学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

112 正体は「神蛇魚」

 この奇妙な生き物の正体は、「神蛇魚(じんじゃうお)」。
なんと、あの「アマビエ」と同じく、江戸時代に、疫病をはらう除災獣として表れた厄除けの怪魚です。人面で2本の角が生えており、長い髪に、背にはうろこがあり、腹には宝珠を持っているそうです。

 これは、福島市の県歴史資料館にあった資料の中から、同資料館の方が、疫病に関する資料を探していて偶然発見したそうです。
 資料によると、文政2年(1819年)、肥前平戸沖(現在の長崎県沖)に、この生き物が浮かび出て、自ら「神蛇魚」と名乗り、自身の姿を絵に描き人々に見せるよう呼びかけたそうです。そして、その絵を見れば、流行病にかからないと告げたとの事。当時、日本では「コロリ」と呼ばれる病が流行していました。それが、長崎から全国に広がって、多くの人が亡くなっていました。この「コロリ」、正式には1817年から全世界で大流行していた「コレラ」のことです。
 この資料を発見した方は、今、新型コロナで大変な世の中なので、神蛇魚自身が見つかるように現れてくれたのでは…と語っています。以前紹介した「赤べこ」、そして、この「神蛇魚」。福島県から疫病が退散するパワーを全国に送りたいと思います。

113 通知票を配付しました

 今年度は、学期ごとの通知票ではなく、前期・後期による通知票を配付いたします。本日、前期分の通知票を配付しました。そこには、4月から9月までのお子さんの学校生活の様子が載っております。学習に対しては、取り組んだ内容をどの程度身につけているかを3段階で評価しています。また、行動の様子では、特に顕著な項目を○で示してあります。

 この通知票の内容は、我々教師がお子さんを評価した内容でありますが、と同時に我々教師の自分自身の評価でもあります。なぜなら、子どもたちに授業をして、学習内容を身につけさせるという仕事の成果が、この通知票でもあるからです。ですから、◎が多くの子どもについていれば、それだけ授業における手立ては有効であったと言えます。逆に、△が多ければ、指導の在り方にはどんな問題があったのか、自分の指導を振り返るわけです。

 ですから、△がついている項目については、我々教師は、いずれ△を○や◎にするための努力をこれからも続けていきます。もし、お子さんに△がついていたら、こう言ってください。「これから、頑張っていこうね。先生も頑張ってくれるからね。」と。決して、「何やってんの、もっとちゃんとやらないとだめじゃない」なんて叱らないでください。お願いします。

 最後に、通知票の通信欄は、非常に文字数が限られているため、そこに書かれている内容だけで十分にお子さんの頑張りを表現しきれないということを御理解ください。この半年間のお子さんの頑張りは、とてもあのスペースには書き切れないほど、まだまだたくさんあるということを。

114 インフルエンザと新型コロナ

 新型コロナウイルス感染症が終息を迎えない今、これからさらに心配されることは、インフルエンザの流行です。この新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスを比べてみると、いろいろと興味深いことが分かりました。科学雑誌「Newton」に、次のような内容が紹介されていました。

 まず、この二つのウイルスは、非常に似ています。まず、構造が同じで、RNA(リボ核酸)が「エンベロープ」という脂質の膜でおおわれています。このエンベロープをもつウイルスは、アルコールに弱いという特徴があります。
 次に、どちらも「呼吸器感染症」で、飛沫(せきやくしゃみで飛び散る唾など)を介して体外に排出され、飛沫を吸い込んだり、飛沫がついたものに接触したりすることで感染が広がるのも同じ。

 この二つの大きな違いは、インフルエンザより新型コロナのほうが感染拡大を防止するのが難しいということ。インフルエンザは、感染すると数日で症状が出ます。そして、発症後2~3日で排出するウイルスの量がピークになります。つまり、症状が出てから対策をしても、ある程度感染拡大を防げるということです。実際、学校で発熱しても、その時点では、まだ排出するウイルスの量は少しだということです。しかし、新型コロナは感染後、平均5~6日の潜伏期間があり、その間も、排出するウイルスの量は増え続け、発症日の前後が排出量のピークになります。つまり、新型コロナは発症した時には、もうすでに多くのウイルスを出してしまっているわけです。だから、新型コロナは症状が出ていなくても対策が必要なのです。

 それでも、アルコール消毒、手指の消毒、マスクの着用、ソーシャルディスタンスなどは、新型コロナウイルスにも、インフルエンザウイルスにも、どちらにも有効だということは確かなことです。

 実は、それを裏付けるようなデータが紹介されていました。北半球と南半球は季節が逆のため、南半球のオーストラリアでは、例年8~9月にインフルエンザの流行のピークが来ていました。今年は新型コロナとインフルエンザの同時流行が懸念されていました。しかし、今年はインフルエンザはほとんど流行していないそうです。今のところ、理由は明らかになっていません。

 しかし、仮説としては、次の二つが考えられるようです。一つは、新型コロナの感染対策が、そのままインフルエンザの予防にも有効だったということ。二つは、新型コロナウイルスがインフルエンザウイルスに「干渉」したことで、インフルエンザの流行がおさえられたということ。この「干渉」とは、複数の種類のウイルスが一つの細胞に感染した場合に、一方が他方の増殖を弱める現象のことだそうです。もし、そうだとしたら、今年はインフルエンザは大流行しないかも…ただ、このことは、しっかりとした研究成果がまだありませんので、安易に油断してはいけません。

 それでも、仮説の一つ目については、これまでのインフルエンザの予防として、手洗い・うがいの徹底、部屋の換気等、新型コロナで行ってきた感染予防対策と同じ事をきちんと続けることで、ある程度防げると思われます。そして、これまでもお話ししてきました、体の抵抗力を高めるための、「栄養」「運動」「休養」のバランスを崩さない生活が大切だと思われます。新型コロナとインフルエンザのどちらにも負けない、健康な生活を送れるよう、御協力お願いします。

115 運動会の話「10月10日物語」

 10月10日(土)は、秋季大運動会です。この10月10日は、1964年東京オリンピック開会式が行われた日で、1966年に「体育の日」の祝日となりました。その後、2000年に「体育の日」は、10月の第2月曜日と変更になるまで、「体育の日」は10月10日でした。ですから、私などは「体育の日」と言えば、10月10日のイメージが強いわけです。(ちなみに、2020年から「スポーツの日」と名称は変わりました。また、2020年は開催予定だった東京オリンピック開会式前後を連休にするため、10月ではなく、7月に変更になりました。)

 実は、この10月10日には意味がありまして、当時、東京オリンピックの開会式の日を決めるにあたり、できるだけ晴れになる日にしようとしました。第2次世界大戦で敗戦国となった日本が、戦後、急速な復活を遂げて、再び国際社会の中心に復帰するシンボル的なオリンピックの開会式ですから当然です。そこで、まず秋晴れの多い10月が決まり、次に、10月の中で晴れが多かった10日になったそうです。実際、1964年開会式当日は、朝の内は曇り空でしたが、開会式が始まる時刻には、真っ青な秋晴れになり、あの有名な、ブルーインパルスによる五輪のマークが、開会式の会場であった国立競技場の上空にきれいに浮かび上がったというわけです。

 そういう歴史のある10月10日ですので、きっと今年の運動会当日の晴れも間違いなしです。気持ちのいい秋空の下、子どもたちの元気いっぱいの姿を見られると思います。どうぞお楽しみに。