学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

134 ラストページまで駆け抜けて

「ラストページまで駆け抜けて」これは、今年の『読書週間』の標語です。今年の読書週間は、10月27日から11月9日です。

 読書推進運動協議会のホームページには、読書週間について、次のような紹介がされています。

 終戦の2年後の1947年(昭和22年)、まだ戦火の傷痕が至るところに残っているとき、「読書の力によって、平和な文化国家を創ろう」と決意をひとつに、出版社、取次会社、書店と公共図書館が力を合わせ、さらに新聞・放送のマスコミ機関の協力のもとに、第1回「読書週間」が開催されました。
 第1回の「読書週間」は11月17日から23日。これは11月16日から1週間にわたって開かれるアメリカの「チルドレンズ・ブック・ウィーク」にならったものです。各地で講演会・図書に関する展示会が開かれ、その反響は大きなものでした。「一週間では惜しい」との声を受け、現在の10月27日から11月9日(文化の日をはさんで2週間)となったのは、第2回からです。
 それから70年以上が過ぎ、「読書週間」は国民的行事として定着し、日本は世界有数の「本を読む国民」の国となりました。その一方、物質生活の豊かさに比べ精神生活の低迷が問題視されている昨今、論理的思考の基礎となる読書の重要性は、ますます高まってきています。
 本年の「読書週間」が、みなさん一人ひとりの読書への関心と、読書習慣の確立の契機となることを願ってやみません。
 今年の『読書週間』が始まる10月27日が、「文字・活字文化の日」に制定されました。よりいっそうの盛りあがりを、期待いたします。

 読書週間では、毎年、ポスターを募集しています。2020年のポスターは、これです。

 隣のふくろうが描かれているマークは、読書週間のシンボルマークです。
 その昔、ギリシャ神話の世界で「ふくろう」は、学問・技芸・知恵を司る美貌の女神アテナの使者であり、また、代表的なポリスで文化の中心地アテナイ(アテネ)の聖鳥でもありました。古代のギリシャ人たちは、賢そうな丸い目ですまし顔の「ふくろう」を知恵の象徴として大切にしたといいます。森の奥ふかく、静かに瞑想にふけるこの「ふくろう」の姿こそ、読書週間のシンボルマークとしてもっともふさわしいものと考え、読進協では長い間使用しているそうです。

 本校の図書委員会では、みんなにたくさん本を読んでもらうことを目的に、2学期に読んだ本の冊数やページ数に応じて、多読賞の表彰を行う予定でいます。

 最後に、過日に実施された「石川地区読書感想文コンクール」の結果です。入賞したみなさん、おめでとうございました。なお、地区で推薦だった3年の佐藤愛菜さんの作品は、県読書感想文コンクールで、特選になりました。

 推薦 3年 佐藤愛菜さん 「ねこと王様を読んで」 ※県特選
 特選 2年 黒澤結衣さん 「えんぴつさん、ありがとう」
 特選 5年 二瓶大雅さん 「『こども電車』を読んで」
 入選 1年 佐藤快晴さん 「さすけがおしえてくれたこと」
 入選 4年 佐藤世菜さん 「私も地球のために」
 入選 6年 小松果恋さん 「『転んでも大丈夫、ぼくが義足を作る理由』を読んで」

133 認知症サポーター養成講座

 5年生が、社会福祉士の方を講師に、認知症理解教室を行いました。これは、認知症サポーター養成講座ということで、認知症がどんな病気なのか理解し、認知症の方の気持ちを知り、自分にできることは何かを考える内容の講座でした。今回、野木沢小の講座が、記念すべき第111回目だそうです。

 まず、「認知症でも大丈夫」という劇を見ました。認知症のおばあさんと、その孫のやりとりを劇を見ながら考えました。その後、認知症という病気について、詳しく説明を聞きました。

 認知症は、脳の病気です。80歳以上の4人に1人は認知症だそうです。ですから、身近に認知症の方がいてもおかしくないわけです。認知症になると、ものを覚えたり、理解したり、判断したりすることができなくなります。新しい記憶ができないため、同じ事を繰り返します。劇の中のおばあさんも、医者に行くのは火曜日で、今日は日曜日だから行かないよ、と教えられても、しばらくすると、医者に行くからと言ってしまいます。医者に行くことしか考えられないため、何曜日に行くのが入っていかないわけです。そして、劇の中では、何度も同じ事をしてしまうおばあさんに、孫娘は怒ってしまいます。褒められたことより怒られたことが残るので、おばあさんの元気はどんどんなくなってしまうのでした。

 子どもたちは、劇を見て、自分は認知症の人に、優しくしてあげたい、捜し物は一緒に探してあげたい、優しい言葉をかけてあげたいという感想を持ちました。まとめでは、認知症の人を理解し、否定しないで、受け入れてほしいとお話がありました。

 5年生の子どもたちは、総合学習で、お年寄りや障害者、そして今回の認知症の方の立場になって、気持ちを想像したり、どう関わったらいいのか学習してきました。相手の立場に立つことは、相手理解の基本です。前号でもふれましたが、私たちは、もともと一人一人違うのです。年齢の違い、障害や病気の有無の違いも同じです。自分と違う立場を理解し、自分はどう関わっていけば良いのか、5年生の子どもたちは、いろいろと学ぶことができたと思います。

132 就学時健康診断 子育て講座より

 福島県栄養士会の管理栄養士である吉田かいでさんの講演がありました。演題は「健康と食生活」。食べることがいかに私たちの健康と結びついているか、考えさせられました。

 まず、食事は、朝昼晩の3回食べることが大事だという話でした。特に朝食。驚くことに、朝食を食べないと、肥満になる傾向があるとのことです。理由は、食事をすると、体温が上がり、エネルギーを消費します。3食の内、朝食後のエネルギー消費が一番高いのですが、その朝食をとらないと、その分、昼食や夕食で補わなければなりません。仮に夕食で補ったとしましょう。しかし、夕食後は、朝食後に比べ、エネルギー消費量は低いので、結果、体脂肪を増やすことになってしまうのです。さらに、夜食後はエネルギー消費量が低いので、食べた分、たまってしまうわけです。この夕食や夜食を取り過ぎると、朝、食欲がなく欠食するという、よくないサイクルになってしまうようです。ですから、朝食をしっかり食べる習慣にするといいのです。朝食は多少食べ過ぎたとしても、食後のエネルギー消費量は一番高いので、影響はそれほどないそうです。

 他にも、朝食の大事な役割は、体の目覚ましスイッチであり、お腹の目覚ましスイッチであり、脳の目覚ましスイッチだということ。全てのスイッチが朝食。それから、食事も栄養のバランスを考えること。それには、和食がおすすめ。一汁二菜、一汁三菜と聞いたことがあるかと思います。和食には、脳を守る知恵が備わっているそうです。そして、おやつは4回目の食事として、何をどのように与えるか、考えるのが大事とのこと。

 子どもの体を作っているのは、食べたものであることは間違いありません。子どもの健康を考える時、何を食べさせるかは、大きな問題だと改めて思いました。

131 「桃太郎はなぜ、この三匹を仲間にしたのか。」(続き)

 私は、この広告を見て、この「多様性」も注目したのですが、それよりも気になったのが、見出しの問いです。実は、以前、何かの番組で、そのことを紹介していて、それを聞いた時、(なるほどなあ、おもしろいなあ)と思った記憶があり、今回、改めて調べてみました。

 桃太郎のお供が、「犬・猿・雉」である理由は、あの干支の十二支と関係しています。十二支を北から時計回りに並べると、鬼門は北東になります。丑寅の方角です。だから、鬼のイメージは丑の角、寅柄のパンツをはいていますね。そして、その鬼門の方角に「鬼ヶ島」があることになります。次に、その鬼ヶ島に行って鬼を退治するためには、鬼門と反対の方角(裏鬼門)の生き物の力が必要と考えました。北東の反対は、南西です。その方角の干支は未(羊)と申(猿)です。しかし、この羊は角があるため、鬼の角に通じるということで避けられました。よって、猿から順番に3匹、つまり、申(猿)酉(鳥)戌(犬)となりました。よって、桃太郎の話に出ている家来は、「犬・猿・雉」となったというわけです。

 他にも、桃太郎のお供を考えるとき、「智・仁・勇」に、親しみのある動物をあてはめることによって子どもにもわかりやすいお話にしようとした説もあるそうです。「智」は、猿は猿知恵というように知恵がある生き物。「仁」は、犬は3日飼ったら恩を忘れないという仁徳のある生き物。そして、「勇」は、雉は火事の時、自らの羽を巣に覆いかぶせ卵を守ることから勇気がある生き物ということで、この3匹が選ばれました。

 以上の説明は、日本桃太郎会連合会というところで紹介されていました。この会では、桃太郎を学び、全国の桃太郎愛好家の方々と共に地域おこしや、桃太郎のおとぎ話の素晴らしさをより広く伝える活動をしているそうです。

130 「桃太郎はなぜ、この三匹を仲間にしたのか。」

 これは、21日付福島民報に掲載されたJTの全面広告の見出しです。以下、その広告の文章です。

「桃太郎がなぜ、犬、猿、キジという一見バラバラの三者を仲間にしたのか。そこには、桃太郎の明確な戦略がありそうです。おそらく桃太郎は、チームに多様性を取り入れ、ある種のケミストリーを起こそうとしたのではないでしょうか。最初は合わないこともあったかもしれません。でも、心を開き、認め合うことができれば、個性の違いはお互いを高め合うきっかけになります。違うから、視野が広がる。発見がある。成長できる。強くなれる。これからの多様性の時代に、私たちが学ぶべきことが、そこにはあるような気がします。違うから、人は人を想う。」

 この広告のキーワードは、「多様性」です。多様性…いろいろな種類や傾向のものがあること。変化に富むこと。今、社会的にも、この「多様性」(ダイバーシティー)という言葉を、いろいろな場面で目にするようになりました。昔からも、「生物の多様性」等、使われてきた言葉です。先程の広告の中で使われている「多様性」ですが、要は「一人一人を尊重すること」なのだと思います。つまり、「個人の尊重」です。でも、それは、別に今に始まったことではなく、我が日本国憲法でも、「基本的人権の尊重」として示されていることです。

 第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 私たちは元来、一人一人違う存在です。その個々の違いを、これからも尊重して行きましょうということです。そして、その個々の違いを尊重することが、自分たちの社会を、より豊かにしていくということです。まさに、金子みすゞさんの「みんなちがって みんないい」です。(次回へ続く)