。しかし、それでも、ごまかさず、嘘をつかず、自分に正直に行動したいと思います。
 「善」とは、正しいことです。自分でそうすることが正しいと判断した行動のことです。人間は弱い生き物ですから、周りの目を気にして、自分では正しいこと、善いことだと思っていても、そうすることができないことがあります。しかし、それでも、自分で正しいこと、善いことだと思ったら、迷わず、行動に移したいと思います。
 そして、「美」とは、美しいことです。それは、見た目の美しさというよりも、内面の美しさ、心の美しさのことです。人間は弱い生き物ですから、自分が他の人からどう見られているか、見た目を気にしがちで、大事な内面の心の美しさを磨くことを忘れがちです。それは、心の美しさは、目に見えないと思っているからです。しかし、実際は、その人の心の美しさは、言葉遣いや行動、仕草など、目に見える形で現れるものなのです。

 先日、ある保護者の方から、次のような連絡が担任を通して届きました。(個人名等、一部修正してます。)

 2月の事ですが、子どもの迎えに行って、車の中で待っていたら、ある子どもが、数人のお友達と帰る途中、汚れたゴミを拾って、両手いっぱいの量を持ち帰っていました。「ゴミを捨てない」事は出来ても、「拾う」という事は大人でもなかなか出来る事ではないので、感心しました。

 まず、こんな素敵な御連絡をいただけたことに感謝です。そして、私も、この方のおっしゃることに同感です。きっと、私には、この子どものような行動は無理だと思いました。そして、そういうことをやれる子どもがいることが、とてもうれしく思いました。実は、以前、LIVEでゴミを拾って登校する子どもを紹介した後、同じように、ゴミを拾って登校する子どもたちが、何人も出て来ていました。

 「ゴミが落ちていたら拾う」という行為は、まさに「善」です。そして、そうすることは「真」であり、そういう行動ができる人の心は「美」そのものです。この「真・善・美」を実際に、体現している子どもたち。なんて素直で、素敵な子どもたちなのでしょう。そんな子どもたちの通う学校で勤務できることに幸せを感じます。そして、こんな子どもたちに負けないよう、自分ももっと努力しなければと改めて思いました。