学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

126 アルテミス計画

 アルテミス計画とは、2024年、有人月面着陸を目指し、2028年までに月面基地の建設を開始するというNASA(アメリカ航空宇宙局)のプロジェクトである。
 有人月面着陸といえば、かつて、アポロ計画というものがあった。アポロ計画は、アメリカと旧ソ連による宇宙開発競争の中で、1961年にNASAが計画したものである。そして、1969年7月16日、アポロ11号が初めて月面に着陸し、2名の宇宙飛行士が人類で初めて月面に到達した。その後、アポロ計画は、1972年まで月面着陸を通算6回成功し、計12名の宇宙飛行士を月面に送り、その後、人類は誰も月まで行っていない。
 それから、およそ48年経ち、今、新たに、アルテミス計画が発表されたわけである。そして、この計画には、日本も参加するようなので、ついに、日本人初の月面着陸というのもあるかもしれない。私の好きな漫画に「宇宙兄弟」がある。その漫画の中では、すでに日本人宇宙飛行士が月面に到達している。それが、現実になるのかと思うと、大変興味深い。

127 「優しさは、心を結ぶ」

 私は思うのだが、SNSなどでコメントをする人は、そのほとんどが「匿名」である。結論から言おう。私は、何か意見を言うのなら、きちんと名乗って言うべきだと思っている。なぜなら、そこには、自分の発言に対する責任が伴うからだ。だから、匿名でいう意見は、自分の発言に対して、責任を担っているとは言い難い。逆に言えば、匿名で責任がない発言だから、相手のことを平気で批判したり、傷つくことを言ったりできるのかもしれない。だから、もし、名乗らずに匿名で言うのなら、相手を非難するような内容は言うべきでないと思っている。

 さらに言おう。万が一、自分に対して、誹謗中傷するような内容のコメントがあったとしても、その発信者が匿名で、どこの誰が言っているのかわからないとしたら、そのコメントは、「無視」しても構わないと思っている。匿名で批判する人はずるい。言いたいことがあるなら、自分が誰なのか、名乗って言うべきだ。だから、そんなずるい、自分だけ守られている立場で、勝手に言っていることは、知る必要なしである。どんなに批判しようが、こちらが知らなければ、それは、言われていないことと同じである。それでいいと思っている。しかし、そうだと頭でわかっていても、やはり、自分が批判されていたら、気持ちは穏やかではいられないように思う。

 「明日は我が身」ということわざがある。正式には、「今日は人の上、明日は我が身の上」というようだ。意味は、「今日は人ごとと思っていた災難も、明日は我が身の上に降りかかってくるかもしれない。災難というものは、いつ誰に起こるかわからないものである。」このことわざが、今、一番当てはまることは、新型コロナウイルスの感染者に対する誹謗中傷かもしれない。

 新型コロナウイルスに感染するリスクは、ゼロにはならない。そのことは変わらない。だから、今は感染していないからと言って、この後、自分が絶対に感染しないという保証はない。むしろ、自分もいつか感染するかもしれないと思っていた方がよい。それなのに、新型コロナに感染した人に対して、どうして無責任な誹謗中傷が言えるのか。「明日は我が身」なのである。自分がもし感染したら、今度は、同じような誹謗中傷を、どこかの誰かから受けるのは自分かもしれないのだ。そうなった時、匿名で誹謗中傷してきた人を、果たして批判できるのだろうか、自分のやってきたことをさておいて。(次回へ)

128 「優しさは、心を結ぶ」(続き)

「優しさは、心を結ぶ」

 これは、福島県が新型コロナウイルスの感染者やその関係者らに対する誹謗中傷を防止するための啓発事業の特設サイトである。そこでは、「お互いを思いやり、共に新型コロナウイルス感染症を乗り越えていきましょう。」と呼びかけている。特設サイトは15日から開設している。特設サイトには、相談窓口や県からのメッセージを掲載している。また、サイト上のハートマークをクリックすることで、クリック数に応じた小さなハートが大きなハートを形作る。県民同士の絆を表現し優しさや励ましの気持ちを発信する。累計クリック数も表示される。「いつ誰が感染してもおかしくない中で、誹謗中傷は何も生まない。思いやりや優しさをハートに託して広げてほしい」との願いだ。

 また、新型コロナ感染者らに対する誹謗中傷を巡り、県は専用の電話窓口を設けている。県職員が相談に応じ、会員制交流サイト(SNS)の書き込みの削除方法といった具体的な助言などを行う。特に悪質なものについては県警などの関係機関を紹介し、法的措置を含めた橋渡し役を担う。相談受け付けは平日午前9時~午後5時で、電話024・521・8647。

129 就学時健康診断にて

 今日、ここにお集まりのみなさんのお子さんは、来年4月、令和3年度に小学校に入学するお子さんです。ちょっとみなさんにお伺いしますが、来春入学されるお子さんは、小学校に初めて入学しますという方は、どのくらいいらっしゃいますか。挙手してもらっていいですか?ありがとうございます。

 私事ですが、私も今から○○年ぐらい前、みなさんと同じように、子どもが初めて小学校に入学しました。当時、心配なことは、いろいろありましたね。その中で、一番心配なのは、友達のことでしたね。友達はできるかな?みんなと仲良くやれるかな?実は私は、平成元年に先生になりました。ですから、今年で、32年ですね。平成の時は、わかりやすかったんです。令和になって、ちょっとわかりにくくなっちゃいました。32年間、この仕事をしていると、いろんなことがわかります。それで、一つ気付いたことがあります。それは、「1年生になったら」という歌がありますね。あの中に、「友達100人できるかな」と言う歌詞があります。あれは、個人的な意見を言わせてもらうと、プレッシャーですね、子どもにとって。結論から言うと、友達というか、仲良しさんというか、学校でおしゃべりしたり、遊んだりできる人は、一人いればいいんです。100人もいらない。一人いれば、学校は楽しいところになります。そして、誰にでも、馬が合うというか、気が合うというか、そういう子は一人はいます。だから、あんまり心配することはないんです。

 そして、学校は集団生活をしますから、いろんなことが起こります。中には、友達ともめたり、けんかになったりすることもある。私は思うのですが、子どもの周りで起きることは、全てその子が成長するために必要なことだと。だから、無駄なことは一つもなく、全ての出来事がその子の成長につながっていて、その子を作り上げている。だから、大事なのは、その成長に必要な経験を、大人が邪魔しないことです。昔から「子どものけんかに親が出るな」と言いますね。あれは、本当です。子どもにとって、友達ともめて嫌な思いをしたり、つらい気持ちになったりするのは、大事なこと。そして、子ども自身が解決していくことが必要なんです。その時に、大人が解決してしまっては、その子どもの成長につながらない。逆に、困った時に、自分では何もしないで、すぐに大人に頼ってしまう子どもになる。そのまま大人になってしまうと、嫌なこと、つらいことから逃げてしまう大人になってしまうのではないでしょうか。子どものうちに、そういう時、どうやって解決するか経験しておかなければならないんです。じゃあ、大人は何をすればよいか。大人は、見守ることです。子どもの話を聞いてあげて、言ってあげればいいんです。「大丈夫だよ」って。子どもにとって、家庭は安心基地なんです。家の外でいろいろ経験して、帰ってきて話を聞いてもらうことで安心できる場所。それが、家庭です。話を聞いてもらって、「大丈夫だよ」って言われるから、また、家の外に出て、チャレンジしてみようと思うんです。がんばろうとするんですよ。

 先程、初めてお子さんを小学校にあげると言ったお子さんは、初めての小学生になるわけですが、その保護者さんにとっては、初めて小学生の親になるということです。だから、当然、迷うこともあるでしょう。そういう時は、ベテランのお仲間の方に相談してはどうでしょうか。学校の先生に相談してもいいです。学校の先生と、保護者のみなさんとは、「お子さんを健全に育てる」という共通の目的を持った同志ですから。仲間なんですよ。決して、敵ではないのです。一人で抱え込んで悩まないで、何でも相談すればいいんです。一緒に考えていきましょう。

 最後に、新型コロナウイルス感染対策について、お話しします。どの学校でも、毎朝の検温をお願いしています。そして、発熱、体調がすぐれない場合は、無理して学校に来ないよう、お願いしています。新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスとの大きな違いは、症状が出た時に、排出するウイルスの量です。インフルの場合、感染するとすぐ発症するので、発熱した時点では、まだ、あまりウイルスは排出していないんです。しかし、コロナの場合、感染後、潜伏期間があって、その時点でどんどんウイルスを排出して、症状が出た時がほぼピークなんです。だから、簡単に言うと、いつ、どこで、感染したか、わかりにくい。ですから、学校生活は、基本、マスク着用。消毒とうがい、手洗い。教室の換気。給食時は、グループを作らない、といった対策をとっています。しかし、それでも、感染リスクはゼロにはできないのが、コロナです。だから、何よりも大事なのは、もともと持っている免疫力を高めることだと思います。そのためには、運動して体を鍛え、しっかり睡眠をとり、そして、栄養バランスの良い食事をとること。これは、コロナに限らず、健康な生活を送る上で、大切なことなので、子どもたちには、健康な生活習慣を身につけてほしいと思います。運動、食事、睡眠の中で、お家の方に特にお願いしたいのは、食事と睡眠です。学校と家庭が、しっかりと協力して、子どもの健康な生活習慣作りをすることが、今この状況において、特に求められているのではないでしょうか。

 それでは、私の話は、この辺りで、終わらせていただきます。次回は、それぞれ入学される各学校で、入学準備会が2月頃にあります。それぞれの学校からご案内がいくと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

130 「桃太郎はなぜ、この三匹を仲間にしたのか。」

 これは、21日付福島民報に掲載されたJTの全面広告の見出しです。以下、その広告の文章です。

「桃太郎がなぜ、犬、猿、キジという一見バラバラの三者を仲間にしたのか。そこには、桃太郎の明確な戦略がありそうです。おそらく桃太郎は、チームに多様性を取り入れ、ある種のケミストリーを起こそうとしたのではないでしょうか。最初は合わないこともあったかもしれません。でも、心を開き、認め合うことができれば、個性の違いはお互いを高め合うきっかけになります。違うから、視野が広がる。発見がある。成長できる。強くなれる。これからの多様性の時代に、私たちが学ぶべきことが、そこにはあるような気がします。違うから、人は人を想う。」

 この広告のキーワードは、「多様性」です。多様性…いろいろな種類や傾向のものがあること。変化に富むこと。今、社会的にも、この「多様性」(ダイバーシティー)という言葉を、いろいろな場面で目にするようになりました。昔からも、「生物の多様性」等、使われてきた言葉です。先程の広告の中で使われている「多様性」ですが、要は「一人一人を尊重すること」なのだと思います。つまり、「個人の尊重」です。でも、それは、別に今に始まったことではなく、我が日本国憲法でも、「基本的人権の尊重」として示されていることです。

 第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 私たちは元来、一人一人違う存在です。その個々の違いを、これからも尊重して行きましょうということです。そして、その個々の違いを尊重することが、自分たちの社会を、より豊かにしていくということです。まさに、金子みすゞさんの「みんなちがって みんないい」です。(次回へ続く)