学校だより LIVE

1. 281 致道館の教育

投稿日時: 2022/01/27 野木沢小-サイト管理者

 今週は、全国学校給食週間になっていました。明治22年、山形県の鶴岡町(今の鶴岡市)の忠愛小学校で、初めての学校給食が提供されたそうです。先日の本校給食では、その時に出された「おにぎり、焼き魚、漬物」がメニューに出ました。日頃の美味しくて、栄養バランスのよい給食に感謝しながら、いただきました。

 さて、この忠愛小学校があった山形県鶴岡市ですが、実は、私の父親の故郷でして、私は小学生の頃、毎年、夏休みになると、出かけていた所でした。名所旧跡もいろいろあるところで、有名な所では、出羽三山の一つ、羽黒山があり、そこには国宝になっている立派な五重塔があります。他にも、クラゲの展示で有名な加茂水族館などもあります。その中でも、私が(すごいところだ)と心から思ったのが、「致道館(ちどうかん)」でした。

 私の故郷会津には、会津藩の藩校「日新館」がありますが、この「致道館」は庄内藩の藩校です。武士の子弟が学ぶところは、どちらも同じなのですが、「致道館」には、日新館にない、独特な仕組みがありました。その一つが、クラス分けです。致道館には、全部で5つのクラスがあります。

 ①句読所(くとうしょ)  今の小学校にあたる
 ②終日詰(しゅうじつづめ)今の中学校にあたる
 ③外舎(がいしゃ)    今の高等学校にあたる
 ④試舎生(ししゃせい)  今の大学教護課程にあたる
 ⑤舎生(しゃせい)    今の大学学部か大学院にあたる

 何がすごいのかというと、この5つのクラスは、年1~4回の学業検閲に合格すれば、年齢や修学年数に関係なく順次進級できるのです。なんと飛び級もあったそうです。まるで、海外の学校制度みたいです。
 また、句読所には担任の教師がつきますが、終日詰以上は自学自習と会業(かいぎょう)と呼ばれる小集団討議が中心でした。つまり、担任の先生はいないのです。自分たちで学びあったということです。会業では、助教と呼ばれる人が会頭(リーダー)となり、課題と期日を定めて研修の成果を個人ごとに発表し、互いに討論して疑問を明らかにしながら理解を深めようとする学習方法です。まさに、自主的な学びの集団というわけです。

 こんな仕組みのある致道館は、すごいところだなあと思ったのですが、後に、この鶴岡市が学校給食の発祥の地と知って、昔から教育に力を入れている土壌の鶴岡市なら、それもあり得ると納得したのでした。