学校だより LIVE

1. 31 アムンゼン隊に学ぶ(その1)

投稿日時: 2020/05/26 野木沢小-サイト管理者

 5/26日付福島民友に、興味深い記事が載っていました。それは、今からおよそ100年前の20世紀初めの南極点到達を目指した争いについてです。当時、まだ、人類は誰も南極点に到達していませんでした。ですから、誰が初めに到達するか、世界は注目していました。その中で、ノルウェーのアムンゼン隊とスコット隊が競っていました。そして、1911年12月14日、南極点に一番乗りをしたのはアムンゼン隊でした。アムンゼン隊に遅れること34日後の、1912年1月17日にスコット隊は到達しました。問題はここからです。一番乗りしたアムンゼン隊は、その後無事帰国を果たしましたが、スコット隊は、その帰途全員死亡したのでした。

 どうして、そのような対照的な結果になったのか。両隊を比べて一番の違いは、組織の在り方でした。アムンゼン隊は、各隊員が自ら考え行動する参画精神と、チームで問題解決に当たる事を重視していました。一方、スコット隊では、隊員は隊長の命令に従順に、そして忠実に行動することが求められました。
 その結果、アムンゼン隊は、極限の地で起こる予期せぬ事態を想定して事前の訓練も万全、本番での対応もチームワークが発揮されました。これに対して、指示待ちのスコット隊員にはチームワークも創意工夫も期待できず、最終的に雪上車の修理ができず、人間がそりを引く過酷な作業を強いられ、さらに事前のチェック不足が燃料の欠乏を招き、凍傷の体を温める事ができず、肉体的な打撃を受け、結果、隊員は一人、二人と死に、最後は全員死亡という悲劇になったのでした。

 この記事を読んだ時、我が野木沢小の先生方は、アムンゼン隊だと思いました。4月からスタートした学校生活の中で、取り巻く環境が次々と変化し、その状況に対応する日々が続いています。その中で、先生方一人一人が、自分のやるべき事、そして、お互いに協力して取り組むべき事を判断し、仕事に当たってきました。指示待ちの人はいません。逆に、自分に今、何ができるか考えて、行動しています。その一例が、あの「野小っ子チャンネル」作成です。これまでやったことのない、新たな取り組みに対して、前向きにそして創造的にチャレンジする力が、野木沢小の先生方にはあります。とても、素晴らしいことです。新型コロナウイルスによる影響は、これからも続きます。しかし、その中で、今、できることを全職員で探りながら、少しでも子どもたちの学校生活が充実するよう、進んでいきたいと思います。(次回に続く)