野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします
169 3学期もコロナに気をつけた生活を!
新しい年のスタートに、多いに希望を持って進んでいきたいと思います。しかし、関東圏で緊急事態宣言が出されるなど、新型コロナの状況については、今後も気をつけて行きたいと思います。そこで、以前にも紹介した感染症専門医の忽那先生が、「子どもと新型コロナ 知っておきたい大事なポイント」と題して、次のような話をしていますので、紹介します。
まず、下のグラフをご覧ください。これは、日本国内の年齢別コロナ感染者数(厚生労働省、11月18日時点)を表したグラフです。(省略)
ご覧の通り、20代が最も多く、10代未満と10代は少ないことが分かります。全く感染しないわけではないので、油断してはいけませんが、これまでの状況からも、子どもは感染しにくいと言えます。それは、年齢が低いほど感受性(感染者との接触による感染確率)が低く、年齢が高くなると感染しやすい傾向があるからだそうですが、なぜ、そうなのかについては、はっきりとした結論は出ていないそうです。また、新型コロナでは、感染しても症状が出ない無症状性感染者が、大人に比べて子どもの割合が多いそうです。このことから、子どもが感染源となる可能性は、大人と比べると高くないと言えます。そして、特に気をつけてほしいことは、子どもが感染しないように注意するために、大人が感染しないことです。と言うのも、大半の子どもの感染例は、その親から感染しているからです。つまり、子どもたちの間で流行が広がるというよりも、大人が外から家庭内にウイルスを持ち帰り、子どもにも感染させていることが多いということです。学校でも、これまで同様、屋内ではマスクの着用、3密を避ける、こまめに手洗い・うがい、消毒と換気に気をつけていきます。そして、家庭と協力しながら、健康な習慣作りを進めていきたいと思います。3学期もよろしくお願いいたします。
168 第3学期スタート
第3学期始業式 校長の話
新年明けましておめでとうございます。2021年、令和3年になりました。
昨年は、コロナ禍でいろいろと大変な一年になりました。みなさん、よく頑張りましたね。1月になり、年は明けましたが、コロナウイルスが無くなったわけではなく、状況は変わりません。ですから、これからも、うがい・手洗い、マスク着用、消毒、換気、そして、三蜜を避けることを続けていきます。また、しっかり食事をして、運動して体を鍛え、夜はちゃんと睡眠時間を取って、健康な生活習慣も続けていきます。寒くなってきますので、コロナだけでなく、インフルエンザにも負けない、健康な体づくりを心がけてください。
さて、今日から、3学期がスタートです。3学期は、50日あります。50日と聞くと、まだまだたくさんあるようですが、実際は、あっという間に過ぎていきます。ですから、大事なのは、目標と日々の努力です。この50日間で、自分はどんなことをできるようにするのか、しっかりと目標を立てること。そして、その目標達成に向けて、自分は毎日どんなことを努力していくのか決め、それを続けること。そうやって、この50日間を過ごしてほしいと思います。
時間は誰にも止めることはできません。ですから、目標なく、何の努力をしない日々を過ごしても、50日は経ってしまいます。今の自分が、50日後、どのように変わっているか、成長できているかは、この50日間をどのように過ごしたかで決まります。それを決めるのは、自分自身です。お家の人や先生ではありません。自分を変えることができるのは、自分しかいないのです。人は、心持ち次第で、いくらでも変われます。変わること、それが成長です。そして、変わること、それが生きることなのです。
167 第2学期終業式
第2学期終業式で、子どもたちに次のような話をしました。
「今年の野木沢小学校を表す漢字に、私は「健」を選びました。
みなさんが、コロナに負けず、健康に生活できたことと、何事にも健気に頑張ってきたからです。
今日で2学期が終わるので、2学期のみなさんを表す漢字を考えてみました。
まず、1年生。1年生は、「元」を選びました。1年生のみなさんは、1学期に比べて、この2学期は、とても元気に生活できました。給食もたくさん食べられるようになりました。
次に、2年生。2年生は、「話」を選びました。2年生のみなさんは、授業中、全員がよく発表しました。自分の考えを、しっかりと話すことができました。
次は、3年生。3年生は、「自」を選びました。3年生のみなさんは、自分たちで考えて、自主的にいろいろなことを進めました。自分のことをしっかりできるようにもなってきました。
次は、4年生。4年生は、「調」を選びました。4年生のみなさんは、川やダムやプラネタリウムなど、いろいろなところに出かけて、たくさんの調べて、分かったことを、発表できました。
次は、5年生。5年生は、「交」を選びました。5年生のみなさんは、米作りや障がい者、保育所の子どもたちなど、いろいろな人たちと交流して、たくさん学んできました。
最後は、6年生。6年生は、「創」を選びました。発表会では、全員で創造した、自分たちの発表をしました。また、今年の野木沢小の最高学年として、今年の学校をこれまで創り上げてきました。
さて、明日から冬休み。楽しい休みにしてください。」
166 野小っ子のいいなあと思うところ
今日で、2学期が終わります。保護者の皆様には、大変お世話になりました。2学期の最後に、野小っ子のここが素敵、と思うところを紹介します。
「休み時間、外で元気に遊ぶ。」
私は、野木沢小の日課表で昼休み時間が45分あり、たっぷり遊べるところが気に入ってます。その休み時間、そして、登校してきた朝の時間、外で走り回って遊ぶ子どもたちが多いところが、いいなあと思います。やはり、健康な体づくりに、運動は欠かせません。家に帰って外遊びをしない人はその分、学校で思いっきり体を動かして遊んでほしいと、いつも思います。
「休み時間が終わる時刻になると、切り替えて、すぐ戻る。」
そして、休み時間が終わると、さあっと校庭から校舎に戻ってくるところがいいなあと思います。休み時間と授業や掃除の時間の切り替えができています。楽しく遊んでいても、ちゃんと切り替えができるというのは、強い心を持っている証拠です。
「校長室や職員室、保健室に、朝や帰りにあいさつする。」
朝や帰りは、校舎の一階の廊下は、あいさつロードに変わります。校長室でできるだけあいさつを受けられるようにしたいと、いつも思っています。ほとんどの人があいさつする中、立ち止まって、顔を見て、お辞儀しながらあいさつする人が何人かいます。そういうあいさつをされると、こちらも気持ちがしゃきっとなります。
「横断歩道で、止まってくれた車にお辞儀をする。」
先日、横断歩道を一人で渡ろうとしている低学年の女の子がいました。しっかりと手を上げて、車が止まるのを待っていました。そして、車が止まったのを確認してから道路を渡り、その後、ちゃんと止まってくれた車にお辞儀をしていました。誰かに見られているとかいないとかではなく、堂々としたその姿は、とてもかっこよく見えました。そのように、道路を横断できている人がたくさんいるのが、いいなあと思います。
「授業中、お互いの考えを交流で伝え合う。」
授業中、友達と話し合う機会があります。その時に、自分の考えをちゃんと伝えたり、相手の考えをしっかりと聞いたりできています。そういう聞き合うことが、学び合いの基本です。授業は、いろいろな考えが出れば出るほど、深まります。ちゃんと考えた結果なら、例え、正答でなかったとしても、そこからいろいろなことを学べます。授業はそういう考えを大事にするところです。
「困っている友達に、声をかける。」
友達が困っていたり、下学年の子が困っていたりした時、それに気付いた人が、ちゃんと声をかけて、助けてくれています。困る場面はいろいろです。そういう時に、声をかけてもらえると、安心します。自分さえ良ければという考えの人は、声はかけられません。相手のことを考えられるから、相手の立場を理解して、声をかけられるのだと思います。そういうことができる、優しい人がたくさんいます。
「先生の言うことを、しっかりと聞く。」
まずは、先生の話をしっかりと聞ける人は、素直な人です。素直な人は、伸びる人です。一方、話を聞けない人は、素直に人の話を受け止められないので、伸びることができません。そういう意味で、素直で、伸びる人がたくさんいます。
「一生懸命、掃除する。」
掃除の時間、お話をしないで、黙々と取り組んでいます。遊ばないで、自分のやるべきことを一生懸命やれるところがいいです。お陰で、校舎内はいつもきれいです。掃除中、校舎をきれいにしながら、自分の心もきれいに磨いています。
「休まず、毎日、学校に来る。」
全体的に、お休みが少ないです。私は、学校に来ないと、学べないことがあると思っています。その一つが、他の人との関わりです。人は独りでは生きていけません。必ず、誰かと関わりながら、生きていきます。世の中には、いろいろな人がいます。全ての人が、自分と相性がいいとは限りません。そうでない人も当然いるし、そういう人とも関わらなければならないことだってあります。そういう時、どうしたらよいか。学校という集団生活では、そういうことも学びます。これは、学校に来ないと学べないことだと思います。野木沢小の子どもたちは、毎日、学校でいろいろなことを学び、日々、賢く、たくましくなっています。
それでは、事故なく、けがなく、感染なく、楽しい冬休みを!
165 子どもたちの向かう先は…
4つの国に住む、4人の子どもたちを紹介します。
ジャクソンくん(11歳、ケニア)
彼は、片道15kmの道のりを、6歳の妹と小走りで2時間かけて、野生動物に注意しながら進みます。
カルロスくん(11歳、アルゼンチン)
彼は、片道18kmの道のりを、馬に乗って6歳の妹と一緒に1時間30分かけて、山や平原を越えて進みます。
ザヒラさん(12歳、モロッコ)
彼女は、片道22kmの道のりを、友達3人で4時間かけて、夜明けに出発して進みます。
サミュエルくん(13歳、インド)
彼は、片道4kmの道のりを、二人の弟が押す車椅子に乗って、1時間15分かけて、トラブルの連続の中、進みます。
この4人の子どもたちが、長時間かけ、大変な思いをして向かう先はどこだと思いますか。
それは、「学校」です。この子どもたちは、「世界の果ての通学路」という映画で紹介されていた子どもたちです。この映画は、2013年にフランスのドキュメンタリー作品として制作されました。その後、日本でも公開されました。今はDVDにもなっています。
野生のキリンやゾウが生息するサバンナを駆け抜けるケニアのジャクソン。山羊飼いの仕事を終えてから、愛馬で学校へ向かうアルゼンチンのカルロス。女子には教育は不要とする古い慣習が残る村から、寄宿学校に通うモロッコのザヒラ。生まれつき足が不自由で、弟たちに車椅子を押されて登校するインドのサミュエル。通学路は危険だらけで、大人の足でも過酷な道のり。それでも子どもたちは学校へまっしぐらに向かいます。
どうして、そこまでして、この子どもたちは、学校へ通うのでしょうか。
別の大陸、違う言葉、宗教、生活環境の中で暮らす4人の子どもたちは、真っ直ぐな瞳でみな同じ思いで、その理由を語ります。それは…
「夢をかなえたいから」
学校に行くという、当たり前のことの「本当の意味」を考えさせられる映画です。
4年生の子どもたちが、国語の授業で、自分のおすすめの本の紹介文を書きました。その作品が、本と一緒に図書室に掲示されていました。その中に、先程、紹介した話と似たような題名の本が紹介されていました。本の題名は、「すごいね!みんなの通学路」。その紹介文を書いていたのは、福島功大さんです。功大さんは、次のような紹介文を書いていました。
みんな学校が大好きだから。 「すごいね!みんなの通学路」 ローズマリー・マカーニー文 西田佳子訳 世界中には、いろいろな通学路があると分かる絵本です。 色あざやかな写真から、学校に行けることはうれしいことだよとよく分かります。 「学校に行ける」という意味を考えさせられる本です。 福島功大 |
この本は、写真がたくさん載っていました。その写真には、世界中の子どもたちが、いろいろな通学路で学校に通っている様子が紹介されています。川を渡ったり、船をこいだり、崖を越えたりしながら通う子どもたち。学校に飲み水や机がないので、家からタライに汲んだ水や机を運びながら通う子どももいます。そんな大変な思いをしながら、それでも、子どもたちは楽しそうに学校に通うのです。きっと、学校には、それだけ大変な思いをしてまでも行くだけの何かがあるのでしょう。それが何なのか。功大さんも言っているように、「学校に行ける」ことが当たり前でなく、そこにはどんな意味があるのか、考えさせられました。