学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

174 ご存じですか?就学援助制度

 学校教育法第19条には、次のような条文があります。

 経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。」

 これを受けて、石川町では、「就学援助制度」を設けています。この制度は、何らかの理由で、学用品や給食費等の就学に係る経費の支払いが困難な御家庭に対して、基準を満たしている場合、就学援助費を支給する制度です。小学1年から中学3年まで対象で、申請はいつでも可能です。なお、小学校・中学校の第1学年においては、入学に関わる用品等に対する支給もあります。支援金は、学校を通して、各学期末に支給されます。

(支給内容の一例です。金額は、年間の支給予定額なので、変更になることもあります。)

  ・学用品等購入費  (小)11,520円 (中)22,510円

  ・新入学学用品費  (小)50,600円 (中)57,400円

  ・学校給食費    (小・中)実費

  ・卒業アルバム代等(小)10,890円 (中)8,710円

 このことについて、支給金額や申請方法、認定基準など、もっと詳しく知りたい方は、学校までお問い合わせください。なお、申請用紙等も学校にあります。「自分が該当するのか」といった内容にも、相談に応じますので、どうぞ御連絡ください。(℡26-1624 教頭もしくは事務の先﨑が担当します。)

173 横断歩道は歩行者優先

 先日、朝、学校周辺の横断歩道のところで街頭指導していて、気になることがありました。それは、横断歩道で、渡ろうとしている子どもがいるのに、そのまま通行している車が、意外と多いことです。

 最近、CM等でも流れていますが、「横断歩道は歩行者優先」です。それでも、一時停止しない車が全国的に多いのが現状のようです。JAFが2019年に「信号のない横断歩道における車の一時停止率」のランキングを発表しています。それによると、信号のない横断歩道で、一番停止してくれる第1位は、「長野県」で68.6%。第2位は「静岡県」で52.8%。そして、第3位は「兵庫県」で43.2%。なんと、第3位でも、停止してくれる割合は、50%以下なんです。そして、止まらないワースト県は、第47位が「三重県」で3.4%。第46位が「青森県」で4.4%。第45位が「京都府」で5.0%でした。気になります我が福島県はと言うと、悲しいことに第39位で8.7%という結果でした。

 確認しますが、これは、道路交通法38条の「横断歩道における歩行者優先」で、「横断歩道を横断しようとする歩行者があるときは横断歩道の直前で一時停止し、かつその通行を妨げないようにしなければならない」と定められています。違反すると、「横断歩行者妨害」という違反となり、違反点数2点、反則金9,000円(普通車)、その他罰則(下参照)が科せられます。運転者は、この先に横断歩道があることを知らせる道路標示(菱形の白線)を見掛けたら、減速する義務があります。その上で、歩行者がいないか確認し、通行しなければなりません。

 令和3年度の交通安全運動(福島県交通対策協議会)の年間スローガンは、「わたります 止まるやさしさ ありがとう」です。「横断歩道は、歩行者優先。横断歩道を渡ろうとする人を見掛けたら、必ず一時停止しましょう。」「これは、マナーじゃなくてルールです。」「横断歩行者妨害違反は、3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金」と告知しています。そして、これは、信号のない横断歩道だけでなく、横断歩道のない交差点においても、歩行者は優先になります。

172 行事食献立

 みなさんの御家庭のお正月料理は、何でしょうか。ちなみに、我が故郷会津のお正月の味は、なんと言っても「こづゆ」です。これは、各家庭によって味が微妙に変わるので、例年、親戚にあいさつ廻りに行くと、こづゆの食べ比べみたいになります。残念ながら、今年はそれもできませんでしたが。こづゆはもともとお祝い事の時の料理なので、お正月だけでなく、結婚式やお家の新築祝いなどでも出されます。実はこの「こづゆ」が給食に出されることがあるのです。故郷のメニューが取り上げられると、とても嬉しい気持ちになります。
 1月初めの給食の献立は、季節柄、お正月に関したものになっていました。初日には、七草汁。2日目は、いかにんじんに白玉雑煮が出ました。七草汁は、具だくさんで、柔らかく煮込まれた、胃に優しい味付けでした。いかにんじんは、福島県ならではの郷土食ですね。それを給食で食せるとは思いませんでした。そして、白玉がうれしい雑煮。実は、ある学年で、「正月と言えば」のビンゴゲームをした時、子どもたちが「お雑煮」という言葉を知らない場面がありました。おもちや野菜が入った汁だと知って、「あれがお雑煮なんだ」と言っていたので、食べたことはあったのでしょう。各行事や習わしなどで食するものは食文化です。それを味わえる給食は、とても有り難いと思いました。
 給食では、このように行事食と言って、その季節やイベントなどに由来したメニューが出されます。本校には、栄養士さんはおりませんので、基本的に石川小学校の栄養士さんの立てた献立が基になっています。それを、毎月1回、校内で献立検討委員会が開かれ、そこで、本校の実態に合わせて見直しを行い、最終的な献立が決定しています。
 1月の献立には他にも、26日に「給食はじまりの献立」が出る予定です。詳しくは、給食だよりでも紹介されていますが、1/24~1/30が「全国学校給食週間」になっています。また、6年生のリクエスト給食が3回もあります。これは、6年生が考えてくれた献立で、3回ともなかなかバラエティに富んだ、よく考えられたメニューになっています。当然、栄養バランスもバッチリです。
 本校の給食のおいしさは、以前紹介しましたが、本当に充実した内容で、毎日楽しみにしている子どもたちもたくさんいます。みんな、もりもり食べて、元気な体を作っています。そんな毎日の給食を作ってくださる、2名の調理員さんには、みんな感謝の気持ちでいっぱいです。

171 新型コロナ対策の確認

 福島県もステージ3になりました。12日、内堀知事より県民への外出自粛要請が出されました。学校においても、感染リスクの高い学習活動に対して停止となりました。

 福島県内の新型コロナウイルス発生状況は、令和2年3月7日に初感染者をカウントしてから、令和3年1月11日で1,276人となりました。
 この1,276人中、入院中の人が355人、死亡者が30人、退院した人が891人です。

 これまでの感染状況から、発生する場面は、「屋内で」「マスクを外した状態で」「近い距離で」「飛沫が飛ぶ会話をする」ということが明らかになっています。言い換えれば、そのような場面に十分気をつけることが、感染を防ぐことになるわけです。

 これに該当する場面としては、一番考えられるのが、「会食」時です。

 そういう意味で、今回の外出自粛も、首都圏の緊急事態宣言にも、飲食店の時短営業をあげているわけです。しかし、注意しなければならない会食は、飲食店での会食だけではなく、御自宅や親戚宅などにおいても、不特定多数の会食であったら状況は同じです。ですから、やはり、一緒に住んでいる家族以外の人との会食は、場所や人数に関係なく、要注意です。文科省の資料でも、児童生徒の感染状況として、家庭内感染が75%、学校内感染が6%、その他の交流活動8%、不明が11%と示されています。以前、LIVEでもお知らせしたように、児童生徒の感染源としては、学校ではなく、家庭内感染が主だということです。

 要は、学校でも各御家庭でも、感染防止のための取り組みは、これまでと同様で、「できる限り外出を控え、人との接触を減らす」「屋内ではマスクを装着する」「3密を避ける」「こまめに手洗いをする」を一人一人が意識して、より徹底して行動していくことが求められています。よろしくお願いいたします。

170 地獄絵図

 ちょっと怖いタイトルですが、みなさんは、「地獄絵図」を目にしたことがありますか。私は、白河市内のあるお寺で初めて見ました。とても興味深い内容の絵図だったので覚えていたのですが、実は、今回、会津で法要があった際、そのお寺で、また同じ「地獄絵図」を目にしたのでした。

 絵図の内容は、下の方に、一般的に知られている血の池や針の山などの地獄の様子が描かれています。そして、上の方には極楽浄土の様子が描かれているのです。そして、中央付近に、人が生まれてから、成長し、大人になり、そして、だんだん老いて、最後は死ぬという人の一生の過程が描かれています。私が、この絵図の中で、特に興味深いと感じたのは、絵図の中央にあたる場所に、おおきな円が描かれてあって、その中に、漢字が一字書かれてあったことです。みなさんは、その円の中にどんな漢字一字が書かれてあったと思いますか。

 その漢字は「心」です。白河のお寺の住職さんの説明では、ここに描かれている地獄絵図は、あの世のことではあるけれど、実は、人の心のことでもあるのだとおっしゃっていました。人は、その心持ち次第で、仏様にも鬼にもなるということです。なるほどと思いました。仏様の心とは、自分のことより、相手のことを思う気持ちのことです。相手の立場に立って、相手の気持ちに寄り添って、思いをはせる。一方、鬼の心とは、自分中心、自分がよければ、相手がどうこう関係ない、自分さえよければいいという気持ちです。

 みなさんは、こんな経験はないでしょうか。朝の通勤時、早く出勤したいのに、目の前に高齢者マークをつけた車がゆっくり走っていて、イライラするようなことが。この時、早く行きたいのに行けない苛立ちから、その車の運転手に文句を言いたくなるような気持ちは、まさに鬼の心ではないでしょうか。早く行きたいのは自分の都合。まさに、自分さえよければという気持ちです。一方、高齢者マークの車に気付いた時に、故郷の高齢になった親を思い出し、あせらないでゆっくり運転してね、とその運転手のことを気遣う気持ちは、仏様の心なのです。このように、人の心は、仏様にも鬼にも、すぐに変わってしまうものだと思います。

 学校生活の中でも、そのような場面はよく見かけます。ロッカーの物を取りに行く時、真っ先に自分の物を取りたくて、他の人と競ってぶつかって文句を言い合うような場面。これは、自分さえよければという気持ちです。一方、先に行った人が、他の人の分も取り出して、名前を呼んで渡してあげたりする場面。これは、他の人のことを考えた行動です。

 ある本に書かれていた地獄と極楽の話も、同じような場面でした。その話では、地獄も極楽も、どちらも同じような食卓があって、そのテーブルの上には、どちらも同じようにたくさんのごちそうが並んでいるそうです。ただ、変わっているのは、どちらの世界も食事をするのに使う箸が、三尺三寸の長さ、約1mぐらいの長い箸を使っているのだそうです。ここまでは、地獄も極楽も状況は同じです。しかし、なぜか極楽の人たちは、その食卓で、楽しそうに美味しく食事をして、みんなお腹いっぱいになっているのに、地獄の人たちはみな、文句を言い合い、だれも料理を口にできず、いつもお腹を空かせているのだそうです。一体、何が違うのでしょうか。

 それは、箸の使い方です。地獄の人たちは、みな自分が食べられればいい、自分さえよければいいという考えですから、その1mもある長い箸を使って、自分が食べたいものを自分で食べようとします。しかし、そんな長い箸を使って、料理を口に運ぶことはできないのです。途中で、他に人の箸とぶつかって、料理を落としてしまい、お互いに文句を言い合う。結果、誰一人お腹いっぱい食べることができず、テーブルの周りは落とした料理でぐちゃぐちゃというのが地獄です。では、極楽はどうかというと、ここでは、自分の箸で、テーブルの向かいの人の食べたいものを取ってあげているのです。お互いに、ぶつからないように気をつけながら、相手の食べたい料理を相手の口に運んであげているのです。だから、極楽では文句ではなく、「はい、どうぞ」「ありがとう」という言葉が飛び交います。そして、みんなでお腹いっぱい美味しい料理を食べているのでした。

 ある学級では、プリントを配る時、前の人が後ろの人へ「はい、どうぞ」と言って渡しています。もらう方は、「ありがとう」と言って受け取ります。その様子は、見ていて、とてもやさしい気持ちになります。「はい、どうぞ」「ありがとう」は、極楽の言葉、仏様の言葉なんですね。