学校だより LIVE

1. 03 育児は育自なり

投稿日時: 2020/04/22 野木沢小-サイト管理者

 石川町は、子どもの健やかな成長を願い、その実現のために、「いしかわ 子ども子育て応援宣言」をしています。そして、次の4つの応援をしていくことを宣言しています。

 いしかわ 4つの応援
 「い」 いつも元気な子どもの笑顔があふれるまちをつくります。
 「し」 しあわせを感じる子育てができる環境をつくります。
 「か」 かんしゃの気持ちを育て、成長を見守ります。
 「わ」 わがまちを愛する人を育てます。

 さて、この4つの応援の中の、「感謝の気持ちを育て、成長を見守ります。」について考えてみたいと思います。

 ここで言っている「感謝」は、誰が、誰に対する感謝なのかということです。おそらく、子どもたちに、お世話になっている人たちに対する「感謝」の気持ちを育てる、という意味になると思います。それはそれで、とても大切なことです。しかし、感謝の気持ちを持つのは、果たして、子どもたちだけでよいのでしょうか?

 結論から言うと、否です。感謝の気持ちを持つべきは、「親」であると考えます。親にとって、子育ては「目的」ではありません。「いや、子育ては目的です。子どもを育ててやっているのです。」という声が聞こえてきそうです。しかし、子育ては目的ではなく、「手段」です。親は、子育てという経験を通して、自分自身を、人として大きく成長させるのです。曰く、「育児は、育自なり」。育児という経験を通して、自分自身を育てる。子育てをしてやっているのではない。子育てをさせてもらっているのです。子どもは、親に、育児という経験をさせるために産まれてきてくれたのです。だから、親は、自分の子どもに感謝しなければならないのです。「子育てさせてくれて、ありがとう」と。
 しかし、私たち親は(私も娘をもつ親ですので)、子育てを目的にして、子育てをしてやってる、という思いで、子どもに接してしまいます。中には、自分の思いを、子どもに強制してしまう場合もある。そういう親に育てられた子どもは、自分に自信を持てず、常に不安で、おどおどして、親や周りの人の顔色を伺いながら、生活してしまいます。しかし、逆に、「子育てさせてくれてありがとう」と親から感謝されながら育った子どもは、自分が愛されている実感を持ち、自信を持って生活し、そして、他の人に優しく接することができるようになるでしょう。

 上記の話を、「親」を「教師」に置き換えても、同じことが言えます。私たち教師は、子どもたちの教育を通して、自分自身が教師として成長することができるのです。だから、子どもたちには、「教育をさせてくれて、ありがとう」「担任をさせてくれてありがとう」と感謝しながら、この仕事をしていかなければならないのです。