学校だより LIVE

野木沢小の教育や校長雑感をLIVEでお届けします

01 入学・進級おめでとうございます!

 3月末に退職された三浦校長先生に代わりまして、今年度、この野木沢小学校の校長に着任いたしました、佐藤康二と申します。これから、この『野小っ子だより「LIVE」』を発行していきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 令和2年度がスタートしました。社会情勢としては、まだまだ先行きが不透明で、今後もいろいろと制約があるかもしれませんが、4/6(月)野木沢小学校は、全校児童102名、教職員16名でスタートしました。

 始業式で子どもたちに話したことの一つは、学校は学ぶところという話です。学校でのいろいろな体験を通して、子どもたちはたくさん学び、自分をどんどん変えていきます。これは、入学式でも話したことですが、子どもたちは、学校生活での体験を通して学び、その学びを通して、成長します。どんどん賢くなりますし、どんどん体もたくましくなります。そして、心もどんどん優しく思いやりのある心に変わっていきます。「学ぶこと」は「変わること」です。今の自分が、この一年でどのように変わるのか、わくわくしてほしいと思いますし、変わることをためらわずに、取り組んでほしいと思っています。

 二つ目は、新型コロナウイルスの話をしました。こういう状況ですので、しっかりと予防はしていく。しかし、必要以上に怖がらないこと。手洗いうがい、マスクの着用等、確実に行うこと。ただ、それ以上に大事なのは、自分自身の免疫力を高めること。そのためには、しっかりと栄養をとる。運動をする。そして、夜はしっかりと休むこと。しかし、それでも、かかってしまう人はでるかもしれない。場合によっては、濃厚接触者として休まなければならない人も出るかもしれない。そうした時、大切なのは、誰が一番大変なのかを考えること。それは、かかったその人であり、休まなければならない人自身。だから、他の人は、そのことで、差別したりいじめたりは絶対にしないこと。

 刻々と教育環境が変わっていく恐れは、今後も十分にあります。しかし、どんなに教育活動に制限を受けようとも、子どもたちの成長は、誰にも止められません。ですから、学校としては、これからもできる範囲で、できることを、確実に取り組んでいきます。各御家庭におかれましても、どうぞこれからも教育活動に御理解と御協力をお願いいたします。

02 よく学び よく遊べ

 学校がスタートして、一週間が経ちました。いろいろと配慮しながら始まった学校生活ですが、これまでのようにできないところも多少ある中、できる活動を粛々と行っているところです。これから一体どうなるのか、という不安はまだありますが、それでも、子どもたちは毎日元気に学校に来てくれますし、休み時間は、これまでの運動不足を解消するかのように校庭を、そして大好きな希望ヶ丘を、走り回って遊んでいます。

 本校の日課表を見ると、給食後、12時35分から13時20分までの45分間が「自由遊び」となっています。授業時間が45分間ですので、授業と同じ45分間、遊び時間が設定されているのです。私は、これまでいろいろな学校で勤務してきましたが、これだけたっぷりと昼休み時間を「遊び時間」として設定している学校は初めてです。

 昔から「よく学び よく遊べ」と言われます。調べてみると、昔の文部省唱歌に「よく学びよく遊べ」という歌があったようです。歌詞は、次のような歌でした。

 よく学びよく遊べ(文部省唱歌)

 一、机の前では一心に 何も思はずよく学べ。 遊びながらの勉強は 時間を無駄にするばかり 学べ学べ 一心に。 学べ学べ 一心に。

 二 、課業が済んだら一心に 何も忘れてよく遊べ。 ただ面白く遊ぶのが 元気をつけるよい薬。 遊べ遊べ 一心に。 遊べ遊べ 一心に。

 昔の人も、学ぶことと同じくらい遊ぶことを重視していたことが分かります。子どもたちは、授業時間、一生懸命学習に取り組みます。だからこそ、休み時間は、授業のことを忘れて、思いっきり遊ぶのです。大事なのは、この「忘れる」ことです。授業のことを引きずらずに、ただ夢中に遊ぶ。野木沢小では、天気がよい日は、ほとんど、校舎内に子どもはいません。みんな外で遊びます。追いかけっこしたり、希望ヶ丘を散策したり、様々です。先生方も一緒になって遊びます。授業時間と遊び時間の切り替えこそが、子どもたちを健康に育てるポイントでもあります。そういう意味で、子どもたちに、毎日、自由に遊べる時間を保障しているこの日課表は、よくできているなあと改めて感心するのです。  

03 育児は育自なり

 石川町は、子どもの健やかな成長を願い、その実現のために、「いしかわ 子ども子育て応援宣言」をしています。そして、次の4つの応援をしていくことを宣言しています。

 いしかわ 4つの応援
 「い」 いつも元気な子どもの笑顔があふれるまちをつくります。
 「し」 しあわせを感じる子育てができる環境をつくります。
 「か」 かんしゃの気持ちを育て、成長を見守ります。
 「わ」 わがまちを愛する人を育てます。

 さて、この4つの応援の中の、「感謝の気持ちを育て、成長を見守ります。」について考えてみたいと思います。

 ここで言っている「感謝」は、誰が、誰に対する感謝なのかということです。おそらく、子どもたちに、お世話になっている人たちに対する「感謝」の気持ちを育てる、という意味になると思います。それはそれで、とても大切なことです。しかし、感謝の気持ちを持つのは、果たして、子どもたちだけでよいのでしょうか?

 結論から言うと、否です。感謝の気持ちを持つべきは、「親」であると考えます。親にとって、子育ては「目的」ではありません。「いや、子育ては目的です。子どもを育ててやっているのです。」という声が聞こえてきそうです。しかし、子育ては目的ではなく、「手段」です。親は、子育てという経験を通して、自分自身を、人として大きく成長させるのです。曰く、「育児は、育自なり」。育児という経験を通して、自分自身を育てる。子育てをしてやっているのではない。子育てをさせてもらっているのです。子どもは、親に、育児という経験をさせるために産まれてきてくれたのです。だから、親は、自分の子どもに感謝しなければならないのです。「子育てさせてくれて、ありがとう」と。
 しかし、私たち親は(私も娘をもつ親ですので)、子育てを目的にして、子育てをしてやってる、という思いで、子どもに接してしまいます。中には、自分の思いを、子どもに強制してしまう場合もある。そういう親に育てられた子どもは、自分に自信を持てず、常に不安で、おどおどして、親や周りの人の顔色を伺いながら、生活してしまいます。しかし、逆に、「子育てさせてくれてありがとう」と親から感謝されながら育った子どもは、自分が愛されている実感を持ち、自信を持って生活し、そして、他の人に優しく接することができるようになるでしょう。

 上記の話を、「親」を「教師」に置き換えても、同じことが言えます。私たち教師は、子どもたちの教育を通して、自分自身が教師として成長することができるのです。だから、子どもたちには、「教育をさせてくれて、ありがとう」「担任をさせてくれてありがとう」と感謝しながら、この仕事をしていかなければならないのです。

04 親の心が軽くなるハッピーな子育て術(その1)

 私がかつて田村市の学校に勤務していたとき、教員と保護者対象の教育講演会が行われました。講師は、明治大学教授の諸富祥彦(もろとみよしひこ)氏。演題は、「親の心が軽くなるハッピーな子育て術」。とにかく笑いの絶えない、とても楽しく、それでいて納得してしまう内容の講演会でした。以下に話の概要を抜粋して掲載します。

 子育ては・・・なるようにしかならない。まさに、子育ては運。いつ、いかなる時に、子どもがよくもわるくも変わるかは、正直わからない。ただ、言えることは、なるようにしかならない。言い換えると、なるようになることが大事。つまり、親の立場から言えば、親が子どもの成長を邪魔しないことが一番。それは、親として子どもに「してはいけないこと」をしないことである。

 子どもの成長にとって、一番大事なことは、親の心が安定していること。だから、してはいけないことの一つ目は、「イライラ、カリカリを子どもにぶつけないこと」。もし、いらいらしてきたら、親の方が子どもから一歩引く。場合によっては、子どもから離れること。そして、場所を変え、イライラカリカリを解消してくる。いらいらして、子どもと対等にやり合うということは、親が「子ども」と同じ立場になっているということ。親は、「大人」なのだから、「子ども」になってはいけない。

 やってはいけないことの二つ目は、「否定的なことを言わないこと」何やってるの、ダメなんだから、馬鹿、しょうがない等の否定的なことを言われ続けた子どもは、自分自身そういう子なんだと受け止めてしまう。そうではなく、肯定的なことを子どもには言うことが大事。さすが、いいね、じょうずだね、大丈夫、きっとできるよ、ここまでできたね、すごいね等。

 してはいけないことの三つ目、「兄弟と比較しないこと」。全くおまえはダメなんだから、等と比較されて否定的なことを言われた子どもは、自分に自信を持てない子になる。だから、全ての子に「自分が一番愛されている」と感じさせることが大事。

05 親の心が軽くなるハッピーな子育て術(その2)


 これら、してはいけないことを親はしないこと。そして、子どもがどんな悩みも打ち明けられる親になること。そのためには、親自身が、人間的に成長することが大切。それは、本気で生きている姿や深く自分を見つめる姿を、子どもに見せること。親が子どもに本気で仕事に打ち込み、深く自分を見つめ、悩み、それでも前に進もうとする姿を見せること。

 男の子を育てている親へ。将来、息子が就職、結婚等で自立できるように、男の子にこそ、しっかり家事を手伝わせること。そうして、フットワークのいい子に育てる。

 女の子を育てている親へ。人間関係で悩んだ時、ちゃんとSOSを出してもらえるように、弱音を吐ける家庭を作っておくこと。そのためには、親自身が家庭内で弱音を吐くモデルになること。

 家庭内で、肯定的な言葉「ごねんね、おねがいね、ありがとうね」を循環させる。親自身のスキンシップを大事にする。そして、自分のことが自分でもわからない思春期でも、会話を大事にし、子どもにはそうした方がいいことを伝える。そのキーワードは「あなたなら、できるよね~」

 いかがでしょうか。思い当たることは何かありましたか。前号でも書きましたが、親は子育てを通して、自分が人間として大きく成長しなければなりません。なぜなら、子どもにとっての、「人間としての生き方のモデルは親」だからです。一緒に過ごす時間の多い身近な親が、子どもの人間としての生き方のモデルになるのは当然です。だから、「こういう子どもになってほしいなあ」と思うことがあれば、まずは、親自身がそういう人間になることです。

 そういう意味で、私は、野木沢小の子どもたちの優しさやあいさつについて、感心しています。友達に対して優しく接することができる子どもがたくさんいます。自分からあいさつができる子どももたくさんいます。これは、きっと、お家の方々が、「優しさのモデル」、「あいさつのモデル」になっているのだと思います。

 私たち教師も同じです。日々、子どもたちと関わりながら、子どもたちのモデルとして、人間としての生き方を追求しています。ある学年の先生は、学年経営の柱に「人間力」を掲げています。人として、当たり前のことを当たり前にできること。人として、他の人と関わりながら生きていくことができること。学力も大切ですが、そういう人としての魅力を、人間力を高めていこうとしています。私も同感です。人として未熟な子どもたちだからこそ、私たち大人が、人としての弱さ、醜さを越えた、人としての健気さ、尊さを教えていかなければならないのだと思います。

06 新入生を迎える会で…

 今年の新入生を迎える会は、内容を見直し、時間短縮で行うことになり、集会委員長の6年矢内玲緒さんの歓迎の言葉の後、1年生の自己紹介とじゃんけん大会となりました。じゃんけん大会は、ステージ上の集会委員長とのじゃんけんでした。1回目、最後は、3年生と4年生の男の子が二人勝ち残りました。その二人で決勝戦をすることになり、フロア中央へそれぞれ出てきました。その時、4年生の男の子と、じゃんけんをする相手の3年生の男の子が、握手をしたのでした。私が見た限り、4年生の男の子から手を出して握手をしたように見えました。それを見て、「いいなあ」と思いました。お互いに最後まで勝ち残ったことをたたえ合うような自然な握手。そして、結果、3年生が勝ち、素直に喜びを表現する3年生の男の子。さらに、それを自分事のように喜び、戻ってきた仲間をハイタッチで迎える3年生の他の子どもたち。2回目は、途中、1年生だけ再度チャレンジでき、結果、1年生の男の子が勝ちました。その子に、全員が送る祝福の拍手…。
 握手をしたり、素直に勝利を喜んだり、仲間の喜びを共感したりするなど、こういう行動が素直に取れる子どもたちは素敵です。じゃんけん大会は遊びです。その遊びを心から愉しむ子どもたちでした。参加していて、心がほっこりするひとときでした。

07 あいさつの距離

 野木沢小学校の子どもは、登校中、街頭指導している地域の方々に自分からあいさつをします。私も街頭指導に立つときがあり、その姿を見るにつけ、その時、いつも感じることがあります。それは、子どもたちのあいさつの距離についてです。
 向こうから子どもが歩いてきます。その子が、どこまで近づいたらあいさつをするか、ということです。私の経験上、野木沢小の子どもたちは、かなり離れた距離からでも、あいさつをする子が多いです。つまり、あいさつの距離が長いということです。このあいさつの距離が短いと、自分より先に相手からあいさつをされてしまいます。けれども、野木沢小の子どもは、あいさつの距離が長いので、結果、相手がしてくるより先に、自分からあいさつをすることになります。あいさつは、言われてやるのではなく、自分からできるのが理想です。そういう意味で、自分からあいさつをしてくる子どもたちがたくさんいることは、とても素晴らしいことです。

08 給食に想う

 結論から言いましょう。野木沢小学校の給食は、美味しいです。きっと、野木沢小学校の子どもたちは、ここしか食べたことがないので、これが当たり前と思っているでしょう。しかし、いろいろな学校の給食を食べてきている先生方は、「ここの給食はうまい」と思っているはずです。

 学校の調理室で、調理員さんが作ってくれる給食を、自校給食と言います。野木沢小は自校給食です。毎日、二人の調理員さんが作ってくださいます。聞くと、石川地区のすべての小中学校は、自校給食だそうです。ですから、ここを卒業した後も、石川中学校の自校給食を食べることになるので、9年間は美味しい給食を食べられるようです。 

 自校給食でない学校は、センター給食となります。学校には調理室がなく、その地区に、給食センターがあり、そこで全ての学校の給食を作り、出来上がりを各学校に搬送します。センター給食と自校給食の一番の違いは、作ってから食べるまでの時間の長さです。自校給食は、出来たてに近い状態で、食べることができます。しかし、センター給食は、運ばれる時間がかかるので、出来たてというわけにはいきません。それでも、センター給食を作っている方々も、美味しい給食を作って下さっていることに違いはありません。

 給食が美味しいというのは、とても重要です。きっと、子どもたちの中には、毎日の献立を覚えていて、給食が楽しみだという子どもがたくさんいると思います。午前中、4校時の授業を頑張った後に、美味しい給食が待っているとしたら、子どもたちは頑張れます。もしかしたら、先生方もそうかもしれません。休むと、美味しい給食が食べられないので、毎日、休まず、学校に行きます。美味しい給食なので、残さず食べます。実際、野木沢小学校の給食の残さいは、ほとんどありません。もりもり食べて、休み時間は、たっぷり遊ぶ子どもたち。こうして、健康な体づくりは進められています。毎日、美味しい給食を作って下さる調理員さんには改めて感謝です。

09 コードF-10中止!

 きっと「コードFって何?」と思われる方はいると思います。コードFは、福島県内のあちこちに隠された宝物を探し出すイベントです。10年前から毎年この時期に開催され、今年は10回目なので、コードF-10です。宝を探す手がかりがかかれた冊子もあります。何日もかけて、福島県内を巡り、全ての宝を探し出すことができると、なんとも言えない達成感があります。経験上、子どもより大人がはまっているケースが多いようです。
 このイベントが、残念ながら、中止となってしまいました。始まったばかりでしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のためです。不要不急の外出は控える状況だけに、仕方ないと思いますが、延期でなく中止なのが残念です。このイベントは、単に宝を探すだけでなく、その近辺の観光もでき、ふるさと再発見的な楽しみ方ができました。是非、また再開することを願うばかりです。

10 新型コロナウイルス感染拡大防止に関して

 政府は「緊急事態宣言」を全都道府県に拡大しました。これにより各都道府県の知事は、さまざまな要請・指示ができるようになります。また、東京、大阪、北海道、茨城、埼玉、千葉、神奈川、石川、岐阜、愛知、京都、兵庫、福岡の13都道府県を、感染拡大防止の取り組みを重点的に進める「特定警戒都道府県」に指定しました。期間は、5月6日までです。これに関連して、今後、福島県、福島県教育委員会、さらに石川町、石川町教育委員会としての対応が示されます。それを受けて、野木沢小学校の児童、教職員の安全確保のための具体的な対応を、保護者の皆様へお知らせしますので、今後、メール等の内容を御確認いただき、御理解・御協力をお願いいたします。