学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

104 陸上壮行会

 29日(火)鏡石町鳥見山陸上競技場で開催される、石川地区小学校陸上競技大会に出場する選手を応援するため、選手壮行会が行われました。選手の自己紹介の後、4年生の力強いかけ声と太鼓に合わせて、下級生全員で応援エールを送りました。

 今年の陸上大会は、規模縮小で、種目も走り高跳びとジャベリックボール投げが中止となりました。そして、出場選手も6年生のみとなりました。夏休み明けから、6年生のみなさんは、体育の時間や放課後、各種目の練習に取り組んできました。リレーの選手のみなさんは、朝も練習してきました。天候により、なかなか思うように出来ない日もありました。また、6校時の日は、放課後の練習時間も限られてしまいました。実際の競技場練習は1回だけ行けました。学校の校庭では、斜めに80mをとるのがやっとなので、100mの選手は直線でなく、校庭のトラックを使うしかありません。リレーの選手も、一周150mのトラックは、コーナーがきつくて、思うようなバトンパスの練習も難しい環境でした。それでも、6年生のみなさんは、校庭が使えない時は体育館で、練習時間が短くても集中して、これまで取り組んできました。

 6年生のみなさんにはお話ししましたが、この陸上競技大会の大きな目的は、自己ベスト記録の更新です。他校の選手と競い合い、入賞を目指しますが、それはあくまで結果であり、一番はこれまでの自分との戦いです。練習で身につけてきたことを全て出し切り、その上で、今までで一番いい記録を出すこと。そのために、必要なことは3つ。
 1つは、自分の競技に、集中すること。当日は周りにたくさんの人がいて、いろいろな声が飛び交います。そんな中で、いかに、自分の競技に集中できるかです。周りの選手やその様子に動揺することなく、自分の競技で全力を出し切ることだけに集中することです。
 2つは、緊張しすぎず、落ち着いて臨むこと。緊張しすぎると、身体に余計な力が入り、本来、自分の持っている力を十分に発揮できません。気持ちを落ち着かせ、いつもの平常心で臨むことです。
 そして、3つは、頑張る仲間を、全員で応援すること。選手は、競技中、孤独です。選手は、たった一人で戦うのです。だから、そんな時、仲間の全力の応援は、力になります。つらくて、くじけそうな時、仲間の声を聞くと、あきらめずに頑張ろうという気持ちになります。いろいろな学校が、多くの応援をしている中で、野木沢小の大応援を期待したいと思います。

 選手のみなさんが頑張る姿は、野木沢小全員の願いです。選手のみなさんがやりきった喜びは、野木沢小全員の喜びです。そして、選手のみなさんが、本気・全力100%で頑張る姿を、全員で応援しています。6年生のみなさんが、これまで頑張ってきた姿、そして、大会当日に最後まであきらめずに競技する姿、それらが、下級生にとってお手本となり、目標となるのです。
 当日、お出でになる保護者のみなさん、子どもたちへの応援をよろしくお願いします。また、駐車場など、事前にお知らせしたとおりですので、どうぞ御協力よろしくお願いします。

103 野木沢スポ少ソフトボールクラブのみなさんへ

 この度は、県大会出場、誠におめでとうございます。
 まず、地区大会優勝という結果は、みなさんの頑張った結果であることは、間違いありません。ですから、自分たちの実力に、多いに自信を持って下さい。
 次に、県大会は、みなさんのように、各地区大会を勝ち上がった強豪チームが集まります。ですから、力と力のぶつかり合いの、厳しい試合になることは予想されます。
 もし、戦う二つのチームの実力が、ほぼ同じだったら、どうやって決着がつくと思いますか。私は、その二つのチームのうち、最後まであきらめないチーム、そして、全員が勝ちたいという思いの強いチームが、最後は勝利を手にするのだと思います。もし、たった一人でも、あきらめるような人がいるチームは、負けるのだと思います。
 ですから、試合に出る人はもちろん、試合に出ない人も、全員で、最後まであきらめず、全員で、勝ちたい思いを強く持って、一試合一試合、戦ってほしいと思います。
 そして、忘れてはいけないことがあります。それは、試合は、相手がいなければできないということです。つまり、試合に勝っても、相手がいたから勝つことが出来るのです。だから、忘れてはいけないことは、試合が終わったら、試合をしてくれた相手に感謝することです。感謝の気持ちをもつことです。素晴らしいチームとは、強いだけのチームではないと思います。素晴らしいチームは、相手のチームを認め、相手のチームに感謝の気持ちを持てるチームだと思います。どうか、それは忘れないで下さい。
 それでは、県大会でのみなさんの健闘を祈ります。頑張ってください。

102 運動会練習

 10/10(土)の運動会に向けて、各学年の練習も始まりました。今年は、規模を縮小し、午前中のみの開催となります。各学年の種目も、内容・方法を検討し、例年行っているものとは、少し変えた形で行う物があります。例えば、綱引き。これまでは、学年がどんどん増えていって、最後は全校生で引っ張り合う形でした。しかし、今年は、人数が増えないよう、1・2年、3・4年、5・6年のブロックごとに2回ずつ勝負する形に変えました。しかし、形は変われども、赤対白のガチンコ勝負には変わりありません。このように、いろいろと工夫してますので、これまで同様、楽しい運動会になりそうです。どうぞお楽しみに。

101 おはぎ

 今日の給食は、「セルフおはぎ」でした。給食には行事食的なものがあり、春は桜餅であったり、秋はお月見団子であったり。今回も、お彼岸ということで、あんことごはんが別々について、自分でおはぎにして食べるという献立でした。そのままご飯にのせて、簡単おはぎで食べても良いということでしたので、私はそのようにして食べました。昼の放送でも、おはぎとぼた餅の話をしていました。春の牡丹からぼた餅、秋の萩からおはぎということで、呼び名は変われども、どちらも同じ物と紹介されていました。あんこの好みも人それぞれで、あの甘さが大好きな人もいれば、ちょっと苦手という人もいるようで。また、あんこも粒あんが好き、こしあんが好きと別れるようで。昼休み、校長室に顔を出して、ある子が私にすきなあんこを質問しました。「こしあん」と答えると、「私も」と言ってました。みなさんは、どちらですか。

 さて、先程紹介した萩ですが、萩は秋の七草の一つです。みなさん、春の七草と秋の七草、どちらも言えますか。結構、春の七草は知っている人は多いようです。

 「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、春の七草」

 しかし、秋は春に比べて、知名度は低いように思います。きっと、言い回しの語呂合わせが春のようにいい感じでないからかなあ、と昔から思っていました。そこで、私はオリジナルの秋の七草も言いやすい語呂合わせに作ってみました。

 「はぎ、おばな、ききょう、なでしこ、おみなえし、くず、ふじばかま、秋の七草」

 いかがですか。個人的に、結構いい感じだと思っていますが。

 春の七草はおかゆにして食することが出来ますが、秋の七草は見て楽しむ草花です。この中の「おばな(尾花)」は、ススキのことです。見た目が馬の尾の毛のように見えますね。私の父親は山形出身で、子どもの頃は、自然の中でいろいろ作って遊んでいたそうです。私が子どもの頃、父親は秋になると、このススキを取ってきて、ふくろうを作っていたのを思い出します。ススキの毛がフクロウの羽のように見えました。さて、この「尾花」が出てくるので有名なことわざがあります。

 「ゆうれいの 正体見たり 枯れ尾花」

 幽霊だと思っていたら、よく見たら、枯れたススキだった。つまり、恐れていたりすごいものだと思っている物も、実体はたいしたことがない場合がある、という意味です。みなさんご存じの「オズの魔法使い」のオズの正体も、次々に姿を変える、ものすごい大魔法使いかと思いきや、実体は、気球で飛んできたサーカスの腹話術師でしたしね。そういうことって、結構あるのではないでしょうか。

100 吉田富三博士

 9月13日(日)石川地区児童理科作品展を、浅川町の吉田富三記念館で開催しました。本校からも、多くの御家族にお出で頂きました。ありがとうございました。今回は、1日だけの開催でしたが、その日だけで180名の方々にお出で頂きました。その中には、熱心に展示されている研究物を見入る子どもたちや、その保護者の方々の姿があり、改めて、今年、県理科作品展は中止でしたが、石川地区の児童理科作品展は実施してよかったと思いました。

 さて、私事ですが、実は、恥ずかしながら、私はこれまで、吉田富三博士のことは知りませんでした。今回、初めて記念館にお邪魔して、そこに展示されている資料を見たり、本を読んだりしました。それで思ったことは、この吉田富三博士は、素晴らしい科学者だということです。正直、驚きました。吉田富三博士は、癌の研究に一生捧げた方です。その中で、以前LIVEで紹介した「吉田肉腫」を発見しました。また、博士は医療制度の改革にも取り組んでいます。晩年、「医学の使命」について講演をされた時に、「医事は自然に如かず 静観待機療法が大切」という話をされました。これは、人間には病気になった時に、その病気と戦う自然良能というものがあること、だから医師は、その良能の性質をよく観察して、治療に当たる必要があるというものです。ただ薬だけを与えるという処置はよくない、という考え方です。このように、吉田博士は、医学だけでなく、ものの本質をしっかりと捉え、言葉の力でそのことを伝えることを大切にされていました。

 その一端が、医学の専門家でありながら、国語文化にも貢献していることにも表れています。昭和35年頃、日本の国語政策には、漢字を廃止するという方針がありました。翌年に国語審議委員になった吉田博士は、日本人が思想の原点として漢字を重要視していることを強く訴え、日本語の表記を「漢字仮名交じり」にすべきと提案したのでした。その提案を受けて、その後、正式に、国語の表記は「漢字仮名交じり」に決定したのでした。もし、この決定が別な物になっていたら、今の漢字仮名交じりはないわけです。

 記念館には、他にも興味深い物が展示されていました。それは、吉田博士と同姓同名の「吉田富三」という京都に住んでいた少年が、博士と同じ名前と言うことを知り、博士に手紙を書いたという物でした。手紙の内容は、自分は小児ぜんそくという病気だが、博士と同じ名前なので、病気に負けないで頑張りたいというものでした。驚くことに、住所が分からなかった少年は、「東京大学 吉田富三博士」とだけ記して投函し、その手紙は無事に届いたそうです。この手紙を受け取った博士は、その返事の手紙を書き、自分の似顔絵を写真にした物を、この少年に送っています。その対応が、すごく人間味にあふれていて、心温まります。吉田博士の人柄がわかる出来事だと思いました。

 吉田博士は、生前、文化勲章を受章し、亡くなってから、旭日大綬章も受章されました。また、ノーベル医学賞の候補にも挙がったそうですが、受賞日の前に亡くなられたので、規定により見送られました。博士の偉業は、野口英世博士にも勝るとも劣らない、素晴らしいものだと思いました。

 もし、吉田富三博士について、私のようにあまり知らないようでしたら、一度、吉田富三記念館を訪れてみてはいかがでしょうか。

 吉田富三記念館
  浅川町大字袖山字森下287
  TEL 0247-36-4129
  開館時間 午前9時~午後4時30分(最終入館午後4時)
  入館料 小中学生 無料  大人400円
  月曜休館