学校だより LIVE

1. 262 秘密基地

投稿日時: 2021/12/10 野木沢小-サイト管理者

 みなさんは、子どもの頃、秘密基地を作った事はありますか。私は、あります。家の近くの森の中や、家の中の押し入れなど、いろいろなところに秘密基地を作りました。

 今週始め、休日に伐採した幹や枝が、希望ヶ丘のふもとに、置かれていました。休み明け、早速、それを見つけた子どもたちは、そこに秘密基地を作り始めました。いい感じに置かれた一番太い幹は、枝も多く、ちょうど隠れやすいようになっていました。それをさらに隠すように、他の枝を集めてきて・・・、子どもたちは夢中で遊んでいました。

 その様子を見て、子どもは本来、こういう遊びの天才なんだろうなあ、と思いました。何をどう使うかは、自分たちの発想で、思いついた物を形にしていく。遊びだから、決まったルールはありません。いろいろと試行錯誤しながら、どんどん形が出来ていく。そして、身体全体を使って遊ぶので、いろいろな感覚も刺激されます。枝を折るのは、どのくらいの力が必要か、この太さだとぶら下がっても大丈夫か等、自分の五感をフルに使って、遊んでいきます。

 今、子どもたちの遊びは、ゲームが中心になっています。オンラインでやりとりするゲームもかなり浸透してきました。ゲームは、あらかじめプログラミングされた世界で遊ぶものです。そして、ゲームの世界はバーチャルの世界なので、その中で感じるのは、疑似体験。本物の感覚ではありません。だから、痛みも感じないで、相手を平気で傷つけられるのだと思います。

 私は子どもの頃、よく釣りをして遊びました。父親に連れられて、近くの小川で初めて釣りをした時の事をよく覚えています。魚が食いついた時の糸を引かれる感覚と興奮、水の中で暴れる魚の力強さ、そして、釣り上げた魚に触れた時のドキドキ感。それから、何年も経って、ある時、魚釣りのゲームをしたことがあります。その時、私が感じたのは、本物の釣りに比べたら、ゲームの世界の釣りには限界があるということでした。

 ゲームは、手軽に楽しめます。また、いろいろ工夫して作ってあるので、遊びとしても楽しいのです。それは、分かります。しかし、ゲームは、ゲームだという事を忘れてはいけないと思います。ゲームは作られた仮想空間の中で遊ぶので、本物ではない。そういう意味で、ゲームを離れ、自分の身体を動かして、実際に体験する遊びが大切になっているように感じます。そうやって、本物の感覚を感じてほしいです。せめて、学校では、そういう遊びをたっぷりと体験してほしいと思います。

 明日9時から、希望ヶ丘の整備が行われます。この整備をすることで、希望ヶ丘が、さらに遊びやすくなることがうれしいです。参加いただくみなさん、どうぞよろしくお願いします。