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1. 80 体罰等によらない子育て(その2)

投稿日時: 2020/08/21 野木沢小-サイト管理者

 体罰等が子どもに与える影響には、どんなものがあるでしょうか。
 その前に、体罰等が子どもの成長・発達に悪影響を与えると言うことは、科学的に明らかになっています。これは、子どもの将来を思い、仕方ないことと行っているしつけと称した「体罰」が、結果的に子どもの健やかな成長の妨げになっているということです。
 では、具体的にどんな影響があるかというと、体罰を受けていた子どもは、「落ち着いて話を聞けない」「約束を守れない」「一つのことに集中できない」「我慢できない」「感情をうまく表せない」「集団で行動できない」という行動問題のリスクが高まるようです。また、手の平で身体を叩くなどの体罰は、親子関係の悪さ、周りの人を傷つけるといった反社会的な行動、攻撃性の強さなどと関連があるようです。

 そして、体罰は悪影響だけでなく、悪循環も生み出します。子どもが言うことを聞いてくれなくて、イライラして、つい、叩いたり怒鳴ったりしたくなることがあるかもしれません。叩かれたり怒鳴られたりすると、大人への恐怖心などから一時的には言うことを聞くかもしれませんが、根本的な解決にはならず、むしろ、子どもに暴力的な言動のモデルを示すことになります。
 そうなのです。忘れてはいけないことは、我々大人は、いつ、いかなるときも、子どもに対しては、常に、「人間としての生き方を示すモデル」であるということです。これは、非常に責任がある立場です。もし、モデルである大人が、体罰等を行うということは、その子どもにとっては、自分も周りに対して同じように振る舞ってよいということを学ばせていることになるからです。
 そして、さらに心配なことは、子どもが保護者に恐怖心などを抱くと、信頼関係が築きにくくなるため、必要な時に悩みを相談したり、心配事を打ち明けたりすることが難しくなるということです。やはり、子どもにとって、最終的な心の拠り所は、保護者であることは間違いありません。誰にも相談できないようなことがあっても、お家の人には相談できる、そういう関係は築いておくことが大切だと思います。
 それでは、体罰等がよくないと分かっていても、いろいろな状況や理由によって、それが難しいと感じるとき、具体的にどんなことに気をつけて、子どもと関わっていけばよいのか、そのポイントについて、次回、触れていきたいと思います。