学校だより LIVE

1. 85 子どもは、生活の中で、関わりながら、育つ(続き)

投稿日時: 2020/08/28 野木沢小-サイト管理者

 子どもは、生活の中で、関わりながら、育ちます。自分たちがリーダーだから頑張ろうと、意欲的になることもそうですし、具合がわるい下級生を見かけて、相手を思い、お世話することもそうです。そして、問題が起きた時に、自分たちで解決することもそうです。

 PTA全体会でもお話ししましたが、関わりの中には、けんかや言い争いなどもあります。そもそも、お互いの思いが違う者同士が、一緒に生活をするのですから、そうなるのも当然です。大事なのは、そうなった時に、どう解決したらよいか、ということを身につけることです。それには、お互いの主張がぶつかるので、お互い、イヤな思いもするかもしれません。その上で、相手の思いを知り、自分の思いとの違いを知り、我慢したり、折り合いをつけたりしながら、お互いにうまくいく方法を探り、解決していくのです。そういう経験が大事なのです。そこに、大人が余計なことを言って、その場を解決しても、子どもにとっては、何の成長にもつながりません。大人として、相談にのることはできます。それでも、最後は、どうしたらよいか、自分で判断させることが大事なのです。子ども自身が、自分で解決して、初めて身につけることができるからです。それが、生きる力になるのだと思います。

 テレビで、車の事故を起こして、逃げていった運転手のニュースを見ました。事故を起こして、パニックになったのかもしれません。怖くなったのかもしれません。しかし、逃げてはいけません。自分のやったことを正直にわびて、相手と話し合わなければなりません。でも、もしかしたら、この運転手は、これまでも、問題が起きたら、その場から逃げていたのかもしれません。どうやって問題を解決したらよいか、その方法を身につけてこなかったのかもしれません。生きる力を育ててこなかったということでしょうか。すると、それは、誰の責任なのでしょうか。考えさせられるニュースでした。

 中国のことわざに、「魚を与えれば、一日の飢えはしのげるが、魚の捕り方を教えれば、一生食べていける」というものがあります。私たち大人が、子どもにしてあげられるのは、私たち大人がいなくても、自分で問題から逃げずに解決する力、自力で生きていける力なのだと、改めて思いました。そして、そういう力は、子どもたちは、生活の中で、関わりながら、身につけていくのです。