学校だより LIVE

1. 83 ふと疑問に思ったこと

投稿日時: 2020/08/26 野木沢小-サイト管理者

 「泳ぐ」指導は、かなり細かいところまで、泳ぐ技術を教えるのに、「走る」指導は、走る技術について、あまり教えていないように思うのだが、なぜだろう・・・

 学習指導要領解説体育編を見ると、陸上運動系の目標や内容も、「走る」「跳ぶ」ことの楽しさ喜びを味わうことをねらっていることがわかる。しかし、それは、いろいろな場の工夫や走り方など、内容を変化させて、楽しさを感じさせようとするものばかりで、肝心の「速く走る技術」の指導については、ほとんど触れていない。これでは、「正しい走り方」を身につけることは難しいと感じた。私は、走ることの楽しさは、「速く走れるようになる」ことだと思う。そのためには、速く走るための技術を身につけさせることが必要だ。「走る」という動きは、身体をどう動かせば良いのか、その指導である。

 子どもたちは、生まれて、寝返りし、ハイハイし、つかまり立ちし、一人歩きし、そして、いつのまにか走ることができるようになる。その過程で、もしかしたら、それらの動きを教えてもらって身につけるものはないのかもしれない。全て、自然と身につけていくのかもしれない。そう考えると、「走り方」も、誰に教わったのでもなく、自然と身につけた走り方を、子どもたちはしているに違いない。

 しかし、改めて思うことは、子どもたちが自然と身につけた「走り方」は、必ずしも、「正しい走り方」でないように思う。そして、もし、正しくない走り方を身につけた子どもは、どこかで、その走り方について指導を受けなければ、そのまま、ずっと「正しくない走り方」「速くならない走り方」で走り続け、結果、いつまでも、速く走ることができず、走ることの楽しさを味わうことも難しく、逆に、走ることへの抵抗、さらには、運動することへの拒否にもつながりかねない。

 そして、一番大事だと思うことは、「走ること」が他のあらゆる運動の基礎になっている点だ。ほとんどの運動には、走る技術が求められる。そう考えると、やはり、この「走り方」に関する指導を考えなければ、総合的な視点からも、体力の向上は臨めないし、逆に、この走り方の指導をしっかりと行うことで、体力の向上は臨めるのではないか、と思う。

 この「走り方」の指導においては、数時間やれば効果が出るとは思えない。これは、毎回、運動する時には、必ず短時間反復して、子どもたち自身が、走る時、常に、意識して走ることが大事だと思う。当然、すぐに身につけることは難しいと思う。だが、これも指導の継続で、結果的には実を結ぶものだと考える。

 「走り方」の指導について、これから先生方と考えていきたいと思う。